DRAGON BALL D改   作:榛猫(筆休め中)

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前回までのDRAGONBALL D改……。


木場の手伝いをするため、グレイフィアの協力のもと、聖剣使いを探す小猫達一向。

そこに、はぐれ悪魔払い、フリードが奪った聖剣を携え襲いかかってくる。

迎撃するグレイフィアと匙の援護もあり、あと一歩で仕留める手前まで持ち込むも、突然のバルパーの侵入によりそれは阻止されてしまうのだった。


迫り来る危機!駒王を護れグレモリー眷属!

sideグレイフィア

 

「脇が甘いです、一誠様」

 

 

「がっ…!くぅっ…だりゃあぁぁッッ!!」

 

私の攻撃吹き飛ばされる一誠様。ですが気合いでなんとか空中で踏ん張りを利かせて私へと突っ込んでくる。

 

そう、現在私は一誠様の修行をつけるため、指導している最中なのです。

 

昨夜、あの後、一誠様に修業の相手を頼まれた私は喜んでその頼みを受けました。

 

それから丸一日以上、一誠様の修行にお付き合いしていると訳です。

 

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)に封印されているドラゴン。ドライグ様にも付き合ってもらっているようですが、技の精度はやはり乏しいようです。

 

私はその雑になってしまった攻撃に勢いを乗せるため、技を磨かせることにしました。

 

と、言っても、一誠は生前…というべきかは分かりませんが、ある方に師事していたことがあるらしく、型はかなり出来ています。

 

このままいけば、後少しで私の修行は終えられそうですね。

 

ですが、終わりの見えてきているこの修行に寂しい気がしてしまうのは、やはり一誠様が好きだからなのでしょうか……。

 

そんなことを考えつつも、私は一誠様の修練にお付き合いをしていくのだった。

 

 

sideout

 

 

―――――――――――――――――

 

 

sideナレーション(界王)

 

 

一方その頃……。

 

リアス率いるグレモリー眷属とソーナ率いるシトリー眷属は駒王学園の前に集結していた。

 

「リアス先輩。現在、学園を大きな結界で覆ってます。これでよほどのことがない限りは外に被害は出ません」

 

匙が部長に現状報告をしていた。

 

昨夜の尻叩き影響か、匙の動きが微妙にぎこちない………。

 

木場と聖剣使いの二人の姿はない。

 

聖剣使いの一人であるイリナはフリード達を追っていった先で手酷い傷を負わされ、未だ目を覚ましていない。

 

 

「これは飽くまで最小限に抑えるものです。正直言って、コカビエルが本気を出せば学園どころかこの町ごと崩壊させることも可能でしょう」

 

ソーナの言葉にリアスは頷き、答える。

 

 

「ありがとう、ソーナ。あとは私達がなんとかするわ」

 

「リアス、相手はケタ違いの化け物なのですよ?今からでもあなたのお兄様を呼んだほうが…。」

 

 

「あなただって、御姉様を呼ばなかったじゃない…」

 

 

「それは…家の姉が出てきたらややこしくなるから…!」

 

そんなことを言い合う二人に朱乃が口を挟む。

 

 

「サーゼクス様にはもう打診しました」

 

その言葉にリアスが目を見開く。

 

 

「朱乃!あなた、勝手なことを!」

 

 

「リアス、いくら婚約を破談にした後でお兄様に迷惑をかけたくないのは分かるわ、でも今回の相手は私達の手に負える相手じゃないの。…魔王の力を借りましょう、リアス!」

 

朱乃さんが有無を言わせぬ口調で答える。

 

その迫力にさしものリアスも引き下がざるを得ない……。

 

「ハァ…分かったわ」

 

その言葉を聞いた朱乃は、いつものニコニコとした笑顔に戻り、言った。

 

「魔王様到着の目処ですが、四十分程で到着するそうです」

 

 

「四十分…。分かりました。その間、私達シトリーで結界を張り続けて見せます」

 

ソーナが決意を示す。

 

すると、匙がふと疑問を投げ掛ける。

 

 

「そういえばリアス先輩。兵藤はどうしたんですか?姿が見えないみたいですけど」

 

その問いにリアスは困ったように顔を背ける。

 

代わりにと小猫が質問に答えた。

 

 

「イッセー先輩は今朝からグレイフィア様と修行に行ったきり帰って来ていません。優斗先輩は匙先輩も知っての通りです」

 

 

「はぁ?兵藤の奴来ねえのかよ!街が滅びるかも知れないって一大事に何してんだよアイツは!」

 

まさかの返答に匙が声を荒げて怒る。

 

 

「いえ、そういう訳じゃないわ…きっとイッセーはこうなることが分かってたのよ…だからこうしてる今も強くなるために必死になっているの…」

 

 

「それで来ないんじゃ一緒じゃないですか!下手したら一人で逃げてる可能性だって!」

 

その言葉に納得していない匙が尚も声を荒げる。

 

そこへ突っかかるものがいた、アーシアだ。

 

 

「来ます!イッセーさんは必ず来てくれます!見捨てるなんてことあの人がするはずありません!」

 

 

「…そ、そうか…そうだよな、アイツがそんなことするはずないよな」

 

アーシアの勢いに匙もたじたじで返すしかないようだ……。

 

「そういうことよ、私達はそれまでコカビエルと戦って時間を稼ぐわ」

 

 

「リアス、どうかくれぐれも死なないで…」

 

 

「ソーナもね」

 

こうしてリアス、朱乃、アーシア、小猫の四人は結界の中へと入っていくのだった。

 

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

 

 

結界内で戦闘が始まってからしばらく……。

 

戦況は最悪の方向に傾き始めていた。

 

コカビエルの出してきた手下、地獄の番犬『ケルベロス』相手にグレモリー眷属達は劣性を強いられていた。

 

途中、アーシアの危機に颯爽と現れた木場とゼノヴィアも参戦したが、それでも状況は変わらず最悪……。

 

そんななか、バルパーが木場に聖剣計画の詳細を声高に説明し、因子の結晶を用済みだといって投げ渡したところで、木場の神器(セイクリッド・ギア)魔剣創造(ソード・バース)が禁手に至り禁手双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ピトレイヤー)となり、四本の合体聖剣を破壊しせしめたが、コカビエル相手ではゼノヴィアの解放した武器、デュランダルをもってしても歯が立たなかった。

 

そんななか、コカビエルがふと思い出したように話し出した。

 

「それにしても、よく主がいないのに信仰心を持ち続けられるな…」

 

これまでつまらなさそうにしていたコカビエルが、一層呆れたように言う。

 

その言葉に即座に反応したのはゼノヴィアであった。

 

 

「主がいない? どういうことだ! コカビエル!」

 

 

「おっと、口が滑ったな。………いや、良く考えてみれば戦争を起こすのだ。黙っている必要もない」

 

そう言うと、コカビエルは心底おかしそうに大笑いしながらある衝撃の事実を言い放った。

 

 

「先の三つ巴の戦争の時、四大魔王と共に神も死んだのさ!!!」

 

「「「なっ…!?!?」」」

 

全員信じられない様子だ。

 

 

「神が…死んだ……?」

 

 

「神が死んでいた…?そんなこと聞いたことないわ!」

 

 

「それはそうだろう、あの戦争で、悪魔は魔王全員と上級悪魔の多くを失った。天使も堕天使も幹部以外の多くを失った。どこの勢力も人間に頼らなければ種の存続が出来ないほど落ちぶれたのだ。だから、三大勢力のトップどもは神を信じる人間を存続させるためにこの事実を隠蔽したのさ」

 

それを聞いたゼノヴィアが崩れ落ちる。

 

その表情は見ていられないほど狼狽していた。

 

「………ウソだ。………ウソだ。」

 

両膝をつき、ウソだとずっと繰り返す。

 

 

「そんなことはどうでもいい。問題は神と魔王が死んだ以上、戦争継続は無意味と判断したことだ! 耐え難い! 耐え難いんだよ! 一度振り上げた拳を収めろだと!? あのまま戦いが続いていれば俺達が勝てたはずだ! アザゼルの野郎も『二度目の戦争はない』と宣言する始末だ! ふざけるなよ!」

 

尚もコカビエルは続ける。

 

 

「おまけに最後に出てきたアイツもそうだ!二天龍を沈めたあの人間……。英雄なんて呼ばれているがな!アイツは邪魔をしただけだ!アイツが来なければ戦争はまだ続いていた!」

 

強く持論を語るコカビエルは憤怒の形相となっていた。

 

アーシアは手で口元を押さえ、目を大きく見開いて、全身を震わせている。

 

アーシアも事実はかなりの衝撃だったのだろう。

 

「………主はいないのですか? では、私達に与えられる愛は………」

 

アーシアの疑問にコカビエルはおかしそうに答える。

 

 

「ふん。ミカエルは良くやっているよ。神の代わりに天使と人間をまとめているのだからな。『システム』さえ機能していれば、神への祈りも祝福も悪魔祓いもある程度は機能するさ」

 

コカビエルの言葉を聞いてアーシアはその場に崩れ落ちた。

 

小猫がそれを支えるが、アーシアは気を失っている。

 

 

「俺は戦争を始めるッ! お前達の首を土産に戦争を起こす! 俺だけでもあの時の続きをしてやる!今度はあの人間にも邪魔はさせん!!」

 

そうして極大の光の槍を作り出し、リアス達に向け、投合する。

 

それはあまりに大きく、避けることなど不可能な代物だった。

 

リアス達は死を覚悟した。

 

しかし、来るはずの痛みも衝撃も一向に来る気配はなく、代わりに聞こえてきたのは……。

 

 

【バギンッ!!】

 

 

「……何者だ、お前は…」

 

コカビエルのそんな声と、何かが音をたてて破壊される音だった。

 

それに恐る恐る目を開けるグレモリー眷属達。

 

そこには…

 

 

「……遅くなってすまなかった」

 

ボサボサの頭に橙色の道着を着込み、腰から猿のような尻尾を生やした少年、兵藤一誠が、グレモリー達を庇うように立っていた。

 

 

「…後はオラがなんとかする。おめえ達は離れてんだ」

 

そう、グレモリー眷属に言うと一誠はコカビエルに向き直り……。

 

 

「コカビエル…!おめえだけは許さねえぞ!!」

 

 




オッス!オラ悟空!

コカビエル…中々強ぇな…だが、オラの仲間達をやられたんだ、オラだって負けられねえんだ!

おめえはオラがぶっ倒す!!


次回!DRAGONBALL D改!

壮絶バトル開幕!赤龍帝vs堕天使幹部!

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