MOKOCCHIが行く遊戯王GX   作:交響魔人

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GXのボーイ(明日香と対戦したギャンブラー)と、5Dsのレオ(クロウと対戦したゾラの息子)。セカンドチャンスを対戦相手に批判されていますが、ギャンブルデッキであってギャンブルでは無いのだから批判されるいわれはないと思います。

まぁ、どちらも褒められた人格では無いですが、まるでセカンドチャンスが悪いカードみたいに批判するのはどうかと思います。明日香とクロウに出たら目とゾークの組み合わせを披露したら彼ららしからぬ暴言が飛び出しそうで怖いです。


MOKOCCHIとギャンブラー!

 その日、もこっちが校長室の前を通りかかると人だかりが出来ていた。

 

「どうした?」

「あ、黒木。実は変な奴が七精門の鍵を守りに来た、と売り込みに来ているんだ」

「鍵を守りに…セブンスターズも落ちぶれた物だな。同じ手を二度も使うとは」

「黒木?」

 

 もこっちは校長室に入る。何故かズボンがずり落ちているクロノス教諭、ダメージを受けている倫理委員会のメンバー。

 そして見慣れぬ、眼鏡をかけ、白いスーツを着た少年。

 

「ん?誰だお前は!」

「やっとお出ましか、最後のセブンスターズ。」

「はぁ?」

 

「さ、最後のセブンスターズ?!黒木さん、彼がそうだと言うのですか!」

「ザルーグも鍵を守ると言ってやってきました。」

「違う!俺はセブンスターズとやらでは無い!」

「セブンスターズの中に、お前と同じことを言って鍵を盗み出そうとした相手が居た。

今のお前は限りなく黒に近い。何より、教職員に危害を加えている。デュエルだ。そちらが勝てば、この鍵を持っていけ。

だが私が勝てば、大人しく出ていけ」

「…いいだろう。」

 

 

 

 デュエルは一時間後。デッキの確認をしているもこっちに、明日香が話しかける。

 

 

 

「黒木、ちょっといい?」

「構わない」

「彼は光雄っていうの。小学生の頃に転校してきて…」

 

 天上院の話を要約すると、金持ちで、自分が勝つまで賭けをして、クラスの生徒から宝物を次々と奪い、

 天上院からもアンティで赤いスカーフを奪われたという。

 

「そんな事か」

「そんな事って、許せないわ」

「おかしなことを言う。海馬オーナーも高校生の頃に同じような事をやっていたと聞く」

「?!」

「転校を繰り返してレアカードを集めていたという。まぁ…セブンスターズであれ、そうでないにしても蹴散らして置こう」

「…今の彼は、カジノでボーイをしているそうよ。ギャンブラーとして」

「ギャンブラー?なるほど、それは楽しみだ…少々、デッキを弄る事にする。」

 

 もこっちはそう言うと自室へカードを取りに戻る。

 

 

 デュエルリングにて。

 もこっちと光雄は対峙する。

 するとボーイが近づいてきてデッキのシャッフルを求めて来る。

 

「デッキのシャッフル?」

「ギャンブラーの間には、こういう言い伝えがある。友達は信用すべし、ただしカードだけはカットせよ」

「男女の友情が成立するかどうか、については議論の余地ありだが、シャッフルするという点は同意だ。

凄腕のギャンブラーと聞いて居る。セブンスターズであれ、そうでないにせよ、楽しみだ」

「だから俺はセブンスターズじゃあねぇ!」

 

 シャッフルを済ませ、互いに定位置につく。

 

 

デュエル!

 

 

ボーイ ライフ4000

手5 場 

もこっち ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺の先攻、ドロー!ギャンブル天使バニーを召喚!」

 

 バニー姿の女の子が現れる。

 可愛いッス、という雑音を無視して、もこっちは対戦相手の動きを見る。

 

「このカードはコイントスを行い、当たれば相手に1000のダメージを与え、

外せば1000のダメージを俺は受ける」

「暴れ牛鬼と同じ効果と攻守だな…」

「ふっ、裏を宣言して、コイントス!」

 

 だが出た目は

 

「表だな。」

「ククク、もう一度だ」

 

 その言葉に片方の眉を器用に跳ね上げるもこっち。

 そしてその視線はフィールドの一点を見る。

 

「…?!セカンド・チャンス」

「セカンド・チャンスは、コイントスを要求する効果が発動している時、そのコイントスをやり直すことができるのさ。もう1度……裏だ!」

「当たり…私は1000のダメージを受ける」ライフ4000から3000

 

 降り注ぐコインに無反応なもこっち。

 

「カードを一枚伏せて、ターンエンドだ」

 

 

 

ボーイ ライフ4000

手3 場 ギャンブル天使バニー セカンドチャンス 伏せ1

もこっち ライフ3000

手5 場 

 

「私のターン、ドロー!時の魔術師を召喚!」

「と、時の魔術師?!当たれば相手モンスターを全て破壊、外れれば自分のモンスターを全て破壊し、攻撃力の半分のダメージを受ける」

「ちなみに、私のデッキにセカンドチャンスは無い。当たればそのバニーは1000年後の姿に、外れれば無事と言う訳だ」

 

 ギャンブル天使バニーが怯えた表情を見せる…精霊か。ボーイには見えていないようだが。

 

 

 

「表を宣言!タイムルーレット!」

『タイムルーレット!』

 

 時の魔術師がルーレットを回す。

 手に汗握る一瞬。ギャンブルデッキの醍醐味でもある。

 だが出た目は…

 

 

「外れか。時の魔術師は破壊され、その攻撃力の半分、250のダメージを受ける」ライフ3000から2750

 

「は、ハハハ!保険も無しにするからそう言う目にあうんだ!」

「そうか?負けたら痛い目見るから、博打は面白いと思うのだが?」

 

 

 何コイツ、やべぇ。そういう目をギャンブル天使がもこっちに向ける。

 

「永続魔法、デンジャラスマシンTYPE6を発動!カードを4枚伏せて、ターンエンド!」

 

 

ボーイ ライフ4000

手3 場 ギャンブル天使バニー セカンドチャンス 伏せ1

もこっち ライフ2750

手0 場 デンジャラスマシンTYPE6 伏せ4

 

 

「何だろう、もこっちらしくない。」

「徹底的なギャンブルデッキとは確かに珍しい。だが、あの伏せカードが全部ギャンブルカードだとすると、うかつに踏み込めないぞ…」

 

 

「お、俺のターン、ドロー!俺は二体目のギャンブル天使バニーを召喚!いくぞ、コイントス!表を宣言!」

 

 だが、出た目は

 

「裏だな。」

「セカンドチャンス!表を宣言!当たりだ」

「…」ライフ2750から1750

 

 

「もこっち!」

「二体の攻撃が通れば、黒木の負けだ…」

 

 

「バトルだ!」

「ちょっと待った。もう一体の効果は使わないのか?」

「ああ?使うまでも無いだろう?」

「外れた所でライフはまだ3000も残ると言うのに?まぁ、確かに攻撃が通れば勝敗は決するが…

罠発動!運命の分かれ道!コイントスを行い、当たれば2000回復、外れれば2000のダメージ!

私の伏せカードにライフ回復及び、効果ダメージを防ぐカードは無い!!」

「く、狂っている!」

 

 

「黒木!」

「黙って見ていろ、万丈目。ここで外す程度の決闘者に、鍵を守る資格は無い。私は裏を宣言!コイントスッ!当たりだッ!」ライフ1750から3750

「こ、コイントス…表を宣言!…って裏だと!うわぁあああああっ!!」ライフ4000から2000

 

 火炎地獄に包まれる光雄。

 もこっちは冷や汗を人知れずかく。

 

「二体の攻撃では削り切れないが、ここで少しでも削ってきたらどうだ?」

「ば、バトルだぁ!いけ!ギャンブル天使バニー達よ!」

「……」ライフ3750から1350

 

 

「お、俺はこれでターンエンドだ」

「エンドフェイズに永続罠、ニードルウォール!」

 

 巨大な壁が現れ、ギャンブル天使達は怯えた表情を浮かべる。

 

 

 

 

ボーイ ライフ2000

手3 場 ギャンブル天使バニー ギャンブル天使バニー セカンドチャンス 伏せ1

もこっち ライフ1350

手0 場 デンジャラスマシンTYPE6 ニードルウォール 伏2

 

 

 

「私のターン、ドロー!スタンバイフェイズ、デンジャラスマシンTYPE6の効果発動!サイコロを一回振り、出た目によって効果が異なる!

ダイスロール!出た目は…4!さぁ、カードを一枚ドローして貰おう」

「お、俺がドロー?」

 

「ニードルウォールの効果発動!ダイスロールを行うが、私から見てそちらのモンスターゾーンを右から1~5とし、出た目のモンスターを破壊する。

つまり、2か4が出れば、どちらかが破壊される!ダイスロール!出た目は…6」

「6って事は、外れだな!」

「6が出れば、もう一回行う!出た目は…4!そっちのギャンブル天使を破壊する!!」

 

 

 ギャンブル天使バニーが突如現れた壁に押しつぶされ、悲鳴を上げつつ後破壊される。

 

 

「次はこれだッ!リバースカードオープン!カップオブエース!コイントスを行い、表が出れば二枚ドローだが、裏が出れば相手が二枚ドロー!

さぁ、コイントス!…裏か、二枚ドローして貰う」

「ふっ、ドロー効果のギャンブルは失敗してばかりだな?」

「さぁて、それはどうかな?これで相手の手札は6枚。一枚カードを伏せ…」

 

 

 もこっちはコインを握りしめつつ、伏せカードに手を伸ばす。

 

「何を?」

「罠発動!ギャンブル!相手の手札が6枚、私の手札が二枚以下の時に行える!コイントスが当たれば、手札が5枚になるようにドローする!

外れれば次の私のターンはスキップされるがな!裏を宣言、コイントス!裏だ!5枚になるようドロー!」

「ぐっ?!」

 

「リバースカードオープン!融合!手札のリボルバードラゴン、ブローバックドラゴンを融合!出でよ、ガトリングドラゴン!」

「攻撃力2600?!」

「効果発動だ!コイントスを3回行い、表の数だけ場のモンスターを破壊する!つまり、二枚以上表が出れば、ガトリングドラゴンも破壊されてしまう訳だが…」

「正気か?!」

「正気でギャンブルが出来るか!そこのバニーが生き残れるかは、コインだけが知っている!さぁ、!表!そいつの破壊が確定!」

 

 続けてコイントスを行おうとすると、ギャンブル天使が涙目で睨み付ける。

 

「今度は…裏か。もう一度…裏か。よって…ガトリングドラゴン、一斉掃射!」

 

 

 銃撃を打ち込まれて、悲鳴を上げながらギャンブル天使は破壊される!

 

 

「バトルだ!ガトリングドラゴン!ダイレクトアタック!」

「永続罠発動!モンスターBOX!コイントスを行い、当たれば相手モンスターの攻撃力は0になる!」

「そう言えば…先ほど、ドロー効果のギャンブルを外してばかりと言っていたが。セカンドチャンス無しで当たっては居ないよな?」

「ぐっ、表!っつ、外れか」

「そしてセカンドチャンス、か」

「うぐぐっ、表!あ、当たりだ」

 

 急激に回転数が下がり、ガトリングドラゴンは沈黙する

 

 

「……底が見えたな。カードを一枚伏せ、ターンエンド」

 

 

 

 

ボーイ ライフ2000

手6 場 セカンドチャンス モンスターBOX

もこっち ライフ1350

手2 場 ガトリングドラゴン デンジャラスマシンTYPE6 ニードルウォール 伏せ1

 

 

「お、俺のターン、ドロー!ライフを500払い、モンスターBOXを維持!」ライフ2000から1500

「さぁ、どうする?」

「俺は、三体目のギャンブル天使バニーを守備表示で召喚!効果発動!」

「その、そいつの発動を待っていた!リバースカードオープン!サイコロン!」

「さ、サイコロン?!」

「ダイスロールを一回行い、2、3、4ならば場の魔法・罠カードを一枚破壊。5ならば二枚破壊。1と6なら私は1000のダメージを受ける!ダイスロール!」

 

 

「出た目は…3か。ならばセカンドチャンスを破壊!」

「?!」

「一度宣言したんだ、さぁ、コイントスを行って貰う」

「こ、コイントス!表!……ぐうっ?!」

「裏のようだな?」

「がっ?!」ライフ1500から500

 

 コインが降り注ぎ、光雄にダメージを与える。

 

「お、俺は二枚目のセカンドチャンスを発動!魔法カード、盗人ゴブリンを発動!相手に500のダメージを与え、500回復して、ターンエンドだ」ライフ500から1000

「……」ライフ1350から850

 

 

 

 

ボーイ ライフ1000

手4 場 ギャンブル天使バニー セカンドチャンス モンスターBOX

もこっち ライフ850

手2 場 ガトリングドラゴン デンジャラスマシンTYPE6 ニードルウォール 

 

「私のターン、ドロー!デンジャラスマシンTYPE6の効果発動!ダイスロール!出た目は…3!私が一枚ドローする!」

「っつ」

「そして、ニードルウォールの効果発動!そいつは…1の場所か。ダイスロール!出た目は5。外れだ」

「……」

 

 

「さて。ガトリングドラゴンでコインを一枚だけ表を出し、かつモンスターBOXとセカンドチャンスを相手が外さないと、私は勝てない。

次のターンを回すと、ギャンブル天使バニーとセカンドチャンスにより私は負けるだろう…と言う訳で…」

 

 もこっちはドローカードを発動する。

 

「死者蘇生を発動!コイツでブローバックドラゴンを呼び戻し、モンスターBOXを撃ち抜けるか試す選択肢もあるが…ちょうどいいカードがあるようだな?」

「何?」

「私が復活させるのは…お前のギャンブル天使バニーだ!」

 

「なっ?!何ぃ!」

「さて、と」

 

 もこっちはコイントスの準備に入る。

 

 

「ば、馬鹿な!正気か!」

「黒木!このデュエルには七精門の鍵がかかっているのよ!」

「無茶ッス!」

「黒木!」

 

 

「お、お前!正気か!外せばお前が」

「凄腕のギャンブラーと聞いて居たが、どうやら間違いだったようだ。お前はギャンブラーでは無い」

「なっ!何だとぉ!」

 

 

 

「二度もチャンスを貰わないとコイントスを当てられない、光雄君。貴方にギャンブルの才能は、無い!」

「いいや、間違って居るぞ、天上院。セカンドチャンスでギャンブルのリスクを減らす。デッキの弱点を補うのはデュエリストとして当然だ。

むしろ、ギャンブルデッキなのに保険を入れて居ない私のデッキの方が、デュエリストとして批判されるべきだろう?運任せなのだから。

デッキの弱点を補い、ギャンブルデッキを使いつつ、堅実にデュエルを進める。光雄、お前はギャンブラーでは無く、デュエリストだ。

さて、ギャンブルの時間だ。ルールは簡単!当たれば勝利!外れれば敗北!!裏を宣言!」

 

 

 コインがゆっくりと回り…そして

 

「裏だ!」

「そ、そんな…うわぁあああああっ!!」ライフ0

 

 

「私の勝ちだな」

「ぐっ、も、もう一度だ!今度は」

「残念だが、デュエルにセカンドチャンスは無い。倫理委員会の皆さん。つまみ出して下さい」

「?!」

 

 あっという間に拘束され、連行されていく光雄。

 

「く、くっそぉおおおおお!」

 

 

 

 敗者を見送るもこっち。

 

「ねぇ、もこっち。何であんなデッキを使ったの?」

「この学園に限らず、ギャンブルデッキの使い手は少ない。故に楽しめると思ったのだが。

ただ、どうやら幸運の女神とやらはついていないらしい。今後は、保険を掛け、弱点を補うデュエルを心がけるしかないな」

「…今の相手が、城之内さんだったらどうなっていたのかな?」

「私が使ったこのデッキが、彼の琴線に触れる事は確かだな」




【難問】
光雄君が勝てそうなセブンスターズを上げよ。

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