家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~   作:R0

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ミルフィオーレVS雷の大罪

《雷》の紋章の扉を進んでいるのは、白蘭、γ、桔梗、ザクロ、ブルーベル、デイジー、トリカブトのミルフィオーレファミリーの7人だった。

 

7人は長い洞窟を進んでいた。

 

「いつまで、続いてやがんだ?」

 

「にゅにゅ、ブルーベル疲れたよ~~~」

 

ザクロとブルーベルがそんなことを言っていた。

 

「テメーら、しっかりしやがれ!!」

 

γがそんな2人を叱咤した。…………ヴァリアーのメンバーのときと似ているが、それは置いておこう。

 

「あそこ、光っているよ」

 

「ハハン、おそらく出口ですね」

 

デイジーと桔梗がそう言った。

 

「ということは、あそこに豪君がいるのかな?」

 

「………気を引き締めなくてはいけないな」

 

白蘭とγがそう言った。そして、7人は光っている場所に入った。

 

そこは、先程の扉があった場所と白蘭たちは知らないだろうがヴァリアーが入ったジャバウォックのいた場所と似たような空間だった。そして、そこには…………

 

「やーやー。これは、これは、待っていたでござるよ」

 

大罪の7人(ペッカート・セッテ)》の1人、《雷の大罪》、久与田豪だった。

 

「久与田………豪………!!」

 

「やぁ、豪君♪」

 

γは恨めしそうに、白蘭は気軽に豪の名前を言った。

 

「おぬしらがここに来るのは予想できたでござる。だが、残念ながら、ここには剣は無いでござる」

 

と豪は説明した。

 

「ハハン、つまり、この部屋には装置があるということですね?」

 

と桔梗が豪に聞いた。

 

「えぇ、そうでござる」

 

そう言って、豪はある壁に向かって歩いた。

 

「この壁の裏側に装置はあるでござる」

 

と豪は装置があるという壁を触りながら説明した。

 

「あれ?いいの?装置の場所を教えて?僕たちが君を無視して装置を狙うかもしれないよ?」

 

と白蘭は意外そうな顔で言った。

 

「構わないでござる。そんなこと、できないでござるから」

 

「にゅにゅ?できない?」

 

豪の言葉にブルーベルは疑問に思った。

 

「えぇ、この壁には我輩の《強欲の炎》が纏っているでござる。どんなに頑張っても壊れないでござる。我輩を倒さない限りは…………」

 

と豪の説明に以前の白蘭の白龍が豪のワイヤーをちぎることができなかったことを白蘭たちは思い出した。

 

「ところで、豪君。君の指につけているリングって、もしかして、《(トゥリニセッテ)リング》?」

 

と白蘭は豪の右手の中指にはめているリングを指さして言った。

 

「あぁ、これでござるか。どうやら、ルシフェルから聞いているみたいでござるね。えぇ、そうでござる。これは《雷》の《(トゥリニセッテ)リング》でござる」

 

そう言って、豪は自分の右手の中指にはめているリングを白蘭たちに見せた。緑色のおしゃぶりの形をした石にマーレリングの翼がついていて、おしゃぶりには《雷》の紋章があった。どうやら、これが《雷》の《(トゥリニセッテ)リング》のようだ。

 

「そう言うおぬしらは全員、《マーレリング》をつけているではないでござるか」

 

と白蘭たちの右手の中指にはめている《マーレリング》を見ながら豪が言った。

 

「ダークネスが《闇》の炎で《マーレリング》の封印を解いたとしても、それらには《(トゥリニセッテ)》の力を失っているはずでござる。それに、《マーレリング》を悪用しようとした白蘭がそれを使うというのも驚きでござる」

 

「ああ………、姫が許可してくれたんだ。テメーらを相手にするには《(トゥリニセッテ)》の力が失っても、これらを使うべきだとな………」

 

そう言って、γはこの島に来る前のことを思い出した。

 

 

 

 

作戦会議に皆が集まっているときだった。

 

「白蘭、γ、皆さん。来てください」

 

ユニが白蘭たち7人を呼んだ。

 

「ユニちゃん、どうしたの?」

 

「姫、どうしたんだ?」

 

白蘭とγがそう聞いた。

 

「…………このあとの戦い。今までで一番の戦いになると思います……………」

 

ユニが重苦しそうな顔でそう言った。

 

「まぁ、確かにそうだね」

 

「相手は姫やチェッカーフェイスと同じ生粋の地球人。その中でも戦闘能力の高い者たちの子孫ですからね」

 

白蘭とγもそれに同意した。

 

「だからこそ、これらを使ってください」

 

そう言って、ユニは1つの箱を取り出した。その中には………

 

「にゅにゅ!!?」

 

「ボバッ!!?」

 

「マジかよ、バーロー!!?」

 

「ハハン、これは驚きました」

 

「………………!!?」

 

「姫、これは!!?」

 

(リアル)6弔花とγは驚いた。白蘭も驚いた表情で言った。

 

「ユニちゃん、これって、《マーレリング》だよね?」

 

そう、ユニが取り出したのは7つの《マーレリング》だった。

 

「はい、そうです」

 

「姫、なぜ、それを白蘭に渡すんだ!!?こいつがそれを使って何をしたか忘れたのか!!?」

 

とγがユニに言った。

 

「ロヴィーノ教団はそれほど、あの時の白蘭よりも恐ろしい敵です。彼らの計画を阻止するためにも《(トゥリニセッテ)》の力を失っているとしても《マーレリング》は皆さんの力になってくれるはずです」

 

「しかし……………」

 

γがユニに異議を申し立てようとしたが

 

「…………………」

 

「っ!!」

 

ユニの覚悟を決めた目を見て、

 

「………わかった。それじゃあ、俺は《雷》の《マーレリング》を使わせて貰うぞ」

 

《マーレリング》を使うことを決めた。

 

 

 

 

「そういうわけだから、テメーを倒して、装置を壊させて貰うぞ!!!」

 

そう言って、γは自分の武器であるビリヤードのキューとボールの《エレットロ・ビリアルド》を取り出した。

 

「そういうこと♪」

 

白蘭も背中から白い翼をはやした。(リアル)6弔花のメンバーも戦闘態勢に入った。

 

「我輩を倒すでごさるか………。おぬしら、以前のミルフィオーレ本部での出来事を忘れたわけではないでござるな?」

 

豪は自分のワイヤーでγや太猿たち、(リアル)6弔花のメンバーを操ったことを言い出した。

 

「おぬしらは我輩に攻撃も防御もできないはずでござるよ!!!」

 

豪はそう言うと指を動かした。

 

「!!皆、今だよ!!!」

 

白蘭がそう叫ぶと白蘭も含めた7人はそれぞれ移動した。ある者は走って、ある者はF(フレイム)シューズを使って空中へと飛んで、全員が豪のワイヤーをかわした。

 

「何ですとでござる!!?」

 

豪は驚いた。まさか、自分の細いワイヤーをかわしたことに。

 

「…………どうして、我輩のワイヤーをかわすことができたでござるか?」

 

豪は白蘭たちに聞いた。

 

「フフッ。それは、僕があらかじめ、()()()()()()()()()()()()()()さ♪」

 

白蘭がそう言った。白蘭は平行世界(パラレルワールド)の自分と知識を共有できる能力を持っている。その能力を使って相手の攻撃パターンを分析してシミュレーションすることができる。10年後の未来の戦いでもこれでツナたちボンゴレは苦戦していた。しかし、豪には理解できなかった。

 

「シミュレーションしていたでござるか?しかし、シミュレーションも何も、白蘭。我輩はおぬしにこれを見せたのはミルフィオーレ本部でのあの1回だけでござるのはずでござるだが?」

 

豪にはそれが疑問だった。しかし、すぐに気づいて驚いたのか叫んだ。

 

「!!?まさか…………、あの1回だけでシミュレーションできたと言うのでごさるか!!?」

 

豪はそう言って白蘭に聞いた。

 

「うん、その通りだよ♪まぁ、厳密に言えば、あのときが映っている監視カメラを何度も見たんだけどね♪」

 

白蘭がそう言った。

 

「信じられないでござる…………。いくら、監視カメラで何度も見たからと言って、同じパターンで来るはずが無いのに、わずか1パターンで完璧にかわせるなんて…………、そんなことできるはずがないでござる………」

 

豪はいまだに信じられない様子だった。それに対して白蘭が言った。

 

「う~ん。それの理由は大きく言って2つかな?1つは僕が心理学者だった世界の知識を持っていること。そして、もう1つは僕の分析能力が高かったからかな?」

 

「…………分析能力が高かったでござるか?」

 

白蘭の言った言葉に豪は聞き直した。

 

「うん♪ほら、豪君もミルフィオーレ本部で言っていたでしょ?君たちロヴィーノ教団はこの世界にしか存在していないって」

 

白蘭に言われて、豪は当時のことを思い出した。

 

 

 

 

『《ロヴィーノ教団》?全平行世界(パラレルワールド)の知識を共有している僕でも聞いたことないよ』

 

豪が言ったことにユニは予知の内容の一部と当てはまっていることに驚き、白蘭は疑問に思った。

 

『ふふふ、それはおそらくこの世界だけのものだからではないでござるか?』

 

『あ~、確かにそれは言えてるね。綱吉君たちのボンゴレ匣もあの世界だけのものだったからね~』

 

 

 

 

「ロヴィーノ教団のことに関してもそうだし、綱吉君たちのボンゴレ匣もそうだけど、その世界にしか存在していないものはたくさんあるんだ。だから、そのわずかな情報で分析しなければいけないんだ」

 

白蘭はそう説明した。

 

「…………だから、おぬしには高い分析能力が身につき、我輩の行動パターンがわかったというわけでごさるか?」

 

豪がそう聞いた。

 

「うん♪その通りだよ♪だから、もう君のそれは通じないよ」

 

「…………そんなことがあるのでごさるか?」

 

白蘭の言葉に豪は呆然とした。

 

「ハハン、ボーッとしている暇はありませんよ。さぁ、行きなさい!!《雲ヴェロキラプトル(ヌーヴォラ・ヴェロキラプトル)》!!」

 

「《太陽サイ(リノチェロンテ・デル・セレーノ)》!!」

 

「《雷ウミヘビ(セルペンテ・ディ・マーレ・フールミネ)》!!」

 

桔梗は《雲ヴェロキラプトル(ヌーヴォラ・ヴェロキラプトル)》、

デイジーは《太陽サイ(リノチェロンテ・デル・セレーノ)》、

トリカブトは《雷ウミヘビ(セルペンテ・ディ・マーレ・フールミネ)

と自分の匣アニマルを出した。しかも、それで終わらずさらに

 

「《ウミヘビ方眼(レーペ・センペルテ・ディ・マーレ)》!!」

 

トリカブトが《雷ウミヘビ(セルペンテ・ディ・マーレ・フールミネ)》を使って、豪の周りを取り囲むように檻を作った。これで豪は逃げられない。しかも、だんだんと檻が豪に迫った。

 

「ハハン、チャンスです」

 

「行って」

 

「…………哀しき者よ」

 

3人は自分の匣アニマルを豪に向けて攻撃をさせた。

 

「これで終わりだ!!」

 

「ちっ、俺の出番無しかよ、バーロー」

 

「にゅにゅ、桔梗たちだけずるい~~~!!」

 

γ、ザクロ、ブルーベルがそんなことを言っていたが、誰もが終わりだと思った。

 

3人の匣アニマルが檻の中にいる豪を潰そうとしたときだった。

 

ザシュッ!!ザシュッ!!ザシュッ!!ザシュッ!!ザシュッ!!ザシュッ!!ザシュッ!!ザシュッ!!ザシュッ!!ザシュッ!!ザシュッ!!ザシュッ!!

 

『えっ?』

 

誰が言ったかわからなかった。もしかしたら、全員だったかもしれない。とにかく、それぐらい、驚いた。なぜなら、《雲ヴェロキラプトル(ヌーヴォラ・ヴェロキラプトル)》も、《太陽サイ(リノチェロンテ・デル・セレーノ)》も、《雷ウミヘビ(セルペンテ・ディ・マーレ・フールミネ)》も、《ウミヘビ方眼(レーペ・センペルテ・ディ・マーレ)》の檻も()()()()()()()()()()()のだ。

 

「おいおい、いったい、どうなってんだ!!?」

 

「バーロー!!どう言うことだ!!」

 

「ボバッ!!?僕チンの《太陽サイ(リノチェロンテ・デル・セレーノ)》が………」

 

「ハハン、私の《雲ヴェロキラプトル(ヌーヴォラ・ヴェロキラプトル)》もあれだけの数を………」

 

「………………………」

 

「にゅにゅ!!?一気に全部斬れたよ!!?」

 

「…………これは驚いたよ」

 

皆がそれぞれ、そう言って、白蘭は豪のほうを見た。

 

「………ねぇ、豪君?いったい、何したの?」

 

「何したも何も、我輩のワイヤーで全てを斬り裂いただけでござる」

 

白蘭の質問に豪はそう言った。よく見ると、豪の両手の全ての指にワイヤーがついていた。どうやら、その10本のワイヤーで桔梗たちの匣アニマルを斬り裂いたらしい。

 

「確かに我輩は人間などを操って戦うほうが得意でござるが、別に我輩は人間を操ることしかできないとは一言も言ってないでござる」

 

「だからといって、全く見えなかったぞ…………」

 

γがそう言って、他の皆も含めてこの男に恐怖を抱いた。しかし、だからと言って、負けるわけにはいかない。

 

「…………………桔梗、ザクロ、ブルーベル、デイジー、トリカブト。()()を使って。そうでないと、彼には勝てないよ………」

 

と白蘭が(リアル)6弔花に言った。

 

「……………わかりました、白蘭様」

 

そう桔梗が言って、(リアル)6弔花は匣を取り出した。

 

「「「「「修羅開匣!!!!」」」」」

 

ボウーーーーーッ!!

 

5人が匣を開匣すると5人は光に包まれた。光が晴れるとそれぞれの体が変化した。

 

桔梗は《雲スピノサウルス(スピノサウロ・ヌーヴォラ)》と合体して、髪から無数のスピノサウルスの頭部を生み出した。

 

ザクロは《嵐ティラノサウルス(ティランノサウロ・テンペスタ)》と合体して、鋭い爪や尾が生えてティラノサウルスのような容姿になった。

 

ブルーベルは《雨ショニサウルス(ショニサウロ・ピォッジャ)》と合体して人魚のような容姿になった。

 

デイジーは《晴トカゲ(ラチェルト・セレーノ)》と合体して、トカゲのような容姿になった。

 

トリカブトは《霧蛾(ファレーナ・ネッビア)》と合体して、背中から蛾のような羽が生えた。

 

「…………これが修羅開匣でござるか」

 

「うん、そうだよ♪」

 

「ハハン、先程の私たちと同じとは思わないでください」

 

「にゅにゅ!!お前の頭蓋骨、ひん剥いてやる!!」

 

「はっ、消し炭にしてやるぜ、バーロー!!」

 

「僕チンも頑張るよ」

 

「哀しき者よ……」

 

「お前は倒させてもらうぞ!!」

 

第2ラウンドが今、始まろうとする。


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