家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~   作:R0

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~追憶~ ミルフィオーレと雷の大罪

バジルとコロネロの話が終わった。コロネロはその時のことを思い出したのか顔色が少し悪かった。そして、他のメンバーは新たな《大罪の7人(ペッカート・セッテ)》の登場、《暴食の炎》というまた聞いたことのない炎、そしてコロネロに関してのアルコバレーノの事実、それらが皆を黙らせていた。

 

「えっと……その……大丈夫か?コロネロ師匠」

 

了平が言いにくそうにコロネロに聞いた。

 

「ああ、あの後、家光やバジルたちに励ましの言葉を貰って何とか立ち直れたぜ、コラ」

 

コロネロは了平にそう返した。

 

「ラルは俺が必ず取り戻すぞ、コラ!!」

 

コロネロは決意したように言った。

 

「おお~~!!コロネロ師匠!!俺は極限に感動したぞ!!」

 

「うるせえよ!!芝生頭!!」

 

雄叫びをあげる了平に獄寺が怒鳴った。

 

「ところで、チェッカーフェイス。ベルゼブブが言っていたことはどうなんだ、コラ」

 

コロネロはチェッカーフェイスに自分のアルコバレーノに関してのことを聞いた。

 

「………コロネロ君。すまないがそれに関しては私も知らなかった。ベルゼブブとやらの言う通り、アルコバレーノが8人というのはあの時が初めてだったしね」

 

「そうか、コラ……」

 

チェッカーフェイスの言葉にコロネロは少し落ち込んだ。

 

「ところで、10代目のお父様は?」

 

獄寺が家光について聞いた。

 

「親方様は意識は取り戻していますが拙者たちを庇ったために怪我も酷く、今はボンゴレ本部で療養しています」

 

とバジルが言った。

 

「それでは、γ君に桔梗君。話してくれないかな」

 

「ああ……」

 

「ハハン、わかりました」

 

「そういえば、なんであんたらは怪我を負っていないのな?」

 

「ああ、ユニに白蘭、マーレリングを奪おうとしてきたならそれなりの戦闘があったはずだ。現に今まで話した連中は全員、戦って怪我を負っている」

 

山本と獄寺がγと桔梗に聞いた。

 

「ハハン、それも含めて全て話します」

 

「最初に言っておくが、俺たちのところにも《大罪の7人(ペッカート・セッテ)》が現れた。だが、俺たちはそいつとは一戦も交えていない。………いや、交えることができなかったんだ」

 

そうして、2人は話し出した。

 

 

 

 

 

ミルフィオーレファミリー、現代でもジッリョネロファミリーとジェッソファミリーが合併してできたファミリー。ただ未来では白蘭がボスを務めていたが、現代ではユニがボスとなり白蘭はNo.2になった。まぁ、白蘭には監視をするという意味もあるが。そして、現代ではお互いに協定を結んだうえでできた。今はファミリーを安定させるために頑張っていて、順調だった。

 

そんなある日だった。

 

その日、ミルフィオーレファミリー本部のとある部屋にいたのは

 

ミルフィオーレファミリーボスであり元《大空》のアルコバレーノ、ユニ

 

ミルフィオーレファミリーのNo.2であり、マーレリングの適合者、白蘭

 

《雷》の6弔花、《電光》のγ

 

《雲》の(リアル)6弔花、桔梗

 

《嵐》の(リアル)6弔花、ザクロ

 

《雨》の(リアル)6弔花、ブルーベル

 

《晴》の(リアル)6弔花、デイジー

 

《霧》の(リアル)6弔花、トリカブト

 

そこでは今朝、ユニが見た予知について話し合っていた。

 

「それでユニちゃん。君の予知について話すってことだけど、大丈夫?物凄く、顔色が悪いけど」

 

「姫、休んだほうがいいのでは?」

 

白蘭とγの言う通り、ユニの顔色は優れていなかった。しかし、ユニは

 

「いいえ……。大丈夫です……。この予知はどうしても話さなければなりません……」

 

と言った。

 

「そっか……。それなら、早くしようか!ユニちゃんのためにもね♪」

 

「わかりました。それでは、話します。

『7つの大罪と闇夜』、『(トゥリニセッテ)の悪用』、『地球の危機』

この3つが私が浮かんだ予知です」

 

「『(トゥリニセッテ)の悪用』って、まさか白蘭、テメー!!」

 

「ちょっと、γ君落ち着こうよ」

 

「うるせえ!テメー以外に誰がいるんだ!!」

 

「ハハン、それは少々、横暴では?」

 

「にゅにゅ、そうだそうだ!!」

 

「前科があるからって疑ってくるんじゃねえぞ、バーロー」

 

「皆さん、落ち着いてください!!」

 

喧嘩になりそうだったところをユニの鶴の一声で収まった。

 

「γ、マーレリングが封印されているうえにおしゃぶりだったモノはバミューダたち復讐者(ヴィンディチェ)が守っています。それにボンゴレリングだったモノは今はVG(ボンゴレギア)として沢田さんたちが守っています。その状態では白蘭は何もできません。だから、落ち着いてください」

 

「すまない、姫……」

 

「ユニちゃん、僕の信用無いな~」

 

白蘭が何かぼやいていたが無視して進んだ。

 

「だが、それなら、『(トゥリニセッテ)の悪用』ってのは何なんだ?」

 

「わかりません……。それに他にもわからないことがあります」

 

「『7つの大罪と闇夜』だね?」

 

「はい。そうです」

 

「それにしても『地球の危機』って怖いね」

 

デイジーの言った言葉に全員顔をしかめた。

 

「確かにそうだね。これはユニちゃんの顔色が悪くなっちゃうのも無理ないね」

 

「はい。それから、実は感じとることができませんが悪い予知はまだ他にもあると思うのです」

 

「にゅにゅ、まだあるの!?」

 

「はい。……ですが、先程も言った通り感じとることができませんでした」

 

「ハハン、それは困りましたね。この3つだけだと何のことかさっぱりです…」

 

と議論が止まっていると

 

コンコン

 

誰かがノックしてきた。

 

「ん?誰だろ?」

 

「さあ?とりあえず、部屋に入れましょう。どうぞ、入ってください」

 

とユニが言うと部屋に入ってきたのは

 

「太猿に野猿じゃないか!どうしたんだ?」

 

γの弟分の太猿と野猿だった。

 

「………」

 

「γ兄貴………」

 

2人はγに歩いて近づくと

 

ジャキンッ

 

『!!!?』

 

2人はγに黒鎌(ダークサイズ)を向けた。

 

「!?おい、急にどうしたんだ!?なぜ武器を俺に向ける!!?」

 

「兄貴……」

 

「γ兄貴……、オイラたち体が自由に動かないんだ……」

 

「体が自由に動かないだと!?」

 

野猿の言葉を聞いて、γたちは驚いた。よく見てみると2人の顔色が悪かった。

 

「いったい、どういうことだ!?バーロー!?」

 

「にゅにゅ、何が起きているの!?」

 

ザクロとブルーベルがそう言うと、

 

「ふふふ、それは我輩の仕業でござる」

 

ふと、扉から声が聞こえて、そちらを見てみるとそこには、忍び装束を着た緑色の髪と目をした180㎝後半の20代後半の男がいた。男の両手には革製のグローブが嵌められており、その右手のグローブの上の中指には緑色の石がはまっている指輪、人差し指にはオレンジ色の石がはまっている指輪があった。

 

「お前は誰だ!?」

 

γは男に聞いた。

 

「ふふふ、我輩は『ロヴィーノ教団』、『大罪の7人(ペッカート・セッテ)』の『雷の大罪』、《久与田(くよだ)(ごう)》と言うでござる」

 

男、豪は自分のことをそう名乗った。

 

大罪の7人(ペッカート・セッテ)!?《雷の()()》!?」

 

「《ロヴィーノ教団》?全平行世界(パラレルワールド)の知識を共有している僕でも聞いたことないよ」

 

豪が言ったことにユニは予知の内容の一部と当てはまっていることに驚き、白蘭は疑問に思った。

 

「ふふふ、それはおそらくこの世界だけのものだからではないでござるか?」

 

「あ~、確かにそれは言えてるね。綱吉君たちのボンゴレ匣もあの世界だけのものだったからね~」

 

白蘭と豪は暢気に話していた。

 

「テメーら!!何暢気に話してんだ!!おい、お前!!太猿と野猿に何したんだ!?」

 

γが豪に聞いた。すると豪はニヤリと笑いながら言った。

 

「何をしたかと?それは……………こうしたのでござる!!」

 

豪は右手を前に差し出した。

 

「うっ………!?」

 

「これは………!?」

 

「どうなってんだ!?」

 

「にゅにゅ………!?」

 

「体が動かないよ……!?」

 

「……………」

 

ユニと白蘭以外のγたち6人が太猿と野猿と同じようになった。

 

「皆さん!?」

 

ユニは周りを心配して叫んだ。すると白蘭が笑顔で言った。

 

「………()()()()か」

 

「え………?」

 

「ほら、ユニちゃん。γ君や桔梗たちをよく見てごらん」

 

白蘭に言われて、よく見てみると確かにγたちに細長いワイヤーが着いていた。そして、そのワイヤーの先は豪のグローブの指先だった。

 

「豪君、君はそのワイヤーを使って、γ君たちを操り人形(マリオネット)にしているんだね」

 

「ふふふ、ご名答でござる。さすがは白蘭でござる」

 

「あなたの目的はいったい………」

 

ユニは豪に目的を聞いた。

 

「我輩の目的はユニと白蘭の身柄、そして、マーレリングでござる」

 

「まさか、姫の言っていた『(トゥリニセッテ)の悪用』って………」

 

「ハハン、この事を言っていたのですね」

 

γたちはユニの予知について言っていた。

 

「そんなこと、この僕が許すと思う?」

 

そう言って、白蘭はγたちのワイヤーを切るために

 

「白龍!!」

 

自分の匣兵器を放った。白龍がワイヤーに噛みついて切れると思ったが………

 

ガキンッ

 

『!!?』

 

白龍が噛みついてもワイヤーは切れなかったのだ。

 

「ふふふ、我輩のワイヤーには《強欲の炎》が纏っているから切ろうにも無理でござるよ」

 

「《強欲の炎》?」

 

聞いたことない炎に白蘭は聞いた。

 

「そうでござる。我輩の《雷》の炎と《大空》の炎が組み合わさって生まれた炎、それが《強欲の炎》でござる」

 

と豪は言いながら右手の中指を見せた。そこには、緑とオレンジが混ざった色の炎が出ていた。

 

「《雷》の硬化と《大空》の調和、この2つが我輩のワイヤーをより頑丈にしているでござる」

 

「くっ………」

 

豪の説明に白蘭は苦虫を噛み潰したような顔をした。

 

「そういえば、白蘭は『この僕が許すと思う?』と言っていたでござるが、許されないなら、我輩の人形たちで相手にするだけでござるよ」

 

豪はそう言って、γたちを操ってユニと白蘭に武器を向けた。

 

「くそっ、体が勝手に………」

 

「言うことを聞きません……」

 

すると、豪は何かを思いついたように言った。

 

「あっ、もしくは我輩の言うことを聞かないって言うなら………、我輩の人形たちを使って()()()()()()()()のもありでござるね♪」

 

『なっ…………!!!?』

 

豪の言葉に全員が驚いた。

 

「うむ。それがいいでござる。我輩は根っからの死体愛好家(ネクロフィリア)でござるからな。《強欲の炎》を扱う者、より強欲がいいでござる♪」

 

「ふざけないでください!!!!」

 

豪の言葉にユニが叫んだ。

 

「む?」

 

「ミルフィオーレファミリーの皆さんはあなたみたいな人に殺させません!!!!」

 

ユニははっきりとそう言った。

 

「それなら、どうするのでござるか?この者たちが我輩の人形である限り、おぬしらに何かできる思えないでござるが」

 

「っ………それは………」

 

豪に言われてユニは考え、そして苦渋の末に

 

「………白蘭………」

 

ユニは白蘭のほうを見た。それに白蘭は何か感じたのか、笑って言った。

 

「うん、わかったよ♪ユニちゃんがそう言うならね♪でもユニちゃんはいいの?」

 

「はい………。これ以外にミルフィオーレファミリーの皆さんを救う方法がありません………」

 

そう言ってユニは豪に言った。

 

「私達はあなたについていきます」

 

「姫!?」

 

「すみません、皆さん……。しかし、これしか無いのです……」

 

ユニはつらそうな顔で言った。

 

「ふむ。死体を手に入れることができなかったのは残念だが、まぁ、目的のものを手に入れることができたからそれでよしとするでござるか」

 

そう言って、豪は

 

シュルッ

 

「「!?」」

 

ユニと白蘭の腕をワイヤーで後ろ手で縛った。

 

「姫!?」

 

「白蘭様!?」

 

γたちは2人を心配して叫んだ。

 

「それではマーレリングの場所に案内して貰えないでござるか?」

 

「………わかりました」

 

そして、ユニは豪をマーレリングのところまで案内して貰って豪はそれらを回収した。そして、

 

「それでは、そろそろ行くでござるか。迎えも来たでござるからな」

 

そう言って、豪はある場所を見ると

 

ボゥッ

 

『!!!?』

 

《夜》の炎が出てきた。

 

「ほれ、ユニ、白蘭、行くでござる。この者たちを解放するのはおぬしらが行った後でござる」

 

「……はい」

 

「わかったよ」

 

そう言って、2人は炎を潜った。

 

「チクショー……!!」

 

γたちは見ていることしかできなかった。そして、豪も炎を潜るとγたちはようやく動くことができた。しかし、その時には《夜》の炎は消えていた。




次回、最後の《大罪の7人》が登場。

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