家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~   作:R0

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すみません。戦闘シーンまで行くことができませんでした。

今回、ツナたちの新たな敵の詳細の一部が発覚します。


新たな敵、襲撃!

「ここが、《並盛中学校》か…」

 

『並盛中学校』の校門前に立つメッシュの男。男は校門を通って中に入った。

 

「さて、どこに行けば会えるのかな」

 

男は自分の目的に必要なものを探していた。しかし、具体的な場所まではわかっていなくて、手詰まりになっていた。

 

「こりゃあ~、参ったな~」

 

男は頭を掻きながら、どうしようか考えていた。別にどうしても急がなくてはならないわけではない。しかし、なるべく早めにした方がいいのも事実。

 

「……ここでひと暴れすれば、誰か出てくるかな?」

 

男には『誰かに尋ねる』という考えはないみたいだ。まぁ、それもそうだろう。今の男は紛れもない不審者だ。まともに聞いてもらえるはずがない。そのうえ、男の周りには誰もいない。

 

「み~ど~り~、たな~びく~。な~み~も~り~の~♪」

 

「ん?」

 

すると、いきなり歌う声が上から聞こえたため、メッシュの男は空を見上げた。そこには黄色い小さな丸っこい鳥が空を飛びながら歌っていたのだった。

 

「だ~いな~く、小~なく~、な~み~が~いい~♪」

 

「なんだ、あの鳥?ヒヨコか?それとも人の言葉を話すからオウムか?」

 

メッシュの男が自分の来た目的を忘れて、その鳥を観察していると………

 

「ねぇ…」

 

1人の少年が声をかけた。

 

「君、どう見ても、並中の関係者じゃないよね?不法侵入で咬み殺すよ?」

 

メッシュの男にそう言ったのは、黒い髪に切れ目で学ランを肩に羽織って、学ランの左腕の袖に『風紀』と書かれた腕章を付けていて、左手首にはブレスレットを付けた少年だった。少年は男に向かってトンファーを構えていた。

 

「と~も~に~歌~お~う~、な~み~も~り中~♪」

 

そして、歌を歌っていた鳥は歌い終わるのと同時に少年の肩に止まった。

 

「………」

 

一方で少年に声をかけられた男は黙っていた。

 

「ねぇ、何無視しているの?」

 

少年は不機嫌そうに言った。それに対し男はうつむいて…、

 

ニヤッ

 

薄く笑っていた。

 

「?」

 

少年は何故笑っているのかわからなかった。それに少年は気づいてなかった。うつむいたことで前髪によって隠れた目は

 

まるで獲物を見つけたような目をしていたことに…。

 

 

 

 

ほぼ同時刻

 

ツナはいつも通りに授業を受けていた。しかし、朝にあった悪寒が学校に着いてからも治まることはなく、むしろ、悪寒が来るたびにそれが酷くなっていくのであった。休み時間になるたびに獄寺たちに心配されるが、ツナは全て「大丈夫だよ」と返した。

 

そして、今は昼休みが終わり、午後の授業の最中である。

 

(本当に今日はどうしたんだろう…?)

 

授業中、ツナはそんなことを考えていた。

 

(こんなこと初めてだよ…。いままでも嫌な感じはあったけど、これはその比じゃないよ…)

 

教卓で黒板に書かれていたことを説明する教師の声をツナは聞き流していた。

 

(獄寺くんたちに心配かけているし、帰ったら、リボーンに相談しようかな…。『気のせいだろ』って言われそうだけど…)

 

リボーンも似たようなものを感じていたことを知らないツナはそう思い苦笑いしていると…、

 

ゾクッゾクッ

 

(っ……!?まただ!!しかも、いままでで一番だ!!)

 

「……だ」

 

(いったい、なんなんだよ…。本当に…)

 

「…わだ」

 

(やっぱり、リボーンに相談しよう!ちゃんと説明すればあいつも…)

 

「沢田!!」

 

「は、はい!!」

 

考え事に夢中だったツナは教師に名前を呼ばれていることに気づかず、思わず立ち上がった。

 

(ヤバッ、全然話聞いてなかった。ああ、立たされるの嫌だな~。…ってあれ?)

 

気がつくと周りの生徒たちはツナのほうを向いて心配そうな顔していた。

 

「沢田、大丈夫か?顔色悪いが」

 

「え?」

 

ツナが驚いていると

 

「ツナ君、先生の言うとおりだよ。朝よりも顔色酷いよ」

 

隣の席の京子がツナに向かってそう言った。

 

「え、そう?」

 

「うん、保健室に行ったほうがいいよ」

 

「笹川の言うとおりですよ。俺がシャマルの野郎に言っておくので10代目はしっかり休んでください」

 

「でも……」

 

「無理すんなって、ツナ」

 

「山本……」

 

「ここで無理して、あとで倒れたら、そっちのほうが大変なのな」

 

「……うん。わかった」

 

「それなら、さっそく行きましょう!」

 

とツナと獄寺が保健室へ向かおうとすると

 

ガララッ

 

「授業中失礼する!!」

 

そう言って教室に入ってきたのは、学ランにリーゼントに葉っぱをくわえた男、並中風紀委員副委員長の草壁哲矢だった。

 

「ど、どうしたのですか?」

 

教師がそう聞くと

 

「急だが本日の授業は全て中止だ!!教師、生徒は全員ただちに帰宅するように!!」

 

草壁がそう言うと周り騒いだ。すぐに教師は尋ねた。

 

「いったい、何があったのですか?」

 

すると草壁は

 

「ここに不審者が侵入した」

 

と答えた。

 

ゾクッゾクッゾクッ

 

(っ……!?これは……!?もしかして、その不審者がこの嫌な感じの原因…?)

 

ツナがそう思っているのをよそに周りの生徒たちは

 

「不審者?」

 

「雲雀さんがいるから大丈夫じゃないのか?」

 

「それに鈴木先輩もいるし」

 

と混乱していた。

 

すると、

 

ヒュー……

 

ガシャン!!

 

『!!!』

 

何かが窓のほうから飛んできて教室へと突き破ってきて、ツナたちの目の前で止まった。その何かとは…

 

「雲雀さん!!」

 

「委員長!!」

 

「ヒバリ、ヒバリ」

 

並中風紀委員委員長でツナの《雲》の守護者、雲雀恭弥だった。彼の飼っている鳥、ヒバードも雲雀の名前を言っていた。

 

しかし、彼の格好は普段学校で来ているものではなかった。背中に『風紀』と刺繍された改造学ランだった。しかも、ボロボロだった。

 

「ひ、雲雀さん…?」

 

「な、なんで、雲雀さんが飛んできたの?」

 

「そ、それに、雲雀さんのあの格好なんだ?しかも、なんで、ボロボロなんだ?」

 

周りの生徒たちは先程よりも騒いでいた。その中でツナは雲雀に近づいた。

 

「雲雀さん?いったい…「ねぇ、小動物」は、はい!!」

 

「あれ、また君たちに関係してるの?」

 

と雲雀は自分が突き破った壁に指さした。

 

「あれ?」

 

とツナたちが雲雀がさしたほうへ向くと

 

トン…

 

メッシュの髪した男がオレンジ色の炎が纏っている戦斧と槍を合わせた武器を担いで空いた穴から教室に入ってきた。

 

「お、ラッキー♪一気に目的の場所についた♪」

 

とメッシュの男が何か言っていたがそんなのは関係なかった。

 

(あいつだ!!あいつがこの嫌な感じの原因だ!!)

 

ツナは自分の悪寒の原因を確信した。

 

「な、なんだよ…、あいつ!?」

 

「え、あいつ、今、外から入ってきたよな?ここ、3階だぞ!?」

 

「それに、手に持っている武器…。あれ、燃えているよ!!」

 

生徒たちはもう収拾がつかないぐらい騒いでいた。その生徒たちを止めたのは

 

「ねぇ、君たち?」

 

雲雀だった。雲雀の声を聞いた生徒たちはみんな黙った。

 

「副委員長の言葉、聞いてなかったの?臨時休校だからすぐに帰宅するようにって?」

 

『い、いえ!しっかり、聞いてました!!』

 

「それなら、早く帰りなよ」

 

『は、はい~!!』

 

生徒たちや教師はみんな急いで出ていった。

 

「ツナくん…」

 

京子は心配そうにツナを見た。

 

「京子ちゃん、俺なら大丈夫だから早く逃げて」

 

「う、うん…。気をつけてね」

 

「京子、早く!」

 

そう言って、京子は親友の黒川花と一緒に出ていった。

 

「副委員長、そっちは君に任せたよ」

 

「はい!!委員長!!」

 

そう言って、草壁も出ていった。

 

今、教室に残っているのは、ツナ、獄寺、山本、雲雀、クローム、炎真、炎真の《沼》の守護者、SHITT・P!の7人

 

獄寺はふとツナのほうへ向くと

 

「10代目、お体は…」

 

心配そうに声をかけた。ツナは獄寺を安心させるように言った。

 

「大丈夫だよ、獄寺君。あいつが今回の体調不良の原因でもあるからね」

 

ツナはメッシュの男へ向いた。すると、

 

「沢田!!極限に無事か!!」

 

「炎真!!」

 

「結局、これはどういうことだ!!」

 

「炎真、山本…」

 

「炎真にみんな、大丈夫かい?」

 

「アララ~。これは酷いなぁ~」

 

と教室に入ってきたのは、

 

京子の兄でツナの《晴》の守護者、笹川了平

 

炎真の《氷河》の守護者、鈴木アーデルハイト

 

同じく、《森》の守護者、青葉紅葉

 

同じく、《川》の守護者、水野薫

 

同じく、《山》の守護者、大山らうじ

 

同じく、《砂漠》の守護者、加藤ジュリー

 

ちなみにジュリーはパチンコでさぼろうとしていたのをアーデルに無理矢理連れてこられていたのだ。

 

「おぉ~、ボンゴレもシモンも、並中にいるやつ全員集合だな」

 

メッシュの男は飄々と言った。それに対し、獄寺が怒鳴った。

 

「テメー、何者だ!!それから、どこのファミリーのものだ!!」

 

「俺が何者でどこのファミリーかって?そうだな、取りあえず自己紹介しようか」

 

そう言って男は担いでいた武器を下ろした。そして、男は名乗った。

 

「俺は『ロヴィーノ教団』、『大罪の7人(ペッカート・セッテ)』の『大空の大罪』、《ルシフェル》だ」

 

メッシュの男、ルシフェルはそう言って自分の武器、ハルバードをツナたちに向けた。

 

「教団?マフィアじゃないのか?」

 

アーデルが代表して尋ねると

 

「ああ、俺たちの組織が何かって言われたら、宗教団体だな」

 

とルシフェルは答え、皆は驚いた。次に獄寺がぼろぼろの雲雀を見て尋ねた。

 

「マフィアでも宗教団体でもどっちでもいいが、テメーみたいな雲雀の野郎をここまでボロボロにするやつがいるなんて聞いたことねえぞ!!」

 

獄寺の言葉に雲雀がムッと顔をしかめたが、そんなことは気にせず、

 

「まぁ、そりゃそうだろうね。むしろ、知っていたら、こっちがびっくりだよ」

 

ルシフェルは素っ気なく返した。ほかにも色々と聞きたいことはあったが、今、一番聞きたいことをツナが尋ねた。

 

「…お前の目的はなんだ?」

 

そう言うとルシフェルは薄く笑い、

 

「雲雀恭弥に一回、言っているが…まぁ、もう一度言ってやるよ。俺の目的はまず、お前だ」

 

とルシフェルが指差したほうは…

 

「俺!?」

 

ツナだった。皆が驚いているなかルシフェルは続けた。

 

「そう。沢田綱吉と、そして、お前らの()()が欲しいんだ」

 

そう言って、ルシフェルはスーツのポケットからあるものを取り出した。

 

『!!!』

 

雲雀以外の皆、特にクロームが驚いた。

 

ルシフェルが取り出したものは三本の嘴のような刃があるイヤリングだった。

 

「そ、それは……」

 

クロームは上擦った声でそれが何かを答えた。

 

「骸様のVG(ボンゴレギア)!!」

 

そう、ツナのもう一人の《霧》の守護者でクロームの大切な人、六道骸が持っている筈の《ボンゴレギア 霧のイヤリングVer.X》だった。

 




ルシフェルが持っていた骸のボンゴレギア。何故、彼がそれを持っているのか?そして、ツナたちとルシフェルの初戦闘が始まる。

※次回こそは戦闘シーンに入ります。

※ちなみに薫の属性は『川』で特性は『貫通』にしています。

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