デュラリールドロップアウト!?   作:タキオンのモルモット

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とある絵師さんの影響で最近サターニャがマジで可愛すぎて萌え死にそう

あ、ユーザーネーム変えました



池袋最強

通り魔に襲われた翌日の放課後。

 

「サターニャ、一緒に帰ろうぜ」

 

「歩が誘ってくるなんて珍しいわね、何かあるの?」

 

「いや、気になってる店があるんだが······なんでもメロンパンパフェというのがあるら「行くわ!!」お、おう」

 

と、いう経緯で俺達はその店に行ったのだが────

 

 

 

 

 

「貴方の思う池袋最強は誰ですか?」

 

────どうしてこうなった?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はただ知りたかっただけなのだ。

 

ゴシップネタばかり扱う三流雑誌記者として、というよりも純粋な好奇心からと言った方がいいだろう。

 

春先に起きた首無しライダーの騒動の時でさえ、ここまでの気持ちは湧き上がらなかった。

 

 

しかし、編集長から特集のテーマとして告げられた単語は私の歳をいささか若返らせた。

 

────最強。そう、最強だ。

 

この池袋という街で最強は誰なのか!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──── 一般市民の場合────

 

「最強?っていうとやっぱあれだろ、黒いバイクに乗ってるやつ!!」

「その辺のヤーさんじゃないっすか?」

「やっぱサイモンだろ」

 

────居酒屋の店主の場合────

 

「素人は知らんだろうけど······今は新宿に行っちまってる折原臨也ってぇ奴がいてな······」

 

────カップルの場合────

 

「今の最強?ダラーズ創った奴じゃない?」

 

────ガラの悪い3人組の場合────

 

「こういう黄色いバンダナしてる奴ら見かけるっしょ?」

 

────中年男性の場合────

 

「警官だね、そこの交番にいる葛原ってのはスゲぇよ」

 

 

実に興味深い。

 

この街では、誰もが、何らかの形で「最強」をイメージしている

 

ならば、最強と呼ばれる人物は、自分ではどう思っているのだろうか?

 

 

 

 

───目出井組系 粟楠会幹部 四木氏の場合────

 

「喧嘩最強────素人さんも含めて、ですか······うーん」

 

そう言って四木さんは少し考える。そしてこう続けた。

 

「ここから先は記事にしないでくださいよ?」

 

「いえね?そりゃ、建前上は堅気に手ぇ出したりはしませんよ。ですが、さっきも言いましたけど、向こうから喧嘩を売ってきた場合は別です。······ただ、ねえ。いるんですよ、なるべく揉めたくない素人さんってのも」

 

「サイモン?あの寿司屋は気のいいやつですから揉めるってことはまずありません。まあ、喧嘩になったらそりゃ強いでしょうよ。まあ、負ける気もありませんけどね?」

 

「でも、遠くはないなぁ、そのサイモンとつるんでる奴なんですけどね······」

 

「────平和島静雄と叶歩。」

 

「こいつらには手を出すな、って若いもんには言ってます······まあ、ほかの人に聞けばわかりますよ、特に叶歩。あれには勝てないかもしれない。」

 

「平和島静雄ってのはね、かっこいい喧嘩をする奴なんですよ。でも叶歩は喧嘩にならない。」

 

「強すぎるんじゃなくて、硬すぎるんですよ。────まあ、これは街の方々に聞けばわかりますけどね······何も効かない人間なんです、ただ単に。」

 

「────あんたの娘さん、今高校生なんですって?」

 

「こっちにはこっちの情報網ってのがあるんですよ────先程の記事にしない件宜しくお願いしますね?」

 

結局、このテープの内容はほとんど使えなくなってしまった。

 

 

────露西亜寿司店員 サイモン氏────

 

「オー喧嘩ヨクナイヨー、セナカとオナカ癒着シテオショクジケンヨー、オショクジ寿司タベルイイヨー」

 

────ダメだこりゃ。話が通じない。

 

「お客さん?この辺で一番喧嘩の強いヤツって、平和島の大将のことかい?それとも叶のことかい?」

 

「サイモンに聞いたっていい奴としか言わない、本当に平和島と叶のことを詳しく知りないのなら────」

 

 

 

 

────情報屋 折原臨也の場合────

 

「······誰から聞いたんですか俺のこと······」

 

「住所まで知ってるって事はそうとうお得意さんなんですけど······あ、記事読ませてもらいましたよ」

 

「────ところで、高校生の娘さんはお元気ですか?」

 

「粟楠会の四木さん、いい人だったでしょう?」

 

────なんてことだ。粟楠会の言っていた情報網とはこの折原臨也の事だったのか、そうとも知らずに私は

 

「まあ、いいですけどね。」

 

へ?

 

「喧嘩最強かぁ······そうなるとやっぱシズちゃんと歩君かなぁ······」

 

「······シズちゃん?」

 

「平和島静雄。······つっても、俺アイツらのことあんまり語りたくないんだよね、シズちゃんは大嫌いだし歩君は苦手だし」

 

「いや、そこを何とか······」

 

「······あの2人と親しいヤツを紹介するからソイツにききなよ」

 

そして、折原氏は何処かに電話をかけ────

 

 

 

 

───運び屋 セルティ・ストゥルルソン氏の場合───

 

「初めまして、東京ウォリアーの贄川です」

 

『どうも、初めまして。セルティ・ストゥルルソンです。』

 

まさかこんな所で都市伝説の黒バイクと会えるとは思わなかった。しかし、意思疎通がとれるとは······

 

『池袋の喧嘩最強でしたっけ?······静雄でしょうね。』

 

────おや?叶歩の名前が出てこなかった。

 

『え?歩君?確かに喧嘩慣れはしてますけど······最強と言ったら静雄ですかね。歩君はめちゃくちゃ硬いというのもありますが······』

 

「······それはどういう事なんです?」

 

『どういう事か······と言われましても、言葉通りの意味ですよ。そうですね······三月の下旬だったかな?彼、電車に轢かれたんです。』

 

「······は?」

 

『その時の怪我が······確か手首の捻挫と軽度の打撲で全治1週間だったかな?』

 

────それはほぼ無傷ということになるのだが?

 

「えーっと······?」

 

『俄には信じられないでしょうけど、そのくらい硬いんですよ。彼は。それだけなんです。十分脅威ですけどね。』

 

「一部の人間は貴女が最強だと言う人もいらっしゃるのですが······」

 

そうするとセルティ氏は肩を震わせ少し俯く、笑っているのだろうか。

 

『ハハハッ、私が最強?ないない。それはこの格好にビビってるだけですよ』

 

『静雄の強さはそういうのじゃない······次元が違うっていうか······住んでる世界が違う。そう、あいつの強さは拳銃の強さだ。アイツに喧嘩で勝てるなんて、叶歩以外いないんじゃないかな?』

 

 

 

 

「────今日は、貴重な話をして下さりありがとうございました······あの、これは取材ではなく私の好奇心なのですが······」

 

そこまで言うとセルティ氏は察したのかヘルメットを指さし

 

『ああ!これ。いいですよ?これで私が何者かがわかると思います。』

 

そう伝えてきてヘルメットを外す。

 

そこには頭がなくゆらゆらとした影が蠢いているだけだった。

 

きっと、セルティ氏は奇術師なのだろう。そうだ。そうに違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後も取材を続ける────

 

「あー、平和島静雄、あのバーテンの?いつも自動販売機投げてるんだよ」

 

「平和島静雄って1回折原臨也に罪を擦り付けられてさぁ、その時もう無罪は証明されてたのにマジ切れして自動販売機パトカーに投げて器物破損と公務執行妨害で逮捕されたんだよ」

 

「叶歩?ああ、あの出鱈目なやつか、あいつ中学時代に金属バットで殴られたりする集団リンチ受けたことがあるらしいんだけど、アイツを殴った瞬間金属バットの方がへし折れたらしいんだよ······あいつが最強なんじゃね?」

 

「前にトリカブトだかその手の毒物が飲み物に入ってるのを飲んじまったらしいんだけど、三日三晩腹痛と下痢に襲われた程度で済んだらしいんだよね、後で警察が調べたら常人の致死量の倍くらいの量入ってたらしいよ?」

 

 

調べれば調べるほど出てくる突拍子もない話。

 

────会ってみたい。

 

そう思い聞き込みを続けると、

 

「叶歩なら見ましたぜ?さっき向こうに赤髪の美少女と歩いてましたよ?」

 

 

 

 

 

 

────叶歩氏の場合────

 

「······で、俺にインタビュー?マジで?」

 

「へー凄いじゃない歩」

 

この少年が叶歩?まだ学生じゃないか······

 

多少鍛えられているような体つき。目の下にはでかい隈があるがなかなか整っている顔をしている普通の学生。第一印象はそれだった。

 

「いや、別に構いませんけど······俺今からスイーツ食べに行こうと思ってたのになぁ······」

 

「あ、ならそこでも構いませんよ?路上で聞くのもあれですし······」

 

ぶっちゃけ、中年の体力的問題で少し休みたかった。

 

「······これ私は帰った方がいいかしら?」

 

「いいよ。大人しくしてるなら文句は言わねえよサターニャ。······あ、でも決めるのは俺じゃなかったか。」

 

「あ、いえ、私も別に構いませんので······」

 

「だとよ、んじゃ、すぐそこなんで行きましょうか。」

 

店に入ると赤髪の少女はメロンパンパフェ(豪華なパフェにメロンパンが丸々一個ぶっ刺さってた)を注文、叶歩氏はチョコレートバナナクリームアイスパフェ(一応もう冬なのだが、アイスである)とアイスカフェラテを注文した。(因みに私はブラックコーヒーである。見てるだけで胸焼けがするので無性に飲みたくなった)

 

「それで······幾つか質問があるのですが······」

 

「ええ、構いませんが······」

 

「では······噂を色々耳にしたのですが······揉め事にはよく関わられるのですか?」

 

「いいえ?揉め事がくるんです。自ら揉め事に関わるときは······あんまり無いですね、あったとしてもこちらからは手を出しませんよ?」

 

「······本当に?」

 

「?ええ。面倒くさいですし、そこまで強くもないんですよ俺。」

 

────これは······外れか?

 

「ここに来るまでに色々な話を聞いたのですが······貴方の知人からは『硬いだけ』と聞いたのですがそれはどういう意味で?」

 

「······あー······説明するより見てもらった方が早いかなぁ······どうしよう······んー············」

 

「······まあ、文字通り、刃も通さない、車が突っ込んできたら車の方が凹む、ナイフは当たった瞬間砕け散るし、拳を当てようものなら拳が砕ける。それが俺の身体なんです。はい。」

 

つまり────と、彼は続ける。

 

「相手が攻撃したら相手の方が壊れてしまう。結果、俺の勝ちになる。だから俺は今まで喧嘩は静雄さん以外に敗けたことがない。だから最強って言ってるんでしょーね。素手はあまり強くないのだがなぁ······────あ、すいません、バナナイチゴサンデー1つ」

 

「私はメロンパンチョコサンデー!!」

 

僅か5分でパフェを食べ尽くし、追加で注文する。

 

見てるだけで胸焼けがひどくなってきた。

 

「えーと······では貴方の思う池袋最強は?」

 

「静雄さん。」

 

二つ目のパフェを頬張りながら叶歩は即答した。

 

「いや、他にいないと思いますよ?あの人に勝てる人がいるとは思えません。はい。あ、すいません。クリーミープリン追加で」

 

「そ、そうですか······今日は貴重な話をありがとうございました」

 

「いえいえ、じゃ、お仕事頑張ってくださいね────あ、あとメロンパフェ1つ」

 

────同行者の赤髪の少女の場合────

 

「え?最強?······歩以外知ってる人が居ないからわからないわね。私は歩と思ってるわよ?────すいません、イカスミパフェ1つ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「······はぁ、疲れた······」

 

「お疲れ様、雑誌に載るかもよ?」

 

「勘弁してくれよ······まあ、多分載らないだろうけど。静雄さんはあの手のやつ大っ嫌いだからね。ぶん投げられて怪我して書けなくなるんじゃないかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は暴力は嫌いだって言ってんだろうがああああああああああああああ!!俺に嫌いな暴力を使わせやがって何様のつもりだッ!!」

 

その呟きは物の見事に的中し、ぶん投げられたことを叶歩は知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んじゃ、サターニャ、スマンが俺は寄るところあるから、寄り道せず真っ直ぐ帰れよ?」

 

「ええ、歩も遅くならないようにね?」

 

そう言ってサターニャと別れ、新宿の臨也の拠点のマンションに向かう。

 

「ってな訳で臨也さん、切り裂き魔の情報よろしく」

 

「────まさか本当に来るとは思ってなかったよ······」

 

「言ったじゃないですか、明日行くって、3枚でいいんでしょ?ほれ。」

 

そう言って諭吉を3枚手渡す。

 

「······まあ、お金を貰ったからには話そうじゃないか······今回はね、魑魅魍魎の世界の話なんだよ」

 

「······ほう、つまりセルティさんの同類?」

 

「ついでに言うなら君が良くつるんでる女の子4人もだろ?······まあ今回はちょっと違うけど。」

 

────サターニャ達のことを話していないのに、知っているとは······まあ折原臨也ならありえる話と割り切る。

 

「罪歌って知ってる?」

 

「?チャットルームの荒らしの話?」

 

「いや、そっちじゃない······まあ、関係はあるけど。······罪歌っていうのはね、昔本当に池袋に存在した妖刀なんだよ。」

 

「······マジかよ」

 

それから以下の情報をもらう。

 

・罪歌という妖刀は心を持ち、人を乗っ取る伝承がある。

・被害者は全員『赤い目』を見たということ。

・ネットに『罪歌』というハンドルネームが出現する日は決まって通り魔の被害者が出た日の夜だということ

 

「ふーん······なるほど、聞くだけ無駄だったようだ······」

 

「あれ?昨日交戦したんだよね?」

 

「俺になまくらが通るとでも?」

 

「······ああ、なるほど······乗っ取られた人間まで日本刀を使うわけじゃないってことか······それじゃあ確かに君は乗っ取られる心配はないね······」

 

「······まあ、一応斬られたらゲームオーバーってのはわかったし、銀夜に夜の散歩を控えるように言えばいいか。サンキュー臨也さん。んじゃ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「······歩君を妖刀でどうにかするのも難しそうだなぁ······」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「······くっ······痛たた······」

 

先程、平和島静雄にぶん投げられた記者は静雄の上司である田中トムの忠告を聞き、

 

(これは完全に記事にしてやる······平和島静雄の友人関係、趣味趣向、全てを書き出してやる!!)

 

逆に燃えていた。

 

「全ての事実を手に入れろ!」

 

だからこそ気づかなかった。

 

後ろから、赤い目をした女が近づいていることに。

 

 

 

この記事が上手くいけば、全て上手くいく、きっとギクシャクしていた娘との仲も元通りになるだろう────上手くいけば、きっと────

 

 

そして振り上げられた腕が下ろされ────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────チャットルーム

 

甘楽:知ってますか!今日の通り魔の被害者あの「東京ウォリアー」で東京災事記の記事書いてた人らしいですよ

 

あるく:まじで?

 

駄目天使:へぇー······

 

セットン:え、本当なんですか?······無事なんですか?

 

甘楽:なんかなんかー意識不明の重体らしいですよ!

刺傷以外にも体中に擦り傷があったって

 

セットン:そうですかー

 

田中太郎:?知り合いなんですか?

 

セットン:あ、いや···その記事のファンだったんですよー

 

────罪歌さんが入室されました────

 

甘楽:キタ━(゚∀゚)━!

 

あるく:キタ━(゚∀゚)━!

 

駄目天使:キタ━(゚∀゚)━!

 

セットン:罪歌さん、ばんわー

 

罪歌:人、斬った、でも、まだ、駄目

 

甘楽:無駄ですよセットンさん。こっちのレスには反応しないんですうー

 

田中太郎:プログラムかなんかですかねぇ。

なんだか不気味ですねぇ。

 

駄目天使:プログラムってこんな事出来んの?

 

あるく:やろうと思えば出来ると思うが······

 

セットン:他の掲示板も対応に苦慮してるみたいですねー。

 

田中太郎:でも、人を斬ったって······通り魔だったりして

 

罪歌:斬る、続ける、強く、なる

 

甘楽:そういえば私が新しい被害者が出たっていう日に必ず出てますよね。やっぱり妖刀ですよ!妖刀がキーボードカタカタ打ってるんですよ!

 

あるく:それこそ幼刀じゃないと出来ないだろ

 

セットン:化け物も幼刀もネットなんかやらないでしょ

 

罪歌:もっともっともっともっと、最後に近づく、斬る、私、愛する

 

罪歌:目的、見つけた、愛する、見つけた、静雄、歩、平和島、静雄、叶、歩

 

あるく:······え?

 

駄目天使:······は?

 

田中太郎:え?お二方の知り合いなんですか?

 

罪歌:愛する静雄斬る歩斬る平和島私が叶に斬る静雄愛する歩愛する

 

罪歌:愛の為に愛の為に愛の為に愛の為に愛の為に

 

罪歌:平和島平和島平和島平和島平和島平和島

 

罪歌:叶叶叶叶叶叶叶叶叶叶叶叶

 

罪歌:静雄静雄静雄静雄静雄静雄静雄静雄静雄

 

罪歌:歩歩歩歩歩歩歩歩歩歩

 

内緒モード田中太郎:······臨也さん

 

内緒モード甘楽:ちっ、シズちゃんの関係者か······?いや、シズちゃんざこんなウザい奴を生かしておくわけないか······

 

あるく:すまん、落ちるわ

 

────あるくさんが退室されました────

 

駄目天使:私もだ、すまない

 

────駄目天使さんが退室されました────

 

田中太郎:これ落ち着くまで一旦チャットから退室した方が良さそうですね、じゃあ一旦落ちますー

 

セットン:じゃあ私もー

 

甘楽:今日はこれで解散ですねー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「歩!!」

 

「落ち着けガヴ。慌ててもどうしようもない。」

 

「だけど!!」

 

「あのなぁ······静雄さん敵に回した時点で犯人も終わりだっての······」

 

あのチャットを見た後、ガヴが全力で入室してきた。

 

まあ、心配してくれるのは有難いし、少し嬉しいが。

 

「だけど、あの説明聞いて、落ち着いていられるか!!少しでも傷を負ったらアウトなんだろ!?」

 

ガヴに説明したのは失敗だったかな、と思う。まさかここまで心配性とは思わなかった。

 

「んー······罪歌が俺に傷をつけられるほどの武器が果たしてあるのだろうか······まあ、あったら駄目なんだが」

 

「元の形は日本刀なんだろ?流石にお前でも······」

 

「どうにかするさ······お前は来るなよ?多分逃げられるからな。それか手を出せない状況に追い込まれるか、だ。罪歌はどうも、人外は嫌いらしい。」

 

そこまで言うと、ガヴは宙を仰ぎ、何を言っても無駄か、と悟る。

 

「それに······一応保険はかけておくし大丈夫だろ。」

 

そう言って歩は自室の押し入れの中からあるものを取り出す。

 

「······歩、それって······」

 

 

 

それを出して歩は呟く。

 

 

 

 

 

 

「どいつもこいつも勘違いしすぎなんだよ······俺如きが()()()()()()()とか有り得るわけねえだろ······」

 

 

 

 




これを書いている時に、お気に入り44件、感想4件、総合評価44Pt

やべえ、なにか起きそう


さあ、歩君の取り出したものは一体何なのか!?



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