保健室にて。
天上院は兄の傍で看病しつつため息をつく。
「兄さん…一体いつになったら私の名を呼んでくれるの?」
「貴様の兄の記憶を取り戻したくはないか?」
空間が歪み、黒いデュエルコートを来た男が現れながら告げる。
「なんですって!」
「取り戻したくば私と一緒にくるんだ!」
「わかったわ。」
妹と男の後を追おうとして、崩れ落ちる天上院吹雪。
自室にて、もこっちは資料を調べる。
「ユリウスカエサル…覇権を知らしめるために、世界中から7つの宝石を集めて石版を作ろうとした。
その宝石はローマに運ばれる途中、嵐によって海の藻屑となった。現在はペガサス会長の手によりサルベージされている…
アビドス三世とのかかわりは余り無いな。」
これ以上調べようとするのであれば、それこそタイムマシンでも無ければ不可能だろう。
そう考えていると電話がなる。
「…どうした、万丈目」
「さっき、そこでカイザーに合った。だが天上院君の姿が見えないらしい。一緒に探してくれ!」
「分かった」
セブンスターズだろうと推測しつつ向かうもこっち。
皆が捜索している同時刻。
天上院は一人、男と対峙する。
「私が勝てば、兄の記憶は戻るのね?」
「フハハハハ、勝てれば、な」
デュエル!
タイタン ライフ4000
手5 場
明日香 ライフ4000
手5 場
「私の先攻、ドロー!手札のジェネラル・デーモンを捨てて、デッキからフィールド魔法万魔殿ー悪魔の巣窟を手札に加え、発動!」
「デーモンデッキ?!」
「そして、インフェルノ・クィーンデーモンを召喚。永続魔法、一族の結束を発動!これにより、クィーンデーモンの攻撃力は800アップして、1700!
カードを伏せ、ターンエンド」
タイタン ライフ4000
手2 場 インフェルノクィーンデーモン 万魔殿悪魔の巣窟 一族の結束 伏せ1
明日香 ライフ4000
手5 場
「私のターン、ドロー!」
「この瞬間、インフェルノクィーンデーモンの効果発動!場のデーモンの攻撃力を1000アップ!よって攻撃力はぁ、2700!」
「厄介ね…なら、私はサイバー・チュチュを召喚!このカードはこのカードより攻撃力の高いモンスターしかいなければ、ダイレクトアタックが出来る!
バトル!サイバー・チュチュでダイレクトアタック!」
「ぐっ…」ライフ4000から3000
「メインフェイズ2、融合を発動!エトワールサイバーとブレードスケーターを墓地に送り、
サイバー・ブレイダーを融合召喚!カードを伏せて、ターンエンドよ」
タイタン ライフ3000
手2 場 インフェルノクィーンデーモン 万魔殿悪魔の巣窟 一族の結束 伏せ1
明日香 ライフ4000
手1 場 サイバー・チュチュ サイバー・ブレイダー 伏せ1
「私のターン、ドロー!インフェルノクィーンデーモンの効果発動!また攻撃力は2700になる!さらに、ジェノサイドキングデーモンを召喚!
一族の結束で攻撃力は2800!」
「サイバー・ブレイダーの効果発動!相手モンスターが二体の時、攻撃力は二倍になる!」
「フハハハハ…装備魔法、堕落を発動!相手モンスターのコントロールを得る。さぁ、こっちに来い!」
「?!リバースカードオープン、サイクロン!私は堕落を破壊する!」
「ちっ…バトル!ジェノサイドキングデーモンでサイバー・チュチュを攻撃!」
「きゃあああああああああ?!」ライフ4000から2200
凄まじい衝撃に吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられる天上院。
「な、何なの…今のは」
「これが、闇のゲームの醍醐味だ。私はインフェルノクィーンデーモンを守備表示に変更。ターンエンドだ」
タイタン ライフ3000
手1 場 インフェルノクィーンデーモン ジェノサイドキングデーモン 万魔殿悪魔の巣窟 一族の結束 伏せ1
明日香 ライフ2200
手1 場 サイバー・ブレイダー
「私のターン、ドロー!」
「インフェルノクィーンデーモンの効果発動!ジェノサイドキングデーモンの攻撃力を1000アップ!これで攻撃力は3800!」
「でもまだ、サイバー・ブレイダーには及ばない!バトル!ジェノサイドキングデーモンを攻撃!」
「ぐうううっ?!」ライフ3000から2600
ジェノサイドキングデーモンが蹴り飛ばされそうになるが、サイバー・ブレイダーが蹴り飛ばしたのは別の悪魔、デスルーク・デーモンだ。
チェックメイト後のキャスリングは反則、と言いたげなサイバー・ブレイダー。
「ぐっ!手札のデスルーク・デーモンの効果発動!手札から捨てて、墓地から破壊されたジェノサイドキングデーモンを特殊召喚!」
「くっ…でも、モンスターが二体居る事で、サイバー・ブレイダーの攻撃力は4200よ!」
主の言葉に胸を張り、眼前のデーモンを見るサイバー・ブレイダー。
「ターンエンド!」
タイタン ライフ2600
手0 場 インフェルノクィーンデーモン ジェノサイドキングデーモン 万魔殿悪魔の巣窟 一族の結束 伏せ1
明日香 ライフ2200
手2 場 サイバー・ブレイダー
「私のターン、ドロー!…礼を言うぞ、私のデッキよ」
「な、何?何を引いたの?」
「インフェルノクィーンデーモンの効果発動!ジェノサイドキングデーモンの攻撃力を1000アップする!
よって攻撃力は3800!」
「だからどうしたのよ!今のサイバー・ブレイダーの攻撃力は4200!
もしも貴方がモンスターを召喚し、モンスターが三体になれば、第三の能力が発動し、タイタン。貴方の場のカードは全て無効になるわ!」
「魔法カード、ディスカバード・アタックを発動!場のデーモンを生贄に捧げる事で、このターン、ジェノサイドキングデーモンのダイレクトアタックを可能にする!
インフェルノクィーンデーモンを生贄に捧げる!」
タイタンの言葉に、その身を炎に変えるインフェルノクィーンデーモン。
その炎を纏い、ジェノサイドキングデーモンは咆哮を上げる!
「そ、そんな…」
「貴様はチェスを知っているか?全ての駒には、役割があり、勝利の為に動く。」
「私が、負ける…攻撃力4200のモンスターが居るのに」
「攻撃力だけでは勝てない。天上院よ。闇の決闘者として再生するがいい!バトル!ジェノサイドキングデーモンでダイレクトアタック!」
地獄の業火を纏ったジェノサイドキングデーモンは駆ける。立ちはだかるサイバー・ブレイダーの蹴りを躱し、
天上院を襲う!
「きゃあああああああああ?!」ライフ0
「フハハハハッ!勝った、勝ったぞ!」
深夜の廃寮で、タイタンは笑う。