旧校舎の大掃除ということで、部活動を兵藤家にて行うこととなったリアス眷属ことオカルト研究部。
しかしそこで開かれたのは一誠(本物)の過去を晒す赤っ恥大会であった……。
何がなんだか分かっていないイッセー(悟空)を他所に盛り上がっていくオカ眷メンバー達……。
しかし、ただ一人木場は何やら物々しい雰囲気を醸し出させているのだった。
sideナレーション(界王)
(パンッ)
乾いた音が部室に響く。
リアスが木場の頬を叩いた音である。
「どう?目は覚めたかしら?」
そう話すリアスの顔は怒りそのもの……。
対する木場はただ無表情で叩かれた頬を抑えているのみ……。
こんなことになるのは数時間前、昼間の球技大会でのこと……。
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学校全体の行事で、部活動や委員会、倶楽部といった集団で参加する大会でそれは起きた。
球技の内容はドッジボールであり、イッセー達オカルト研メンバーもオカルト研究部という名目で参加していた。
しかし、部活といってもそれは名ばかりの悪魔達の集まり……。
人間ではあり得ない身体能力を発揮して他の生徒達相手に無双していった。
そんな試合中、イッセーは良く狙われていた。
ソレもそのはず、学園で一、ニを争う二代お姉様やマスコットキャラやイケメンの所属している部活にいるのだ。
まして、最近は認識を改められつつあるが、それでも以前は性欲の権化として散々悪く見られていたイッセーだ。
その嫉妬の感情を諸にぶつけられる事となる……。
だが、それで倒されるようなイッセーではない。
飛んでくるボールを器用に受け止めると投げた者達に向かい続々と命中させていく……。
そんなことが続き、痺れを切らしたある男子生徒が木場目掛けてボールを投げた。
普段の木場であれば、そんなボール止まって見えるも当然なのだが、今回は違った……。
木場はあの時以来、暇さえあればずっと何かを考え込んでいる。
そんな状態の木場ではボールが迫っている事など気がつけるはずもなく……。
迫りくるボールに直撃しそうになった時である……。
間一髪で間に入ったイッセーがそのボールを受け止め、その生徒に投げ返した。
そんなこともあり、オカルト研究部は何の苦もなく優勝することができた……。
そして時は最初に遡る。
「今日はすみませんでした…。なんだか調子が悪かったみたいです。…もういいですか?僕はこれで失礼します」
それだけを告げ、出ていこうとする木場。
「ちょっと裕斗!まだ話は!」
リアスが引き留めようと声をあげるも木場は話を聞く気は無いというように部室から出ていこうとする。
出ていこうとする木場に今まで筋トレをしていたイッセーが不意に声を掛けた。
「なあ木場、おめえ、何をそんなに焦ってんだ?」
ピクリ…と木場はその言葉に反応して動きを止める。
「焦る?イッセーくん、僕がそう見えるのかい?」
「あぁ、良くわかんねえけど、オラ、同じような目をしてたやつを知ってる…」
「僕のような…ね…君には分かる訳がないよ、僕のこの気持ちなんてね……」
まるで自虐のようにそう呟く木場……。
「あぁ、わかんねえ…けど、オラ達仲間だろ?話してみりゃいいじゃねえか」
「仲間…か、君は熱いね、僕はそんな風に思ったことはないよ」
「い…?」
「イッセーくん、キミは何のために悪魔になったんだい?」
「ん?何のためって…オラは強え奴等と戦いてえからだぞ」
「戦うか…キミらしいね、僕は違う…僕は復讐の為…。それが僕の悪魔になった理由さ」
ソレだけ告げると木場は今度こそ部室を出ていってしまった。
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「聖剣計画?」
イッセーの言葉にリアスは頷いて続ける。
「ええ、祐斗はその計画の生き残りなのよ」
「聖剣は悪魔にとって最大の武器。斬られれば消滅させられることもあるわ。
ただ、聖剣を扱える者はそう多くはない。数十年に一人でるかどうかだと聞くわ…
そこで行われたのが聖剣計画よ」
紅茶を少し飲み、リアスは尚も続ける。
「祐斗は聖剣、エクスカリバーに適応するために養成を受けたものの一人なの」
「じゃあ、木場の奴は聖剣っちゅう奴を使えんのか?」
イッセーの言葉にリアスは首を横に振る。
「いいえ…祐斗は聖剣に適応出来なかったの。
それどころか、養成を受けた者、全員が適応出来なかったそうよ?
計画は失敗に終わったの...」
「そ、その被験者の方達はどうなったのですか…?」
アーシアの言葉に部長が返答する。
「適応出来なかったと知った教会関係者は、
祐斗達被験者を不良品と決めつけて、処分に至った」
それを聞いて顔を真っ青に染めるアーシア。
「そ、そんな...教会がそんなことをしていただなんて...…」
「うーん…オラ良くわかんねえぞ…いってぇどう言うことなんだ?」
「イッセーさん、後で分かりやすく説明してあげますから待っていてくださいね」
話の意味を良く理解していないイッセーとなんとか元に戻ったアーシアのやり取りを見てからリアスは口を開いた。
「アーシアが知らないのも無理はないわ…この計画は秘密裏に行われていたようだし......。
それに、その計画の責任者は教会を追放されているもの」
「え…?そうなのですか?」
アーシアの言葉にリアスはうなずく。
「何とか生き残った祐斗も私が見つけたときは瀕死の重症だった。
だけど、そんな状態でもあの子は強烈な復讐を誓っていたわ。
聖剣に狂わされた才能だからこそ、
悪魔としての生で有意義に使ってもらいたかったのよ。
祐斗の持つ才能は聖剣にこだわるのはもったいないもの」
「……そうだったのですね」
一名を除き、部室内に重い空気が立ち込める
「あなた達は先に帰っていて…私は少しやることがあるから」
リアスが場の空気を帰るように口を開いた。
「分かった!んじゃオラ達先に帰っとくぞ、よし!アーシア、オラに掴まれ」
「は、はい...!」
アーシアが掴まったのを確認するとイッセー達は家まで瞬間移動していくのだった。
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瞬間移動にて母親の目の前へとやって来た二人……。
「オッス、母ちゃんけえったぞ!」
「ただいま帰りました~」
母は別段気にした風もなく返す。
「ッ!お帰りなさい、二人とも。
相変わらずいきなり帰ってくるんだから……。
今お客様が来てるのよ、ご挨拶して」
「ん?おぉ...オッス!オライッセーだ!」
「え…?えっと…」
「……」
困惑したように口を開くツインテールの少女と、無言でイッセーを見つめる青髪にメッシュを施した短髪の少女。
アーシアは何かに怯えてイッセーの後ろに隠れている。
「えーっと…とりあえず久しぶり…かな?イッセーくん」
困惑していたツインテールの少女がイッセーに声を掛ける。
「ん?誰だ?おめえ、オラ、おめえのこと奴知らねえぞ?」
「酷くない!?というか、イッセーくんてそんな喋り方だった!?っていうか髪もそんなだったっけ!?」
盛大にツッコミを入れつつ混乱したように頭を抱えるツインテールの少女。
「ほら、前に近所に住んでた紫藤イリナちゃんよ
前は男の子みたいだったけど、
今はこんなに女の子らしくなっちゃって...」
母に言われてイッセーは身体に記憶されている記憶を思い出させる。
しばらく思い起こしていると、何やら該当する記憶を見つけたようだった……。
「いぃっ!?おめえ女だったんか!?男そっくりじゃねえか!?」
イッセーのその言葉にイリナは苦笑しながら口を開いた。
「あはは...あの頃の私ってかなりやんちゃだったもんね...
それにしても...お互いしばらく会わないうちに変わっちゃった?
いや、イッセーくんは変わりすぎだけど……
まあいいや!でも本当、再会って何が起こるか分からないものだね」
そんな意味深な事を呟いてイリナと呼ばれた少女と青髪メッシュの少女は少し話をして用があると帰っていくのだった。
その数時間後に、リアスとグレイフィアが真っ青になって帰ってきたのはまた別のお話……。
オッス!オラ悟空!
昨日はビックリしたぞ!知らねえ奴等が来てんだもんよ!
ん?今日また誰か来るんか?いっ…?
いいっ…!?お客っておめえ達のことなんか!?
次回!DRAGONBALL D改!
他勢力の来訪者!幼馴染は聖剣使い!?
ぜってえ見てくれよな!