アニメも面白いですが、漫画版も面白いので是非読んでみて下さい。
この小説は基本アニメがベースですが、漫画版のキャラやカードなども登場させる予定です。
「最近、ブルーの男子がアンティデュエルに負けてレアカードを奪われているんだって」
「へぇ…態度はでかいけれど、腕が立つエリートのブルー相手に勝つなんて」
廊下にて、もこっちとゆうちゃんはたわいもない噂話について話していると、後ろから話しかけられる。
「成瀬さん、その話聞かせてくれないか?」
「遊城?」
ゆうちゃんは遊城に色々と噂を話す。大柄で、腕が立つという特徴。
「まぁ、レッドの貴方は襲われないとは思うけれど」
「いや、こちらから仕掛ける!」
「?オベリスクブルーの生徒がこのまま成績不振になれば、レッドの貴方達にとっては昇格のチャンスが増えると思うけれど?」
平然と腹黒い事を平然とのたまうゆうちゃんに、表情こそ変えないものの、内心軽く引くもこっち。
「昇格よりも、目先のレポートだ!」
「ああ、デュエル理論の。通常モンスターデッキにおける闇の量産工場の枚数について、を選んだけれど、もこっちは?」
「闇属性デッキにおける悪夢再びの枚数にした。」
「そっちかー。というより、話が繋がらないんだけれど?」
昇格よりもレポート、その上でブルー狩りをしている犯人捜査の流れが分からず問うゆうちゃん。
「クロノス先生がそいつを倒したらデュエル理論のレポートを免除してくれるんだよ!」
「遊城。戦士族における戦士の生還の枚数でレポートを書いておいた方が身のためだと思う」
「黒木さんの言う通りッスよ、そもそも居たとしても勝てるかどうか」
「何言ってんだ、強い奴とデュエルしてレポート免除だぜ、やらない訳無いだろ!」
大柄な奴を探すと言って何処かへ行くのを見送る。
「デュエルに負けて、レアカードも奪われ、レポートが間に合わずに追加で課題を出される未来が見えたんだけど」
「私にもその未来が見えた。」
ブルー女子寮へ戻ると、上級生が集まって話をしていた。その中のリーダー格である女子生徒がもこっちを見つけると手招きする。
黒髪で短髪の美人な女子生徒だ。会話した事はあまりないが、彼女が影で色々と努力しているのをもこっちは知っている。
お風呂場で入念に手入れをしているのを何度も目撃している。
「小日向先輩?」
「貴女が黒木ね。ねぇ、私とデュエルしない?」
「先輩と?」
「デッキ調整中なら、無理にとは言わないわ」
「よろしくお願いします」
即答し、ディスクを起動するもこっち
デュエル!
もこっち ライフ4000
手5 場
小日向 ライフ4000
手5 場
「先攻は上げるわ」
「では、私のターン。ドロー!私はモンスターをセット。カードを一枚伏せてターンエンド」
もこっち ライフ4000
手4 場 セットモンスター 伏せ1
小日向 ライフ4000
手5 場
「私のターン、ドロー!ライオ・アリゲーターを召喚。さらに魔法カード、二重召喚を発動。場のライオ・アリゲーターを生贄にバイトロンを召喚!」
もこっちの前に鰐が出たが、即座に一つ目の大蛇に飲み込まれていった。鰐は「え?これで出番終わり、嘘だと言ってよ」という表情を浮かべ、
それを丸呑みした大蛇は満足げな目になった後、もこっちと視線を合わせる。
「爬虫類族使い?」
「そうよ。ちなみにこの子には貫通効果があるわ。バトルよ!セットモンスターを攻撃!」
一つ目の大蛇が襲い掛かるが、標的が眼前から消え失せてしまう。
当惑しつつ、舌をチロチロさせていたバイトロンは、己の身体に異変を感じたらしく目を向け、その一つ目が驚愕に見開かれる。
「セットモンスターはスフィア・ボム球体時限爆弾!ダメージ計算を行わないから、貫通ダメージは無い」
「スフィア・ボム?!そう、思い出したわ。確か貴女は丸藤と同じ機械族使いだったわね」
「…否定はしません」
やや心外という風にもこっちは答えるが、それに対し小日向は意外そうな声を上げる。
「あら?彼の事嫌い?」
「好きにはなれません」
「へぇ…2年の胡蝶とは大違いね。私はカードを二枚伏せてターンエンド」
もこっち ライフ4000
手4 場 スフィア・ボム 伏せ1
小日向 ライフ4000
手1 場 バイトロン 伏せ2
「私のターン、ドロー!可変機獣ガンナー・ドラゴンを召喚。このままターンエンド」
もこっちは素早くターンを終える。
もこっち ライフ4000
手4 場 スフィア・ボム ガンナー・ドラゴン 伏せ1
小日向 ライフ4000
手1 場 バイトロン 伏せ2
「私のターン、ドロー!」
「タイムアップ、スフィア・ボムの効果発動!バイトロンを破壊!」
バイトロンは女主人に目を向けるが、女主人は無情にバイトロンを見つめ返す。
その鎌首をやや悲し気に下げるバイトロンは、大爆発に巻き込まれ、その余波はプレイヤーたる小日向にも及ぶ。
「…これぐらいは上げるわ。でもリバースカードオープン」ライフ4000から1600
大幅にライフが削られたが、小日向は場に伏せていた伏せカードを二枚同時に発動させる。そのイラストは同じだった。
「?!スネークホイッスル?!」
「爬虫類族モンスターが破壊された時、デッキから下級爬虫類族を特殊召喚。その効果により現れなさい!二体のグラナドラ!」
奇妙な姿をした爬虫類族が二体現れる。
「グラナドラ、召喚に成功すれば1000ライフを回復させるモンスター」
「そうよ、良く知っているわね」ライフ1600から3600
だが破壊されたら2000のライフを失うモンスター。
故にライフを大幅に回復した小日向は、初手からあったカードを手に取る。
「さてと、折角だからいいものを見せてあげるわ。二体のグラナドラを生贄に、The Tyrant Neptuneを召喚!」
「英語版のカード…ってプラネットシリーズ?!」
無論、もこっちは読めるし、何よりディスクが反応している。
現れたのは、禍々しいオーラを放つ鎌を持つ、ワニ頭のモンスター。冷たき暴君、全てを奪うタイラント。
「そうよ。このカードの攻撃力は生贄に捧げたモンスターの元々の攻守の合計により決定する。よって攻撃力は3800、守備力は1400!
生贄に捧げたモンスター効果を得るけれど、グラナドラのライフ回復効果は得られないわ。最も破壊された時には既に墓地でネプチューンになっているからダメージも無い。」
「偉大魔獣、いえ、合成魔獣と似た効果ですか…」
「失礼ね。碌なサポートカードも無い悪魔族と違って、サポートが豊富な爬虫類族という点で格が違うわよ、バトル!ガンナー・ドラゴンを攻撃!Sickle of ruin!」
種族差別主義丸出しな事を言う小日向。彼女の流暢な発音に応え、大鎌がガンナー・ドラゴンを粉砕する!
「ぐっ?!」ライフ4000から1600
「ターンエンドよ」
もこっち ライフ1600
手4 場 伏せ1
小日向 ライフ3600
手1 場 The Tyrant Neptune
「私のターン、ドロー!魔法カード、融合!手札のリボルバードラゴンと沼地の魔神王を融合!ガトリングドラゴンを融合召喚!」
「へぇ、本当にギャンブルデッキを使うのね。城之内…いえ、バンデットキースのデッキに近いのかしら?」
「永続罠、リビングデッドの呼び声を発動、墓地のリボルバードラゴンを起動!リボルバードラゴンの効果発動!対象はネプチューン!コイントス!」
コイントスを行うもこっちに対し、小日向は楽し気にその様子を眺める。当たるはずが無い、という自信に満ちた眼差しで。
「…二回外れ。ガトリングドラゴンの効果発動!コイントス!」
「…表、ね。」
ガトリングドラゴンの砲身が自身に向けられた為、ネプチューンはガトリングドラゴンを睨み付けるが守備力は下がらなかった。
ネプチューンの破壊が確定するが、続く二回目、三回目も…
「三枚表…全モンスターを破壊」
ガトリングドラゴンが全弾発射し、ネプチューンが吹き飛ばされるが、跳弾によりガトリングドラゴン自身も大破し、
そのまま隣のリボルバードラゴンに倒れ掛かり、もろとも大破する。小日向にとって今の光景はエース撃破という衝撃以上だったらしく、呆然と呟く。
「…ねぇ、ガトリングドラゴンの融合召喚を狙うのはやめておいたら?」
「博打は痛い目を見るから楽しいかと。モンスターをセット、ターンエンド」
もこっち ライフ1600
手1 場 セットモンスター
小日向 ライフ3600
手1 場
「私のターン、ドロー!天使の施しを発動、三枚ドローして、二枚を捨てる。
墓地のライオ・アリゲーター、バイトロン、グラナドラ二体とネプチューン、ナーガとカミソーリトカゲを除外!来なさい、邪龍アナンタ!」
「攻撃力が決まっていない…?」
「このカードの攻撃力は、特殊召喚時に除外した爬虫類族の数×600で決定する。よって攻撃力は4200!ターンエンド」
「?攻撃しないのですか?」
「ええ。私のエンドフェイズにアナンタの効果発動。場のカードを破壊する。セットモンスターを破壊!」
「魔装機関車が…」
もこっち ライフ1600
手1 場
小日向 ライフ3600
手1 場 アナンタ
丸呑みしてからじわじわと始末するような戦い方に苦戦するもこっち
だがその戦意は衰えない。その双眸が生きて居る事に対し、小日向は愉しそうに口元に笑みをたたえる。
「私のターン、ドロー!…カードを伏せて、ターンエンド」
もこっち ライフ1600
手1 場 伏せ1
小日向 ライフ3600
手1 場 アナンタ
もこっちの表情が歪んだ事で、あれは逆転の一手では無いと判断する小日向。ただ、不本意なカードを引いた、そういう表情である。
「私のターン、ドロー!ふっ、サイクロンを発動!その伏せカードを破壊するわ!」
ドローカードは万能魔法・罠除去の代名詞たるサイクロン。それを引き当てる辺り、オベリスクブルー女子でも指折りの実力を持つ事をうかがわせる。
だが、対峙するのもブルー女子で指折りの実力者。
「チェーンして罠発動!破壊輪!アナンタを破壊して互いに4200のダメージを与える!敗北よりは良い!敗北よりは!」
破壊輪がアナンタの首の一つに巻き付く。撒きつけられたアナンタの首はギョッとした表情を浮かべ、他の首は大急ぎで破壊輪を破壊しようと動く。
手榴弾を他の首が噛みついた瞬間、起爆する。その余波は小日向だけでなくもこっちにも及ぶ!
「?!きゃああああああ!」ライフ0
「…!」ライフ0
「まさか引き分けに持ち込まれるとはね」
「…まだまだ未熟でした。」
「黒木さんね、覚えたわ」
「ありがとうございます。」
一礼し、もこっちはその場を離れようとするが
「待ちなさい」
「…何か?」
「デュエリスト登録しない?」
「喜んで」
送られてきたメールにもこっちは返信して、デュエリスト登録が完了する。
これによりもこっちは小日向にデュエルを申し込む事が出来るようになったのである。
デュエリスト登録は遊戯王GXのゲーム、スピリットサモナーのオリジナル設定です。
ところでネプチューンが禁止になったのは誰が一番悪いのでしょうか?