◇5 とある魔術と科学にお気楽転生者が転生《完結》   作:こいし

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ドッキリ成功を伝える簡単なお仕事

「みこっちゃんの居場所?(^O^)」

「ああ……アイツを止めないと……!」

「知りたい? ヽ(^o^)丿」

「頼む! 教えてくれ!」

「じゃあ仕方ないなぁ。教えてあげるよっ! (^u^)プスススス」

「………どうでもいいけど楽しそうだなアンタ……」

 

 珱嗄は楽しげに表情を変化させながら上条当麻の相手をしながら、最近購入したiphone89sを取り出し、スクリーンをすっすっと指で動かし始める。

 

「何してるんだ?」

「ん、発信器。この前みこっちゃんに会った時にゲコ太のキーホルダーに発信機仕込んでくれてやったんだ」

「アレ、それ犯罪なのでは……?」

「わはは、今日び発信機盗聴機位風紀委員(ジャッジメント)でも私的利用してんだから問題なし」

「この街はどうなってるんだ!!」

 

 珱嗄はタッチした瞬間に切り替わる物凄い電波速度のiphone89sを弄り、そして見つけた。御坂美琴の居場所を。かなり遠い位置に居り、ここから移動するとなると、歩きで1時間半程かかるだろうか。とはいえ、珱嗄としては特に急ぎの用でも無いのでゆっくり歩く事にする。

 

「じゃあ行こうか上条ちゃん。みこっちゃんのパンツ盗りに行くんだろ?」

「ちげぇよ!?」

「え、じゃあ何しに行くんだよ。俺はてっきり……」

「俺はどういう風に見えてるんでしょうか!? というかアンタそういう性格だったのかよ!」

「えーでは、一旦コマーシャルでーす」

「不幸だぁぁぁああ!!」

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 珱嗄の! 通信販売のコーナー!

 

「えー始まりましたこのコーナー。今日紹介する商品は、こちら!」

 

 

『珱嗄印の二次元薬』

 

 

「はい、此方の薬。飲めばなんと意識だけではなく肉体や衣服含めてまるごと好きな二次元世界に転生する事が出来るという薬です。行きたい世界の漫画やゲームやアニメを服用前に観賞することで行きたい世界を選ぶ事が出来ます。効果は死ぬまで! よーく考えて、親や兄弟、友達等々全て捨てられる覚悟が出来てから使う様にしましょう!」

「でもお高いんでしょう?」

「神様じゃないか」

「俺も参加させてくれ。ほら値段」

「高い? そんな事はありません! 通常価格6870億2900万円の所、今回特別価格! 6000億円でご提供させていただきます!」

「わー凄い!」

「お電話は、0120-○○○○-◇◇◇◇まで! それではまた来週!」

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

「はい、コーマシャルも明けた事で」

「なんだ今の、何だ今の!?」

「騒ぐな上条ちゃん」

 

 さて、珱嗄と上条当麻はその後バスやら電車やらを乗り換えながら御坂美琴の居場所へと向かっていた。時刻は既に20時37分。空はもうかなり暗くなっており、街灯や店の明かりが随分と目立っていた。

 

「で、まだ着かないのか?」

「ん、もうじき着くよ――――ほら、あそこ」

 

 珱嗄の指差した先、そこには鉄橋があり、この時間帯故に誰も通っていない。唯一人、鉄橋の欄干に寄り掛かり、呆然と川を眺める御坂美琴を除いては。

 上条当麻は何時もと違う御坂美琴の雰囲気に一瞬たじろいだ。そして、片足が勝手に一歩下がろうとした所で、ドッと何かにぶつかった。それは、珱嗄の腕だった。

 

「な……」

「おいおい上条ちゃん。此処まで来て怖気づいてんじゃねーよ。いかねーなら俺が教師としてアイツを補導するけど?」

「……悪い、案内してくれてありがとう」

 

 珱嗄の言葉に、上条当麻は駆け出した。御坂美琴の下へ走る。珱嗄はそんな上条当麻の後ろ姿を見て、目を細める。夜だというのに、その姿はどこか眩しく見えた―――

 

 

「アイツら何してんだろ?」

 

 

 ―――ような気がしただけだった。何故なら珱嗄は彼らが止めようとしている実験が、既に中止してしまっている事を知っているのだから。

 

「ま、いいか。適当な所で中止したこと教えてやろ―――と?」

 

 珱嗄のパーカーのポケットの中で携帯が震えた。電話の様だ。番号を知っているのは自分と一方通行位なのだが、誰からだろうと電話に出た。

 

『はーい、珱嗄。元気?』

「やぁ麦野ちゃんじゃないか。なんだ?」

『とりあえず番号の方は暗部の裏情報で手に入れたと言っておくわね。で、貴方宛てに仕事が来たわよ?』

「どんな?」

『えーと、どっかの研究所からで……なんか『例の実験が中止になった事を第一位に伝えて下さいお願いしますマジで』……だってさ。第一位といいなんかやったの貴方?』

「えー? あー、うん。アセロラぶっ飛ばした」

『あーはい、もう良いわ。貴方の規格外っぷリには驚きを通り越して唖然とするしかないわ……じゃ、仕事お願いね』

 

 珱嗄はその言葉に対して軽い返事をして通話を切った。

 

「ま、仕事でも言われた事だしね」

 

 珱嗄はそう言って、なにやらマジリンチを始めた御坂美琴と上条当麻の下へと歩いていった。

 

 

 

 

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