第27話・プロローグ
暗闇に覆われた夢ノ宮市にて、激しい爆音が鳴り響き、衝撃波が町全体に放たれる。
それと同時に、2つの光と巨大な闇の塊が正面から衝突した。
闇の塊は幾重にも枝分かれした巨大な角を持つ怪物『クジャタ』を模したネオ・ソルダークであり、2つの光、キュアシャイン・サハクィエル、キュアシャイン・レリエルの力に敗れ、その巨体を大きく揺るがせ地面へと倒れ伏す。
そして横たわるネオ・ソルダークへと目掛けて、蒼い雷光と真紅の爆炎が左右から挟み込むように迫っていく。
「プリキュア!スパークリング・ブラスター!」
「プリキュア!ブレイズフレアー・コンチェルト!」
蒼い雷光キュアスパークと、真紅の爆炎キュアブレイズが、それぞれの浄化技でネオ・ソルダークへと追い討ちをかける。
そこへ安らかなフルートの音色とともに、ネオ・ソルダークの巨体を閉じ込めるように巨大な水晶が現れた。
「プリキュア!プリズミック・リフレクション!」
黄色の戦士キュアプリズムが、その浄化技を以ってネオ・ソルダークの身動きを封じ込める。
それを見計らい上空に構える2人のキュアシャインが、それぞれの武器を交差し重ね、1つに融合させる。
「せいなる光よ。」
「闇夜を照らし」
「「暗き想いを光に導け!」」
「「プリキュア!ホーリーナイト・サンクチュアリ!!」」
「ガアアアアアアアッ!!」
2人のキュアシャインの浄化技が炸裂し、ネオ・ソルダークは断末魔と共に跡形もなく消滅する。
「やはりこの程度か、不甲斐ないな、ネオ・ソルダーク。」
「どうやら、ここまでのようだねサブナック。」
「ああ、退くぞダンタリア。」
「やれやれ、次はこうはいかないよ。リリス。」
ネオ・ソルダークの浄化を確認したサブナックとダンタリアは、共にこの世界から姿を消す。
やがて世界を覆う闇の牢獄が解かれ、光が戻ると同時に道行く人々も姿を現してていった。
「やったね、リリンちゃん!」
「うん!」
「2人とも、お疲れ~。」
「雛子もサポートお疲れ様。」
「千歳ちゃんこそ、陽動ありがとう。」
「おかしいな?ウチも一緒に戦ってたはずやけど。」
「かなめちゃんも、ありがとう!」
「くぅ~、やっぱり蛍はええ子やな~。」
「はわわわ・・・。」
蛍と要、雛子と千歳は、変身を解くと他愛のない雑談に花を咲かせる。
そんな4人の姿を横で見ながら、リリンは空に広がる陽光を見上げる。
暗闇を切り開き、今日も世界から光を取り戻すことが出来たことを、1人ひっそりと喜ぶのだった。