家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~   作:R0

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シモンファミリーvs晴の大罪

ヴァリアー、ミルフィオーレと続いて、次は《晴》の紋章の扉を進んだ、古里炎真、鈴木アーデルハイト、青葉紅葉、SHITT・P!、水野薫、大山らうじ、加藤ジュリーの7人、シモンファミリーを見てみるとしよう。

 

 

 

 

扉をくぐった先はやはり、長い洞窟が続いていた。7人はそれを走り続けた。

 

「はぁっ………、はぁっ………」

 

巨漢の男、らうじは息切れをしていた。らうじの体型では長時間、走り続けるのはきつかったかもしれない。

 

「大丈夫、らうじ?」

 

「結局、だらしないぞ!!」

 

「そんなことを言うな。らうじも頑張っているんだ。無理するなよ」

 

「……はぁっ………うん、ありがとう。……はぁっ……大丈夫だよ」

 

そんな、らうじを炎真が心配して、紅葉が叱咤して、それを薫が宥めてらうじを励ました。それに対してらうじは皆に心配かけないように言った。

 

「俺も疲れたな~。ちょっと、休もっかな~?」

 

「あなたは、疲れてないでしょ!!それに、休んでる暇はないわよ!!」

 

バシッ!!

 

「痛っ!!」

 

こんな時にサボろうとしていたジュリーをアーデルが鉄扇ではたいた。

 

「そうだよ、ジュリー!!僕たちはこの先にある剣か装置を破壊しなければいけないんだよ!!そうじゃなきゃ、地球が滅ぼされるんだよ!!!」

 

「ちぇっ……、わかったよ………」

 

炎真の言葉にジュリーも動くことにした。

 

「でもでも、見て見て、あそこ、光っているよ♪」

 

SHITT・P!がピョンピョンと跳ねながら洞窟の奥を指していた。そこには、SHITT・P!の言うとおり、光っていた。出口が近い証拠だ。

 

「本当だ!しとぴっちゃんの言うとおり、結局、あそこが光っているぞ!!」

 

「ということはあそこに…………」

 

「皆…………」

 

全員が出口に注目していると炎真が皆に話しかけた。皆は炎真のほうに向いた。

 

「あそこには、絶対に《大罪の7人(ペッカート・セッテ)》が待ち構えている…………。皆、覚悟はいい?」

 

「結局、無論だ!!」

 

「うん!!」

 

「ああ!!」

 

「OK♪」

 

「まぁ、いいよ♪」

 

炎真の質問に紅葉、らうじ、薫、SHITT・P!、ジュリーが答えた。

 

「私も、もちろん、できてるわ。…………でも、炎真…………。あなたは大丈夫なの?だって、あなたは…………」

 

アーデルはツナの死でふさぎ込んでいた炎真のことを心配していた。

 

「うん。もちろん、大丈夫だよ。僕たちはツナ君の想いを受け継いでいるんだから!!」

 

そう、言った炎真の目は覚悟を決めた目をしていた。

 

「そう………」

 

アーデルは安心したかのように言った。

 

「それじゃあ、皆、行くよ!!」

 

『おお/うん/ええ/OK!!』

 

炎真の言葉にシモンファミリーは出口に向かった。

 

出口を通るとそこはシモンファミリーは知らないがジャバウォック、豪のときと同じで扉が集まっていた空間と似たような場所に出た。そして、そこにいたのは…………

 

「……………待っていましたよ。あなた方が来たのですね、シモンファミリー」

 

大罪の7人(ペッカート・セッテ)》の1人、《晴の大罪》、エンヴィーだった。

 

「エンヴィー…………」

 

シモンファミリーの中で唯一、面識があった炎真がそう言った。

 

「なぜ、あなた方なのですか?」

 

「えっ?」

 

エンヴィーの質問の意味がよくわからず炎真は間抜けな声が出た。

 

「私は監視カメラを見て知っているのです。ルシフェルのところにはボンゴレの守護者、ジャバウォックのところにはヴァリアー、豪のところにはミルフィオーレ、リリスとスロウスのところには黒曜にバジル、跳ね馬ディーノ、ベルゼブブのところには元アルコバレーノが行ったことを……………。スロウスは回収したのがリボーンだけだったからともかく、なぜ、他の者はそれぞれ、何人かは自分が一度戦った相手のところに向かったというのに……………。なぜ、私のところには一度も戦ったことがない相手なのですか?なぜ、私が相手した風、スカル、ヴェルデではないのですか?」

 

と長々とエンヴィーは愚痴を言った。

 

「え、えっと………、なんか、ごめん………」

 

「炎真!!結局、謝る必要がないぞ!!!」

 

「戦力を均等に分けるためにこうなったんだよな~~~」

 

と炎真、紅葉、ジュリーがそう言った。

 

「それよりも、ここには、剣と装置、どちらがあるのかしら?」

 

アーデルがエンヴィーにそれを聞いた。

 

「ああ、この部屋には装置のほうがあります」

 

とエンヴィーは右手の中指でメガネを上げながらあっさりと教えた。

 

「!!?それは………まさか!!?」

 

炎真たちは右手の中指にあるものを見て驚いた。

 

「ああ、これですか………。ええ、お察しの通り、《(トゥリニセッテ)リング》ですよ」

 

エンヴィーの右手の中指にあったものは黄色いおしゃぶりに翼が生えていて、おしゃぶりには《晴》の紋章がある《晴》の《(トゥリニセッテ)リング》だった。

 

「私はこの《(トゥリニセッテ)リング》で(トゥリニセッテ)の力を得ました。あなた方は私に勝てると思いですか?」

 

エンヴィーはそう言って炎真たちを見た。

 

「そんなの関係ない!!僕たちはお前を倒して、装置を破壊する!!!」

 

そう言うと炎真はシモンリングを形態変化(カンビオ・フォルマ)させて、額に《大地》の炎を灯した。他の皆もシモンリングを形態変化(カンビオ・フォルマ)させて戦闘態勢に入った。

 

「……それでは、私も戦闘準備に入りますか。私はルシフェルのように手を抜きません。最初から本気でいきます」

 

そう言うとエンヴィーは《嫉妬の炎》が入った注射器を取り出して、自分の腕に射した。

 

これで、お互いに戦闘態勢が完了した。

 

「では、行きますよ」

 

シュンッ!!

 

エンヴィーは《嫉妬の炎》のドーピングで強化された脚力で一気に近づいた。そして、そのまま、先頭にいた炎真を殴り飛ばそうとした。

 

ガキンッ!!

 

しかし、それは、急に現れた鋼鉄の壁によって防がれた。

 

「なにっ!!?」

 

エンヴィーは驚いた。そして、すぐに状況を判断するために離れた。

 

「どうかな~?俺の幻術は?いや~、それにしても、ヴェルデの発明品、本当にスゲーな~、幻術を実体化しちまったよ!!」

 

鋼鉄の壁はどうやら、ジュリーの幻術のようだった。しかも、虹の代理戦争で骸たちが使っていた装置をジュリー用にブレスレット型にして、装備していた。それにより、鋼鉄の壁は実体あるものとして現れた。

 

「………まさか、そのような物を持っていたとは………」

 

「今回の戦いのためにヴェルデ、入江たち、科学者やメカニックが用意していたのよ」

 

「俺たち、術者はみ~んな、持っているぜ♪」

 

エンヴィーの言葉にアーデルとジュリーがそう返した。そう、ジュリーの言うとおり、骸、クローム、フラン、マーモン、トリカブト、幻騎士、ジュリーたち術士は皆、持っているのだ。しかし、豪との戦いでは、トリカブトはそれを使うこともなく、敗れてしまったが……………。

 

「次は、僕たちの番だ!!」

 

「いくぞ!!」

 

紅葉と薫がエンヴィーに向かって飛び出した。

 

「いけ!!ブリザードロイド!!」

 

アーデルも《氷河》の炎でブリーザードロイドを出して、エンヴィーに向かわせた。

 

エンヴィーは紅葉と薫、ブリザードロイドたちの攻撃をかわしていった。そして、

 

「はっ!!」

 

「ぐっ………!!」

 

「がっ………!!」

 

エンヴィーは回し蹴りで紅葉と薫を飛ばした。ブリザードロイドたちもエンヴィーの殴りや蹴りなどの猛攻に壊れていった。

 

「くっ………!!」

 

アーデルは悔しそうにした。

 

「《大地の重力(グラヴィタ・デッラ・テラ)》!!」

 

炎真は球状の《大地》の炎を出して、重力でエンヴィーを引きつけようとした。

 

「ぐっ!!」

 

エンヴィーの体は浮き上がり、球状の《大地》の炎に近づいた。これで、動きを封じられると思った。しかし、

 

「はっ!!」

 

エンヴィーは懐から《嫉妬の炎》が纏っているメスを取り出して、球状の《大地》の炎に投げた。

 

「《嫉妬の暴発(スコッピオ・ジェローソ)》!!」

 

エンヴィーが投げたメスが球状の《大地》の炎に当たると

 

ドカンッ!!

 

『なっ!!!?』

 

球状の《大地》の炎が爆発した。それに炎真たちは驚いた。エンヴィーは襲ってきた爆風を腕をクロスして、防ぎ、地面に着地した。

 

「いったい、なにが起きたの!!?」

 

炎真は事態を把握できなかった。それをエンヴィーが説明した。

 

「あなたの炎を私の炎で暴走させたのですよ」

 

「暴走だと?」

 

「ええ。あなた方もご存じだと思いますが…………、私の《嫉妬の炎》は《晴》と《大空》をダークネスの《闇》の炎で融合されてできたものです。つまり、なにが言いたいかというと、古里炎真、あなたの炎を《大空》の調和で性質を無くして、《晴》の活性で暴走させた。だから、爆発したのです」

 

エンヴィーの説明で炎真たちは驚いた。しかし、だからといって、攻めないわけにはいかない。

 

「はっけよ~い、のこった!!」

 

らうじが《山》の炎で作ったクワガタのような岩のアゴでエンヴィーに向かって、突進した。

 

「は~…………。私は相撲をやりに来たのではありませんよ…………」

 

エンヴィーはそう言って、らうじの懐にもぐり込み、らうじの腹に正拳を突いた。

 

「ガハッ…………!!」

 

らうじはエンヴィーにその巨体で吹き飛ばされた。

 

「らうじ!!?くっ…………。結局、これでもくらえ!!」

 

紅葉は《森》の炎による葉のカッターをエンヴィーに向かって放った。

 

「ふん。こんなもの、当たりませんよ」

 

エンヴィーはそれらをたやすく、かわしていった。しかし、紅葉の《森》の炎の葉のカッターをかわしていると……………

 

ズボッ!!

 

「!!!!?」

 

エンヴィーの足がいつの間にかぬかるんでいた地面にはまったのだ。

 

「これは、まさか!!《沼》の炎で発酵された地面ですか!!?」

 

「Yes♪」

 

エンヴィーの言葉にSHITT・P!が肯定した。

 

「だが、なぜ、気づかなかったのですか!!?」

 

「それは俺の仕業だね~♪」

 

エンヴィーの疑問にジュリーが答えた。どうやら、ジュリーの《砂漠》の炎の幻術で地面が発酵されていたのを隠していたようだ。

 

「ふん……………!ですが、こんなもの、私ならすぐに脱出できますよ」

 

とエンヴィーは発酵された地面から脱出しようとした。

 

「そうはさせない!!」

 

それを阻止しようと、らうじが《山》の炎で地面を操作して、エンヴィーの足を押さえた。

 

「くっ……動けない!!」

 

「まだだ!!」

 

すると、次はアーデルが《氷河》の炎でらうじが操作した地面とSHITT・P!が発酵させた地面を凍結させた。

 

「さらに、これでどうだ!!」

 

そして、炎真が《大地》の炎の重力でエンヴィーを押さえた。

 

「ぐっ……………!!」

 

エンヴィーは動けなくなった。

 

「これでどうだ!!」

 

そこを狙って、薫が槍でエンヴィーを突き刺そうとした。しかし………………、

 

ガシッ!!

 

「!!!?」

 

《嫉妬の炎》で強化された肉体で炎の重力に抗って槍を掴んだ。

 

「…………惜しかったですね………、もう少しで私に攻撃を当てられたのにですね…………」

 

「……………いや、構わない………」

 

そう、薫が言うと

 

ガシッ!!

 

槍を持っている手とは反対の手で槍を掴んでいるエンヴィーの手の手首を掴んだ。

 

「!!?いったい、なにを………!!?」

 

「今だ、紅葉!!!」

 

「ああ!!」

 

薫がそう叫ぶとエンヴィーの後ろから()()()()()()()紅葉がエンヴィーを連続で殴った。

 

「ぐぅあぁぁぁぁぁ!!!!?」

 

エンヴィーは悲鳴をあげた。紅葉はただ殴ったわけではない。紅葉はメガネを外すことで彼の目には鍛錬では補えない弱点《キラースポット》が見えるのだ。紅葉はそこを狙ったのだった。

 

「くっ…………、はっ!!」

 

エンヴィーは《キラースポット》を殴られて倒れる前にメスを取り出して、薫と紅葉に向けて投げた。

 

「ぬっ……………!!」

 

「くっ……………!!」

 

2人はそれをかわして、一旦、エンヴィーから離れた。

 

「ぐっ……………!!!」

 

エンヴィーは炎の重力に押されて、両足をとられているために地面に仰向けに倒れた。

 

「ぐっ……………、まさか、ここまでやりますとは…………」

 

エンヴィーはそう言って、炎真たちシモンファミリーを見た。

 

「エンヴィー、君はさっき、どうして僕たちが君のところに来たか、疑問に思っていたよね?それは、ジュリーの言っていた『戦力の均等に分けるため』なんだけど、スカルたちがここに来なかったのは他にも理由があるんだ」

 

「………他にも………理由が………ある………ですか………?」

 

エンヴィーはそう炎真に聞き返した。

 

「うん。それは、僕たちシモンファミリーとしての力だよ!!スカルも大切な仲間だけど、ともに過ごしたファミリーの絆が君をここまで追い詰めたんだ!!!」

 

炎真は力強くそう言った。

 

「…………なるほど…………どうりで………強いわけです…………」

 

対して、エンヴィーは静かに答えた。

 

「…………それで、どう、降参する?」

 

炎真はエンヴィーに聞いた。

 

「まさか、そんなことするはずがありません………。私にも譲れないものがあるのですよ。………………しかし、このままでは勝てそうにありませんね…………」

 

そう、エンヴィーがそう言うと懐から黄色と黒が混ざった色をした匣を取り出した。そして、《(トゥリニセッテ)リング》には膨大な《嫉妬の炎》を出した。

 

「!!!?結局、何かまずいぞ!!!!」

 

「早く、とどめをささないと!!!!」

 

紅葉とアーデルがそう言ったが遅かった。エンヴィーが《嫉妬の炎》を匣に注入した。注入された匣は炎が膨大なためにヒビが入り……………

 

バキンッ!!

 

割れた。匣の中身は黄色い光となって

 

グサッ!!

 

エンヴィーの胸元に刺さった。そして、刺された胸元から黄色い光に包まれた。その際、炎真の炎の重力が破られた。

 

「What's!!!?」

 

「いったい、なにが起きてんだ!!!?」

 

「くっ…………!!!?僕の炎が破られた!!!!?」

 

炎真たちは状況をうまく把握できなかった。そして、光が晴れてきた。光が晴れるとそこにいたのは…………

 

着ていた白衣は破れて、白衣の下に着ていたワイシャツも前がはだけていた。全身、毛皮に覆われて、両手と沼から抜け出すことができた両足には鋭い爪、口には鋭い牙、肩からは鋭い角のようなもの、両手首両足首には鎖がついた枷があった。その姿はまるで狼男だった。エンヴィーの胸元には《(トゥリニセッテ)リング》が埋まっていた。

 

そして、エンヴィーは言った。

 

「これが、《(フェン)(リル)(・デル)(・セ)(レーノ)(・ディ)(・チェ)(ーリ)》と《羅刹開匣》した私の姿です」




シモンファミリーの能力がうろ覚えのために正確ではありませんが、どうか、ご了承ください。

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