あれはかなり動きづらいと思うのですが、クロノス教諭、ナポレオン教頭、タイタンはどう思って居るのでしょうか?
廃寮付近にて。
「…何処だ?」
手がかりが無い。どうした物か、悩んでいると
物音が聞こえる。そちらに目を向けると。
「ふふっ。待っていたわ、黒木」
「天上院?何だその服装は」
明日香はブルー女子の制服では無く、上下黒のデュエルコートを着ている。
「…セブンスターズに敗れて洗脳されたか?」
『違うな、これは堕落、だ』
「堕落…セブンスターズはデーモンデッキ使いか。仕方ない、天上院、デュエルだ」
「今度は私が勝つわ!!」
デュエル!
もこっち ライフ4000
手5 場
明日香 ライフ4000
手5 場
「私のターン、ドロー!エトワールサイバーを召喚!ターンエンド!」
「何?」
召喚されたエトワールサイバーは、伏せも無しに攻撃表示で場に出された事に当惑する。
もこっち ライフ4000
手5 場
明日香 ライフ4000
手5 場 エトワールサイバー
「私のターン、ドロー!ツインバレルドラゴンを召喚!効果発動!コイントスを二回行い、表が二枚出れば相手モンスターを破壊する」
「何それ、確率25%じゃない」
「それはどうかな?今のお前相手に外すほど、腑抜けてはいない。コイントス!表、表!」
「なっ?!」
銃撃を浴び、破壊されるエトワールサイバーは不思議と安らかな表情を浮かべている。
「バトル!ツインバレルドラゴンでダイレクトアタック!」
「きゃあああああああ?!」ライフ4000から2300
「永続魔法、機甲部隊の最前線を発動。カードを伏せてターンエンド!」
もこっち ライフ4000
手3 場 ツインバレルドラゴン 機甲部隊の最前線 伏せ1
明日香 ライフ2300
手5 場
「やってくれたわね!私のターン、ドロー!増援を発動!デッキからブレードスケーターを手札に加える!さらに戦士の生還を発動!
墓地よりエトワールサイバーを手札に戻す!そして融合発動!手札のブレードスケーターとエトワールサイバーを融合!
来なさい!サイバー・ブレイダー!」
「私のモンスターは一体のみ、発動する効果は戦闘破壊耐性か」
「そうよ!そして永続魔法、一族の結束!これでエトワールサイバーの攻撃力は2900になるわ!バトルよ!ツインバレルドラゴンを攻撃!」
サイバー・ブレイダーが迫り、蹴りでツインバレルドラゴンを粉砕する。
「……機甲部隊の最前線の効果発動、さらにチェーンして罠発動!」ライフ4000から2800
もこっちの後ろに巨大な機械が現れる。
「?!時の機械タイムマシーン?!」
「再起動しろ、ツインバレルドラゴン!効果発動!ターゲットは、一族の結束!」
「?!当たる訳が無いわ!」
「当たる。今のお前が相手なら。コイントス!表表ッ!」
「なっ?!」
「そして機甲部隊の最前線の効果でデッキからキャノンソルジャーを特殊召喚!」
「モンスターが二体になった事で、サイバー・ブレイダーの攻撃力は倍の4200になるわ!カードを二枚伏せ、ターンエンド!」
もこっち ライフ2800
手3 場 ツインバレルドラゴン キャノンソルジャー 機甲部隊の最前線
明日香 ライフ2300
手0 場 サイバー・ブレイダー 伏せ2
「私のターン、ドロー!二体のモンスターを生贄に!リボルバードラゴンを召喚!」
「リボルバードラゴン?!またギャンブルに頼るつもり!貴女はどうして」
「安定したデッキを使わないのか、とでも言いたいのか?私がどんなデッキを使おうと私の勝手。
コイントス!ほら、表、表、表!」
「い、イカサマよ!」
「イカサマでは無い。日本硬貨にイカサマできるはずが無いだろう。砕け散れ、サイバー・ブレイダー!」
「そ、そんな…どうして…」
「バトル!リボルバードラゴンでダイレクトアタック!」
「きゃあああああああ?!」ライフ0
倒れた天上院から、堕落のカードが堕ちる。
『堕落、の影響は消えたようだ』
「…先に進むか」
廃寮の中でデュエルが行われており、もこっちがたどり着くと
「魔法カード、サイクロン!一族の結束を破壊するぜ!」
「甘いわぁ!私が破壊対策をして居ないと思ったか!罠発動!悪魔の手鏡!サイクロンの対象を一族の結束から、お前の伏せカードに変更する!」
「ならばこれだ!チェーンして罠発動!ヒーローズルール1 ファイブ・フリーダムス!お前の墓地からジェネラルデーモン!ジェノサイドキングデーモン!
デスルークデーモン!インフェルノクィーンデーモン!プリズンクイーンデーモンを除外する!」
「ぬわぁあああ?!私のデーモンたちが?!」
「これで迅雷の魔王の攻撃力は2500に戻るぜ!バトルだ!シャイニグフレアウィングマンで迅雷の魔王を攻撃!」
「ぶるわぁあああ?!ま、またしても負けると言うのかぁ?!」
「シャイニグフレアウィングマンの効果発動!破壊した迅雷の魔王の攻撃力分のダメージを与える!」
「ぶるわぁあああああああ?!」
敗れた物の、タイタンは真っ直ぐ背を伸ばして遊城を見る。
遊城もタイタンを真っ直ぐ見る。
「また、負けた…か。その強さ…、闇のデュエリストとして闇に迎え入れたい逸材…。
このデュエル・コートはお前にあずけておいてやる。さらばだ」
予備であろうデュエル・コートを投げ渡すタイタン。
黒いスライムのような魔物が現れるが、チェスデーモンが現れて一瞥すると怯えたように逃げ去っていく。
タイタンはそのまま何処かへ去っていく。
「…預ける、って言われてもなぁ…」
タイタンとおそろいのデュエルコートを持ち上げ、遊城が困ったような顔を浮かべる。
「デュエルディスクの予備にでもすればいいだろう?」
「って黒木?何時からいたんだ?」
「先ほどだ。墓地除外が遊城の出した答えか」
「ああ!本当は破壊したいんだけれど、やっぱり破壊は対策されていてさ。それより明日香を見なかったか?」
「入口に居た。こっちだ」
皆を誘導するもこっち。
「明日香!?なんだこの格好は!タイタンとおそろいじゃないか!」
「タイタンというのか?そいつに敗れてこの服を着せられたのだろうな。」
「う、うーん…」
「気が付いたようだな…そちらは天上院吹雪さんか?」
「ああ。ほら、吹雪さん」
「……明日香!」
「お帰りなさい!兄さん!」
「心配かけたな、明日香。」
「なぜ兄さんが闇のデュエルを行うような、セブンスターズの一員となってしまったの?」
直前で闇落ちしていたお前が言うのか?と絶対零度の視線を浴びせるもこっち。
ただし二人きりの世界に入り込んでおり、効果は無かった。
「望んだわけでは無い。闇に引きずり込まれたんだ。闇の中で繰り返される、悪夢のようなデュエルの修行だった。
その直前で覚えて居る事は、この寮で闇のゲームの授業を受けていた事。」
「授業?!闇のゲーム!そんな…一体…。」
「その授業を行って居たのは、大徳寺先生だ。」
「まさか?!大徳寺先生が!」
「そろそろ戻ろう。」
「この事は大徳寺先生本人に会った時に聞くしかないわね。」
そう言って立ち去っていく天上院兄妹。もこっちはため息をついて懐中電灯を取り出す。
「どうした、黒木」
「男は帰れ。今から捜索する」
「大徳寺先生をか?」
「着替えさせられた、と言う事は天上院の制服がこの廃寮のどこかにあるはず。回収しておかないと」