ネタばれをポロリしてしまいそうなので、お返事出来てませんが。
皆さんの反応を愉しくゲッホンゲッホン励みに頑張っていきます!
本編に入れられなかったので、ここで。
Q.小五郎のおじさんは、事件発生まで何してたの?
A.龍臣社長から、襲撃のお話を聞いた後。
お船の中を見学していたら、迷子になってたそうだよ。
運よく乗組員に出会って、鈴木相談役と合流しようとしてたら。
事件が起きちゃったよ。
ちなみに、子ども達が去った後で、了子さんやマリアさんをお茶に誘ったけど。
案の定フラれたってさ。
二人とも美人さんだからね、お近づきになりたくなっちゃうよね。
小五郎「それにしても、櫻井教授!とってもお綺麗ですなぁー!どうです?この後、お茶でも!」
了子「ありがとうございます、けれどごめんなさい、もう決めたが方おりますので」
マリア「」察した顔
――――切り分けたハンバーグを頬張る。
塩・コショウや、ナツメグ、玉ねぎで彩られた肉汁が、口いっぱいに広がる。
幸せ、と言う他ない味だったけど。
胸のしこりを拭うには圧倒的に足りない量だった。
今わたし達がいるのは、アレクサンドリア号のレストラン。
わたしや鈴木さん、毛利さんだけでなく。
少年探偵団のみんなも一緒だ。
豪華客船なだけあって、どの料理も舌鼓を打つには十分すぎる出来なんだけども。
やっぱり、いまいち堪能しきれていないところがあるようだ。
ちなみに譲二おじさんと卜部さんはもう食べ終わって、今は食後の一服をしに出て行ってる。
あんまり食欲がなかったみたい。
(まあ、無理もないかぁ・・・・)
お味噌汁を口にしながら、状況を整理してみることにした。
――――因縁深過ぎるというか、覚えしかない『ファフニール』の名前が出た直後のことだ。
龍臣社長のスマホにメールが届いた。
差出人は、『ファフニール』。
そこには、『綾部造船の仇』『一人として、許しなく下船させない』といった脅迫めいた内容が書かれていた。
シャンファさんの遺体が本気の証拠であると念押しされてしまえば。
子ども達みたいな弱い立場の人を、おいそれと避難させるわけにはいかなくなってしまい。
結局、元太君のお腹が咆えたのを皮切りに、お昼でも食べて一息いれようとなった。
『綾部造船』というのは、『龍臣造船所』の前身になった会社らしい。
二十年くらい前に、幹部の不祥事がきっかけで倒産。
その後、当時専務だった龍臣社長が立て直して、現在の『龍臣造船所』になったとか、なんとか。
警察のみなさんは、その線からも当たってみるそうで。
あちこちに連絡を取っていたのが印象的だった。
なお毛利先生と、それからマリアさんと了子さんは。
もう少し捜査をするようだ。
というのも、『ファフニール』を無視できなかったお二人が『マリアがファフニールと戦ったことがある』『無関係を装えない』と主張したことで。
(ちょっと強引に)S.O.N.G.スタッフとして捜査に関わることに。
まあ、ほっとくわけにはいかないよね・・・・。
わたしは一応未成年なので、引き続き子ども達のお守りだ。
・・・・相手はかつてのわたしを名乗る物好きなんだし、何やらかすか分からない。
構えておくに越したことはないだろう。
そう思いながら、たくあんを数回咀嚼した後、ごはんを頬張った。
と、
「立花さん」
「むぐ?」
声を掛けられて振り向くと、毛利さんと鈴木さんがお盆を持っていた。
それぞれの料理は、すでに何口か食べた後だった。
「急にごめんね、一緒していい?」
どこか困った顔でそういう毛利さん。
別に断る理由もないので、もぐもぐしながら黙って頷いた。
『ありがとう』とはにかんだ二人は。
丸いテーブルで、わたしと向かい合う位置に座った。
とはいえ、なんでまた急に?
思っていることが顔に出ていたのか、二人はまたはにかんで。
「『ファフニール』だっけ?初めて知ったんだけど、そんなおっかない奴に狙われてるって思うと、気が滅入っちゃってさ」
「それに、こんなことになっちゃったけど、立花さんともう少し話してみたかったから」
「ああ、なるほど」
そりゃあ、そうか。
散々事件やらなんやらで荒事に慣れていると言っても、結局は普通の女子高生なわけだし。
それに今回は、普段と毛色の違う猟奇的な事件。
参っちゃうのも無理はないのか。
「まあ、そんなんで力になれるならいくらでも。こう見えて鉄火場には慣れてる方だと自負してるから」
「あははっ、たっのもしい♪」
鈴木さんがそう言ったのを皮切りに。
少し賑やかなお昼ご飯が始まった。
最初の方はわたし達だけだったけど、途中からは少年探偵団も加わってきて。
より一層明るくなったように思う。
「――――えっ、響ちゃん。学校いってないの?」
「うん、実はそうなんだよ」
食べ終えても話し続けたせいか、すっかり名前呼びが定着してしまった。
驚く蘭ちゃんに、苦笑いしながら頷く。
「元々不良ってやつで・・・・誰を信じていいのか、誰に助けを求めていいのか、分からなかったところを、今のS.O.N.G.の司令さんが助けてくれて」
思えば、弦十郎さんには随分とお世話になっている。
死んでもしょうがないと考えたあの時。
ボロボロだったわたしにも、それを助けてと泣きじゃくる未来にも。
怪訝な顔一つせずに、手を差し出してくれた。
・・・・日向に戻る、一歩を踏み出させてくれた。
『原作』と違って、師匠ではないのだけども。
尊敬している人は誰かって言われたら、真っ先に名前が挙がる人だ。
「その繋がりで、了子さんのことも紹介してくれたんだけど。いやぁ、まさか英雄サマの装備をこしらえた人とは、露知らず・・・・」
「へぇ、それじゃあ色々知ったのは結構最近なんだ」
「そうなのです」
ちょっと大げさに頷いて見せると、みんなは笑顔を零していた。
・・・・お話がひと段落したところで、気になっていたことを聞いてみる。
「それにしても、コナンくん遅いねぇ」
「言われてみれば・・・・服部君もまだ来てないみたいだし」
なんでも『ボクトイレ!』と飛び出してったきりだとか。
・・・・これは、もしかしなくても。
なんて思っていたら。
「――――まったく!油断も隙もありゃしないッ!」
食堂の入り口を見れば、肩を怒らせているマリアさんの姿が。
その目の前で気圧されている服部君と、床に降ろされたコナンくんがいた。
「見てはいけないと言ったわよね?確かに、あなたは、頷いたわよね!?」
「そ、そうです・・・・」
「じゃあなんでまた現場に来たのッ!?」
案の定、コナンくんは現場を調べようとした様だ。
結果は御覧の通り。
マリアさんは完全にお冠である。
「あなたが毛利探偵の手伝いをよくやっていて、何度も助けてきたことは聞いている!だけど、今回の事件は、子供が安易に首を突っ込んでいいレベルではないの!」
歩美ちゃん達が見ているにも関わらず、お説教は続く。
「ま、まあまあ、歌姫さん、いったん落ち着いて・・・・」
「あなたもッ!!どうして止めないの!?少なくともこの子より年上だと言うなら、あんな凄惨な光景を見せるべきじゃないと分かっているはずでしょッ!?」
「ひぇっ、そ、そりゃあ、まあ、そうですけども・・・・」
服部君が宥めにかかるも、焼け石に水。
どころか、飛び火を喰らってしまっていた。
・・・・これはあんまりよろしくないよね。
と、言うわけで。
「園子ちゃん、そのパン一つもらっていい?」
「えっ?う、うん、いいけど・・・・」
「ありがと」
園子ちゃんのビーフシチューについていたパンを一つ拝借。
熱く説教を続けるマリアさんに、歩み寄って。
「はいはい、ちょーっとお口うさ子ちゃんしましょーね」
「んもぐうッ!?」
ズボッと、口の中に押し込んだ。
一仕事終えた気分で、手を打ち鳴らしてから。
縮こまっていたコナンくんに、しゃがんで視線を合わせる。
「ごめんねー、マリアさんにも悪気があるわけじゃないから、勘弁してあげて」
「う、うん・・・・」
さすがに参ってしまっていたのか、どことなく元気のないコナンくん。
「今回も、いつも通りお手伝いしようとしたの?」
「うん、平次兄ちゃんや小五郎のおじさんを助けたくて」
「そっか、えらいえらい」
・・・・きっと。
犯罪を許さない正義感から、いつも通りの行動をとろうとしたんだろう。
頭を撫でながら、でも、と続ける。
「マリアさんがあんなになるくらいだから、よっぽどひどい現場だっていうのは分かるよね?」
「うん」
「マリアさんだって、別にいじわるしたいわけじゃないんだっていうのも?」
「うん、わかる」
高校生探偵を名乗れていた時から、ずっと事件にかかわってきたおかげで。
死体に慣れているという『自信』もあったんだろう。
でも、だからこそ。
「でも、そういう暴力的な場面が、君みたいな子どもにトラウマを植え付けちゃうことも、分かるでしょ?コナンくん、かしこいんだもの」
言いながら、目線を促す。
一緒に見た先には、心配そうに見守る、少年探偵団のお友達が。
「お友達のためにも、ここは我慢しよう?ね?」
「・・・・・うん、分かった」
「よし、いい子!」
今の彼は、あの子達と同年代の見た目。
彼一人に許可を出してしまえば、少年探偵団を名乗る彼らだって、『ボクもわたしも』と言い張るに違いない。
さすがのコナン君も気付いたのか、悔しそうな一方で、バツの悪そうな顔をしていた。
「――――言いたいこと、ほとんど言われてしまったわね」
頭を撫でまわしていると、持ち直したらしいマリアさんの声。
去っていくウェイターが、空のコップを持っていたので。
多分、突っ込んだパンをお冷で流し込んだんだろう。
「さっきは怒鳴ってごめんなさい、服部君も」
「ううん、ボクこそ、勝手に入ろうとしてごめんなさい」
「俺も、すんませんでした」
当事者達が謝りあったことで、事態はひと段落したようだった。
「まあ、とはいえ事件は気になるし、考察くらいはいいんじゃないかな?」
「響、あなた関わるなって言っておきながら・・・・」
うん、マリアさん。
ジト目で見たい気持ちはわかる。
でもね?
「こういう正義感あふれる子は、止めたってまた行きたがっちゃいますよ」
というか、コナンくんならやらかす。
とんでもないテロリストが関わっているとなれば、なおさらだ。
「ここには現場を見て、冷静に判断できる人間が、わたし含めて三人もいますから」
イラストとかならいけるやろ!
そう説得すると、マリアさんも何とか了承してくれて。
かくして、少年探偵団with服部&マリアによる。
事件考察が始まったのである。
「っていうか、響ちゃん現場を見たの?」
「見た上で食べるものが、和風ハンバーグ御膳・・・・」
そこ!突っ込まない!
◆ ◆ ◆
「――――んじゃ、まずは部屋の間取りからね」
閑話休題。
マリアが、打ち合わせ用に持ってきていたルーズリーフを一枚借りて。
響が自前の三色ボールペンで書きこんでいく。
部屋は十二畳の一人用。
入って左手にお風呂やトイレなどの水回りがあって、それで少し狭まった通路を抜けると広いベッドルームに出る。
同じく左手側を枕にして置かれたベッドは、窓に近い位置で。
寝転がったまま大海原を楽しめそうだ。
扉に近い手前側には、テーブルとイスで作られた談笑スペース。
壁に設置された大画面のテレビは、これまたベッドに座ってても楽しめそうだった。
「寝転がってばっかりじゃない、不健康な・・・・」
「小市民なので、楽しみ方がそれくらいしか思いつかないんですよ・・・・で、シャンファさんの遺体は」
説明を聞いたマリアの、どこかたしなめるような視線を受けながら。
響はボールペンの色を赤に切り替える。
散らばっていた頭や腕、胴体に内臓を。
覚えている限り、出来る限り書き込んでいく。
「俺は入り口辺りしか見られへんかったけど、大分細切れにされてたんやな」
「そうだね、了子さんの見立て通り、強い殺意を以てして行われてる」
単に『腕』や『足』のような大雑把な分類ではなく。
『上腕の手首から先』とか『太ももと股関節の一部』みたいな、細かく、かつ、乱雑なパーツに刻まれていた。
「痛かったのかな、あのお姉さん」
「・・・・そうね、とても痛かったでしょうね」
眉を寄せて、悲しそうな表情をする歩美。
マリアが慰める一方で、コナンと平次は何か考え込んでいる。
やがて、疑問点はまとまったのか。
まずはコナンが、ゆっくり口を開いた。
「シャンファさんは、どうしてここにいたんだろう?」
「まずはそこやな」
服部も同じことを考えていた様で、強く頷いていた。
「第一こんな危なっかしいもんがあるところに、分かってて行く人間はおらへん」
「考えられる可能性としては、誰かに呼び出されたってところか」
何らかの口実で呼び出されたシャンファ。
こんな豪華客船に、殺人トラップが仕掛けられているなどと、露とも思わないだろう。
そして、犯人の思惑通りに、彼女は。
「わたしとしては、バラバラにされた状態そのものが気になるかなぁ」
「そうなの?」
蘭の問いかけに、一度頷いて答えた響。
ボールペンで図を示しながら、疑問を口にした。
「なんでバラけさせる必要があったの?ワイヤーで殺すってんなら、首や胴体を撥ねるだけでもいいし。何なら首を締めあげて、なんて手段でもいい」
「ははぁ、立花は派手さが気になっとるわけか」
「いぐざくとりー」
子ども達に不安を与えないように、茶目っ気交じりの態度を見せる響。
「S.O.N.G.的に言わせてもらうなら、何らかの儀式の可能性も提言させてもらうかな?」
「儀式・・・・こう、オカルト的な?」
「そう、それ」
まさか、オカルトが出てくるとは思わなかったのだろう。
困惑している様子の蘭に、ボールペンの先を向けながら肯定を示す。
「ぱっと思いつくのは占星術かなぁ」
「せんせーじゅつ?」
こてん、と首を傾げる歩美。
その仕草に微笑ましさを覚えながら、マリアが解説を入れた。
「簡単に言うと、星占いよ。朝のテレビでやるような、十二星座だけにとどまらず、木星や火星、月といった、様々な天体の動きを基にして占う方法なの」
「んで、占星術において、人間の体は惑星と照応する・・・・つまり、頭は太陽、足は木星、みたいに、見立てて扱うことが出来るってわけ」
術者自身を地球に見立てて、そういった儀式が行われるのだと。
響はさらに付け加えた。
「とはいえ、これはないわね」
「了子さんが調べたんです?」
「むしろ真っ先に見ていたわ」
あの聞き取り前の検分で。
鑑識に頼んで、散らばった部位の、部屋の中心からの距離を図ってもらったらしい。
結果は、特に関係なし、ということだった。
「ありゃ、じゃあ忘れてもらっていいかな」
そう言うと、響は解説のために書いたメモを、ボールペンで塗りつぶしてしまった。
「けど、せやな。やっぱり一番有力なんは、誰かが・・・・犯人が、シャンファさんをおびき寄せたっちゅーことやな」
それも、行かざるを得ないような案件で。
そうでなければ、トラップ以外は何の変哲もない客室に、一人で行く理由がない。
「もしかして、あの『ファフニール』が?」
「それはまだ分からないわ」
怯える園子の言葉を否定したマリアは、『何より』と続ける。
「私は、今回の奴が偽物であることすら考慮している」
「偽物?」
「そっか、マリアさんは実際に会ったことがあるんですよね」
「オレ知ってるぞ!コピーキャットっていうんだよな!」
首を傾げる蘭とは対照的に、光彦や元太は、元気いっぱいに知っていることを告げる。
『よく知っている』と一言褒めたマリアは、考察を続けた。
「そもそも、『ファフニール』が暴れだすトリガーは、奴の宝物を傷つけることにあるの」
「宝物・・・・っていうことは、何か貴重な品物とか?」
「いいえ、それはないわ・・・・私も、実際に見たわけではないのだけど」
そう、前置きしたマリアは。
どこか、憂いを帯びた表情になって。
「『ファフニール』には、とても大切にしていた人が居たそうなの」
「大切な、人」
繰り返すコナンに、マリアは首肯を返す。
「・・・・奴に滅ぼされたという組織は、どれも『ファフニール』を雇い入れた反社会集団」
「え?」
「もちろん、所属している間に手をかけた民間人もいるけど、それでも、どちらかと言えば犯罪者が圧倒的に多いのよ」
「で、でも!人を殺したことに、変わりはないよね!?」
「そうね、あなたの言う通りよ」
だとしても、と。
マリアは前置きして。
「一度戦ったからこそ、かしら。あの子は、ファフニールは、決して理由なしに誰かを殺めたりしない。それこそ、無差別なんて以ての外よ」
彼女の中では、確定しているであろう内容を。
自信をもって、断言したのだった。
呆気に取られて話を聞いていたコナン。
ふと、疑問が口をついて出ていた。
「マリアさん、ファフニールが誰か知っているの?」
問いかけられたマリアは、失言に気付いたのか口元を押さえて。
響はそんな彼女をやや責めるような目で見ている。
強い感情のこもった視線を受けたからか。
ばつの悪そうな顔をしたものの、
「――――ねえ、コナンくん」
やがて、マリアの顔には穏やかな笑みが浮かんで。
「もしも、もしもの話よ。仕事も、お金も、住む場所も、食べ物もなくて、でも、ひもじくてひもじくて、たまらなくて」
突然始まったたとえ話に、今度は困惑が広がるが。
一応、みんなで耳を傾けることにした。
「そんな人が、つい、お店から食べ物を盗んでしまった。これは犯罪かしら?」
「・・・・逮捕はされても、情状酌量の余地はあると思う。仕事も、住む場所も提供して、お金を稼ぐ環境を整えてやれたら、その人は二度と盗まないはずだから」
「そこまで考えられるのね、本当に賢い子」
頭を撫でてから、再び口を開くマリア。
「じゃあ、強盗に殺されそうになって、反撃したら、逆に殺してしまった。この人は、罪に問われるべきかしら?」
「それは、正当防衛が成り立つはずだよ。殺してしまうのはよくないけど、だからって黙って殺されていいわけがない!」
「そうね。でも、殺しは殺しよ。さっきの例えみたいに、強盗の側にも事情があったかもしれない、助けたいと思っていた人達がいたかもしれない」
――――そんな人達が、殺した相手を恨まずにいられるかしら?
問いかけに、コナンは今度こそ黙りこくってしまった。
「犯罪、と一口に言ってしまえば簡単よ。だけど、それを成すのは無機物なんかじゃない・・・・あなたと同じ、人間なのよ」
そんな彼に、少し言い過ぎた罪悪感も含めた笑みで。
諭すように、告げたのだった。
罪は簡単に許されてはならない。
だが、安易な罰は時として糾弾に変わってしまう。
コナンは、改めて考えると難しい課題に、俯いてしまった。
「・・・・ごめんなさい、少し難しかったかしら」
言う通りのことを思っていたのか、マリアが苦笑いを零した。
その時だった。
「――――マリアさん!!大変だッ!!」
食堂が勢いよく開き、小五郎が飛び込んでくる。
「井出教授がッ!!」
関係のある名前に、響は跳ね上がるように立ち上がった。