DRAGON BALL D改   作:榛猫(筆休め中)

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前回までのDRAGONBALL D改……。

一誠が修行に精を出す中、小猫とグレイフィアは少しでも木場の力になろうと聖剣使いの二人にある提案を持ち掛ける。


「……私達にも聖剣の破壊を手伝わせてください」

その提案とはなんと、聖剣破壊の協力申請であった!


悪魔vsはぐれ悪魔払い!登場はまだか!兵藤一誠!

sideナレーション(界王)

 

 

 

「なるほど、でも正直聖剣使いに破壊を承認されるのは遺憾だね」

 

小猫の連絡で合流した木場は、心底気分が悪いというように顔をしながらそう言いきった。

 

 

「ずいぶんな物言いだね、君はグレモリー眷属を離れたそうじゃないか……。いまここでお前をはぐれとみなしてこの場で切り捨ててもいいんだぞ」

 

言われた方のゼノヴィアもこれまた威圧的な態度でそれに答える。

 

 

 

「そう言う考えもあるね...」

 

木場も負けじと睨み付けてそれに答えようとする。しかし……

 

 

「ゼノヴィア様、木場様、双方矛をお納めください…今は仲間内で争っている場合ではないはずです」

 

そう口を開いたのは今まで静観していたグレイフィアであった。

 

 

「…っ…それもそうだな」

 

「っっ…すみません」

 

軽く怒気を含んだ視線と声で言われ縮こまるように萎縮する二人。

 

 

「木場様、今ここにおられない一誠様の代わりに言わせて貰いますが、これは貴方の為を思っての塔城様のご提案なのです。それが分からないほど、貴方は愚かではないでしょう」

 

 

「………はい、すみませんでした」

 

 

「謝るのでしたら塔城様になさってください、私は一誠様の代わりにお手伝いをさせていただいているだけですので…」

 

 

「分かりました…ごめんね、小猫ちゃん」

 

 

「……大丈夫です」

 

そう言って木場が小猫に謝るのを確認してからゼノヴィアが口を開いた。

 

 

「……君が聖剣計画を憎む気持ちは理解できるつもりだ、あの計画は私達の間でも最大級に嫌悪されている……。だから、計画の責任者は異端の烙印を押され追放された」

 

その言葉にイリナが続ける。

 

 

「バルパー・ガリレイ、皆殺しの大司教と呼ばれた男よ」

 

 

「バルパー、その男が僕の同志を…。情報を提示されたのならこちらも情報を提示しないとね……。昨夜、フリードにあったよ、あの男の手にはエクスカリバーの一本が握られていたよ」

 

フリードの名前を聞き、二人は顔をしかめる。

 

 

 

「なるほど、奴か」

 

 

「知り合いなのですか?」

 

グレイフィアの問いに二人はは小さく頷いて答える。

 

 

「ええ。フリード・セルゼンは十三才でエクソシストになった天才よ。多くの悪魔や魔獣を滅して功績を残していったわ」

 

 

「だが、奴はやり過ぎた。同胞すらも次々に手をかけていったのだからね。その結果、奴は異端として追放された。・・・・・なるほど、教会から追放された者同士が結託することはそう珍しいことでもない。もしかしたらーーー」

 

そんな事実が判明し、事態がややこしくなってきた事を理解したところで、小猫がふと口を開いた。

 

 

 

「……とにかく、今は行動しましょう」

 

その言葉で、聖剣破壊のメンバーは互いに頷き行動を始めるのだった。

 

 

 

 

◆◇◆◇

 

 

 

 

その日の夜中、街中に神父のような格好をした若者達数人が街中を徘徊していた。

 

そんな時間に神父が外を出歩くわけがない……。

 

それもそのはず、この集団は悪魔質なのだから……。

 

というか、聖剣破壊を目標とする小猫達グレモリー眷属そのものなのである。

 

何故神父の格好をしているのか…それは協力者のイリナの提案だった。

 

 

『フリードは神父を襲ってるんでしょ?なら、神父に変装すればあっちから姿を現してくれるんじゃないかな?』

 

という理由らしい……。

 

というか、そんな単純な案で釣れるわけないだろうに……

 

しかし、それ以外に方法もなさそうなので小猫達も渋々ながら真面目にやっているようだ。

 

そうして歩いていると、不意に先頭を歩いていたグレイフィアが皆に聞こえるような声量で声を掛けた。

 

 

「皆様、構えてください。強い気配が近づいてきます」

 

その言葉を聞いた小猫、木場、匙はそれぞれ構えをとり、各々が迎撃の準備をとる。

 

すると、そこに一つの人影が四人の真上に現れ、四人を狙うように何かを振り上げた。

 

 

「神父のご一行に加護あれってね!」

 

降ってくるなり何かをを振り抜いてくるその人影。

 

四人はサッとその攻撃を躱わし、左右に散らばって距離をとる。

 

 

「おやおやぁ~?神父ご一行かと思ったらクソ悪魔の群れでしたかぁ~♪なんだなんだよなんですかぁ?クソ悪魔がコスプレですかぁ?」

 

そう言って現れた人影は紛れもなく長い白髪を揺らし、真っ赤な瞳をした少年。

 

それは紛れもなく、はぐれ悪魔払い、フリード本人だった。

 

 

「神父だと思って襲いかかったら悪魔だったって…なんですかぁ?もしかしてオレを誘ってんのかな?かな?だとしたら笑いものだわ!殺されに来るクソバカだよな!あっそうか、悪魔だからそもそもそんなことも考えられないか!ギャハハッッ!!!……はぁ」

 

構える四人を見ながら下卑た笑みを浮かべながらペラペラと話しまくるフリード。

 

だが、すぐに飽きたように溜め息を吐くと、気を取り直すかのように口を開いた。

 

 

「さーって…萎えたこのテンション回復のために目の前の悪魔共をチョッパーしますかね!」

 

そう言うや否や、超スピードで距離を詰めグレイフィアへと攻撃を仕掛けるフリード。

 

だが、相手は冥界最強の女王(クイーン)

 

例え相手が聖剣だろうとある程度余裕をもって戦う事が出来る。

 

そして、今この場にいるのはグレイフィアだけではない。

 

 

「伸びろ!ラインよ!」

 

その声と共に伸びた黒い線のような何かはまっすぐにフリードへと伸びていき、その線をフリードの腕へとくっ付けた。

 

「うぜぇっス!」

 

聖剣で切り払おうとするが、その線は実体がないかのようにすり抜け、フリードの腕から離れない。

 

それを出した少年、匙は手の甲にデフォルト化されたトカゲの顔らしきものが現れた神器を着けていた。

 

 

「その線はちょっと特殊でな、下手な攻撃じゃ斬れないぜ!これでお前は逃げらねぇ!木場!グレイフィア様

やっちまってください!」

 

 

「匙様、援護感謝します…木場様、いきましょう」

 

 

「はい!」

 

そうして二人が攻撃を加えようとしたときだった……。

 

 

 

「何をしている?フリード」

 

不意に声がして四人がはそちらを見やる。

 

するとそこには、険悪な面の老人が立っていた。

 

 

「バルパーのじいさんか…このクソ悪魔達が邪魔しててよぉ…っつか、このベロが邪魔で戦いづらいんだわ」

 

 

「そんな奴らに手子摺るとは……。

お前に渡した因子があるだろう、それを使え。体に流れる聖なる因子をできるだけ聖剣の刀身に込めれば切れ味が増すはずだ。それと、時間迫っている…戻るぞ」

 

「なるほど!ほらよっとぉ!」

 

先程まで触れもしなかった匙の神器が何の苦もなくあっさりと切り落とされる。

 

「なっ…!?」

 

「邪魔なアレもなくなったし、時間もあれらしいんで、ここは逃げさせてもらいますわ!!」

 

 

「逃がすか!」

 

木場がすかさず攻撃を加えようとするが……

 

 

「ヘイヘイ…んじゃ、ハイ、チャラバッ!」

 

直後、フリードが何かを思いきり地面に叩きつけた。

 

その瞬間、眩い閃光が辺りを包み込んだ。

 

「なっ…!?」

 

「くっ…!!」

 

あまりの眩さに目が眩む四人……。

 

光が収まり目が見えるようになる頃にはフリードとバルパーの姿は何処にもなかった。

 

その後すぐ、小猫が連絡をいれていたイリナ達が急行し、逃げた二人の後を追っていった。その時に木場も

 

 

『僕も追わせてもらおう!』

 

と言って駆けていってしまい、残された三人はどうしたものかと困惑していたところに

 

 

「ったく、なんなんだよアイツら…」

 

 

「本当、なんなのかしらね…あなた達のこれは……」

 

 

「サジ、これはいったいどういうことですか?」

 

何気なしに呟いた匙の呟きに背後から怒気の籠った言葉が聞こえてきた。

 

その聞き覚えのある声に内二人はギギギとブリキのような仕草でそちらを見る。

 

そこには黒い笑みを浮かべたリアスとソーナのような何かが立っていた。

 

 

「ッ!?!?部長…」

 

 

「お嬢様……」

 

リアスはまさかの人物に少し信じられない目をして言う。

 

 

「グレイフィア、まさかあなたが協力していただなんてね…どういうつもりかしら?」

 

 

「私は一誠様の代わりを勤めただけにございます」

 

 

「そう…ということは、これにはイッセーも関わっているというのね?」

 

 

「……はい、イッセー先輩は協力してくれてます」

 

何故かグレイフィアの代わりに小猫が答えるというおかしな状況だが、疑問に思う者は誰もいない。

 

因みに隣では匙がソーナに尻を魔力付きの平手ではたき倒されている。

 

 

「いずれにしても、あなた達が無事で良かった…」

 

そう言って二人を抱き締めるリアス。

 

 

「かいちょぉぉ!なんかあっちはいい感じに終わってますけどぉぉ!!」

 

 

「他所は他所、うちはうちです!」

 

今尚叩かれている匙が何やら喚いているが、ソーナは気にせず尻叩きを止めない

 

 

「さて、小猫?覚悟はいいわね?」

 

 

「え…?」

 

 

「グレイフィアは…やるわけにはいかないから、また後でイッセーにやるとして、今はあなたよ小猫」

 

 

「え…許してくれたんじゃ…」

 

 

「そんなわけないでしょう?ソーナのところがやっているのに私のところがお咎めなしというわけにはいかないもの」

 

ニッコリと笑うリアス。

 

その日、駒王の街に猫の悲鳴のようなものが響き渡ったという。

 




オッス!オラ悟空!

グレイフィア達が無事で良かったぞ!

ん!?遂にコカビエルってやつが動きだしやがった!

こりゃこのままじゃやべえかもな…みんな!オラが着くまで持ちこたえてくれ!


次回!DRAGONBALL D改!

迫り来る危機!駒王を護れグレモリー眷属!

ぜってえ見てくれよな!

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