家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~ 作:R0
黒づくめの男とチェッカーフェイスとの会話より数時間前のとある民家では。
「起きろ!ダメツナ!!」
「ぐふっ……!!!」
黒いスーツにボルサリーノを身にまとっている赤ん坊がベッドで寝ていた茶髪のツンツン頭の少年を蹴り起こしていた。
「く~っ…。いきなり、何するんだよ!!リボーン!!」
「いつまでも寝ているオメーが悪い。ほら、とっとと着替えろ。ママンが呼んでいるぞ」
と赤ん坊、リボーンは部屋から出ていって降りていった。
「は~…。わかったよ…」
と茶髪の少年、沢田綱吉、通称ツナは着替え始めた。
沢田綱吉、勉強も運動もダメダメでついた渾名は『ダメツナ』。そんな彼には大きな秘密があった。
彼の曾曾曾祖父が作り上げた自警団、その組織が成長し、今では世界最大のマフィア『ボンゴレファミリー』。彼はその10代目候補なのである。
9代目が送り込んだ
「ガゥ?」
「あ、ナッツ、おはよう」
とツナが声をかけた炎の鬣をもつ猫のような生き物は『
「ほら、戻りな」
「ガゥ」
ツナはナッツを『ボンゴレギア 大空のリングVer.X』に戻した。
そして、着替え終わったツナは部屋を出て降りていった。
「あら、ツッ君。おはよう」
「ツナ、おはよう」
「ガハハ、ツナ、お寝坊さんだもんね!!」
「ツナさん、ニーハオ」
「ツナ兄、おはよう」
とツナにあいさつしたのは、
ツナの母親、沢田奈々
リボーンの愛人でポイズンクッキングの使い手『毒サソリ』ビアンキ
ボヴィーノファミリーのヒットマンでツナの《雷》の守護者、ランボ
香港生まれのヒットマン、イーピン
今は失ったがあらゆるものにランキング付けすることができる能力をもつ『星の王子』フータ・デッレ・ステッレことフゥ太
「おはよう、みんな」
ツナはあいさつを返し、椅子に座った。
そこでいつも通りの朝食をとるのだった。
「ガハハ、
とランボは頭のモジャモジャから手榴弾を取りだしリボーンに投げつけた。
すると、リボーンは自分のペットである『形状記憶カメレオン』のレオンをラケットに変えて手榴弾を打ち返した。
「ぐぴゃ!!」
打ち返された手榴弾はランボに当たり、開いていた窓から外へ出てそのまま…
ドカン!!
と爆発した。
そう…、いつも通りの騒がしい朝食を…。
「ちょっ、ランボ!あ~もう、リボーン、何やってるんだよ!!」
「ふん、俺に歯向かったあいつが悪い」
「あ~、リボーン、そんなところも素敵///」
「あ~、いつも、いつも~」
とツナが頭を抱えていると
「それよりもツナ、お前、そろそろ学校行く時間じゃねぇのか?」
とリボーンが時計を指すと
「げっ!やばっ!!」
ツナはそのまま鞄を取りに行って
「それじゃ、行ってきます」
「は~い、行ってらっしゃ~い」
奈々の返事を聞き、靴を履いていると
ゾクッ
「っ……!!!」
急にとてつもない悪寒を感じた。
「どうした?ツナ?」
と後ろからリボーンが声をかけてきた。
「あ、リボーン…。いや、急に嫌な感じがしたのだけど、多分気のせいだと思うよ」
「そっか、それならいいが。ほら、とっとと行かねえと遅刻すんぞ」
「うん。じゃぁ、行ってきます」
とツナは出ていった。
その場に残ったリボーンは
(嫌な感じか…。《超直感》が何か感じたのか?それに…)
実はリボーンも似たようなものを感じていたのだ。それはヒットマンとしての勘なのだが、全てを見透かす力《超直感》とは違ってそれが当たっているかどうかわからない。ただ、
(気のせいだといいのだがな…)
リボーンはこう思うしかなかったのだ。
ツナが学校へ向かって歩いている途中
「おはようございます!!10代目!!」
「よっ!ツナ!」
「ツナ君、おはよう」
ツナに声をかける少年が三人
「おはよう。獄寺君、山本、炎真」
ツナに声をかけた三人は
一人はビアンキの異母弟で自称『ツナの右腕』のツナの《嵐》の守護者『スモーキン・ボム』こと獄寺隼人
一人はツナの親友であり、『時雨蒼燕流』の使い手、ツナの《雨》の守護者、山本武
最後の一人は『シモンファミリー』10代目ボス、古里炎真
ツナたちと炎真たちはかつて、ある男の策略により敵対していたが、今では和解し、親友と呼べる間柄になった。
ツナは三人と一緒に学校へ向かい、たわいもない話をしていると、
「あ、ツナ君に獄寺君、山本君、古里君。おはよう」
「はひっ!こんなところで会えるなんて運命です~」
「ボス、おはよう…」
三人の少女と会った。
ツナの憧れの少女、笹川京子
自称ツナの妻候補、三浦ハル
ツナの《霧》の守護者の片割れ、クローム髑髏
「あ、おはよう。(今日も京子ちゃん、かわいいな///)」
「よっ!」
「おはよう」
「けっ…」
四人はそれぞれ、あいさつした。(一人まともにあいさつしていないが)
そのあと七人は一緒に登校し、学校が違うハルとは途中で別れ(その時に少し色々あったが)、残りの六人が学校に着いたときだった。
ゾクッ…!!!
「っ……!!!(まただ…!!!)」
再びツナにとてつもない悪寒を感じた。
「ボス…?」
「ツナ君?」
「どうしたんだ、ツナ?」
「お顔が優れないようですが…」
「大丈夫?ツナ君?」
周りにいた五人は様子がおかしくなったツナを心配していた。
「あ、うん。大丈夫だよ。心配かけてごめんね」
とツナはみんなに謝った。
「本当に大丈夫ですか?どうか、無理になさらず」
「うん、本当に大丈夫だから。それよりも早く行こう?」
と言ってツナたちは校舎に入って行ったが
(……家のときよりも酷かったけど…、本当に大丈夫だよね?)
ツナは内心、心配していた。
このとき、誰も気づいていなかった。
ツナとリボーンの心配が当たることを…。
そして……、平和な日常が崩れ去ることを……。