GX以外で攻撃力0のモンスターでデッキを組んで戦える決闘者って他に誰が居るのでしょうか?5Dsの遊星、アンドレ辺りは普通に回して来そうですが。
「学園を買収?あのオーナーを相手に?正気か?」
「私もそう思う」
重ね重ね通って居る学園のオーナーに対し、失礼な言動をとる女子二人。
「買収の相手は万丈目グループ。」
ネットに万丈目グループと入力して検索するもこっち
「万丈目長作、与党の議員。まだ若手だが相当なやり手…政界と財界の大物が兄弟か」
「ねぇ、万丈目って事は」
「サンダーの兄だろう。政界、財界、カードゲーム界を制するつもりか、兄弟三人で。」
呆れたような口調のもこっち。
「政界に興味は無いの?」
「選挙には行こうと思って居るが。」
「行くんだ…」
「先人が勝ち取った権利だ。かつては成人男子しか与えられなかった権利だぞ」
足音が聞こえ、そちらを向くもこっち達。見知った顔がそこに立っている。
「ここにいたか、黒木」
「…万丈目。」
「協力して欲しい。攻撃力500未満のカードを持っていないか?」
「あるにはあるが、どういう風の吹きまわしだ?パワーデッキ使いが、攻撃力の低いモンスターカードを欲しがるとは解せん」
「兄さん達がこの学園を買収しようとしている。その対戦相手に俺を指名してきた」
「……」
「兄さんは素人だから、ハンデとして俺に攻撃力500未満のカードで戦えと」
「勝つ必要があるのか?」
「何?」
もこっちは腕組みして告げる。
「学園のオーナーが変わろうと、私は学生の本分たる勉学にいそしみ、プロ決闘者を目指す。
環境が変わるなら、適応するだけ。」
「俺は、この学園を守りたい」
「自分の兄だろう?信じてやれ。健全な学校運営を行ってくれる事を」
「…黒木。俺は今までずっと兄さん達と比べられて、落ちこぼれ扱いされてきた」
「……」
「いや、議員だの実業家と比べられても。というかまだ15歳でしょ?長作議員って…28?!13離れた兄…」
ゆうちゃんを無視して、万丈目は言葉を続ける。
「俺には果たすべき役割がある、それを果たせることを兄さん達に証明したいんだ!」
「後で必ず返すと約束するなら、貸そう」
踵を返して歩き出すもこっち
「…ありがとう」
万丈目の言葉を聞くと、もこっちは歩みを止め、振り返らず告げる。
「私には兄や姉が居ないから、その気持ちは分からないが。負けられない理由がある事だけは理解した。
選抜したのち、レッド寮まで運べばいいか?」
「助かる」
買収デュエル当日。
「ハンデに怖気づかず、良く来れたな?その心意気だけは買ってやるぞ、準」
「兄さん、カードゲーム界は俺に任せてくれ」
「最初はそのつもりだった、だが現実としてお前は最下層のオシリスレッドに配属されている。
これで、任せろとは納得できない。認めさせたいなら、結果を出せ」
「兄さん、ハンデとして攻撃力500未満という約束だったが、俺のデッキは全て攻撃力0だ!」
「?!」
「そんなの聞いてないぜ!」
「まさか万丈目君、負けるつもりじゃあ」
「馬鹿な事言うなよ!」
「攻撃力0でどうやって」
「さて、パワーデッキ使いが攻撃力0という制約を課せられた場合、どんなテクニカルなデッキを使うのか拝見するとしよう」
「そんな他人事みたいに」
「勝つさ、攻撃力の制限だけで初心者に敗れる程脆い決闘者では無い。万丈目は」
デュエル!
万丈目 ライフ4000
手5 場
長作 ライフ4000
手5 場
「俺の先攻、ドロー!俺は魂虎を攻撃表示で召喚!さらに永続魔法、ゼロゼロックを発動!このカードが場にある限り、相手は攻撃力0のモンスターを攻撃出来ない!」
「む?」
「ターンエンドだ!」
万丈目 ライフ4000
手4 場 魂虎 ゼロゼロック
長作 ライフ4000
手5 場
「私のターン、ドロー!私は魔法カード、融合を発動!手札のロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-と神竜ラグナロクを融合!融合召喚!竜魔人キングドラグーン!」
「?!全部パラレルレアのカードだと!」
驚きの声を上げるカイザー。
「さらに魔法カード、龍の鏡を発動!墓地のロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-と神竜ラグナロクを除外!現れろ!竜魔人キングドラグーン!」
「一気にキングドラグーンを二体も。この男、本当に初心者なのか?」
手札融合からの墓地融合まで繰り出した事に驚く三沢。
「私は可変機獣ガンナー・ドラゴンを召喚!そして魔法カード、突然変異を発動!」
「ガンナー・ドラゴン」「突然変異」「「のパラレルレアだと?!」」
はもって互いに顔を見合わせるもこっちと遊城。
「レベル7のガンナー・ドラゴンを生贄に、現れろ!竜魔人キングドラグーン!ターンエンドだ」
万丈目 ライフ4000
手4 場 魂虎 ゼロゼロック
長作 ライフ4000
手0 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン
「攻撃力2400が三体…俺のターン、ドロー!俺はそよ風の精霊を攻撃表示で召喚!カードを伏せて、ターンエンドだ!」
万丈目 ライフ4000
手3 場 魂虎 そよ風の精霊 ゼロゼロック 伏せ1
長作 ライフ4000
手0 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン
「攻撃力0を攻撃表示なんて!」
「丸藤。そよ風の精霊の能力は攻撃表示で場になる限り、スタンバイフェイズ事に1000ライフを回復する。」
「ゼロゼロックとの相性は良い、と言う事か」
「私のターン、ドロー!フン、魔法カード、スタンピングクラッシュ!
場にドラゴン族が存在する時、場の魔法・罠カードを破壊し、コントローラーに500ポイントのダメージを与える!
対象はゼロゼロック!」
「カウンター罠、王家の呪い!場の魔法・罠カードを破壊する魔法・罠カードの発動を無効にして破壊する!」
「なっ?!グッ…ターンエンドだ」
万丈目 ライフ4000
手3 場 魂虎 そよ風の精霊 ゼロゼロック
長作 ライフ4000
手0 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン
「俺のターン、ドロー。そよ風の精霊の効果発動。ライフを1000回復する」ライフ4000から5000
そよ風の精霊がふわりと浮かび上がると、優しい表情で弱風を万丈目に向けて飛ばす。
回復が終わると再びふんわりと降り立つ。
「小癪な…」
「俺はターンエンドだ」
万丈目 ライフ5000
手4 場 魂虎 そよ風の精霊 ゼロゼロック
長作 ライフ4000
手0 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン
「私のターン、ドロー!ふふふ、カードを伏せる。ターンエンドだ」
万丈目 ライフ5000
手4 場 魂虎 そよ風の精霊 ゼロゼロック
長作 ライフ4000
手0 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 伏せ1
「俺のターン、ドロー!そよ風の精霊の効果発動!ライフを1000回復する!」ライフ5000から6000
「チッ…」
「俺はおろかな埋葬を発動!デッキから電池メン単三型を墓地へ!そしてライフを500払い、充電器を発動!墓地の電池メンを特殊召喚!
復活しろ、電池メン単三型!」ライフ6000から5500
電池メンが立ち上がり、構えを取る。その攻撃力が0から1000までアップする。
「攻撃力1000?!準!デッキのモンスターの攻撃力は」
「攻撃力0だ。こいつは場の表側攻撃表示の電池メン一体につき、攻撃力が1000アップする。そして速攻魔法、地獄の暴走召喚!
攻撃力1500以下のモンスターが特殊召喚に成功した時、デッキ・手札・墓地から同名モンスターを可能な限り特殊召喚!来い!電池メン単三型共!
兄さんも場のモンスターを選択し、その同名カードを特殊召喚出来るが…既に三枚居るから無理だな」
「ぬっ…」
電池メン単三型が集まり、直列接続になる。その攻撃力は3000までアップする!
「攻撃力3000が三体だと?!」
「バトルだ!俺は電池メン単三型で竜魔人キングドラグーンを攻撃!ライトニング・キャノン!」
電池メン単三型が雷撃を放とうとし、残りの二体がそれぞれ左右の肩を支え、補助する。
すぐに準備が完了し、凄まじい雷撃を放つ!
「甘いぞ!罠発動!聖なるバリアミラーフォース!コイツは攻撃表示の相手モンスターを全て破壊する!その三体の電池メンとそよ風の精霊を破壊する!」
え?私も?という風に自分を指さすそよ風の精霊。左右を見ると、一転して落ち込んで床に手をつく単三型達の姿。
雷撃が跳ね返されそうになっているのを確認すると、飛んで逃げようとするが、ミラーフォースで跳ね返された雷撃は正確にその背中を撃ち抜く!
高いところからやや重い音を立てて墜落するそよ風の精霊。
「ミラーフォースだったか…ターンエンドだ」
万丈目 ライフ5500
手2 場 魂虎 ゼロゼロック
長作 ライフ4000
手0 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン
「私のターン、ドロー!フン。カードを伏せる。ターンエンドだ」
万丈目 ライフ5500
手2 場 魂虎 ゼロゼロック
長作 ライフ4000
手0 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 伏せ1
「俺のターン、ドロー!」
「この瞬間、砂塵の大竜巻を発動!お前のゼロゼロックを破壊する!」
「まずい!万丈目の壁が!」
「次のターン、総攻撃が来るぞ!」
「やはり素人か。」
「そうだね、砂塵を発動するならこのタイミングでは無く、エンドフェイズか自分のターンに使って総攻撃するべきよね」
「このタイミングでは、万丈目はまだ対抗策を用意できる」
「俺は魂虎を生贄に、モンスターをセットする!」
「馬鹿な!モンスターを生贄セットだと?!」
「もこっち、落ち着いて」
「何だ、この戦術は守護者スフィンクスを使う決闘者がやってくるが、地獄詩人ヘルポエマーの可能性もあるし…」
「もこっちもこっち。今の万丈目のデッキは攻撃力0だよ?」
「…ああ、そうだな。となると…あのカードか?」
「ターンエンド!」
万丈目 ライフ5500
手2 場 セットモンスター
長作 ライフ4000
手0 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン
「私のターン、ドロー!どんなモンスターか知らないが、この圧倒的な戦力に勝てる者か!バトル!竜魔人キングドラグーンでセットモンスターを攻撃!
トワイライトバーン!」
ようやく攻撃出来る、と言った風に鼻息を吹いた後、ブレスを放つキングドラグーン。だが
「?!キャッスルゲートだと?!」
「ああ。守備力2400。そして戦闘では破壊されない」
「ええい。ターンエンドだ!」
万丈目 ライフ5500
手2 場 キャッスルゲート
長作 ライフ4000
手1 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン
「俺のターン、ドロー!天使の施しを発動!三枚ドローして、二枚を捨てる。俺はサクリファイスとものマネ幻想師を捨てる。」
「サクリファイスを捨てる?!何故だ、万丈目!そいつは」
「落ち着け遊城。キングドラグーンは場のドラゴン族を相手のカード効果の対象にさせなくする効果がある。サクリファイスとて吸収できなければ意味が無い」
「そうか、それで…」
「俺はモンスターをセット。カードを伏せてターンエンドだ!」
万丈目 ライフ5500
手1 場 キャッスルゲート セットモンスター 伏せ1
長作 ライフ4000
手1 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン
「私のターン、ドロー!魔法カード、天使の施しを発動!三枚ドローし、二枚を捨てる。私は海竜ダイダロスと融合を捨てる。
バトルだ、セットモンスターを攻撃!トワイライトバーン!」
ブレスが襲い掛かり、セットしていたキングゴブリンが破壊される
「ターンエンドだ」
万丈目 ライフ5500
手1 場 キャッスルゲート 伏せ1
長作 ライフ4000
手2 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン
「俺のターン、ドロー!魔法カード、苦渋の選択を発動!デッキからカードを5枚提示し、相手は一枚を選ぶ。それ以外は墓地だ。
俺が選ぶのはこの5枚だ!」
おジャマブラック、グリーン、イエロー、千眼の邪教神、サンダー・ブレイクの5枚。
「サンダー・ブレイクだと?フン、そんなカードはキングドラグーンには効かん!サンダー・ブレイクを選択だ」
「読んでいた。それを選択すると」
「何ぃ?」
「もこっちはどれを選ぶ?」
「どれを選んでも同じだろうが、おジャマ三兄弟のどれか、だな。」
「魔法カード、強欲な壺を発動!二枚ドロー!魔法カード、トライワイトゾーン!墓地のレベル2以下の通常モンスターを三体特殊召喚!蘇れ、おジャマ共!」
どうも~、と言いながら現れるおジャマ達。
「ふん、電池メンとやらと違い、そいつらの攻撃力は変わらんようだな?」
「通常モンスターだからな。だがこいつらにしか出来ない事がある!
リバースカードオープン、魔法カード、おジャマデルタハリケーン!三匹のおジャマが揃った時、相手の場のカードを全て破壊する!」
「何を!私の場にはキングドラグーンが居る!カード効果など」
「キングドラグーンが止められるのは」
三匹のおジャマがグルグル回転しながらキングドラグーンに迫る!
「対象を取るカード効果のみ!対象を取らない破壊効果までは止められない!」
爆殺される三体のキングドラグーン!!
「ぐっ、キングドラグーンが全滅?!」
「カードを伏せる。ターンエンドだ」
万丈目 ライフ5500
手1 場 キャッスルゲート おジャマイエロー グリーン ブラック 伏せ1
長作 ライフ4000
手2 場
「いい気になるなよ、準!モンスターは全滅したが、振り出しに戻っただけだ!私のターン、ドロー!死者蘇生を発動!蘇れ、キングドラグーン!
これでお前の伏せているであろうサンダー・ブレイクは無力だ!」
「……」
「さらにライフを800払い、早すぎた埋葬を発動!蘇れ、キングドラグーン!」ライフ4000から3200
「キングドラグーンが二体」
「まだまだ!ライフを800払い、装備魔法、再融合!墓地の融合モンスターを特殊召喚!蘇れ、キングドラグーン!」ライフ3200から2400
「バトルだ!やれ、キングドラグーン!目障りなおジャマ共を蹴散らせ!トワイライトバーン三連打!」
先ほどの鬱憤を晴らすがごとく、おジャマ三兄弟にブレスを浴びせるキングドラグーン達。
「ハハハ!ターンエンド!」
万丈目 ライフ5500
手1 場 キャッスルゲート 伏せ1
長作 ライフ2400
手0 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 再融合 早すぎた埋葬
「俺のターン、ドロー!来たか。俺は魔法カード、ピリ・レイスの地図を発動。デッキから攻撃力0のモンスターを手札に加える」
「ちっ」
「カオスネクロマンサーを手札に加え、召喚!ピリ・レイスの地図で手札に加えたモンスターを召喚した時、ライフは半分になる。」ライフ5500から2750
「攻撃表示…まさか、また特殊能力か?!」
「カオスネクロマンサーの攻撃力は墓地のモンスター一体につき、300ポイントアップする。俺の墓地には魂虎、そよ風の精霊、電池メン単三型が三本、
サクリファイス、ものマネ幻想師、キングゴブリン、千眼の邪教神、おジャマ三兄弟の12体。よって攻撃力は3600だ!」
「ば、馬鹿な!」
「装備魔法、光学迷彩アーマーを装備。レベル1のモンスターのみ装備可能。これで、カオスネクロマンサーはダイレクトアタックが出来る!
バトル!カオスネクロマンサーの攻撃!ネクロパペットショー!」
「うわぁあああああ?!」ライフ0
「やったー!すげぇぜ、万丈目!」
万丈目コールの中、万丈目は宣言する
「皆聞け、俺の名前は!一、十」
「「百」」
「「千」」
万丈目は手を高く上げる。
「万丈目サンダー!」
「「「「「「「「「サンダー!サンダー!サンダー!」」」」」」」」」
「兄者、この仕返しは必ず」
「やめろ庄司。お前には見えないのか?」
「えっ?」
周りの大歓声を浴びる弟を見て、長作は告げる
「準はとっくに、俺達が思うより大きくなっていたんだ…」
その後、海馬コーポレーションの一室にて
「瀬人様、デュエルアカデミア買収の件ですが、生徒が勝ったとの事」
「当たり前だ。そんな下らん報告は要らん。勝って当然」
「はっ」
長作の年齢は推測です。被選挙権から推測するに10歳離れているのは確かですが。