ご近所方へと挨拶を終えた健治と陽子は、家に戻り蛍の帰りを待っていた。
「蛍、少し遅くないかしら?」
時計を見ると、時刻は15時を回っていた。商店街までは徒歩10分ほどの距離だ。
正午の過ぎにここを出たにしては、帰りが遅すぎる気がする。
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。あの子はああ見えてしっかりしてるし、初めてのところだから、色々と見て回っているだけじゃないのか?」
「・・・それもそうかしらね。」
健治の言葉に、陽子は一先ず納得することにした。
幼い容姿と性格故に、つい心配性になりがちだが、蛍は真面目でしっかりものだ。
臆病な性格を嫌い、自分を卑下してしまうところがあるが、そんな自分を変えようと、陰ながら努力を重ねていたことを陽子は知っている。
優しく素直で健気な頑張り屋さん。
未だに反抗期が来ないことは、手がかからない一方で少し不安も感じるが、それもあの子の個性の内だろう。
「明日から新しい学校だし、今日はうんっと、美味しいものを作って、あの子を元気づけてあげなきゃね。」
陽子のその言葉に、健治も微笑む。蛍の明日を思いながら、2人は帰りを待つのだった。
…
リリスがその場を訪れた時、蛍は黒い瘴気に覆われ、道中に倒れ込んでいた。
「なかなかいい絶望じゃない。」
瘴気の内側にいる蛍の目には、既に生気はなく、その場を動く気配もない。
そんな蛍に向けて、リリスは手をかざす。
すると蛍を覆う瘴気が、リリスの掌へと集まっていき、黒い球体へと形を成した。
「ダークネスが行動隊長、リリスの名に置いて命ずる。
ソルダークよ、世界を闇に染め上げろ。」
リリスがそう唱え、黒い球体を宙に放り投げる。
すると球体はさらに形を変え、人型となり、10mは越えるであろう黒の巨人が誕生した。
「ガアアアアアアア!!!」
ソルダークと呼ばれた黒の巨人が、甲高い産声をあげる。
「ソルダーク。」
そしてリリスの呼びかけと共に、ソルダークは、全身から立ち上る黒の瘴気を、一気に空へと解放した。
まだ夕方にも満たないというのに、見る見るうちに空が黒く覆われていく。
すると消えていった人々が再び街の中に姿を見せ始めた。
だが街に現れた人たちは皆、黒い瘴気に覆われており、ある者は頭を抱え錯乱し、ある者は絶叫と共に泣き叫び、ある者は力なくその場に倒れ込んでいった。
…
闇の気配を探っていたチェリーは、この市一体に拡がる闇が、さらに勢いを強めていくのを感じ取った。
その度に街には人々が姿を現し、黒の瘴気に覆われながら呻き出している。
ふと目に留まった噴水広場の時計に目をやると、時刻は15時を指していた。
だが時針も秒針も動く気配がない。この辺り一帯の時が止められているのだ。
故郷と同じ現象が、この世界でも発生している。
この世界にもついに現れたのだ。伝説上で語られた黒の闇、ダークネスが。
「急がなきゃ・・・これ以上絶望の闇が拡がる前に。」
このままではこの街も、故郷と同じようになってしまう。
音も光も全て失い、生きとし生けるものが全て『モノ』となってしまう。
するとチェリーは、闇へと近づいていく1つの力を感じた。
闇の波動とは対を成す、光の波動の気配。
「この希望の光は、まさか!」
ずっと探し求めていた人が、ついに見つかったのだ。
チェリーは光の気配がする方へ体を向けると、光と闇の力がぶつかるのを感じとった。
ついにこの世界で、光と闇の戦いが始まってしまったのだ。
…
「・・・ん?」
街が闇へと覆われていく様を、リリスは満足そうに眺めていたが、ソルダークの放つ瘴気は徐々に勢いをさらに強めていき、空を覆う黒い闇も、加速度的に濃度を高めていった。
「絶望の闇が拡がるのが早い・・・。」
フェアリーキングダムといったか。
あの世界でも何体かソルダークを作り出したが、ここまでの速度で絶望の闇を染めていくものはあっただろうか。
リリスが自身の生み出したソルダークを不審に思っていると、こちらに迫り来る力を探知した。
「この気配・・・まさか。」
リリスの持つ、闇の力とは正反対の性質の力。それが速度を増してこちらへと近づいてくる。
やがてそれが目前まで迫ってきたところで、力のする方向へ振り向くと、
そこには一人の少女が立っていた。燃え盛るような赤いツインテールの髪をなびかせた
その少女は、フリルとリボンに飾られた、一見すると可愛らしい衣装に身を包んでいるが、
その双眸には強い敵意が込められており、力強い雰囲気を漂わせている。
リリスはその姿に身に覚えがある。あの時取り逃がした、亡国のプリキュア。
「キュアブレイズ。まさかあなたもこの世界に来ていたとはね。」
「ダークネス!」
キュアブレイズから確かな憎しみを感じる。だがリリスはそんなものに興味はなかった。
プリキュアは計画の邪魔だから消す。リリスにとってはそれだけの存在だ。
「丁度いいわ。あの時は取り逃がしたけど、今度こそ堕としてあげる。ソルダーク。」
「ガァァァァァァァアアアアア!!」
獣のような雄叫びと共に、ソルダークはキュアブレイズへと襲い掛かっていった。
…
キュアブレイズは、迫り来るソルダークの拳を正面から受け止めるが、ソルダークの力はキュアブレイズを上回っており、彼女の足が地面にめり込み始める。
「くっ!」
キュアブレイズはソルダークの腕を払いその場を離れようとするが、直後ソルダークは、背中から無数の鎖を解き放った。
縦横無尽に空を舞う複数の鎖は、キュアブレイズに狙いを定めて一斉に襲い来る。
さながらマシンガンのように矢継ぎ早に放たれた鎖を、キュアブレイズは無駄な動きなく回避するが、防戦一方の状態が続いていった。
「このソルダーク、強い。」
フェアリーキングダムでの戦いで、数え切れないほどのソルダークを相手にしてきたが、これほどの力を持ったソルダークを相手にしたのは初めてだ。
迫り来る鎖をかわし、捌きながら反撃のチャンスを伺うキュアブレイズだが、ふと、近くに闇の気配を感じた。
そちらに目をやると、黒の瘴気に覆われながら倒れ伏す、小さな少女の姿があった。
彼女から放たれる黒の瘴気は、目の前のソルダークのものと同じ気配がする。
「あの子が、ソルダークの・・・。」
目の前にいる行動隊長は、あんな年端もいかない少女を傷つけ絶望させ、あの黒の巨人を作り出したと言うのか。
生気を失った少女の姿を見て、キュアブレイズの脳裏に故郷の惨事がよぎる。
街を歩く人が、妖精が、全て生気を失い、ただの『モノ』へ成り果てていく。
勿論そこには、子供の姿も大勢あった。故郷のみならず、この世界の子供たちすら、
やつらは躊躇いなくソルダークを作り出すための『素材』に出来るのだ。
キュアブレイズはダークネスの蛮行に、静かな怒りを燃やし憎しみを滾らせていく
「ダークネス・・・。」
キュアブレイズは力強い踏み込みと共に、ソルダークへと突撃した。
強烈な体当たりを受けたソルダークの巨体は宙を舞う。
あの少女の絶望を、これ以上やつらの目的の為に好き勝手させるわけにはいかない。
間髪入れず、キュアブレイズは追い討ちをかけていくが、ソルダークは空中で態勢を立て直し、再び鎖を解き放った。
だが空中であるにもかかわらず、キュアブレイズは軽やかな動きで鎖を回避し、勢いを落とすことなく、ソルダークへ拳を突き立てた。
「さすが、プリキュアといったところかしら。」
ソルダークだけでは劣勢と判断したのか、リリスも前線に参加し、鋭い爪を尖らせ、キュアブレイズの背後へ奇襲を仕掛けた。
キュアブレイズはそれを左の肘で受け止め、体を捻って右の拳をリリスへ振るう。
リリスは尾でその拳をはたき落とし、両者は一旦距離を開けた。
直後、キュアブレイズの上空を取るソルダークが、再び立ち直り鎖を周囲へと展開する。
地に降りたキュアブレイズは、鎖による攻撃を回避し、リリスとソルダークの元へと再び飛び上がる。
キュアブレイズとソルダーク、そしてリリスを交えた空中戦は激しさを増し、戦いの場所を少しずつ変えていくのだった。
…
光の気配を追っていったチェリーは、やがて荒れた場所へと辿りついた。
大地が抉れ、建物が倒壊している。
間違いない、キュアブレイズはついさっきまで、この場所でダークネスと戦っていたのだ。
そしてここより僅かに離れた場所に、光と闇の気配を感じる。
「ようやく見つけた!キュアブレイズ!」
未知なるこの世界に迷い込んでから、どれだけの時間を彷徨い続けただろうか。
故郷とは異なり、妖精が存在しないこの世界は、まるで自分の存在を否定されたかのようで、とても心細かった。
チェリーは何度も心が挫けそうになったが、仲間の妖精とキュアブレイズもきっとこの世界にいる。
その希望だけを頼りに、今まで頑張って来られたのだ。
そしてついに、キュアブレイズを見つけることに成功した。
この時をどんなに待ち望んだことだろう。
チェリーは急いでキュアブレイズの元へ駆けようとしたが、その最中、道中に倒れる1人の少女が目に留まった。
「この子・・・。」
整った顔立ちと小柄な体躯、きっと人形のように可愛らしい少女だったのだろう。
だが黒の瘴気に覆われた姿は、纏う衣服も素肌も色を失いモノクロとなっており、生気を失った瞳は虚空を覗き、表情は悲痛に満ちていた。
そして少女の放つ闇からは、街中で見て来たどの人よりも黒く、大きな絶望を感じた。
もしかしたらこの子が、今のソルダークを生み出したのかもしれない。
「かわいそうに・・・こんな小さな子供まで。」
子供でさえ平気で絶望へと落とすダークネスのやり方に、チェリーは改めて憤りを感じる。
でもこの世界にはキュアブレイズがいるのだ。
彼女なら必ずソルダークを倒し、この子を闇の牢獄から解放してくれるはず。
この子を助けるためにも、早くキュアブレイズと合流し、今後の対策を立てよう。
そう決意したチェリーは、身を翻して再び進もうとしたその時、
「え?」
僅かだが、少女の体が動いたような気がした。
…
(ここ・・・どこなの・・・。)
どれだけ眼を凝らしても、自分の姿さえ映らず、
どれだけ耳を澄ましても、何も聞こえなかった。
ただ1つを除いて。
変わることなんて出来るわけないよ。
友達なんて作れるわけない。
わたしはずっと独りぼっち。
呪詛のように繰り返される自分の声だけが、音も光もないはずの空間に延々と響き渡る。
(もういや・・・いつまでつづくの・・・。)
繰り返される言葉の数々は、ほんの少し前まで抱くことが出来た、蛍の希望を粉々に砕いていく。
それでも尚、終わる気配のない声を聞かされ続け、蛍の精神は疲弊仕切っていた。
あの子のおまじないなんてデタラメ。
あんなもので勇気が沸くはずないじゃない。
(わたし・・・そんなことおもって・・・。)
思っていたはずよ。
だからわたしは、こんなことになってるんじゃない。
(・・・。)
あの時頭に響いた声。それを聞いた直後、
蛍は音も光もない世界に堕とされた。
頭に響く声を、否定することが出来なかったから。
(リリンちゃん・・・ごめんね・・・。)
変わることが出来ず、変わろうともせず、
初対面の自分にも優しく接してくれたリリンの思いさえ踏みにじってしまった。
彼女からおまじないを教えてもらった時、もう一度だけ頑張ってみようと思ったはずなのに、本当の自分はこんな酷いことを思っていたというのか。
最初からリリンのおまじないなんて信じていなかった。
そのことを自覚した蛍は、さらに深い自己嫌悪へと陥っていく。
そして頭に響く声の数は、さらに数を増していった。
(わたし・・・ずっとこのままなのかな・・・。)
自分の声だけが永遠と呪詛のように繰り返される世界で、
一生自己嫌悪しながら生きていくのだろうか。
(もういや・・・なにもかんがえたくない・・・。)
あまりの辛さに耐えかね、蛍はついに思考さえ放棄しようとした。
その時、
あなたに足りないものは、ほんのちょっとの勇気。
一歩踏み出すための、小さな勇気。
リリンの言葉が、頭をよぎった。
(・・・でも・・・わたしはあの子のおまじないを・・・。)
信じてなんていなかったはずだ。なのになぜ、リリンの言葉が脳裏をよぎったのだろう。
(一歩・・・踏み出す・・・ちいさな勇気・・・そうだ。
今までだってずっと、そうだった。いやなこと、こわいことからにげてばかりで・・・
そんなじぶんをかえたくて・・・でも、こわくて一歩も踏み出すことができなかった・・・。)
もしかしたらリリンは、そんな自分を勇気づけてくれたのかもしれない。
(・・・わたし、かんちがいしてたんだ・・・。ごめんね、リリンちゃん。)
あのおまじないは、唱えれば勇気が天から降ってくるようなものじゃない。
リリンが、蛍に勇気を出せるようにと、その背中を押すためにしてくれたものなのだ。
勇気を出すのは、自分自身。ほんの少し、ほんの少しの勇気を出すだけで良い。
(ほんのすこしだけの勇気なら・・・わたしにも・・・。)
蛍は両手を胸元まで持っていき、祈るように強く握りしめた。
あの時リリンが触れた胸元に、強く意識を集中させる。
彼女から感じられた温かさを、優しさを思い出すように。
(こんな場所に・・・ずっといたくない!
まだあたらしい学校にもいってない!
じぶんをかえることだってできていない!!
なにより・・・)
蛍はありったけの思いを、一歩踏み出すための勇気へと込める。
(なにより!リリンちゃんに、もういちどあいたいから!!)
「がんばれ!わたし!!」
思いを勇気に込めた蛍は、一歩だけ、前に踏み出した。
その直後、蛍の胸から強烈な光が発した。
「え?」
発せられた光は、おまじないをしている両手から零れ、蛍の周囲を明るく照らす。
直後、蛍に五感が戻ってきた。手のひらが見え声が聞こえ、胸から放たれる光が
目を照らし発光音が頭に響く。やがて光が止むと、目の前にピンク色のパクトが現れた。
蛍はそれを両手で受け止める。すると、このパクトを開いた時に何が起こるのか、頭の中にイメージが流れ込んできた。
そして蛍の体が無意識に動き始める。
両手のパクトを天に掲げ、ある言葉を口にした。
「プリキュア!ホープ・イン・マイハート!」
直後、掲げたパクトが自動で開き、中からピンクに輝く光が解き放たれた。
放たれた光は、ヴェールのように蛍の全身を包み込む。
すると蛍の服が一瞬で、フリルとリボンで飾られた、ピンクのドレスへと変わった。
髪も肩までの位置だったのがつま先の長さまで伸び、
両サイドがリボンで結ばれ、ツーサイドアップになる。
元々ピンク色だった髪は、さらに一段と明るくなり、光沢を持って光を反射した。
そして瞳の色も、同じピンク色へと変わる。
『変身』を遂げた蛍は、自分の名前とは異なる名乗りを挙げる。
「世界を照らす、希望の光!キュアシャイン!」
蛍が変身を遂げた直後、強烈な光が世界を覆い、蛍の視界を照らしていったのだ。
…
蛍の視界を照らす光が収まると、いつの間にか服が変わっていた。
それだけでない。頭に違和感を感じ髪を手に取ってみる。
「え?あれ・・・?なにこのかっこう・・?あれ?え?えええ!!?」
髪がつま先に達するまで伸びていたのだ。
だが蛍は、あの音も光もない世界から脱出した時の記憶がなく、どうしてこうなったのか状況が掴めないままでいた。
「わたしになにが・・・あれ?」
さらに視界に拡がる景色をよく見てみると、コンクリートがえぐれ、屋根が吹き飛んだ家が点々としていた。
その景色を見るに元の世界に戻って来られたはずだが、目の前に拡がる光景は戻って来られたことへの安堵を抱かせないほど恐ろしいものだった。
「いっ、いったいなにがあったの・・・。」
声を震わせ今にも泣きそうな蛍だったが、更なる衝撃が続く。
足元に目が届くと、そこには20cmほどの小さなぬいぐるみがあった。
可愛いぬいぐるみだな、とあまりにも場違いな感想を抱いたのも束の間、そのぬいぐるみは突然大きな声で叫び出したのだ。
「プリキュアに変身した~!!?」
叫びながらぬいぐるみは飛び跳ね、宙を舞いだした。
ぬいぐるみが空を飛べるはずがないとかそもそも喋るわけがないとか声も可愛いかなとか様々な思考が働き、蛍を一層困惑させる。
「ぬっぬいぐるみさんがしゃべったあああ!!」
グルグルな思考がどんでん返しをし続け、そんなベタな反応で返すことしか出来なかった。
だが混乱を極める蛍をよそに、そのぬいぐるみは蛍の腕を引く。
「お願いプリキュア!キュアブレイズを助けて!」
「え?」
プリキュアとは何なのかキュアブレイズとは誰かなのか助けてとはどうゆうことなのだろうかなんでぬいぐるみがしゃべりながら空を飛べるのか、尽きぬ疑問が次々と浮かび上がってくるが、ぬいぐるみは蛍の悩みが解決するのを待ってはくれなかった。
「こっちよ!」
「わっ!ちょっと!」
蛍はまたしても考えがまとまらない内に、
見知らぬ喋るぬいぐるみに手を引かれて連れていかれるのだった。
…
「うっ・・・。」
ソルダークとリリンの連携の前に、キュアブレイズは押され始めた。
2対1と数の差で不利になっていることもあるが、
このソルダーク、先ほどよりもさらに力を増している。
戦いの中で力を高めていくソルダークも初めてのタイプだ。
持久戦に持ち込まれては今以上に不利になる。早く決着を付けなければ。
だがキュアブレイズが危機感を募らせた直後、突然ソルダークの動きが鈍くなった。
「どうしたソルダーク?」
リリスも困惑の色を見せている。どうやら彼女にも原因はわからないようだ。
だがこれは好機だ。この機を逃せば、またいつ力を高めて来るかわからない。
ソルダークを全力で叩き潰そうと、キュアブレイズが構えたその時、
「え?」
こちらに近づいてくる力を感じた。それも闇の力ではない。自分と同じ光の力を。
キュアブレイズが力の感じた方へ向いた時、1人の少女が、チェリーに手を引かれて姿を現した。
自分と似たようなドレスに身を包んだ、ピンク色の少女の姿を見て、キュアブレイズは驚き目を見開く。
「まさか・・・プリキュア?」
「キュアブレイズ!」
チェリーの声が嬉しそうに響き渡る。彼女が連れてきたということは、あのピンクのプリキュアは、こちらに加勢に来たのだろうか?
だがそんな疑問を抱いた直後、ピンクのプリキュアの表情が見る見る内に青ざめていった。
「まっまほうつかい!?かっかいぶつ!?あっあくままで!!?
いっいったい、なにがおこってるのおおお!!?」
そしてピンクのプリキュアの情けない叫び声が、闇に覆われた空へと木霊するのだった。
…
次回予告
「まほうつかいにかいぶつにあくままで出てくるなんて!いったいなにが起こってるの!?」
「おちついてキュアシャイン!
魔法使いはプリキュアで、怪物はソルダーク、悪魔は行動隊長って言う呼び方が」
「そんなのいわれてもわからないよ!」
「とにかく!キュアブレイズと力を合わせてソルダークと戦うの!」
「あんなかいぶつと!?そんなのむりむりむり!!」
「無理じゃない!プリキュアの力があればソルダークとだって戦えるんだから!」
「も~!あしたから学校はじまるのに、わたしどうなっちゃうの~!!」
次回!ホープライトプリキュア 第2話!
「勇気を胸に!蛍、波乱の転校初日!」
希望を胸に、がんばれ、わたし!