DRAGON BALL D改   作:榛猫(筆休め中)

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前回までのDRAGONBALL D改......。

朱乃に呼び出され、とある神社へと向かう一誠。
案内された先には天界の長、天使長ミカエルが待っていた。
一誠に竜殺し(ドラゴン・スレイヤー)の聖剣、アスカロンを渡そうとするミカエルだったが、一誠はそれを断る。
ミカエルはそんな一誠をあなたらしいと笑い、帰っていくのだった


三会談開始!!動き出す影の組織!!

sideナレーション(界王)

 

 

ミカエルが帰った後、一誠はそのまま神社にてもてなされていた。

 

 

「はい、お茶ですわ」

 

 

「おっ、サンキュー」

 

グイッと飲み干す一誠だったが、すぐに顔を青くし......

 

 

「うぐっ...!...っ...ぷはぁっ...にっげぇなコレ...お茶ってこんな苦いもんだったか?」

 

 

「うふふ、一誠くんは抹茶を飲むのは初めてかしら?」

 

そう言ってにこやかに微笑む朱乃。

 

 

「はぁっ...ふぅっ...ビックリしたぞ......。わところでよ、朱乃、ちっと聞きてえことがあんだけどいいか?」

 

 

「えぇ、もちろんですわ」

 

一誠の問いに朱乃は快く答えてくれる。

 

 

「グレイフィアから聞いたんだけどさ、おめえ、ただの悪魔じゃねえんだよな、えっと...なんつったか...ナントカの...」

 

 

「......堕天使の幹部の一人、バラキエルですわ、イッセーくん」

 

 

「あぁ!それだ!ソイツの子供なんだろ?強えのか?」

 

その言葉に朱乃は表情を少し困ったようにしながら話しだした。

 

 

「一誠くんに比べたら、強いかどうかは分からないですけれど、そう、もともと私は、堕天使幹部バラキエルと人間の間に産まれた者...」

 

そのまま朱乃はポツリポツリと話し始めた。

 

母が神社の娘だったこと...。父、バラキエルとの出逢い、そして朱乃自身の誕生......。

 

 

「穢れた翼......。悪魔の翼と堕天使の翼、私はその両方を持っています」

 

そう言って、いつの間にやら展開していた一対の羽の片翼から落ちた羽根を憎々しげに掴み、言った。

 

 

「この羽が嫌で、私はリアスと出会い悪魔となったの。───でも、生まれたのは堕天使と悪魔の...両方の翼を持ったもっとおぞましい生き物になった。ふふ、汚れた血を身に宿す私にはお似合いかもしれません......」

 

そう言って自嘲する朱乃......。

 

「......それを知って、イツセーくんはどう感じます? 堕天使は嫌いよね? あなたとアーシアちゃんを一度殺し、この街を破壊しようとした堕天使にいい思いを持つはずがないものね」

 

そんな朱乃の言葉に一誠は躊躇うことなく口を開いた。

 

 

「何言ってんだおめえ、オラ別に堕天使って奴らのこと嫌いじゃねえぞ」

 

 

「えっ...?」

 

朱乃が不思議そうな顔で一誠を見る。

 

 

「そりゃ、オラやアーシアを殺した奴らはきれえ(嫌い)さ......。けど、アイツらにも良い奴はいるんだ、アザゼルのおっちゃんとかな!!それに、朱乃だって、良い奴だ!!オラはおめえのこと好きだぞ!!」

 

 

「───っ! 殺し文句、言われちゃいましたわね。......そんなこと言われたら......本当の本当に本気になっちゃうじゃないの......

 

そう言って朱乃は泣いていた

 

 

「いいっ...!?な、なんで泣いてんだ!!お、おい...オラ、何かしちまったんか!?」

 

 

「ううん、違うの...嬉しくて...そんなこと、男の子に言われたこと、なかったから......」

 

そう言うと朱乃は涙を拭い、笑顔で言った。

 

 

「決めましたわ、私、決めました。ねぇ、イッセーくん」

 

 

「ん...?」

 

 

「三、いいえ、四番目でいいですわ。だからね、イッセーくん...いいえ、一誠くん、私と浮気...してみない?」

 

衝撃的な爆弾を放り投げて来た朱乃は妖艶に微笑んでいるのだった。

 

その後、何故か朱乃に渾名を付けて欲しいと迫られ、一誠が頭を搾って捻り出したのは朱ちゃんというものだった......。

 

朱乃は大層その渾名を気に入り、一誠に抱きついていた所をリアスと共に来ていたグレイフィアにみつかり、一誠は連行されて行くのだった......

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

「───さて、行きましょうか」

 

部室に集まるオカルト研究部の面々がリアスの言葉に頷く。

 

そう、今日は三勢力の会談の日当日......。

 

外には学園全体を覆う協力な結界が張られている。

 

更には悪魔、天使、堕天使の軍も各々が学園前に待機しており、今にも戦争が勃発しそうな雰囲気だ......。

 

そうなれば嬉嬉としてアイツ(悟空)は出ていくのだろうが......

 

 

「ふぇぇ... 部長に師匠ぉ...、どこ行くんですかぁ...?」

 

準備を進める一誠達にギャスパーが不安そうな声をあげる。

 

 

「ギャスパー、今日の会談は大事な物なの。時間停止の神器を制御できない貴方は参加することはできないの。ごめんなさいね...」

 

リアスが優しい声音でギャスパーに告げる。

 

今回の会談に、ギャスパーは不参加のようだ。

 

神器を制御出来ていないギャスパーを連れていくのは悪手だとリアスが判断したのだ。

 

もし、何かのショックで会談中に発動してしまってはいけないので今回は不参加らしい。

 

 

「ギャスパー、オラがいなくてもしっかり修行すんだぞ?どんなときも強くなりたいなら修行しかねえんだ」

 

 

「は、はいぃ!!頑張りますぅ!!師匠ぉ!!」

 

ビシッと敬礼をするギャスパー。

 

一誠に師事し、少しずつ根性がついてきたようだ......。

 

 

「...皆さま、そろそろ時間になります」

 

同じく待機していたグレイフィアがそう告げる。

 

 

「分かったわ。それじゃあ皆、行きましょう」

 

 

「はい!!(あぁ!!)」

 

そうして、一誠達は部室を後にするのだったた。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆SIDECHANGE◇◆◇◆◇

 

 

 

 

会談当日......。

 

私達は駒王学園の会議室にて待機していた。

 

私の他にいるのは......。

 

魔王、サーゼクス・ルシファー、セラフォルー・レヴィアタン。

 

堕天使総督...アザゼル、白龍皇ヴァーリ。

 

私こと、天使長ミカエル、熾天使のガブリエルの六人です。

 

それぞれのトップたちは揃っている......。

 

後は、あの事件を収めた者たちが来れば全員ですね......

 

彼は、来てくれるでしょうか、いえ、彼は確実に来てくれますね。あの時のお礼も渡せていない、会談の後にでも渡してあげたいものです......。

 

 

 

 

【コンコンコンッ】

 

 

おや、来たようですね......

 

 

「失礼します......」

 

ノックの後に件の者たちが入ってきました。

 

......彼もいるようですね

 

その中にはあの少年の姿もありました。

 

 

「オッス!サーゼクスにアザゼルのおっちゃん!!久しぶりだな!!」

 

部屋に入ってきた少年、兵藤一誠くんはサーゼクスやアザゼルを見つけ、まるで友人と話すかのように声をかけています。

 

彼らとも知り合いだったのですね......。

 

サーゼクスはともかく、アザゼルまでとは、彼の人脈はどこまて......

 

対するサーゼクス達も特に気にする様子もなく返します......。

 

 

「やあ、イッセーくん。よく来てくれたね。元気そうで何よりだよ」

 

 

「よぉ、赤龍帝。あの時以来か?久しぶりだな。っていうか、そのおっちゃんって呼び方止めろ...」

 

などと挨拶を交わしています......。

 

 

 

 

 

「・・・・・・あの方は......」

 

不意に、ガブリエルがハッとしたように呟く。

 

 

「どうかしましたか?ガブリエル」

 

 

「え?いえ、なんでもありません...」

 

 

......どうやら、彼女も彼の違和感に気づき始めたようですね

 

そう話すガブリエルですが、視線はまた兵藤くんを見ています。

 

さて、ガブリエルは彼に気づけるでしょうかね......

 

 

「さて、そろそろ始めようか......」

 

おっと、考え込んでいる間に始まってしまったようですね。

 

では、会談に集中しましょうか......。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆SIDECHANGE◇◆◇◆◇

 

 

 

 

会談が始まり、サーゼクスが口を開く。

 

 

「この会談の前提条件として、この場にいる者達は『神の不在』を認知している」

 

サーゼクスはそう言って周りを見渡す。

 

特に返事がないのは言うまでもなく全員が周知しているからだろう。

 

 

「では、それを認知しているものとして、話を進めよう」

 

サーゼクスのその一言で三大勢力のトップ会談の幕が開けた。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

「と言う様に我々天使は......」

 

 

「そうだな、その方が良いかもしれない。このままでは確実に三勢力とも滅びの道を......」

 

 

「ま、俺らには特に拘る理由もないけどな」

 

悪魔、天使、堕天使のトップ等が貴重な話をしている中。

 

 

「.........???」

 

一誠、ついてきているか...?

 

 

『クカァ~...(-.-)zzZ』

 

・・・・・・なぁにをやっておるのだバッカもぉ〜ん!! 

 

すると、その一誠の足を思いっきり踏みつける者がいた

 

 

「.........フンッ」

 

静かに、だが勢い良く足を踏み付ける小猫

 

 

「いっ――!!!!!?おー...いちちち...ん?」

 

 

「ふん......」

 

足を抱えて跳び回る一誠を見て、アザゼルのが大爆笑している。

 

 

「だっははははははっ!!会談中に大鼾かいて寝るとは大したもんだな赤龍帝!!」

 

 

「ははは、イッセーくんらしくていいじゃないか。それじゃあリアス、報告の続きを頼めるかな?」

 

 

 

 

 

「は、はい...(大事なところなのに...イッセーのばかぁ...!!)」

 

顔を真っ赤にしながらもリアスが報告を再開するのを一誠はは足をさすりながら聞いているのだった。

 

「―――以上が私、リアス・グレモリーと、その眷属悪魔が関与した事件となります」

 

 

「ありがとう、リアス。それでアザゼル。この報告を受けて、堕天使総督の意見を聞きたい」

 

 

 

その言葉に全員の視線がアザゼルに集中する、するとアザゼルは不敵な笑みを浮かべて話し始めた。

 

 

「先日の事件は我が堕天使中枢組織『神の子を見張る者グリゴリ』の幹部コカビエルが単独で起こしたものだ。奴の処理は赤龍帝が行った。アイツ、バカだったからそこの赤龍帝に完膚なきまでにやられて、挙句消し飛ばされて骨すらも残ってない状態だったがな。その辺りの説明はこの間転送した資料にすべて書いてあったろう?それで全部だ」

 

アザゼルの報告にミカエルが嘆息しつつ話す。

 

 

「説明としては最低の部類ですね。しかし、あなた個人が我々と大きな事を構えたくないという話は知っています。それは本当なのでしょう...?」

 

 

「ああ、俺は戦争になんて興味ない。コカビエルも俺のことをこきおろしていたと、そちらでも報告があったじゃないか」

 

アザゼルの言葉にサーゼクスとミカエルが頷く。

 

 

「それで、俺も一つ聞きたいことがある。少し話が脱線することになるが許してくれ」

 

 

「まぁ、内容にもよりますが......」

 

 

「あぁ、アザゼル、言ってみてくれ」

 

 

「ああ。......赤龍帝、おまえは何者だ?」

 

ん?ここで一誠に話が振られるのか...?

 

おい、呼ばれておるぞ悟空 

 

 

(ん...?オラがか...?なんだろ...)

 

 

「ヴァーリから話は聞いた。いや、聞かずともコカビエルの()()()()を見れば分かる。コカビエルをああも簡単に消し飛ばす奴なんざそうはいない」

 

 

「そうですね。私も報告を聞いて驚きました。いくら赤龍帝の力を宿しているとはいえ、下級悪魔がコカビエルを倒すとは思いもしませんでした。兵藤一誠くん、あなたはいったい......」

 

正体を知らないアザゼルと、正体を知りつつ乗ってくるミカエルが話を振ってくる

 

そして、この部屋にいる全員の視線が一誠に集中する。

 

 

「先に謝っておく。悪いが、会談にあたり、おまえさんのことは少し調べさせてもらった。おまえは悪魔に転生するまでは普通の高校生だったはずだ。親も普通の人間。先祖に魔術や超常の存在と接触した者はいない。それに、おまえは禁手すらも使わずに俺達ですら未知の不可思議な力を使ってな......。それもコカビエルを倒すレベルだ。......おまえはどうやって、そこまでの力を手にいれた?」

 

 

「どう...って言われてもな......」

 

そう言って少し考え込む一誠。

 

だが、少し考えて出てきた言葉は...... 

 

 

「強くなるために修行を続けてた...くれえかな?」

 

そんな一誠の言葉にアザゼルは顔を顰める。

 

 

「修業をして手に入るような力か?それは」

 

アザゼルの言葉に一誠は力強く頷く

 

 

「あぁ、誰だって強くなれる!!オラがなれたんだ、おめえ達もなれっさ!!」

 

 

「・・・・・・・」

 

 

 

しばしの無言が辺りを包む。

 

 

「分かった。とりあえずはお前の言葉を信じとくぜ」

 

アザゼルは嘆息しながらそう話す。

 

 

「あぁ!サンキューアザゼルのおっちゃん!」

 

 

「......だからおっちゃん言うなっての」

 

と、そこで口を挟んでくる者がいた。サーゼクスだ......

 

 

「イッセーくん、良い機会だし、もうあの事を話してもいいんじゃないかな?」

 

 

「あのこと?...って何かあったか?」

 

そう言われ一誠は何事かと考え込む。

 

すると、横からグレイフィアがこそっと耳打ちをして教えてくれた。

 

 

『一誠様、貴方が神龍の生まれ変わりであるということです。』

 

 

「へっ...?あぁ!!そのことか!!」

 

 

「分かった!サーゼクス、おめえがそう言うんなら話すぞ。先に確認すっけど、おめえ達は神龍のこと知ってんのか?」

 

一誠の言葉にその場の全員が首を縦に振る。

 

 

「知ってるも何も、目の前で見ましたし、命を助けられましたから」

 

 

「あの時の事はいまだに忘れられねえな......」

 

 

 

「二天龍を圧倒的な力でねじせた伝説の龍の話だろう?当然知っている。というか、この世界で知らない者はいないだろう」

 

上からミカエル、アザゼル、ヴァーリが話す。

 

というか、未だに乗ってくれているミカエルは案外ノリのいい奴なのかもしれない......。

 

 

「知ってる奴は知ってると思うけど、神龍ってのはオラなんだ」

 

その瞬間、その場にいる全員(一部例外あり)の顔が驚愕に染まった。

 

 

「正確にはその神龍の生まれ変わりだ。オラが生まれ変わる前の名は......

 

───孫悟空───」

 

その言葉に更に困惑が混じる。

 

「ちょっと待て、ってことはお前は闘戦勝仏と同姓同名の生まれ変わりだっていうのか?」

 

(なぁ、界王さま、なんだ?とーせんしょーぶつってよ?)

 

物語に出てくる石ザルだ...... 

 

(へぇ〜!!そんなオラと同じ名前のやつがいるんか!!知らなかったぞ!!)

 

ともかく今はそっちに集中せんか!!

 

(わ、わかったよ......)

 

 

「そのとうなんとかってのが誰か知らねえけど、オラは神龍だ、あん時の記憶も全部持ってる」

 

 

「・・・・・・はは...まさか、こんな所であの神龍に会えるなんてな。面白いこともあるもんだ。しかも赤龍帝だなんてよ。胃がが痛くなりそうだ......。」

 

本気で胃が痛そうなアザゼルを差し置いて、ミカエルがサーゼクスに問いかける。

 

 

「......サーゼクス、貴方はこのことを知っていたのですか?」

 

 

「そうだね、だけど下手に公表するわけにもいかなかったのでね、隠させてもらっていたのさ」

 

 

「なるほど......」

 

 

 

ミカエルは訳知り顔で、アザゼルは胃が痛そうな表情(かお)をしている。

 

 

 

そこに追い打ちをかけるようにサーゼクスが言う。

 

 

「ちなみに、イッセーくんは神龍だった頃より戦闘力は落ちてはいるが、それでも私を超える実力はあるだろう、そうだろう?兵藤一誠くん」

 

 

「あぁ、随分上だと思う」

 

その言葉に一番反応したのは他でもないヴァーリだった。

 

 

「!!...それは本当か?」

 

その瞳は期待と闘志が入り交じった熱いものが宿っている。

 

その時だった。

 

一誠達を不思議な感覚が襲った。

 

時が止まった時のような......

 

ふと、一誠が時計を見ると......。

 

そこにはやはり、時が止まっていた。




オッス!オラ悟空!

ギャスパーが人質に取られちまった......アイツら、サーゼクス達の話を邪魔するつもりらしい......。
そうはさせねえぞ!!平和を邪魔するなら、オラがぶっ飛ばしてやる!!

次回!DRAGONBALL D改!

最悪の襲撃!テロ集団禍の団(カオス・ブリゲード)!!

ぜってえ見てくれよな!!

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