下僕との交流を深めるという瞑目で、眷属が続々と一誠の家へと越してくる。
しかし手狭になった家は残念ながら空きがない。
それを感じたリアスは実家に頼み、家の増築を頼むのだった。
それとは別に、イッセーは修行の最中、夢幻の龍神と遭遇し、約束をしていた......
sideナレーション(界王)
オーフィスという龍神に遭遇とのからその翌日の学校での事。
何時ものように授業が終わり、一誠が部室に顔を出していると......
「よぉ、赤神龍!!」
なぜか堕天使総督のアザゼルのいた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「それで、どうしてアザゼルがこんなところにいるのかしら?」
そう聞くのは、一誠よりも後からきた部長のリアスだ。
あの後、来た部員達(一誠以外)は揃って呆けた顔をしていた。
「なに、セラフォルーの妹に頼んだらこの役職だ。まぁ俺は知的でチョーイケメンだからモテるぜ? ここの女子生徒でも食いながら楽しくやらせてもらうさ」
などと宣う堕天使総督......。
「アザゼルのおっちゃん、女は食っちゃいけねぇぞ? 食いもんじゃないかんな」
「いや、お前そういうことじゃ...はぁ、まあいいや」
まさかの一誠の発言にアザゼルはなんとも言えなくなり果ては話すことを諦めた......
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「っ〜...」
朝、自室のベッドで眠る一誠が何やら寝づらそうにしていた。
よく見ると、一誠の被る布団がモゾモゾと不自然に動いている。
「〜...っ!!」
余りの寝ずらさに、一誠が目を覚まし、そして布団の違和感に気がついた。
タオルケットの中で動く何かは徐々に胸のところまで上がって来て───
「と~ちゃく♪」
そこに現れたのは、昨日の今日で再び現れた朱乃であった。
その光景に一誠は首を不思議そうに首を傾げて問いを投げた。
「んん...?? なんでおめえがここに?」
しかも朱乃の姿は、一糸纏わぬ生まれたままの姿だった。
そんな姿の朱乃は妖艶に微笑み答える。
「うふふ♪昨日はグレイフィア様に邪魔されてしまいましたからこうして攻めてみたのですわ」
この副部長、最強の女王の折檻をものともしていない......
「なんてカッコしてんだ...服着ねえと風邪引くぞ!!」
「えっ...?」
まさか、そんな風に言われるとは思ってなかったのか困惑したような声をあげる......。
後ろに近づくその気配の主にも気が付かず......
「姫島サマ? いったいナニをしているのですか...?」
背後には般若が立っていた。
「ヒッ...!?」
再びその顔を青ざめさせる朱乃......。
「話は私の部屋で聞かせてもらいますね...こちらへ...」
有無を言わさぬその口調で猫のように朱乃を掴むグレイフィア。
「一誠様、朝から失礼致しました......」
その顔は何事も無かったように笑顔で...一誠に一礼をしてそのまま出ていった。
朱乃を掴んだまま......。
「.........あ、あの...お手柔らかに...?」
「────」
あれは手加減など微塵もする気はないだろうな......。
それをただ見守っていた一誠は一人つぶやく。
「......風邪引かなきゃいいけんど」
今はそこではないだろうお前...!?
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
それとはまた別の日......。
「ん...?リアス、
一誠達の学校は近く夏休みに入ろうとしていた。
「ええ、そうなの。毎年、夏には冥界に帰っているのよ。グレイフィア達も帰るでしょう?」
リアスの問いにグレイフィアは頷く。
「はい、あまり主の元を離れているわけいかなくてはなりませんから」
そういえば忘れそうだったが、グレイフィアは魔王サーゼクス・ルシファーの眷属であったな......。
「そうなんか? じゃあ、オラは修行しとくぞ!! 重力室も使えるようになったし、存分に鍛えるとすっか!!」
そう言うと、リアスは呆れたように言った。
「何言ってるのよイッセー。あなたにもついてきてもらうのよ?」
「へっ...?オラもか...?」
そんなリアスの言葉に、一誠はキョトンとする。
「というより、冥界に帰るときは眷属の皆にはついてきてもらうことになっているのよ 」
「そうだったんか、知らなかったぞ...」
「あぁ、あなたには伝えてなかったわね...。とにかく、出発は明日よそれまでに準備はしておいてちょうだい」
「分かった!」
「一誠様、くれぐれもサーゼクス様達にご迷惑をお掛けしないようにお願い致します」
「お、おぉ...わかったよ......」
余程心配されているのだな......
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
その日の放課後。自室にて......。
「そんでオラも冥界に行くことになっちまって驚れえちまったよ...」
仲間たちに朝のことを話していた。
「はは、イッセーくんは相変わらずだね......」
「.........相変わらずの戦闘バカですね」
「でも、それが師匠のいいところだと僕は思いますぅ!」
木場は苦笑し、小猫は辛辣な言葉を投げ、ギャスパーは師のフォローに回っている。
と、そんなことを話していると...。また一人、部屋に入ってくる者がいた。
「俺も冥界に行くぜ!!」
それは学園に教師としてやってきたアザゼルであった。
「アザゼル!! いつの間に来たの?」
「ついさっきだ、普通に玄関から入ってきたぜ?気がつかなかったのか?? まあ、そこの赤神龍は勘づいてたみたいだがな......」
「おぉ、気配で分かるかんな!!」
「気配も消してたはずなんだが...まあいい、いつかお前にも悟らせずに近づいてみせるさ」
そういって、一つ咳払いをした後......
「ともかく、俺もおまえらと一緒に冥界に行くからよろしくな」
と、そんな感じでアザゼルの冥界行きが決定した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
翌日、一誠たち一行は駅のあるエレベーターの前に来ていた。
「ここから下に降りていくのよ」
リアスがそう言うと、一誠がそれを見て疑問を呟く。
「なあリアス、このエレベーター上にしかいかねえって書いてあんぞ?どうやって降りんだ?」
するとリアスは小さくウインクをして悪戯っぽく話す。
「まあ、見ていてちょうだい」
そう言うとリアスはエレベーターのボタンのしたの方にある絵をタッチした。
すると、どうだろう......。ポォンッ!!という音と共にエレベーターが開いたのだ。
驚く一誠にリアスは悪戯が成功したように笑い
「驚いた? さぁ、これで行けるわ、皆行くわよ」
『『はい!』』
そのまま一行はエレベーターに乗り込み、下へと降りていった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
暫く降りたところで、エレベーターが停止し、扉が開く。
外にあったのはやたらと広い人工的な空間であった
地下の大空洞というのはこういうことを言うのかもしれない......。
まさか、この町の地下にこんなのがあるとは思いもしない......
「それじゃあ、三番ホームまで行くわよ」
リアスの案内に従い、ホームまで歩いて行くが、これらを初めて見る一誠には、視界に映るもの全てが新鮮で驚きだった。
「これよ、さあ、乗ってちょうだい」
そして案内された先にあったものは一台の機関車だった。
列車にはグレモリー所有とデカデカと書かれている。
「ひえっ...でっけえ!!」
一誠が驚いていると、グレイフィアが近づき教えてくれる。
「一誠様、この列車はグレモリー家が所有している物です。グレモリー領は広いですから、こうして移動しているのです」
「へぇ〜 リアスの父ちゃん達はすげえんだな!!」
まるでブルマやミスター・サタンみてえだ...と関心する一誠に、仲間たちは知らない名前に疑問符を浮かべている。
その後、一誠たち一行は、列車に乗り込み冥界へと旅立つのだった。