家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~   作:R0

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《雷》の覚悟

「使う必要はないと思っていたんだが、まさか俺の《傲慢の炎》を使わなくてはならないとはな………。少し、甘く見ていたか?」

 

獄寺の《赤炎の雷(フレイムサンダー)》を防いだルシフェルがそう言った。ハルバードと《(トゥリニセッテ)リング》にはオレンジを基調とした虹色の炎が灯っていた。

 

「《傲慢の炎》だと………」

 

「それが君だけの炎ってわけ?」

 

獄寺と雲雀がルシフェルにそう聞いた。

 

「あぁ、そうさ。俺の《大空》をメインとして、《嵐》《雨》《雲》《晴》《雷》《霧》、の《大空》の七属性をダークネスの《闇夜》の炎で融合した炎、それが《傲慢の炎》だ。この炎1つに《大空》の七属性の性質、全てが含まれているぜ」

 

ルシフェルは自分の《傲慢の炎》に関して、そう説明した。獄寺たちは《大空》の七属性の性質、全てが含まれていることに驚いた。

 

「クフフフフ。しかし、《傲慢の炎》とは………。あなたの名前は《ルシフェル》。これは、()()()()()()()悪魔、《ルシファー》の別名………。これはまた浅はか単純、工夫のないことですね」

 

骸がそう感想を言った。

 

「シンプルでまっすぐ、潔いって言ってほしいぜ………」

 

ルシフェルが骸の感想に対して、そう文句を言った。

 

「………まぁ、いいや。そんなことよりも、俺にこの炎を使わせるとは、お前ら6()()、スゲェぜ。褒めてやるよ」

 

ルシフェルが獄寺たちに笑いながら、そう言った。

 

「あれ?6人じゃなくて7人だもんね!!」

 

ルシフェルの言葉にランボが訂正した。

 

「いや、6人だぜ。ランボ、お前は数にいれてない」

 

ルシフェルはランボにそう言った。

 

「なっ!!?なんでなんだもんねーーーー!!!!」

 

ランボがルシフェルに文句を言った。

 

「あいにく、お前には眼中にないんだ」

 

ルシフェルはあっけらかんに言った。

 

「ムキーーーーッ!!!ランボさんを馬鹿にするなーーーー!!!!」

 

「ランボさん、落ち着いて………」

 

クロームがランボを落ち着かせようとしたが………

 

「これでも、くらうもんねーーーー!!!!」

 

クロームの言葉を聞かずに、頭の中から手榴弾を取り出して、投げた。

 

「は~っ………」

 

ルシフェルは呆れたようにして………

 

ブンッ!!!

 

ドカンッ!!!

 

『!!!?』

 

ランボだけではなく、他の6人も驚いた。なぜなら、ルシフェルはランボが投げた手榴弾を()()()()()()使()()()に腕を振るって、風圧で手榴弾を吹き飛ばした。

 

「………言っておくが、俺は別にお前がガキだからって理由でこんなことを言っているわけじゃねぇ。所詮、この世の強弱は年齢も性別も身分も種族も関係ない。強いやつが強い。弱いやつが弱い。ただ、それだけの話だ。ベルゼブブもロヴィーノ教団、最年少にして、俺の次に強いからな」

 

ルシフェルの説明でまだ子供であるベルゼブブがロヴィーノ教団、No.3だということを知って、獄寺たちは驚いた。

 

「でも、お前はただ単に弱い。だから、お前のことは眼中にないんだ」

 

「ぐぴゃっ………」

 

手榴弾を武器を使わず、腕で吹き飛ばされたところを見て、ランボは呆然とした。

 

「それに、お前らだって、わかっているはずだ。そいつが、俺の足元にも及ばないことをな」

 

「くっ………」

 

「っ…………」

 

「ムッ…………」

 

「「「……………」」」

 

ルシフェルが追い討ちを掛けて、獄寺たちも言葉が詰まった。確かに、これは死ぬ気でやればどうにかなるという話ではなかったからだ。それほど、ルシフェルの《傲慢の炎》の恐ろしさを直感で感じていた。

 

「まぁ、そいつをそこに置いたらどうだ?俺は弱者を痛めつける趣味はねぇからな」

 

とルシフェルは興味無さそうに言った。

 

「………チッ!!おい、アホ牛!!!行くぞ!!!」

 

獄寺がランボにそう言った。

 

「!!?いやだもんね!!!ランボさんもやるもんね!!!」

 

ランボが駄々をこねた。

 

「うるせー!!!テメーが居ても邪魔なんだよ!!!!」

 

「ひっ!!?」

 

獄寺がランボに怒鳴り、ランボは小さく悲鳴をあげた。

 

「…………ガ・マ・ン……」

 

ランボはそのあと、目に涙を浮かべながら、とぼとぼと壁際まで歩いて行った。

 

「………獄寺、いくらなんでも言い過ぎじゃねぇのな?」

 

山本が獄寺にそう言った。

 

「………うるせー。そんなことはわかっている。………だがな、あいつはランボが相手にするには、荷が重すぎる……」

 

獄寺が山本にそう答えた。

 

「獄寺………」

 

「………もう、これ以上、仲間を死なせるわけにはいかねぇ…………」

 

獄寺がルシフェルを見て言った。それを聞いて、山本もルシフェルを見た。

 

「それじゃあ、始めるか?」

 

ルシフェルはようやく、始めると思い、そう言った。

 

「あぁ、そうだな…………。まずは、これでも、くらいやがれ!!!《嵐》+《雨》!!!」

 

獄寺は《雨》属性のカートリッジを《赤炎の矢(フレイムアロー)》に差し込み、貫通力の上がった《嵐》の炎を放った。

 

「こんなもの、かわすだけさ」

 

ルシフェルは炎をかわした。

 

「次郎!!!」

 

山本は《ボンゴレギア 雨のネックレスVer.X》から次郎に預けている小刀3本を取り出した。

 

「小次郎!!!」

 

今度は小次郎を呼び出した。

 

「時雨蒼燕流 特式 十の型 《燕特攻(スコントロ・ディ・ローンディネ)》!!!」

 

山本は小次郎を前衛に構えて、水をえぐりながら巻き上げるように突進した。

 

ガキンッ!!!

 

それをルシフェルはハルバードで防いだ。

 

ダッ!!!

 

そこを狙って、雲雀と《修羅道》に入っていた骸がルシフェルの背後から襲いかかった。

 

ガキンッ!!!ガキンッ!!!

 

ルシフェルはハルバードを分裂させて、《傲慢の炎》の刃を出して、雲雀のトンファーと骸の三叉槍を防いだ。

 

「んおーーーー!!!!《極限太陽(マキシマムキャノン)》!!!!」

 

3人の攻撃を防いでいるルシフェルの背後から了平が殴ろうとしていた。

 

スカッ………

 

ルシフェルはそれをしゃがんで、かわして、3人の攻撃をいなした。

 

ドンッ!!!ガンッ!!!ドンッ!!!ガンッ!!!

 

「ガッ!!?」

 

「グッ!!?」

 

「ッ!!?」

 

「くっ!!?」

 

ルシフェルはそのまま、逆立ちをして、回転しながら4人を蹴り飛ばした。

 

「骸様!!?くっ………!!!《限現幻獣(げんじゅう) 喰骸鴉(ががいあ)》!!!」

 

クロームはヴェルデの装置でたくさんの鴉を出して、ルシフェルに向かわせた。

 

「黒曜で見たやつだな」

 

ルシフェルはそれを見て、そう言い、ハルバードを繋ぎ、斧の部分から《傲慢の炎》を伸ばして大鎌にした。

 

「おらっ!!!」

 

ルシフェルはハルバードを振り回した。

 

ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!

 

大鎌から飛び出た《傲慢の炎》が喰骸烏を全て、蹴散らした。

 

「嘘………!!?」

 

クロームは驚いた。

 

「チッ!!複数の炎を使えるのはテメーだけじゃねぇぞ!!!《五赤炎の矢(チンクェ・フレイムアロー)》!!!」

 

獄寺はヴェルデが開発した新たなカートリッジを《赤炎の矢(フレイムアロー)》に差し込み、炎を放った。

 

ドンッ!!!

 

その炎はいくつも分裂して不規則にスピードが上がった。

 

「お前の《嵐》に《雨》《雲》《晴》《雷》が混ざっているのか。確かに強力だ」

 

ルシフェルはそう分析した。あの炎にはおそらく、貫通力も破壊力も上がっていることだろう。

 

「でも、俺は七に対してお前は五、残念ながら、差があるぜ」

 

ルシフェルがそう言うと、大鎌を振るった。そして、炎の刃をいくつも出した。

 

ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!

 

それは、獄寺の炎を全て、撃ち落とした。

 

「なっ!!?」

 

獄寺は驚いたが、そんな暇は無かった。ルシフェルの炎の刃が獄寺に向かっていた。シールドで防ぐにも遅かった。

 

ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!ドンッ!!!

 

「っ………?なっ!!?」

 

獄寺は攻撃をくらわなかったことに疑問を持ったが、すぐにその理由がわかり、驚いた。《球針態》が獄寺を守っていたのだ。

 

「雲雀!!?」

 

獄寺は雲雀を見たが、雲雀は驚愕した顔で自分の《球針態》を見ていた。獄寺がいったいなんだと思い、《球針態》を見てみると………

 

「なっ!!?」

 

驚いた。なぜなら…………

 

ボロッ………ボロッ………ボロッ…………

 

《球針態》が崩れていたからだ。《球針態》の防御力は高いはずだった。いくら能力が落ちているとはいえ、そう簡単に崩れるものではなかった。

 

「気を取られている場合じゃねぇぜ」

 

そう言うとルシフェルは再び、大鎌を振るって炎の刃をいくつも出した。

 

「ッ!!!小次郎、形態変化(カンビオ・フォルマ)!!!」

 

山本の言葉で小次郎は時雨金時と合体して、長刀になった。

 

「《朝利雨月の変則四刀》!!!」

 

初代《雨》の守護者、朝利雨月の武器をモチーフにした武器を山本は持った。

 

「時雨蒼燕流 総集奥義 《時雨之化》!!!」

 

山本は変則四刀で炎の刃に《雨》の炎をぶつけた。そして、炎の刃を停止に近いスピードで止めた。

 

「よしいいぞ、山本!!!」

 

了平が叫んだ。

 

「それは、どうかな?」

 

すると、ルシフェルはハルバードを大鎌から大剣にして、静止に近いスピードで動く炎の刃に近づいた。

 

「こいつは《七属性の一撃(コルポ・セッテ)》の強化版、《傲慢の一撃(コルポ・スペルビア)》!!!」

 

ルシフェルは《傲慢の炎》の大剣で炎の刃を思いっきり、叩きつけた。

 

ドーーーーーンッ!!!

 

叩きつけられた炎の刃は山本の技の効果を無かったかのようにものすごいスピードで獄寺たちに向かった。

 

『なっ!!?』

 

獄寺たちは驚いた。そして、それぞれ急いで、防御にまわった。

 

ドカーーーーーンッ!!!

 

炎の刃は獄寺たちに目掛けて飛び、粉塵が舞った。粉塵が晴れるとそこには……………

 

『ハァッ………ハァッ………ハァッ………ハァッ………』

 

何とか防御は間に合ったが技の威力に体力をかなり、持っていかれた。

 

「ハハハ、がんばったけど、ここまでだな。お前ら、俺が《傲慢の炎》を使ってから攻撃が当たっていないし、さっき、お前らが当てた攻撃もそこまでの深手は負ってねぇしな」

 

ルシフェルの言うとおりだった。雲雀と了平が当てた攻撃はそこまで効いてないかのように動いていた。

 

「だからって、なんだ………そんなの………関係ねぇ………」

 

「そうなのな………。ツナは………《人類至上サイキョウの人間》のダークネスを1人で互角に戦ったのな。それなのに、俺たちがダークネスよりも弱いお前に負けてたまるのな!!!」

 

「極限にそうだ!!!俺たちは沢田の意思を受け継いでいるんだ!!!」

 

獄寺、山本、了平がそう言った。雲雀、骸、クロームは何も言わなかったが負けられないという思いは同じだった。

 

「……………!!?」

 

ルシフェルは驚いた顔をしていた。すると…………

 

「………くくく、ハーハッハッハッハッハッハッハハハハハハハハハハハハ、ハーハッハッハッハッハッハハハハハハハハハ!!!!」

 

思いっきり笑い出した。

 

「な、何が、おかしいんだ!!?」

 

獄寺がルシフェルにそう言った。

 

「ハハハハハハッ………、……あぁ……、いやぁ、すまん、すまん。あまりにもおかしくてな。………お前ら1つ勘違いしているぜ………」

 

「勘違いって、何?」

 

ルシフェルの言葉にクロームが聞いた。

 

「ダークネスと沢田綱吉が互角だったって話だ」

 

「クフフ、それのどこがおかしいのですか?」

 

今度は骸が聞いた。それにルシフェルは答えた。

 

「あの時のダークネスは()()()()()()()()()()()()()ぜ」

 

『!!!??』

 

ルシフェルの言葉に獄寺たちは驚いた。

 

「本気を出していないって?」

 

雲雀がそう言った。

 

「あぁ、扉があった場所でも言ったが、あいつはバトルマニアじゃねぇ。あいつが本気を出すなんて滅多にねぇな。沢田綱吉のときもそうだ。あいつは精々、三、四割程度しか出していねぇな」

 

ルシフェルの言葉で獄寺は言葉が出なかった。それは、つまり…………

 

「まぁ、三、四割程度しか出していないとはいえ、互角に戦っていたから確かにすごかったな………。だが、それでも三、四割程度で、沢田綱吉は負けて死んだんだ。だから、あいつが十割、本気を出していたら、瞬殺だったぜ」

 

《人類至上サイキョウの人間》ダークネスのあまりにも高すぎる実力を思い知らされることになった。

 

「………えっ?死んだ?ツナが?」

 

すると、壁際にいたランボがそう言った。

 

『!!?』

 

獄寺たちはまずいと思った。ランボ、イーピン、フゥ太にはツナが死んだことを伝えていなかったのだ。

 

「ツナが死んだ?どういうことだもんね?」

 

ランボがどういうことかわからず、聞いた。

 

「なんだ?お前、知らなかったのか?沢田綱吉は2日ほど前に死んでいるぜ」

 

「テメー、やめろ!!!」

 

獄寺が止めようとしたがルシフェルはランボにそう言った。

 

「ツナが………死んだ………。………嘘………だもんね………」

 

ランボは信じることができなかった。なんだかんだ言って自分たちの面倒を見てくれた兄のような存在だったツナが死んだことにどうしても信じられなかった。

 

「嘘じゃねぇって、沢田綱吉は死んだって言ってるだろ」

 

しかし、ルシフェルは無慈悲に言った。

 

「ツナが…………死んだ………。……うっ………うっ……うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーん!!!!」

 

ツナが死んだショックでランボが泣き出した。

 

「くっ………!!!」

 

獄寺たちは悲痛な顔をしていた。

 

「………………」

 

ルシフェルは興味無さそうに見ていた。

 

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーん!!!!ツナーーーーーーーーー!!!!」

 

すると、ランボは頭のもじゃもじゃから《ボンゴレギア 雷のヘルムVer.X》を取り出した。

 

「牛ーどーーーーん!!!!」

 

そこから、《雷牛(ブーファロ・フールミネ ) Ver.X 》の牛丼を呼び出した。

 

「モオォォォォーーーーー!!!!」

 

すると、牛丼は緑色の光になって、ランボと合体した。牛丼が《形態変化(カンビオ・フォルマ)》したようだ。牛丼は初代《雷》の守護者、ランポウの武器をモチーフにした《ランポウの(シールド)》になった。盾は《雷》の炎を放っていた。

 

(《雷の角(コルナ・フールミネ)》か。その程度の速さはかわせる)

 

ルシフェルはそんなことを考えていた。

 

「ツナーーーーーーーーー!!!!」

 

ランボは泣きながら、《雷》の炎をルシフェルに向けて放った。

 

ビュンッ!!!!

 

「ッ!!?(速い!!?)」

 

ランボの《雷》の炎が雷光の速さでルシフェルに向かった。そして…………

 

グサッ!!!グサッ!!!グサッ!!!グサッ!!!グサッ!!!グサッ!!!グサッ!!!グサッ!!!

 

「ガハッ………!!?」

 

「《雷光の角(コルナ・ランペッジャメント)》!!!」

 

ランボの技がルシフェルの体をいくつも貫いた。


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