一誠が仕事に同伴した先で怖い目に遭い、再び引きこもってしまったギャスパー。
どうにかしようとする一誠だったが、名乗り出たグレイフィアに任せその場を去る。
グレイフィアは過去の一誠...即ち孫悟空の話をしてギャスパーにやる気を出させていた。
sideナレーション(界王)
翌休日......。
一誠は一人、ある場所へ向けて歩いていた。
なぜ一人かと問われれば、呼び出されたからだ......。
その人物から場所を聞き、気を頼りに進む一誠。
そうして進んだ先にあったものは...一件の神社だった......。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「お待ちしておりましたよ、イッセーくん」
そう言って一誠を出迎えたのは、オカルト研究部の副部長であり、グレモリー眷属の
その朱乃だが、今は駒王学園の制服ではなく、巫女服を纏っている......。
「オッス、朱乃。呼ばれたから来たぞ!」
そんな朱乃の出迎えに、一誠はいつものように応じる。
オリジナルの兵藤一誠であればその新鮮さにドギマギするのだろうが、この一誠には通用しない。
「急に呼び出したのに、来てくれてありがとう、嬉しいわ」
巫女服の朱乃は普段通りの柔らかな笑顔を向けて話す。
「呼んでくれたんなら行くさ、んで、オラは何したらいいんだ?」
「えぇ、こちらへどうぞ...。あなたに会いたいという方が来ているの」
そんな一誠の言葉朱乃もにこやかに答えて中へと誘う。
一誠も後を追って平然と入っていく......。
・・・・・・本来、悪魔は神社や寺などの神聖な場への足の踏み入れは出来ない...が、この場所は特殊な協定が結ばれているらしく、本来の悪魔である朱乃も入れるということらしい......
悪魔ではない一誠には関係ないことだが、一誠自身、その事などとうに忘れている。
◆◇◆◇◆閑話休題◇◆◇◆◇
「なあ、朱乃はここに住んでんのか?」
朱乃に案内されるなか、一誠がふと口を開く。
「はい、先代の神主さんが亡くなって、無人になっていたこの神社をリアスが私のために確保してくれたのです」
そう返す朱乃はなおも先へ進んでいく。
「ここですわ、お客様、兵藤くんをお連れしました」
そう言って朱乃は、辿り着いた神社の本殿の戸を開く、その中にいたのは......。
「彼が、赤龍帝ですか?」
そう話し、一誠を待っていたのは輝くまでに金色の翼に、豪華な白ローブを着た、端正な顔立ちの青年だった。
極めつけはその頭上に漂う、金色の輪っかだ......。
「 ! おめえは...!?」
一誠が何かをおどろいた顔をする。
そんな一誠の反応に二人もなにか身構える......が
「えっと...誰だっけ...?」
・・・・・・・・・・・・_(┐「ε:)_ズコー!!
盛大にズッコケた......。
「はは...中々愉快な子だ...今代の赤龍帝は面白い子に宿ったらしい。しかし...このオーラの質、まさしくドライグですね。懐かしい限りです」
なにやら懐かしんでいる謎の青年......。
「なあ、それよりおめえ...いってぇ誰なんだ?」
そんな不審人物にも物怖じせず問いかける一誠は流石であろう......。
「あぁ、これは失礼、自己紹介がまだでしたね。初めまして、『赤龍帝』兵藤 一誠くん。私はミカエル。天使の長をしております」
青年が名乗った名前は、とんでもない大物であった......。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「なあ、朱乃...てんしのおさ...ってなんだ?」
「............」
「い、イッセーくんそれは...コホンッ...兵藤くん、天使というのはですね...」
すごく複雑そうなミカエルを後目に、朱乃は背中にうすら寒いものを感じながら、一誠にも分かるように天使の説明をし始めるのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「と、言うのが天使なのですよ?」
「へぇ〜...そんな奴がいんのかぁ...おめえスゲえんだな!」
暫し、朱乃の天使についての(噛み砕かれた)説明を聞き、漸く理解した一誠だったが、やはりその態度は変わらなかった。
そんな尚も変わることの無い一誠の態度にミカエルはなにやら勘づいたような顔をする。
「 !!......え、えぇ、今回あなたに来てもらったのはコレを授けようかと思いましてね」
しかし、直ぐに気を取り直したように返すミカエルがある方向を指し示す。その先にあったものは、虚空を浮遊している剣だった。
そしてその剣からは、聖なるオーラが溢れ出ている。紛れもない、聖剣だ......。
「これはゲオルギウス───聖ジョージ...いえ、大昔に生きていた人間の英雄...と言えば分かりますか?その英雄が持っていた竜殺し《ドラゴン・スレイヤー》の『
先程のイッセーくんの様子を察して、かなり噛み砕いた説明をしてくれるミカエル。アレだけを見てすぐに適応してくれる辺り、その器の広さを物語っている......。
その説明を受けても首を傾げて不思議そうにしている一誠。そこへ......
『有名な
事情をよく知るドライグが口を挟んでくる。
(あぁ、全然わかんねえぞ...なんなんだそのどんぶりスライダーってよ?)
『
(へぇ〜...よく分かんねえけどスゲえヤツなんだな?)
『......その認識でまあ間違いはない』
ドライグの説明会も、虚しく、一誠は残念な認識しかされなかった......。
「コレがスゲえモンってことは分かったけど...なんだオラにこんなのくれるっつーんだ?」
一誠の問いにミカエルは微笑み答える。
「大戦後、大きな争いは無くなりましたが、ご存じのように三大勢力の間で小規模な鍔迫り合いがいまだに続いています。この状態が続けばいずれ皆滅ぶ。いえ、その前に横合いから他の勢力が攻め込んで来るかもしれません...」
尚もミカエルは続ける。
「過去の大戦の時、三大勢力が手を取り合ったことがありました。赤と白の龍が戦場をかき乱した時です。あの時のように再び手を取り合うことを願って、あなたに―――赤龍帝に言わば願をかけたのですよ」
そう言ってミカエルは話を終える。
......どうするのだ?悟空よ?
(界王さま、オラには今の話あんましよくわかんなかったけど、大事な話だってことは分かった...けど、オラもう決めてる...)
そうか...ならば、お主が思うように進め......。
(あぁ!サンキュな、界王さま!!)
そんなやり取りの後、一誠は真剣な顔で口を開いた。
「ありがてえ話だけど、これはオラは受け取れねえ...」
「!?い、イッセーくん...?」
「......理由を聞かせて貰えますか?」
驚く朱乃に、なにやら落ち着いているミカエル。
「あぁ、ミカエルがオラになんかを期待してるってのは分かった...けど、オラは戦いには武器は使いたくねえ、この拳で、強え奴らと...もっとワクワクして楽しんで戦いてえんだ!だから、コイツは受け取れねえ...すまねえな」
そう言うとミカエルは納得したように微笑み、確信したように一つ頷いた。
「───やはり、貴方は本物だ......。しかしまさか、こんな所で貴方会えるとは思っていませんでしたよ...。神龍」
そう話すミカエルはその後、ならば後日別の物を贈らせて欲しいと一度天へと帰って言ったのだった。
そして帰り際に......
「そういえば、ガブリエルが貴方に逢いたがっていました......。今度の会談で顔を出す予定ですので挨拶をして差しあげてください」
そんな少しばかり不穏になりそうなことを告げて......
オッス!オラ悟空!
ついに会談が始まったぞ!!
サーゼクスにアザゼルのおっちゃん、それにミカエル...強そうな奴らがオラ達に話掛けてくる。難しいことはよく分かんねえけど、平和になんなら賛成だ!!
ん!?なんだ...?時間が...
次回!DRAGONBALL D改!
三会談開始!!動き出す影の組織...
ぜってえ見てくれよな!