家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~   作:R0

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決戦開始

《ロヴィーノ》が封印されている島に着いたリボーンたち。

 

「ここが………」

 

「例の島か…………」

 

リボーンたちは島の端にいた。どうやら、例の結界のせいでこれ以上《夜》の炎のワープホールでの移動は無理なようだ。端から見てもそれなりの広さのある島のようだった。

 

「何て言うか、殺風景だね」

 

白蘭の言う通り、ここには大きな岩山ばかりだった。動物どころか、植物もあまり見かけられない。

 

「…………チェッカーフェイスから聞いた話だと、大昔は自然が生い茂っていて、動物もけっこういたって話だが…………」

 

「そのような、様子はありませんね………」

 

「これも《ロヴィーノ》ってやつの仕業なのか?」

 

「おそらく、そうだろうね。ここ、なんだか嫌な感じするし……」

 

と皆がいろいろ言っている中、

 

「ところで、リボーンさん………」

 

「なんだ、獄寺?」

 

「ずっと、聞きたかったのですが………」

 

と獄寺は間を開けて、

 

「なんで、アホ牛がここにいるのですか!?」

 

「ここ、どこだもんね~?」

 

となぜかいたランボを指さして言った。

 

「ランボは《雷》の守護者だ。いて、当然だぞ」

 

「だからといって、アホ牛には今回の戦い、無理に決まってます!!」

 

と獄寺が言うものの、

 

「ふんふん、ランボさんは最強だもんね~。負けるはずないもんね~」

 

と呑気に言っていた。

 

「この、アホ牛………!!」

 

「まぁまぁ、獄寺」

 

「うむ。ランボのことは極限に俺に任せろ!!」

 

とランボに怒鳴りかけた獄寺に山本が宥めて了平がそう言った。

 

「この野球馬鹿に芝生………」

 

獄寺は恨めしそうな目線を送った。

 

「貴様ら、警戒しろ!」

 

幻騎士がそう言うのを聞いて、リボーンたちは警戒した。目の前の大きな岩山にあった洞窟から多くの気配を感じた。

 

「おいっ!これってまさか………」

 

「そのまさかだぞ、コラ!!」

 

コロネロが言うと

 

ドドドドドドッ

 

大量の足音が聞こえてきた。そして、こちらに向かってきたのは、

 

「いたぞ!!」

 

「やはり、来たか!!」

 

「団長の言う通りだったな!!」

 

「ここから先へは行かせねえぞ!!」

 

大勢のロヴィーノ教団の構成員たちがやって来た。

 

「来たーーーーー!!!??」

 

スカルがパニックになっていた。

 

「これでもくらえ!!」

 

と一番先頭に居た者が持っていた剣で斬りかかろうとすると

 

ジャキンッ

 

幻騎士が防いだ。

 

「「幻騎士!!!」」

 

山本とスクアーロが叫んだ。

 

「………白蘭様。ここは我々に任せてください」

 

と幻騎士は白蘭に言った。

 

「うん、わかったよ♪それじゃあ、ここは君たちに任せたよ、幻騎士♪」

 

「はっ!!」

 

と白蘭は幻騎士たちに任せた。

 

「それじゃあ、僕たちは先に行こうか♪幻騎士たちの頑張りも無駄にしないためにもね?」

 

「………そうだな」

 

「よし、行くぞ!!」

 

「おう!!」

 

「幻騎士、頑張れよ♪」

 

と守護者、黒曜、ヴァリアー6人、白蘭、γ、(リアル)6弔花、シモン、バジル、ラル、ディーノ、元アルコバレーノ5人、バミューダは洞窟の先に行った。

 

「あ、テメーら、待ちやがれ!!」

 

とロヴィーノ教団の団員の1人が追いかけようとすると

 

ドドドッ

 

『!!?』

 

巨大な蔓が洞窟をふさいだ。

 

「貴様らは俺たちが相手だ」

 

どうやら、巨大な蔓は幻騎士の幻術のようだ。後ろにはボンゴレ、ヴァリアー、ミルフィオーレの構成員たちがいた。

 

「相手が相手だ。白蘭様の許可もいただいている。こちらも全力で行かせてもらう!」

 

そう言うと幻騎士は2つの匣を取り出して開匣した。

 

「《幻剣(スペットロ・スパダ)》!!《霧の2番(ネッビア・ヌーメロ・ドゥエ)》!!」

 

幻騎士が取り出したのはヴェルデ、イノチェンティと共に匣の開発を行ったケーニッヒの最高傑作と言われている《幻剣(スペットロ・スパダ)》と《霧の2番(ネッビア・ヌーメロ・ドゥエ)》だった。幻騎士はそれらを装備した。

 

(……………未来の俺だったら、このような役目に不満を持っていただろうな………)

 

幻騎士はそんなことを考えていた。未来の幻騎士は自分が前座だということに不満を持っていた。

 

(………だが、不思議と今はそんなことは思わない。今の俺には()()()も無いのにな……)

 

幻騎士は自分自身に呆れたって顔をした。

 

(ユニ様が私を変えてくれたのか?………いや、ユニ様だけでない………。()()()の目も俺を変えるきっかけを作っていたのかもしれないな………)

 

幻騎士は今は亡き男の目を思い出した。

 

(ふっ…………。惜しい男を亡くしたもんだな)

 

幻騎士は目を瞑って薄く笑った。そして、すぐに顔を引き締めて、

 

「貴様らに白蘭様たちの邪魔はさせない!!」

 

ロヴィーノ教団に向かった。今、ここで地球の存亡をかけた戦いの幕が開けた。

 

 

 

 

一方、リボーンたちは、洞窟を進んでいた。

 

「この洞窟、いったい、どこまで続いてんだ?」

 

「急がなきゃ、《ロヴィーノ》が復活するよ!!」

 

「あっ!見てください!出口が見えてきました!!」

 

バジルの言う通りに光が見えてきた。出口が近いようだ。リボーンたちはその先に出ると…………

 

「なんだ、ここは?」

 

そこは、外に出れたわけではなく、広い空間だった。そこの上の方に明かりがついていて、それで明るくなっていたみたいだ。

だが、それよりも、気になることがあった。その空間には奥へと続く道が無く、そのかわりに扉が6つあった。その扉の内、4つはそれぞれ、《嵐》、《雲》、《晴》、《雷》、の紋章が描かれていて、残りの2つの内の1つは《雨》と《霧》の紋章が描かれていた。そして、最後の1つはドラゴンが爪で切り裂く様子の絵の下に《ROVINO》と書かれていたロヴィーノ教団の紋章みたいのが描かれていた。

 

「この扉はなんなんだ?」

 

「奥へと続く道がねえな………」

 

「どれが正解なんだ?」

 

と話していると………

 

ブォッ

 

『よう!よく来たな!!』

 

『!!?』

 

急に上の方から画面が現れた。そこには、ルシフェルが映っていた。

 

「テメーは………!!?」

 

「ルシフェル……!!?」

 

「何の用だ?」

 

『何の用だって……、お前らがその場所に着いたところを確認したから、こうやって連絡をいれようと思っただけだ』

 

ルシフェルがそう言った。

 

「連絡だと………?」

 

『そう!お前ら、目の前に6つの扉があるだろ?その中のどれか1つにお前らが探している剣があるぜ』

 

ルシフェルが重要なことを言った。

 

「なっ、どこの扉なんだ!?」

 

『それは言えないな~。それに、どっちみち、全部の扉を通らなければいけないしな』

 

「どういうことかしら?」

 

アーデルがルシフェルに聞いた。

 

『たとえ、その扉の奥の部屋に剣があったとしても、その剣には結界を張っている。それを解くには他の5つの扉の奥の部屋にある装置を壊さなければならない』

 

とルシフェルが説明した。

 

「だから、全ての扉を通らなければならない、か………」

 

『そう言うこと。でも、全ての部屋の装置と剣をそう簡単には壊させないぜ。全ての部屋には俺たち《大罪の7人(ペッカート・セッテ)》がいる』

 

「………?ダークネスは………?」

 

とリボーンが聞いた。

 

『ああ、心配するな。あいつは、今回、参加しない』

 

「参加しないだと………!?」

 

『そう、あいつは、沢田綱吉を戦ったからな……』

 

ルシフェルの言葉にリボーンたちは顔をしかめた。

 

『別にあいつはバトルマニアじゃねえしな。だから、今回は俺たちでやることになった。俺たちだけで十分だしな♪』

 

とルシフェルは笑いながら言った。

 

「なめやがって………!!」

 

「ドカスが………!!」

 

「彼、調子に乗っているね……」

 

と獄寺たちはいろいろ言った。

 

『ハハッ!なんたって、こっちには()()があるからね』

 

そう言ってルシフェルは自分の右手の中指を見せた。そこには、アルコバレーノのおしゃぶりと同じような形に翼が生えて、ボンゴレの紋章が描かれていたオレンジ色の指輪だった。

 

「なんだ、その指輪は?」

 

リボーンが代表して聞いた。

 

『こいつはお前らから奪った(トゥリニセッテ)の全ての力を7つに分けた内の1つ、《大空》の《(トゥリニセッテ)リング》だ』

 

『!!!??』

 

ルシフェルの言葉にリボーンたちは驚いた。ダークネスからもらったのはどうやら、この《(トゥリニセッテ)リング》のようだ。

 

『まぁ、話を戻すけど………。大体、お前らも予想はしていると思うが、《嵐》の紋章の扉にはジャバウォック、《雲》の紋章の扉にはベルゼブブ、《晴》の紋章の扉にはエンヴィー、《雷》の紋章の扉には豪、《雨》と《霧》の紋章の扉にはスロウスとリリス、そして、ロヴィーノ教団のシンボルの扉には俺がいる。………あっ!スロウスとリリスだけ、なぜ2人かと言うと、スロウスがめんどくさがっていたから、いっそのこと2人にしようという話。まぁ、安心して、スロウスとリリスは俺たち《大罪の7人(ペッカート・セッテ)》の中では弱い部類に入るからな』

 

と説明すると

 

『それじゃあ、頑張れよ♪』

 

「あっ!待ちやがれ!!」

 

獄寺の言葉を無視して一方的に切った。

 

…………

 

「えっと……、どうする?」

 

静かになったそこで炎真が聞いた。

 

「どうするも何も行くしかねえだろ!!」

 

「ですが、どの扉から行きますか?それに、あまり時間をかけられませんよ」

 

風の言葉に一同黙った。すると、バミューダが

 

「それなら、手分けして行くしかないね。問題は誰がどの扉を行くかだけど………」

 

と言った。それに対して

 

「クフフ、僕はルシフェルのところに行きますよ。リリスにも借りはありますが、それよりも、ルシフェルのほうが大きいので……」

 

「前にも言ったけど、あれは僕の獲物だよ………」

 

「ハッ!俺はあのドカスをかっ消す!!」

 

「ん~。僕は豪君のところに行こうかな?」

 

「俺はあのガキをやる!コロネロを侮辱したことは許さない!!」

 

と周りの皆がいろいろ言っていた。それをリボーンが役割を決めた。

 

「それなら、ルシフェルのところは守護者7人、ジャバウォックのところはヴァリアー、ベルゼブブのところは俺たち元アルコバレーノ、久与田豪のところはミルフィオーレ、そして、スロウスとリリスのところはバジル、ディーノ、残りの黒曜だぞ」

 

リボーンの言葉に反対意見が飛んだ。

 

「ちょっと、待つらぴょん!!なんれ、俺たち、骸しゃんと別の班らぴょん!!?」

 

犬がそう言った。

 

「骸がルシフェルのところがいいって言っていたからだ」

 

リボーンがあっけらかんと言った。

 

「それなら、俺たちもルシフェルのところに行けばいい話らぴょん!!」

 

「いや、戦力から考えてこのほうがいい。それにお前らは1度リリスと戦っているしな」

 

「ぐっ………」

 

犬はリボーンに言い負かされた。

 

「ですが、ししょ~がいないなんて、ミーたち心配で~す」

 

フランが弱気なことを言っていた。

 

「クフフ、大丈夫ですよ。フラン、これらを渡しておきます」

 

「あ!それじゃあ、僕もフラン君にこれらを渡しておくよ♪」

 

と骸と白蘭はフランに何かを渡した。それに対してフランは

 

「えっ………。こんなもの、渡されても困るんですけど~」

 

困っていた。というよりも何かに恐れている感じがする。

 

「大丈夫です。さらに策はありますので」

 

「策………?」

 

骸の言う策が何かわからなかったが骸は教えてくれなかった。

 

「大丈夫です、皆さん。拙者たちも頑張ります!」

 

「ああ、死ぬ気でやればなんとかなるって!」

 

バジルとディーノがそう言った。とりあえず、こちらは終わった。次に

 

「リボーン。別に私たちがエンヴィーを相手にするのは構わないけど………。実際に戦った風とスカルを入れなくていいのかしら?」

 

今度はアーデルがそう聞いた。

 

「ああ、そっちはシモンだけで何とかしてくれ。その方が連携を組みやすいだろ?」

 

「そういうことね、わかったわ」

 

「うん!エンヴィーは任せて!!」

 

アーデルは納得して、炎真がそう言った。

 

「あっ。あと、バイパー。お前はこっちだぞ」

 

とリボーンがマーモンに向かってそう言った。

 

「えっ!?なんで!!?」

 

マーモンは当然、聞き返した。

 

「ジャバウォックは幻術をそのまま、ぶち壊すみたいだし、ベルゼブブの大蛇丸という蛇は厄介だからな。こっちに幻術師が必要だ」

 

「だからって!!」

 

「XANXUS、いいか?」

 

リボーンはXANXUSに聞いた。

 

「好きにしろ」

 

「ちょっ、ボス!!?」

 

マーモンはこれでリボーンたちと一緒に行くことになった。

 

「他に文句あるやついるか?」

 

リボーンがそう聞いたがどうやら誰もいないみたいだ。

 

「よし、それじゃあ、オメーら、行くぞ!それぞれ、しっかり、やるんだぞ!!」

 

『オオッ/はい/うん/ああ!!!』

 

リボーンたちはそれぞれの扉に入って行った。


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