光の結社をめぐる騒動も終息。
ヘルカイザーはジェネックスの優勝に興味が無いらしく、不戦勝ではあるがもこっちが初代ジェネックスチャンプとなった。
「…将来の進路、か」
もこっちは進路希望調査書に記入していく。無論、目指すはプロデュエリストだ。
それが叶わないなら、何のためにこの学園に入ったのか。
だが、そのためにはスポンサーを確保しなければならない。
デュエルワールドリーグ、そして今回の初代ジェネックス優勝。その経歴があるのだが…
「…50社から不採用、か」
その結果にため息を漏らすもこっち。
『…お前でこんなに苦労するなら、他の生徒はもっと悲惨なのだろうな』
精霊であるサイコ・ショッカーもこの結果を見て嘆息する。
一息入れようと、もこっちは散策する。
すると
「スポンサーが決まったっス!」
「やったな、翔!後は卒業するだけだぜ!スイカ割りしようぜ!」
オシリスレッドだった生徒がスイカと棒、レジャーシートを持って走っていくところを目撃し、もこっちは硬直する。
何故?その感想しか出てこない。
自分より実績もない、成績も悪いはずなのに、何故彼らはスポンサーが決まって、自分は決まらない?
思考がまとまらない。さらにジュンコとももえも内定が決まったと聞き、もこっちの表情が険しくなる。
「…なぜ、私は」
「シニョーラ智子」
「クロノス、先生」
デュエルアカデミア実技担当最高責任者が立っている。
「シニョーラは、今こう考えているノーネ。なぜあんなドロップアウトボーイズが就職が決まったのに、自分は決まらないのか」
「…はい」
「確かに、シニョーラは優秀な成績を収めているノーネ。ただ、シニョーラには足りない物があるノーネ」
「足りない物?」
「私とデュエルするノーネ。そこで、シニョーラに教えてあげるノーネ!」
デュエル!
もこっち ライフ4000
手5 場
クロノス ライフ4000
手5 場
「先攻は譲るノーネ」
「では。私の先攻、ドロー!私は魔鏡導師リフレクトバウンダーを召喚。カードを伏せ、ターンエンド」
もこっち ライフ4000
手4 場 魔鏡導師リフレクトバウンダー 伏せ1
クロノス ライフ4000
手5 場
「私のターン、ドロー!私は速攻魔法、月の書を発動!リフレクトバウンダーを裏側守備表示にするノーネ!」
「?!」
「魔法カード、デビルズサンクチュアリを二枚発動!メタルデビルトークンを二体、特殊召喚するノーネ!二体のモンスターを生贄に、古代の機械巨人を召喚!」
「攻撃力、3000」
「バトルなノーネ!セットされているリフレクトバウンダーを攻撃!」
「…貫通ダメージを受ける」ライフ4000から2000
「カードを二枚伏せて、ターンエンド!」
「エンドフェイズに速攻魔法、終焉の焔を発動!トークンを二体、特殊召喚!」
もこっち ライフ2000
手4 場 終焉の焔トークン 終焉の焔トークン
クロノス ライフ4000
手0 場 古代の機械巨人 伏せ2
「私のターン、ドロー!サイクロンを発動!右の伏せカードを破壊!」
「サイクロンが破壊されるノーネ…」
「二体のトークンを生贄に、リボルバードラゴンを召喚!コイントス!表、裏、表!よって古代の機械巨人を破壊!」
「マンマミーア!」
「魔法カード、ダウンビートを発動!リボルバードラゴンを生贄に捧げ、デッキから闇属性機械族でレベルが一つ低いモンスター一体を特殊召喚!
ブローバックドラゴンを特殊召喚!効果発動、対象はその伏せカード!コイントス!表、表、裏!」
「マンマミーア!万能地雷グレイモアが…」
「魔法カード、オーバーロードフュージョンを発動!場のブローバックドラゴンと、墓地のリボルバードラゴンを除外して、ガトリングドラゴンを融合召喚!
装備魔法、巨大化を発動し、バトル!攻撃力が倍になったガトリングドラゴンでダイレクトアタック!」
「…このデュエルは、シニョーラの勝ちなノーネ」ライフ0
デュエルには勝ったが、クロノス教諭の目は険しい。
「…今のデュエルに何か?」
「シニョーラの実績、強運。どれも優れているノーネ。デスーガ」
クロノス教諭は真剣な目で見つめて告げる。
「シニョーラは今、デュエルをしていて楽しいノーネ?」
「プロは観客を楽しませてこそです」
「シニョーラ自身が楽しんでいないのであれば、観客も楽しいとは思えないノーネ」
「…私自身も、観客も楽しいと思えるデュエル、ですか」
「それが出来れば、スポンサー契約はうまくいくノーネ。頑張るノーネ、期待しているノーネ!」
自身に足りない物。それを見つけよというのか。
「…難題だな」
原作のデュエルアカデミアでの就職率はオベリスクブルー、ラーイエロー、オシリスレッドでそれぞれ何パーセントなのでしょうか?