家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~ 作:R0
作者は心理学の知識がありませんので完全に想像です。
イェーガーの話を聞いてまた周りは静かになった。チェッカーフェイス、
「………だから、テメーらは一般人の目の前で並盛が襲撃されても、来れなかったって訳か。一般人を傷つけてないからだと思ったが違ったのか」
「ああ、その通りだ。あの時、俺たちは動けなかったのだ……」
獄寺の質問にイェーガーは答えた。
チェッカーフェイスが話を進めた。
「それでは、次は六道骸君、君たちが話してくれないか?」
チェッカーフェイスの言葉に皆、納得した。イェーガーの話の中にルシフェルたちが黒曜で骸たちを襲ったことが出てきたから。
「クフフ、わかりました。では、話します……」
骸は少し顔をしかめながら話し始めた。
六道骸、城島犬、柿本千種、M・M、フランが根城にしている『黒曜ヘルシーランド』。そこにクロームや差し入れをするツナ以外の珍しい見知らぬ客人がきた。それは2人の男女だった。
「よく、こんな廃墟に住めるわね~」
「
「それもそうね~」
2人は話しながら入ってきた。
「ししょ~、誰か来ましたよ~」
「あいつら、誰なんらぴょん?」
「あの女の格好、何なの?」
「めんどくさそう……」
フラン、犬、M・M、千種が2人についていろいろ言っていた。
「クフフ、いったいどちらさまでしょうか?こんな場所に来るなんて……。度胸試し………というわけではないですね」
骸が2人に聞いた。
「ああ、自己紹介するよ。俺は『ロヴィーノ教団』、『
「同じく、『霧の大罪』、リリスよ」
ルシフェルとリリスは自己紹介した。
「『ロヴィーノ教団』?『
「そりゃそうよ。
「『この地球で』とはずいぶん大きな言い方をしましたね。……まぁ、それよりも新興グループですか。その新興グループが僕たちにいったい何の用ですか?」
骸は2人に目的を聞いた。
「俺たちの目的は六道骸、……お前の
ルシフェルの答えに骸は笑った。
「クフフ、僕の
「いや、全く」
ルシフェルはそう言うとリングに《大空》の炎を灯して保存用匣に注入した。すると中からルシフェルの愛用の武器、《仕込みハルバード》が出てきた。
「クフフ、でしょうね」
骸たちも戦闘準備に入った。
骸は三叉槍を構えた。
「《コングチャンネル》」
犬は牙状のカートリッジを歯にはめ込み獣人化した。
千種はヘッジホッグを構えた。
M・Mはクラリネットを構えた。
フランは怠そうに構えた。
お互いに緊張感が高まっていざ、やろうとしたときだった。
「はい、ちょっと待った」
リリスが止めたのだ。
「何だよ、リリス……。これからってときに……」
ルシフェルがジト目でリリスを見た。
「あなたがやると、手を抜いて時間がかかってしまうじゃない」
「ああ?別にこんな奴らに本気出すこともねえだろ?」
「そりゃそうけど…。それとこれとは別よ!」
と2人は口論になった。一方の黒曜メンバーは
「ミーたち、嘗められてますねぇ~」
「ふざけるんじゃないわよ!!」
「ぶっ潰してやるぴょん」
「いいから、早く終わらせてシャワーを浴びたい」
4人はこう言っていた。しかし、骸は違うかった。
「ですが、気をつけなければなりません。あの2人、口論しているというのに全く隙がありません。
そう、骸の言う通りだった。2人は口論していても警戒は全く怠っていなかったのだ。骸がそう言うと4人は驚きながらも気を引き締めた。すると口論が終わったのかリリスが言った。
「とりあえず、私が最低3人やるわ」
「ちっ……。わかったよ……」
「クフフ、いったい何をするつもりですか?」
「こうするのよ♪」
パンッ
骸の質問にリリスは手拍子1つしながら返した。すると、
「「「っ!!?」」」
骸、犬、千種の3人の様子がおかしくなった。まるで何かに怯えているかのようだった。
「ちょっ、骸ちゃん?あなたたち、どうしたのよ!?」
「ししょ~、頭の房が心無しか萎れてますよ~」
フランの毒舌にも返そうとしない骸と他2人にM・Mとフランは困惑した。
「……や……め……て……」
「やめるんらぴょん!!!」
千種はヘッジホッグを放り投げて、膝をついた。犬もカートリッジを外して、頭を抱えて暴れ出した。
「……………………」
骸は黙ったまま、千種と同じように膝をついて、何かに耐えようとしていた。
「ちょっと、あんた!!骸ちゃんたちに何をしたのよ!!?」
M・Mは元凶であろうリリスに聞いた。
「彼らは
「「!!?」」
リリスの言葉に2人は驚いた。
「エストラーネオファミリーでの人体実験、この3人にとって、トラウマだわ。人間、トラウマを乗り越えたって言う人はいるけど、実際はその時の痛みを忘れることで乗り越えたって思い込んでいるだけなのよ。だから、私がそれを全部思い出させてあげてるってわけ♪」
リリスの説明に2人は呆気にとられていた。
「ミーの知識だと、確かに幻術でトラウマを再現することができま~す。しかし、ししょ~たちのは再現とかそんなレベルじゃありませ~ん。これは完璧に
「できるんだよ。こいつの《色欲の炎》ならな」
「えっ?」
フランの言葉を遮ってルシフェルが言った。聞いたことのない言葉と一緒に……。
「《色欲の炎》?」
「ええ、私には《霧》以外に《大空》の波動が通っているのよ」
そう言って、リリスはリングに炎を灯した。中指のリングからは藍色の《霧》の炎、人差し指のリングからはオレンジ色の《大空》の炎が出てきた。
「その2つの炎を
リリスがそう言うとリングの《霧》と《大空》の炎が消えて中指のリングから藍色とオレンジ色が混ざった炎が出てきた。これが《色欲の炎》らしい。
「《霧》の構築の幻術に加えて《大空》の調和によって自身と他人の境界線が無くなり、矛盾が無くなる。だから、トラウマを
《色欲の炎》初めて聞いた炎の存在に2人は恐怖した。骸は相変わらず膝をついて黙っていたが犬と千種は自傷行為を始めた。
「……そういえば、フラン。お前、ミーの知識がどうのこうの言っていたが……」
「はい?」
フランはルシフェルが急に言い出したことに困惑した。
「お前の知識でどこまで知っているんだ?全て知っているわけじゃないだろ?お前は全知全能の神じゃないんだから?それなのに、偉そうに自分が何でも知っているかのように言うなよ」
「えっ……?何なの、この人?……電波?」
急に何か言い出したルシフェルにフランは引いていた。しかし、M・Mはそんなことを気にせずにリリスに言った。
「………つまり、あなたを倒せば、骸ちゃんたちは正気に戻るっていうわけね……」
「その通りだけど、あなたにできるかしら?」
「できる、できないじゃない、やってやるわ!!!」
とM・Mはクラリネットを構えた。そして、吹こうとする……その前に、
シュルッ
ビュンッ
「あっ!私のクラリネット!!」
リリスが自分の武器の《棘付き鞭》でM・Mのクラリネットを奪った。
「意気込んでいたところ、ごめんなさいね。でも、あなたのクラリネットってたしか、特殊な音波を飛ばして、分子を振動させて沸騰させ、あげくのはてに対象物を爆発させる《バーニングビブラート》だったわね?さすがに喰らいたくないからね……。こうさせてもらうわ」
そう言ってリリスはクラリネットを地面に叩きつけて壊した。
「あっ…!?」
「さぁて。私の番、行かせてもらうわよ」
リリスは棘付き鞭を構えながら言った。
「うっ……」
「じゃあ、始めるわよ♪」
ビシッ
「キャアッ!」
ビシッビシッ
「……うっ……うっ……」
ビシッビシッビシッ
リリスは棘付き鞭でM・Mを叩きつけた。制服がどんどん破れていって傷もだんだん増えていく。マイペースなフランもこれはまずいと思って助けに行こうとしたが
「おっと、お前の相手は俺だ」
「うっ……!?」
ルシフェルにハルバードを突きつけられ行けなかった。M・Mとリリスのほうは……
「……うっ…………うっ……………うっ………」
最初よりも制服が破れて、肌が見えているところには血が流れていた。
「さぁて、これで終わりよ♪」
とリリスがM・Mに向かって最後の一撃と棘付き鞭を降り下ろしたときだった。
ジャキンッ
「「「「!!?」」」」
棘付き鞭がM・Mに当たる前に三叉槍に防がれたのだ。
「クフフ……」
不気味な笑い声と共に来た男の名は
「舞い戻ってきましたよ、輪廻の果てより……」
「………骸………ちゃ……ん……?」
「ししょ~~~~~~!!!」
六道骸
思ったより長くなったので今回はここまでです。
次回、
《~追憶~ 黒曜VS大空の大罪&霧の大罪 ラウンド2》