家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~ 作:R0
豪の改造死体によって、戦闘不能になった桔梗、ザクロ、ブルーベル、デイジーの4人。
「桔梗!!ザクロ!!ブルーベル!!デイジー!!」
「あの死体、他の《
4人が倒れる姿を見て、白蘭とγはそう言った。
「くっ………、しかも、よく見てみたら、この死体たち、どれも鍛えられている………」
「あっ?つまり、なんだ?こいつらは生前は兵士とかそんなものだったってことか?」
「おそらく、そうだろうね………。豪君の言っていた《あの事件》にも関係していると思うよ………。それに……、豪君、どうやら、死体の予備があるみたいだね」
と白蘭とγは話していた。白蘭の言うとおり、死体には予備があるらしく、次々に出していった。おかげで一向に減らなかった。
「ふふふ、よそ見に無駄話をしている場合でござるか?」
豪がそう言うと
ガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッ!!
ドカンッ!!
ガトリングガンを装備した死体とザクロとブルーベルを倒した大砲を持った死体が発射した。しかも、ガトリングガンの弾丸には、《嫉妬の炎》が纏っていたために、不規則に
速くなっていた。
「くっ………!!?」
「《10連白指》!!」
γはマーレリングで《雷》の炎の盾を張って防ぎ、白蘭は両手の全ての指に炎を集中して、撃って、ガトリングガンの弾丸を撃ち落とした。しかし、まだ大砲の《憤怒の炎》が残っていた。
「《白拍手》!!」
白蘭が前に飛び出して、掌の圧力で《憤怒の炎》をかき消した。
「コルル!!ビジェット!!久与田豪を狙え!!!」
γは2匹に指示を聞いて、体を丸くして、豪に向かって体当たりをした。
「ふふふ、当たらないでござるよ」
豪はそう言って、1本の指からワイヤーを出して、上方の蜘蛛の巣に絡ませて、上に跳んでかわした。豪はそのまま、蜘蛛の巣に掴まった。
「それなら、これならどうだ!!《ショットプラズマ》!!」
γは先程よりも速く、キューで全てのボールを突いた。その分、突かれたボールも速く豪に向かった。
「あまいでござるよ!」
豪はそう言って、ワイヤーを操り、2体の巨体の死体が豪とボールの間に飛び込んだ。
ビリリリリリリリリリリッ!!
2体の死体はボールを受け止めた。
「なっ………!!?」
γは驚いた。自分の攻撃を受け止められたことに。
「ふふふ、我輩の死体たちは全て、《強欲の炎》が纏っているでござる。その中でも、この2体は1番、純度が高い炎をたくさん纏っているでござる。よって、この2体は鉄壁の防御力を持っているでござる」
と豪が説明した。
「くそっ………!!」
とγが悔しがっていると
ドガッ!!
「ガッ!!」
いつの間にか、近づいていた死体に棍棒でγの腹を打たれて飛ばされた。
「γ君!!!」
「他人の心配している場合でござるか?」
γに呼びかけた白蘭に斧や剣などの刃物を持った死体が白蘭に襲いかかった。
「くっ……………!!?」
白蘭はそれを翼で飛んでかわした。しかし、それを狙って、
「確かに人間を操って戦わせるのが我輩の戦闘スタイルでござるが、我輩自身も戦えることを忘れていないでござるか?」
豪が蜘蛛の巣から白蘭のほうへ跳んで、白蘭に近づいた。そして、1本の腕を構えて、白蘭に斬りつけた。
「うっ……………!!!?」
ザシュッ!!
それに気づいた白蘭が何とかかわそうとしたが、完全にかわすことはできず、左側の翼が斬られた。
「はっ!!」
しかし、それではめげずに白蘭はいつの間にか出していた白龍を右手に装備して、豪に殴りかかった。
ガキンッ!!
「!!!?」
しかし、豪がワイヤーを操って、例の巨体の死体を白蘭と豪に移動させて、白蘭の白龍を防いだ。そして、巨大なメイスを持った死体が白蘭を殴り飛ばした。
「ガハッ………………………!!!?」
殴り飛ばされた白蘭は思いっきり、地面にたたきつけられた。
「白蘭!!!?」
γは白蘭に呼び叫んだ。
「クッ……………」
どうやら、意識は残っていたようだ。
「ふふふ、これで、わかったでござるか?おぬしらには我輩を倒すことはできないでござる。まぁ、予備の分を全て出させたことは褒めるでござるが。おとなしく、我輩たちと一緒に《ロヴィーノ》に地球が滅ぼされるのを待てばよかったのでござる」
豪が笑いながら、白蘭とγに話しかけた。
「ふざけるな!!!!そんなことは絶対にさせるか!!!!」
γはそう叫んだ。
「ほうほう、たいした意気込みでござる。しかし、おぬしら、ボロボロではないでござるか?そのような状態で我輩を倒すことができると思っているのでござるか?」
「グッ……………!!!?」
豪の言葉にγが詰まった。確かに今の状態では豪に勝つのは難しい。そうγが思っていると。
「ハハッ……」
白蘭が笑った。
「むっ?何でごさるか?」
「白蘭……………?」
豪とγが不思議そうに白蘭を見た。すると、
「ハハッ……、ハハハッ………、ハハハハッ………。アーハハハハッハハハハッハハハハッハハハハッ!!!!!」
白蘭は右手で顔を押さえながら、顔を上げて笑い出した。
「何なんだ!?」
「いったい、何でごさるか?」
γと豪は急に笑い出した白蘭を訝しげに見ていると、白蘭が豪に向かって話し出した。
「いや~、すごいよ、豪君!!!今の僕はものすごい高揚感でいっぱいだよ!!!こんな気分は10年後の未来での綱吉君との戦い以来だよ!!!虹の代理戦争では、綱吉君を守るために負けたり、イェーガー君にあっさりと負けたから、本当に久しぶりだよ!!!!いや~、僕は嬉しいよ!!!!何が嬉しいかって?久々に全力で戦うことができるからだよ!!!!!」
そう言うと白蘭は斬られた左側の翼から未来でツナとの戦いに出てきたどす黒い血のような翼を出した。今の白蘭は白い翼と黒い翼を持った悪魔だった。
「テメーは翼を失ったら、毎度そんな性格になるのか!!?」
そんな白蘭を見て、γはつっこんだ。
「『全力で戦うことができる』でござるか?つまり、今まで、全力ではなかったということでござるか?」
対して、豪は白蘭の言った言葉にそう聞いた。
「もちろん、今までも自分が出せる力は全て出していたさ!!でも、僕は楽しくなればなるほど力が上がるのさ!!!だから、さっきの僕とは一味も二味も違うよ!!!それから、君に勝って地球を滅ぼされるのを防ぐために僕も
「秘密兵器でござるか?」
白蘭の言葉に豪がそう言った。
「ああ、そうさ!!!白龍!!!!黒龍!!!!」
そう、白蘭が言うと、白龍と白蘭の黒い翼から黒い白龍、黒龍が舞い上がった。
「
白蘭の言葉に白龍が白蘭の右腕に、黒龍が左腕に合体した。
「《白黒龍の頭》!!!!」
すると、出てきたのは、白蘭の右手には通常の白龍よりも一回り大きいサイズの白龍の頭部、右腕は白龍の胴体、右肩から外側に白龍の尾があった。対して、左手には通常の黒龍よりも一回り大きいサイズの黒龍の頭部、左腕は黒龍の胴体、左肩から外側に黒龍の尾があった。
「それが秘密兵器でござるか?先程、我輩に攻撃したときの状態と大して変わらないように思うでござるが?」
豪が白蘭の白龍と黒龍の
「ハハッ!!今すぐにわかるさ!!!」
それに白蘭はそう返した。
「そうでござるか。しかし、それにしても、おぬしが地球を滅ぼされるのを防ぐと言うとは驚きでござるよ」
豪がそう言うと白蘭は顔をしかめて、そう言った。
「…………確かに、未来の僕は《
「興味が無いでごさるか?」
「うん、そうだよ」
豪の疑問に白蘭はそう答えて話を続けた。
「あのときの僕はこの世界に飽きていたんだよ。どこもかしこも、景色に見えて、つまらなかったのさ。そんな中、チェルベッロが僕の前に現れて、僕がマーレリングの正当後継者だと教えてくれたのさ。その時に僕はようやく、このつまらない世界を楽しめるゲームができると思ったんだよ」
「白蘭…………!!」
白蘭の言葉にγが睨み付けた。しかし、白蘭はそれを無視して続けた。
「でも、結局、僕は綱吉君に負けた。そういえば、あのとき、チェルベッロが言っていたけ?僕以外にも2人の大空、2人のプレイヤーがいるって………。あれは、ユニちゃんと綱吉君のことだったんだね…………。………まぁ、今はそれはいいか。綱吉君に負けて消し飛ばされた僕だけど、未来の記憶を引き継いだ僕は、決して嫌な気分じゃなかったんだ。むしろ、いい気分だったんだ♪」
「………どういうことでごさるか?」
「あのときの綱吉君は僕と違って、この世界を気持ち悪いとはこれっぽっちも思っていない目をしていたんだ。きっと、そんな彼に影響されたんだと思うよ♪それから、僕は、この世界がただの景色とは思わなくなった。なんだか、これでも楽しめそうな気がしたんだ♪だから、今、この世界を、この地球を滅ぼされることを僕は望んでいないんだ」
白蘭はそう言って、豪を見た。
「そう言うわけで、ここから、大逆転が始まるよ♪」
「…………戯れ言でござる」
豪はそう言って、死体を白蘭に向かって襲わせた。剣を持った死体が白蘭に斬りかかろうとした。
ガキンッ!!
白蘭はそれを黒龍の胴体となった左腕で防ぎ、
ドガッ!!
白龍の頭部となった右手で殴り飛ばした。殴り飛ばされた死体はそのまま、壊れた。
「なにでござる!!?」
豪はそれを見て驚いた。死体には最低限の自分の《強欲の炎》が纏っているはず。他のメンバーも壊すことはできても一撃で倒すことはできなかったのだ。それを白蘭は一撃で倒したのだ。
「ハハッ♪どうだい?これが《白黒龍の頭》の力だよ♪豪君が言っていたさっきの状態と違って、これは僕と一体化していることで僕の力を100%以上、上乗せすることができるんだ♪」
白蘭はそう説明した。
「くっ…………。だから、どうしたのでござるか!!」
豪はそう言って、ワイヤーを操って、死体を白蘭に集中させた。
白蘭はそれを防いで、カウンターを決めたり、白龍と黒龍の牙で噛み砕いたりたりして、死体を壊していった。
(よし、こちらが有利になったぞ!!だが、まだ死体がたくさん残っている…………。しかも、久与田豪の側には例の頑丈な死体、2体がいる………。あまり、時間もかけられないのに………、クソッ!!何かいい手は無いのか!!!?)
そう、考えて、γは周りを見渡した。γ、白蘭、豪、たくさんの改造死体たち、γの匣アニマルのコルルとビジェット、倒れた
「(そうだ!!この手なら………)おい、白蘭!!!あの2体を倒せるか!!!?」
γは豪の側にいる2体の巨体の死体を指で指して、そう言った。
「うん。それはいけるけど……………。周りの死体たちがそれを邪魔するんだよね…………」
「そいつらは俺に任せろ!!コルル!!!ビジェット!!!」
γは2体を呼び、白蘭の周りの死体の相手をした。
「くっ…………!!?長くはもたねえぇ!!!早くしろ!!!」
「!!うん、わかったよ!!」
白蘭はγに何か考えがあると思い、2体の巨体の死体に向かった。
「ふっ、愚かでござる」
豪はそう言って、2体を構えさせた。
「それは、どうかな?《白黒龍牙》!!!」
白蘭は白龍と黒龍の牙に《大空》の炎を纏わせて、死体にぶつけた。
ギギギギギギギギギギギッ!!!!
2体の死体の肉体と2体の龍の牙がぶつかった。そして……………
バキッ!!!バキッ!!!
死体の肉体が砕けた。
「馬鹿なでござる!!!?」
豪は驚いた。自慢の死体が敗れたことに。
「いくら強化していても、死体は死体。僕の覚悟には勝てないってこと♪」
「クソッ!!!!」
白蘭の言葉に豪が怒り、ワイヤーを振るった。白蘭は当然、それをかわした。
「今だよ、γ君♪」
「ああ、サンキュー。召されな、久与田豪!!!《ファイナルショット》!!!!」
白蘭の合図でγはボールにかなりの量の炎をチャージさせて、キューで突いた。それが、豪に向かった。
「ふっ。そんなもの当たらないでござるよ!!!!」
豪はそう言うと、手からワイヤーを出して蜘蛛の巣に絡ませて、跳んでボールをかわした。
「ふふふ、残念だったでござるな!!あの死体たちがいなければ我輩に当たると思ったでござるか!!!?」
豪は蜘蛛の巣に掴まりながらγに向けてそう言った。
「………いや、狙い通りだ!!」
しかし、γは決して残念がっていなくて、むしろ笑っていた。
「何だとでござる…………?」
豪はそんなγに疑問に思った。すると………
カンッ!!カンッ!!カンッ!!カンッ!!カンッ!!カンッ!!
何かがぶつかる音がした。
「何の音でござるか?………なっ!!!?」
豪は驚いた。音の正体はγが突いたボールが跳ね返って、他のボールと接触した音だった。いや、ボールだけではない。丸まっていたコルルとビジェットも接触した。そして、全てのボールとコルルとビジェットは蜘蛛の巣にぶつかった。それらは、全て放電していた。
「なっ………!!!?まさか!!!!?」
「そのまさかさ!!!テメーの技、応用させてもらうぜ!!!《ファイナル・エレクトリック・タワー》!!!!」
バリバリバリバリバリバリバリバリッ!!!!!!!!!
全てのボールとコルルとビジェットがスパークした。ワイヤーでできた蜘蛛の巣にも電流が流れて放電した。これは豪の《
「ぐぅあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーー!!!!!!?」
蜘蛛の巣を掴んでいた豪は当然のこと………
バリリッ!!バリリッ!!バリリッ!!バリリッ!!
ドカンッ!!ドカンッ!!ドカンッ!!ドカンッ!!
豪とワイヤーでつながっていた死体たちにも流れて、さらに蜘蛛の巣からの放電にも当たり、一気に全ての死体を倒した。
ドサッ!!
「ぐっ……………!!クソッ…………!!我輩は………まだ終わらないで…………ござる…………!!」
地面に落ちた豪はまだ息があった。なんとかして立ち上がろうとした。しかし……………、
「残念だけど豪君、君はもう終わりだよ」
白蘭がそう言った。
「もうγ君、もうちょっと手加減してよ。僕にも当たりそうだったじゃないか!」
「うるせー!!いいから、とどめをさせ!!!」
「それも、そうだね♪」
白蘭がそう言うと
ブクブクブクブクブクッ!!
ブスブスブスブスブスッ!!
足から根っこのようなものを出して体を固定させた。そして、白龍には白い光、黒龍には黒い光を集中させた。
「………まだでござる。我輩は負けられないのでござるーーーー!!!!」
何とか立ち上がった豪は6つの手から大量のワイヤーの束を出して、白蘭に向けて串刺しにしようと放った。
「楽しかったよ、豪君♪《白黒龍破》!!!」
白蘭は両手の光を放った。2つの光は途中で混ざり、2色の光となって豪に向かった。光はワイヤーを吹き飛ばして、豪に向かった。
「なっ…!!?そ、そんな、あ、ありえないでござる!!?ぐ、ぐぅあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーー!!!!!!?」
光は豪に直撃した。
バキンッ!!
豪の胸元にあった《雷》の《
…………………………………
豪は元の姿に戻って気を失っていた。そして、ワイヤーの蜘蛛の巣も崩れて、装置がある壁にかけていた炎も解けたようだ。
「ハハン、やりましたね………」
「さすがだぜ、バーロー………」
「にゅにゅ~~~………」
「すごいよ…………」
「………………」
どうやら、桔梗たち
「やったね、γ君♪さっきは、ああ言ったけどすごい攻撃だったよ♪」
「ふんっ……!!」
笑顔でそう話しかけた白蘭にγはそっぽを向いた。
ミルフィオーレファミリーvs雷の大罪
勝者、ミルフィオーレファミリー