ホープライトプリキュア   作:SnowWind

80 / 82
第27話
第27話・プロローグ


 暗闇に覆われた夢ノ宮市にて、激しい爆音が鳴り響き、衝撃波が町全体に放たれる。

 それと同時に、2つの光と巨大な闇の塊が正面から衝突した。

 闇の塊は幾重にも枝分かれした巨大な角を持つ怪物『クジャタ』を模したネオ・ソルダークであり、2つの光、キュアシャイン・サハクィエル、キュアシャイン・レリエルの力に敗れ、その巨体を大きく揺るがせ地面へと倒れ伏す。

 そして横たわるネオ・ソルダークへと目掛けて、蒼い雷光と真紅の爆炎が左右から挟み込むように迫っていく。

 

「プリキュア!スパークリング・ブラスター!」

 

「プリキュア!ブレイズフレアー・コンチェルト!」

 

 蒼い雷光キュアスパークと、真紅の爆炎キュアブレイズが、それぞれの浄化技でネオ・ソルダークへと追い討ちをかける。

 そこへ安らかなフルートの音色とともに、ネオ・ソルダークの巨体を閉じ込めるように巨大な水晶が現れた。

 

「プリキュア!プリズミック・リフレクション!」

 

 黄色の戦士キュアプリズムが、その浄化技を以ってネオ・ソルダークの身動きを封じ込める。

 それを見計らい上空に構える2人のキュアシャインが、それぞれの武器を交差し重ね、1つに融合させる。

 

「せいなる光よ。」

 

「闇夜を照らし」

 

「「暗き想いを光に導け!」」

 

「「プリキュア!ホーリーナイト・サンクチュアリ!!」」

 

「ガアアアアアアアッ!!」

 

 2人のキュアシャインの浄化技が炸裂し、ネオ・ソルダークは断末魔と共に跡形もなく消滅する。

 

「やはりこの程度か、不甲斐ないな、ネオ・ソルダーク。」

 

「どうやら、ここまでのようだねサブナック。」

 

「ああ、退くぞダンタリア。」

 

「やれやれ、次はこうはいかないよ。リリス。」

 

 ネオ・ソルダークの浄化を確認したサブナックとダンタリアは、共にこの世界から姿を消す。

 やがて世界を覆う闇の牢獄が解かれ、光が戻ると同時に道行く人々も姿を現してていった。

 

「やったね、リリンちゃん!」

 

「うん!」

 

「2人とも、お疲れ~。」

 

「雛子もサポートお疲れ様。」

 

「千歳ちゃんこそ、陽動ありがとう。」

 

「おかしいな?ウチも一緒に戦ってたはずやけど。」

 

「かなめちゃんも、ありがとう!」

 

「くぅ~、やっぱり蛍はええ子やな~。」

 

「はわわわ・・・。」

 

 蛍と要、雛子と千歳は、変身を解くと他愛のない雑談に花を咲かせる。

 そんな4人の姿を横で見ながら、リリンは空に広がる陽光を見上げる。

 暗闇を切り開き、今日も世界から光を取り戻すことが出来たことを、1人ひっそりと喜ぶのだった。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。