デュラリールドロップアウト!?   作:タキオンのモルモット

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友人1「お前ヒロイン決まってないってまじ!?ガヴにあんだけフラグ立てといて!?」

俺「あ、うん。まだ決まってない。てか立ててた?」

友人1「命の危機を救うこと2回。その他の助けも含めて4回だぞ!?ここまでフラグ立てまくったならガヴでいいだろ!?」
友人2「いや、ここはヴィーネで!!」
友人3「いや!(ポンコツ)大悪魔のサターニャ様だろ!!」
友人4「は!?ラフィ様に決まってるだろ!?」
友人5「タプリスなんだよな?そうだろ?(威圧)」

────別にこいつらの意見を反映しようとか思ってないけどここまで綺麗に割るもんなんだな······

······タプリス?最低でも青葉登場する季節までは多分来ないよ?

そんなこんなで、デュラリールドロップアウト始まります!!

いつかヒロインアンケートをしなきゃならないかもしれないなこれじゃあ······

因みに作者はガヴとサターニャ推しです←



ダラーズ開幕

「······つまり?その女の子と曲がり角でぶつかるという今時もう見ないであろうマンガ的出会いをして黒バイクに追われてたと。」

 

「う、うん。決してナンパじゃないから!!」

 

なんて会話をしている時。

 

その女の子の顔を()()()()()女。黒バイクことセルティ・ストゥルルソンは困惑していた。同居人の岸谷新羅が割と心配する勢いで。

 

『そもそも何で私の首に私以外の身体があるんだ?』

 

「······まあ、実際に見ていない私が何を言っても白川夜船、つまりは知ったかぶりにしかならないからねえ。その程度の推測でもよければ話をさせてもらうけど?······体格の合いそうな女の子を見つけて適当に首をすげ替えたんじゃないかな?」

 

その答えはセルティも想像していたが、その通りならどうしようもない。

 

「まあ、国のどこか────より大袈裟にするならば、軍の研究機関が手に入れて不死の軍団作ろうぜ的なノリでくっつけたとか?」

 

『ゴールデンラズベリー賞は間違いなしだな』

 

どこかの研究所は大いにありえる話だが。

 

「まあ、クローンは飛躍しすぎだとしても、適当に死体と繋ぎ合わせたりはしたかもしれないね。あるいは、生きた人間を攫ったりして、殺した直後なら生き続ける首を繋げたら身体の方も生き返るんじゃないか、とかね。論理的には馬鹿馬鹿しい話だけどそもそも君と君の首自体が論理的にありえない存在なんだ。死人の身体を乗っ取ることだってありえるかもしれない」

 

『反吐が出る。だが、いくら何でもそこまではしないだろう』

 

「確かに、まともな人間のやる事じゃあない。だけど────きっかけさえあれば人間はなんでもするよ。例えば、可愛い娘が死んで、せめて身体だけでも永遠に生かし続けたいとか────あるいは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

『とにかく────あの『首』と、一度話をしてみようと思う』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

矢霧誠二は回想する────

 

今日の昼間。ついに自分の運命の人を見つけた────が

 

その運命の人の手を引き去って行った、クラスメイトの竜ヶ峰帝人。そしてその2人を追った黒バイク

 

「何でだよ······なんでだよ畜生!!何でみんな俺の恋の邪魔するんだよッ!俺が何かしたのかよ!彼女がなにかしたのかよっ!!畜生おおおおお────ッ!!」

 

 

 

 

その後、部屋の隅に座って誠二は何かをブツブツ呟きながら蹲っていた。そんな様子の彼を落ち着かせるように、姉の波江が弟の身体を優しく抱きしめる。

 

「大丈夫よ、私たちに任せて。絶対に彼女を取り戻してみせるから······だから、安心しなさい」

 

 

 

「で?解ったの?」

 

「はい、誠二さんの言っていた竜ヶ峰という奴の住所ですが────池袋駅の側にあるボロアパートです」

 

「そう······それならとっとと下の連中を使って回収しなさい。いい?『下』の連中全員にすぐに連絡を回して。誰でも構わないし────生死は問わないわ。場合によっては、そのまま処理してしまいなさい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。

 

「······矢霧が欠席?」

 

張間美香は今学期最初からずっと欠席しているがここに来て矢霧も休みか······。

 

────そういえばあの竜ヶ峰が保護した首に傷のある少女······高校生くらいでしかもあのスカートここの学校のやつに似てたな······まさか、な。

 

「あ、コイツだよタカシ!」

 

「······ん?」

 

女子の一人が、竜ヶ峰と杏里の方に向かって指をさしていた。

 

「お前、俺の彼女の携帯ぶち壊したやつと知り合いなんだってな」

 

「知り合いってほどでは······」

 

「で、どこよ、てめえと一緒にいたって野郎は────」

 

それ以上その男は言葉を発することが出来なかった。

 

音もなく現れた黒バイクがその男を踏み潰し────

 

ゴシャッ

 

倒れたところに更に臨也が上から落ちてきた。

 

「ありがとう」

 

放心する周り全員の目の前で臨也は恭しく一礼してみせた。

 

「君は────俺が女の子を殴る趣味が無いからって、わざわざ男を用意してくれるとは!なんて殊勝な女の子なんだろう。彼女にしたいけどごめん、君、全然タイプじゃないから帰れ」

 

「うわヒデェ······」

 

ちなみに女は「ごめん、」のあたりで彼氏を見捨てて逃げている。

 

見捨てる以外の選択肢は多分なかっただろうが。

 

「ふう、前回はシズちゃんという邪魔が入ったからね、かと言って住所調べて先に家の前で待ってても失礼だと思ったから校門で待たせてもらったよ······にしてもさ、なんで黒バイがいるの?」

 

(それはこっちのセリフだ)

 

「あんたこそ何でいるんだ······ 」

 

臨也さんが表の人間、しかも一介の高校生に関わることはほとんど有り得ない。

 

······それにセルティさんがいるのも気になる······

 

「······取り敢えず竜ヶ峰。とっとと帰ろうぜ。ガヴもな。」

 

「そうですね······目立っていますし······」

 

「······そ、そうだね!それじゃあ園原さん!!また明日!!」

 

「あ······はい······」

 

そして竜ヶ峰が歩き出す。

 

帰り道が同じなのでその後ろを俺とガヴが歩き出す。

 

そしてその後ろをセルティさんがバイクを押しつつ歩き

 

その後ろをガードレールの上を臨也さんが歩く。

 

 

「······アヒルの行進か何かかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええと······僕の部屋はここの1階にありますけど······いい加減説明してください。貴方がたは一体何者なんですか?」

 

『行方不明になっていた知り合いの娘を見つけたが何故か逃げてしまったんだ』

 

「すみませんが、その話を信じることはできません。」

 

ですよねー。

 

セルティさんもわかっていたのか、竜ヶ峰をアパートの裏に連れ込んで正体を見せるらしい。

 

まぁ、そうしなきゃダメだよなぁ······

 

「で?臨也さんは何でここに?」

 

「ん?私用。気になることがあったからね」

 

······?

 

そんな会話をしていると竜ヶ峰とセルティさんが戻ってきた。

 

「僕が先に行って彼女に話してきます。事情を説明するより先にセルティさんの姿を見られて僕が誤解されるのは嫌ですから」

 

『了解した』

 

 

 

 

「······ところで運び屋。俺あんたの名前初めて聞いたよ外国人だとは思わなかったな」

 

「嘘つけ」

(嘘つけ)

 

「ば、バイクさん外国の方だったのですか!?」

 

『いや、どちらかと言うと君たち天 』

 

「······遅いな竜ヶ峰······」

 

もう5分も経っている。

 

ふと、アパートの前を見る。

 

────清掃サービスの······ワゴン車?アパートに?

 

まさか!!

 

────瞬間

 

セルティさんが同じ考えに至ったのか竜ヶ峰の部屋まで駆け出す。

 

そして手を伸ばした瞬間、部屋から作業着の二人の男が出てきた。

 

男二人はセルティさんを突き飛ばし、逃げようとする。

 

セルティさんは追おうとするが

 

「追う必要はないよ、バンに見覚えが」

 

「そうだな、追う必要はないな。俺の目の前来たからな〜」

 

「え?」

(え?)

 

「ひっ······か、叶歩!?」

 

それじゃあ、拳を握って〜

 

 

 

ゴッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「······あのさぁ、歩くん?君自分が化け物って自覚してるよね?してるよね?」

 

「······いやー、加減間違えちった?」

 

「君の体はシズちゃんより硬いんだよ?そんな奴の拳とかマジで危ないんだからね?」

 

「大丈夫!死んでないからセーフです!!」

 

「その考えはどうかと思いますよ、歩さん?」

 

「ごめんなさいガヴリールさんお許しください(震え声)」

 

ガヴが怖かったです。

 

 

 

 

「······吐かせたら矢霧製薬の奴らだったよ」

 

「ああ、最近落ち目で、外資に吸収される寸前の木偶会社か。やっぱりね。」

 

「矢霧······製薬······?」

 

いなくなった首の女。デュラハン。矢霧。製薬会社。行方不明。張間美香。園原杏里の話。矢霧誠二。人買い。

 

帝人の頭の中に様々な『断片』が思い浮かんでは消えてゆく。

 

そして帝人はパソコンを立ち上げる。

 

「ははっ······正直、疑い半分だったんだが────」

 

臨也がそこまで言ったところで、帝人は立ち上がったばかりのパソコンから即座にネットに接続し、もの凄い指さばきで即座に何かのパスワードを入力し────何かのページにログインした。

 

「······帝人ってこんなやつだったのか······」

 

「お願いです。少しの間だけ────私に協力してください。」

 

いつもとは違う有無を言わせぬ口調で

 

「駒は、私の手の内にあります」

 

ハッキリ、そう言った。

 

 

 

「────大当たりだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、その日の午後11時 池袋

 

 

 

「······なんで君たちがいるんだい?ガヴは俺についてきただけだけどさ······ヴィーネとサターニャ。」

 

「?良く分からないけどだらーず?とかいうネット掲示板みたいなのにここに集まれみたいな事が書いてあったからよ!!」

 

······まさかサターニャがダラーズに(無自覚に)入っていたとは······てことは

 

「私も無理矢理サターニャに登録されてね······」

 

「来なくても良かったのに······」

 

「だ、だって集合って言われてたし······」

 

「律儀すぎやしませんかね!?」

 

「でも今日何するのかは全くわからないわ!!」

 

でしょうね。

 

「······まあ······集会だし、楽しめばいいと思うよ?」

 

バケモノがひと暴れするだけだからね

 

 

 

そして────

 

 

 

piriririririri

トゥルルルルル

プルルルルル

コロコロコロコロロン

 

一斉に皆の携帯が鳴り出す。

 

「「「!?」」」

 

「お前ら、集会開始の合図だ。メールの指示に従えばいい。」

 

 

 

そんなダラーズ初集会のど真ん中

 

「何······これ······?何なのよ······何なのよ······何なのよこいつらあああアッ!!」

 

矢霧波江は絶叫をあげることしか出来なかった。

 

その直後────

 

BRRRRRRRRRRRR!!

 

黒バイクが東急ハンズの壁を垂直に降りてきた。

 

────そして、一方的な戦いが幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

1人の男が私のヘルメットを飛ばす。

 

────そこには何も無い

 

「うわあああああああ!!」

「く、首なしだ!!」

「本物の首無しライダーだ!!」

 

ああ、そうだ。私には首がない、私は化け物だ

 

多くを語る口も、相手に情熱を訴える瞳も持たない

 

 

 

 

 

だが、どうした?それがどうしたというのだ!!

 

私はここにいる、確かにここに存在する!!

 

目が無いというならば、我が行状の全てを刮目してみるがいい!!

 

化け物の怒りに触れた者の叫びを存分に耳にするといい

 

 

私はここにいる!!ここにいる、ここにいるんだ!!

 

 

 

 

 

 

「······ど、同類······なのかしら?ヴィネット······あれは」

 

「デュラハンね、私達悪魔とは似て非なるもの······みたいなものかしら?」

 

「どちらかと言うと······私達天使に近いのかと······お迎えすると言いますし。」

 

「どうなんだろうねぇ······この世界にゃ吸血鬼とかデュラハンすら超える化け物みたいな人間がいるしねぇ、俺みたいに」

 

「そうで··················え?」

「「············え?」」

 

「よお、お前ら楽しそうなこと話してんじゃん、俺も混ぜてよ」

 

「「「あ、あ、歩うううううううう!?」」」

 

俺だよ!!

 

「あ、歩さん」

「こ、これは違うの、違うのよ歩」

「そうよ、私は大悪魔「いや何言ってるのサターニャ!?」あっ······」

 

シリアスもなし。本当に特に無し。

 

イザコザも何もなく、彼女達は正体がバレた。

 

「いや、まさかマジもんだとは思わなかったよ。セルティさんから聞いた時は半信半疑だったけどね。『同じ人外の気配がする』って言ってたけど······」

 

「······その······このことはほかの誰にも······」

 

「言わねえよ、安心しろ。」

 

そう言ってホッと胸をなで下ろす3人。

 

「······というか、大悪魔である私が怖くないのかしら?」

 

何言ってるんだ今更

 

「·····あのさぁ······首無しライダーと平然と喋る人間が今更悪魔とかでビビる訳ねえだろ······それに見た目可愛い女の子にどうビビれと?」

 

「なっ······///」

「何言ってるのよあんたは!!」

 

ん?変な事言ったかな······?

 

「まあ、それよりも早く帰りなよ。もう11時だし。」

 

 

 

 

 

────そんな────た

────おい、何やってんだ!?

 

「······ん?」

 

何やら騒がしい。

 

ふと声のした方を見る。

 

そこには────

 

 

「愛の力は!!誰にも止められないんだよ!!」

 

丁度矢霧誠二が竜ヶ峰帝人にカッターナイフを振り下ろしたところだった。

 

「なっ!?竜ヶ峰!?」

 

ガッ!

 

セルティが間一髪のところで助ける。

 

「俺の愛はっ、この程度じゃ砕けない!!」

 

セルティが影で作った鞭で矢霧の腕を叩く。が。

 

「効かない!!」

「こいつ薬か何かキメてんのか!?」

 

「痛みはあるが忘れる!!俺とセルティの!!彼女との生活に痛みは必要ない!!だから今、この場で受ける痛みに痛みを感じない!!」

 

「無茶苦茶な野郎だなおい!!」

 

そう思いつつ拳を握りぶん殴る準備をする。

 

矢霧誠二に拳が届くまであと少し!!

 

「やめてえええええええ!!」

 

「「「!?」」」

 

拳があと一歩動けば届くというところで首に傷のある女が割って入ってきた。

 

「やめてください!!誠二さんは私を助けてくれた人です!私と杏里ちゃんを助けてくれて······」

 

······杏里ちゃん······ってことは、まさか、本当に────

 

「お前、張間美香か?」

 

「え······?」

 

「そうなんでしょう?貴方は矢霧君に殺されたはずの張間美香さんなんでしょう?」

 

「う、嘘だろ······?」

 

「······ごめんなさい······誠二さん······」

 

そして真実が語られた。

 

矢霧誠二の部屋に侵入してバットで殴られた際、まだ死んでいなかったこと。

 

矢霧波江に「あの首の顔になりたくないか?」と提案を受けたこと。

 

そして────とある医者がその顔に作り替えたこと。

 

セルティさんの本名を知っていて。顔も知っている人物。

 

────岸谷新羅。

 

 

「でも、波江さん、それだと生温いって、薬を使って記憶を消すって······でも、忘れたくなかった。誠二さんに想いを伝えたかったから、私は────」

 

「······そんな······じゃあ、俺は······一体なんのために······」

 

「まぁ、君は本物と偽物の区別すらつけられなかったわけで、ぶっちゃけた話をしてしまえば······」

 

────あんたの首に対する愛はその程度ってことだね

 

臨也のトドメの一撃を喰らい、矢霧誠二はそのまま沈黙した。

 

「ご苦労さん······プ······フフ······あっははははははは!!!」

 

高笑いして何処かへ行く臨也を見て、そして、ショックを受けている矢霧誠二を見て。帝人は思ったことを口にした。

 

 

「ええと······矢霧君は偽者を見破れなかったけど彼女を命をかけて守ったのはすごいと思う」

 

「······!?」

 

「それと僕は張間さんの話を聞いて誤解してました」

 

「え?」

 

「確かに、性格に問題はあるけど、ストーカーじゃないです。ストーカーの行動原理は所有欲だと思う。でも彼女は矢霧君のために命をはった、それは身勝手な欲だけじゃ出来ないんじゃないかな?······まぁ、殺されかけた相手をまだ好きってすごいなぁと思うよ。色々な意味で」

 

────つまりさ、張間さんと矢霧君はすごく似てるんだと思う

 

 

 

 

 

 




次回!!エピローグの後、ガヴドロ何話かやって罪歌編!!


······終わりませんでした(白目)

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