家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~   作:R0

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黒曜&跳ね馬&バジルVS雨の大罪&霧の大罪

ジャバウォック、久与田豪、エンヴィーが撃破された。次は、《雨》と《霧》の紋章の扉を見てみよう。

 

《雨》と《霧》の扉に入ったのは城島犬、柿本千種、M・M、フラン、ディーノ、バジルだった。彼らは長い洞窟を潜り抜けていた。

 

「あ~~~、ミー、疲れました~~~」

 

「正直、めんどい……」

 

「フラン!!柿ピー!!しっかりするんらぴょん!!」

 

「そうよ!!もっと、シャキッとしなさいよ!!」

 

疲れたやめんどくさいと言うフランと千種に犬とM・Mが叱咤した。

 

「しかし、長い洞窟ですね………」

 

「あぁ、だが、気を引き締めろよ………、この先にいるのは…………」

 

「リリスとスロウス………、2人の《大罪の7人(ペッカート・セッテ)》ですね………」

 

「そうだな、ルシフェルはその2人が7人の中で弱い部類って言っていたが………それが、イコール弱いって言うわけではない。寧ろ、2人共強いはずだ。しかも、2人一緒に来るとなると、ある意味、一番厄介かもしれない………。………ったく、リボーンの奴も面倒なことを頼んだな…………」

 

バジルとディーノは走りながら2人で話していた。ディーノはそう言ったが、負けるつもりは毛頭も無いという顔をして言った。

 

「………だが、俺たちは負けられない!!」

 

「………そうですね。地球を滅ぼさないためにも………、そして……………」

 

そう言うと、バジルはこの島に来る前の家光との電話での会話を思い出した。

 

 

 

 

ロヴィーノ教団がロヴィーノを復活させようと世界規模の大地震を起こして、各自、準備をしているときに、バジルは家光に電話で話していた。

 

「………そういうわけで、拙者たちは、ロヴィーノ教団の計画を阻止するために出ます」

 

『…………そうか』

 

電話の向こうから聞こえる家光の声に生気を感じられなかった。当然だ、息子のツナが死んだのだ。

 

『……………こんなことになるんだったら、ラルの言うとおり、ツナと連絡しておけばよかったな……………』

 

「親方様………」

 

バジルは心を痛めた。バジルは炎真と同様、ツナたちを救いに行ったのに、結果的にツナを死なせてしまった。それにより、バジルも絶望に堕ちてしまっていた。

 

『俺は情けないな………。この怪我のせいで息子の敵討ちにも行けないからな………』

 

「……………」

 

『…………バジル』

 

「!!はい!!!」

 

『頼む………。俺の代わりに………、ツナの想いに………応えてくれ………』

 

家光はだんだんと嗚咽混じりになりながら言った。

 

「!!わかりました!!必ず、拙者たちが沢田殿の想いに応えてみせます!!!」

 

バジルは家光にそう言った。

 

 

 

 

「…………沢田殿の想いに応えるためにも…………」

 

「!!あぁ…………」

 

2人がそう話していると、目の前から光が見えた。

 

「出口らぴょん!!」

 

「あの女………、次は倒して見せるわ………!!」

 

「あ~~~、ミー、帰っていいですか~~~」

 

「駄目だよ、フラン…………」

 

黒曜メンバーがそう言いながらも、全員、出口を通った。

 

出口を通るとそこは、やはり、ジャバウォック、豪、エンヴィーがいた場所と同様、扉があった場所と似たような空間だった。そして、そこにいたのは………

 

「うふふ、待っていたわよ♪」

 

《霧の大罪》、リリスと

 

「Zzz…………、Zzz…………」

 

アイマスクをつけて寝ていた、《雨の大罪》、スロウスだった。

 

「………って、ちょっと、スロウス!!いつまで寝ているの!?敵が来たわよ!!!」

 

そんな、スロウスを起こそうと、リリスが叫んだ。

 

「…………何やっているんですか?」

 

「なんか、あのボサボサ頭、柿ピーに似ているぴょん!!」

 

「怒るよ?犬」

 

「あいつらがリリスとスロウスか…………。リリスはともかく、スロウスっていう奴、本当に覇気を感じられないな………」

 

「えぇ、ですが、リボーンさんの話では、その覇気の無さが彼の強さ………」

 

フラン、犬、千種、ディーノ、バジルがリリスとスロウスを見て、そう言った。

 

「そんなのどうでもいいわよ!!攻撃するなら今がチャンスよ!!」

 

そう言って、M・Mは修理してもらったクラリネットを2人に向けて吹こうとした。

 

「ちょっと待て、M・M!!それは早計だ!!」

 

ディーノが止めようとしたが、遅く、M・Mはクラリネットを吹いた。クラリネットから出た特殊な音波はリリスとスロウスの2人に襲いかかった。ところが………

 

ドンッ!!

 

『!!?』

 

2人に襲いかかる前に巨大な植物の蔓が地面から出てきて、2人の代わりに音波を受けて………

 

バンッ!!

 

爆発した。

 

「もう~、不意打ちなんて酷いじゃないの?」

 

リリスがリングを構えながらこちらを見て、そう言った。どうやら、今の巨大な植物の蔓はリリスの有幻覚のようだ。

 

「くっ………!!」

 

M・Mは悔しそうにしていた。

 

「それは………!!?」

 

バジルがリリスのリングを見て驚きの声をあげた。

 

「あら?これのことを言っているのかしら?ふふ、あなたたちの想像通り、《(トゥリニセッテ)リング》よ♪」

 

リリスはそう言うとリングをディーノたちに見せた。そのリングは藍色のおしゃぶりの形をした石に翼が生えていた。そして、おしゃぶりには《霧》の紋章があった。どうやら、それが《霧》の《(トゥリニセッテ)リング》のようだ。

 

「それにしても、M・M、さっきも言ったけど、人が寝ている人を起こしているときに不意打ちなんて酷くないかしら?」

 

リリスはM・Mに向けてそう言った。

 

「ふん!前回はあんたに私のクラリネットを壊されたからね、もう、とっとと決めようと思っただけよ!!」

 

M・Mはリリスにそう言い返した。

 

「うふふ、強気なことね♪」

 

「ふん!そう強がっているのも今のうちよ!!()()()()!!」

 

とM・Mがそう言うと

 

ピキッ……

 

「誰がおばさんよ!!?私はまだ22よ、小娘!!!」

 

リリスが青筋を浮かばせながら、M・Mに怒鳴った。

 

「十分におばさんじゃない!!」

 

「何ですって!!?」

 

M・Mとリリスの間に女の戦いという名の口論が始まってしまった。

 

(((((入れない…………)))))

 

ディーノたち、男性陣はその迫力に入り込めなかった。そんな口論を止めたのは…………

 

「…………おいっ………」

 

スロウスだった。どうやら、起きたらしく、アイマスクを外して、M・Mに向かって言った。

 

「………M・M、…………お前は………その()()()()に………手も足もでずに………負けたんだぞ………」

 

「ッ………!!」

 

スロウスの言葉にM・Mは言葉が詰まり、黙ってしまった。

 

「ちょっと、スロウス!!なに、あなたまで私のことをおばさん扱いしてるのよ!!?私のことをおばさん扱いするなら、私よりも歳上で24のあなたはおじさんってことになるわよ!!!」

 

「そうだな」

 

「なんで、そういうのは即答で答えるのよ!!?いつものあなたは、必ず間を開けて話すくせに!!!しかも、否定じゃなくて、肯定だし!!!っていうか、いつから起きていたのよ!!?」

 

「…………お前が………『うふふ、待っていたわよ』…………って、………言ったときから」

 

「それ、最初からじゃない!!!なんで、起きなかったのよ!!!?」

 

「………怠かったから………」

 

「あ~~~~~、もう~~~~!!!」

 

今度はリリスとスロウスで口論を始めた。ほとんどリリスが一方的に言っているだけだが………。

 

「あいつら、本当になにやっているらぴょん?」

 

「仲間割れだね………」

 

「何だか、ミー、馬鹿らしくなってきました」

 

「……本当ね、何だか、あんな女に負けたのが余計に納得できなくなったわ」

 

「ですが、気をつけたほうがいいです。ほら、スロウスにも《(トゥリニセッテ)リング》が………」

 

バジルの言うとおり、スロウスの右手の中指には青色のおしゃぶりの形をした石に翼が生えていた。そして、おしゃぶりには《雨》の紋章があった。どうやら、それが《雨》の《(トゥリニセッテ)リング》のようだ。

 

(あれ?その理屈でいくと…………俺もおじさん…………?)

 

とバジルたちがそう言っているのをよそに、リリスと同い年のディーノがショックを受けていた。

 

「そんなことよりも、ここには、剣と装置のどちらがあるのですか!?」

 

バジルが2人に聞いた。

 

「……あぁ、………それなら、………装置が………あるぞ………」

 

「スロウス!!私の話を聞きなさい!!」

 

スロウスがリリスの小言を無視して、言った。

 

「………どうでもいいだろ、………そんなこと………。………今、………大事なことは…………こいつらの………()()だろ………?」

 

スロウスがそう言うと10個の爪状のアーマーリングを両手の全ての指先に嵌めた。

 

「ッ!!(………まさか、その武器を使うなんてね…………。普段はナイフなのにね…………。スロウスなりに本気ってことね………)………そうね、その通りね……。私たちはこの計画を成功しなければならないものね……」

 

リリスがそう言うと、ディーノたちに振り向いた。

 

「まずは、2人、戦闘不能にするわ」

 

パンッ!!

 

リリスはそう言うと、手拍子を1つした。すると………

 

「「グッ!!」」

 

犬と千種が苦しみだした。

 

「犬!!千種!!」

 

M・Mが叫んだ。

 

「M・Mとフランは知っているわよね?この2人には過去のトラウマを思い出させているのよ。………っていうか、なんで、私たちのところに城島犬と柿本千種が来たのよ?以前の戦いでこうなることわからなかったのかしら?まぁ、これで2人、戦闘不能ね」

 

リリスが呆れたように言った。

 

「それは、どうなんでしょうか~~~」

 

とフランが言った。

 

「何ですって?」

 

フランの言葉にリリスがそう言うと、

 

「……こ、こんなもん………もう………効くかぴょん!!!」

 

「……ハァッ!!」

 

犬と千種がリリスの幻術を打ち破った。

 

「嘘!!?」

 

リリスは驚いた。

 

「ここに来る前のししょ~たちとの特訓で犬先輩と千種先輩はトラウマを克服したんですよ~」

 

フランがリリスにそう説明した。

 

「………悪いけど、それはもう効かないよ………」

 

千種がそう捕捉した。

 

「どうよ!!あんたのお得意のそれは私たちには使えないわよ!!お・ば・さ・ん♪」

 

「くっ…………」

 

M・Mの言葉にリリスが青筋を浮かばせながら悔しそうにしていた。

 

「へっ!!……………!!?跳ね馬!!後ろらぴょん!!」

 

「!!?おっと!!!」

 

犬の言葉にディーノがすぐにそばから離れた。そこには、スロウスがディーノの後ろから爪で攻撃しようとしていた。

 

「……………なぜ、…………俺の………居場所が…………わかった?」

 

スロウスは犬にそう聞いた。

 

「へっ!!俺の勘をなめんじゃねえぴょん!!」

 

「厳密に言えば、野生の嗅覚っていうやつで~す。犬センパイはいろいろな動物の能力を得たことで五感も優れたのですよ~。……………馬鹿ですけど」

 

「おい、フラン!!テメー、何言ってんらぴょん!!!」

 

それをフランが説明した。

 

「まぁ、そういうわけだから、お前ら相手の対策はしているのさ」

 

ディーノがリリスとスロウスの2人にそう言った。

 

「次は、こちらの番です!!アルフィン!!」

 

「スクーデリア!!」

 

バジルが匣から《雨イルカ(デルフィーノ・ディ・ピオッジャ)》のアルフィン、ディーノは《天馬(カヴァッロ・アラート)》のスクーデリアを出した。

 

「…………かなり………精度の………高いリングを………使っているな…………」

 

スロウスがディーノたちのリングを見て言った。

 

「ああ、俺たちは(トゥリニセッテ)もヴァリアーリングもシモンリングも持っていないからな。9代目がタルボ爺に依頼して、俺たち用のAランクのリングを用意してもらったんだ」

 

ディーノがそう説明した。

 

「まぁ、無駄口もそれぐらいにして行かせてもらうぜ!!」

 

ディーノがそう言うと、《大空》の炎が纏った鞭をスロウスに向けて振るった。

 

「…………」

 

ビシッ!!

 

スロウスは爪に《怠惰の炎》を纏わせてディーノの鞭を防いだ。

 

「次はこれです!!」

 

超死ぬ気モードに入っていたバジルが《雨》の炎を纏わせたメタルエッジで攻撃してきた。

 

「……………」

 

ガキンッ!!

 

しかし、これもまた、スロウスは爪で防いだ。

 

「…………」

 

すると、スロウスがポケットから石を取り出して、上に放り投げた。

 

「「?」」

 

ディーノとバジルはスロウスが何をしようとしているのか、わからなく、放り投げられた石を見た。しかし、

 

「「!!!」」

 

視線を戻すとスロウスの姿が消えた。2人はスロウスを探した。

 

「バジル!!後ろらぴょん!!!」

 

いつの間にか、《ウルフチャンネル》に入っていた犬がより強化された嗅覚でスロウスを見つけて、バジルに言った。

 

「!!?くっ………!!?」

 

ガキンッ!!

 

バジルのメタルエッジとスロウスの爪がぶつかった。2人はすぐに距離を取った。

 

「……………《視線誘導(ミスディレクション)》か」

 

「ミスディレクション?」

 

「手品とかでも使われる相手の視線を誘導するテクニックのことだ。さっき、あいつが投げた石、俺たちはあれに無意識に気をとられて、スロウスから注意がそれた。その間にスロウスは移動した。ただでさえ存在感が薄いあいつだから戦闘で使える方法だな………」

 

ディーノがバジルたちに説明した。

 

「…………だけど、………いくら…………消えても………城島犬の…………嗅覚が……………ウザイ………」

 

スロウスが犬のほうを見ながら言った。

 

「へっ!!そう簡単にテメーの思い通りにはさせねえぴょん!!!」

 

それに対して、犬が言った。

 

「とにかく、俺たちはスロウスをなんとかするぞ!!」

 

「はい!!」

 

「わかったぴょん!!」

 

ディーノ、バジル、犬はスロウスの相手をすることになった。そして、激戦が始まろうとしていた。

 

 

 

 

一方、こちらは、千種、M・M、フランとリリス。

 

「あなたの相手は私たちよ!!おばさん!!!」

 

「だから、私はおばさんじゃないって言っているでしょ!!!」

 

「何だか、ミーたち、置いてきぼりですね……」

 

「……めんどい………」

 

…………戦いが始まろうとしていた。

 

「これでも、くらいなさい!!小娘!!!」

 

リリスは棘付き鞭をM・Mに向かって振るった。

 

「ふん!!こんなもの、効かないよ!!!」

 

M・Mはクラリネットをヌンチャクにして、棘付き鞭に対抗した。

 

ビシッ!!バシッ!!ビシッ!!バシッ!!ビシッ!!バシッ!!ビシッ!!バシッ!!ビシッ!!

 

棘付き鞭とクラリネットがぶつかり合った。

 

「千種!!フラン!!今よ!!」

 

「あ。ミーたちに頼るという冷静さは残っていたのですか………」

 

「…………わかった」

 

M・Mに言われて、フランはヴェルデの装置を使ってリンゴ型の爆弾、千種はヘッジホッグから毒針をリリスに向かって放った。

 

「こんなもの、当たらないわよ!!」

 

ドンッ!!ドンッ!!

 

ドカンッ!!ドカンッ!!ドカンッ!!ドカンッ!!

 

リリスは《色欲の炎》で巨大な蔓を2つ出して、爆弾と毒針を防いだ。

 

「次はこれよ!!」

 

そして、リリスはそのまま、蔓を3人にぶつけようと動かした。

 

「「「!!?」」」

 

3人はさすがにまずいと思ってかわした。

 

ドカンッ!!

 

「………これでも、まだくたばらないのね……」

 

リリスはかわした3人を見て言った。

 

「ハッ!!」

 

すると、千種がヘッジホッグを直接ぶつけようとリリスに放った。

 

「ふん!!」

 

リリスはそれを棘付き鞭で弾いた。

 

「~♪~♪」

 

次は、M・Mがクラリネットを吹いた。

 

「!?」

 

リリスもM・Mの《バーニングビブラート》はまずいと思って蔓で防いだ。

 

ドカンッ!!

 

蔓は爆発した。

 

「なかなか、やるじゃない、M・M!!」

 

「ふん!!あんたもね、リリス!!」

 

こちらも激戦が始まろうとしていた。




ディーノに関して、おかしいところがあったと思いますがとりあえず今のところは気にしないでください。

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