いきなり部室へとやってきたライザーと呼ばれた悪魔。
しかしそのライザーはリアスの婚約者であった......。
ライザーとの結婚はしたくない部長にグレイフィアはレーティングゲームで決着を付けろと提案する。
一方イッセーとグレイフィアは数千年ぶりの再会を果たし、グレイフィアは長年の願いを成就させるのであった......。
sideナレーション(界王)
ライザーの一件から翌日......。
イッセー達オカルト研究部のメンバーは修行のため、リアスの両親が所有する山の別荘に向かうために山登りをしていた。
「あの...私だけでも降りた方が......」
「イッセー、本当に大丈夫なの?」
「あらあら、イッセーくんったら力持ちですわね」
そう話すのはリアス、朱乃、アーシアである。
三人がどうしてこのような会話をしているのか、それはいたって簡単な理由だ。
現在、イッセー達は別荘に行くために山登りをしている最中なのだが、荷物持ちに木場、小猫、そしてイッセーが山のような荷物を背負って登っているのだ。
木場や小猫は普通に背負って登っているだけなのだが、イッセーだけは違った。
木場よりも二倍、小猫より倍ほど大きな荷物の上に、更にリアス、朱乃、アーシアが乗っているのだ。
更に更に修行という事もあってか、いつも着ている重り制服の十倍ほど重いものを着込んでだ......。
それでもイッセーは涼しげな顔で進んでいく。
これも毎晩のようにドライグに鍛えられているおかげだろう。
リアス達の心配そうな声を聞きながら、イッセーは悠々と別荘に向かっていくのだった。
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「おし!着いたぞ!部長!」
「ご苦労様、ありがとうイッセー」
「あらあら、うふふ、ありがとうイッセーくん。イッセーくんのおかげですぐ着いてしまいましたわね」
「ありがとうございますイッセーさん...その...重くなかったですか?」
イッセーの降ろした荷物から降りてお礼を言ってくる三人。
「あぁ、でえじょうぶだったぞ!これもいい修行になるかんな!」
「......相変わらずの修行馬鹿ですね」
すかさず小猫から毒舌のツッコミが飛んでくる。
「さぁ、それじゃあ着替えたらすぐに修業を始めるわ!
今回の修行のコーチ...いえ、師匠はイッセー、あなたにお願いするわ」
「ん?オラがか?」
リアスの言葉に首輪傾げるイッセーにリアスは続ける。
「えぇ、ライザーの『
「うーん...よし、分かった!
オラがおめえたちを鍛え上げてやっぞ!
けど、オラの修行は甘くねえぞ?」
イッセーのその返事に、メンバーも表情が引き締まる。
どうやら表情だけでなく、気も引き締まったようだ。
「それじゃあ着替えたら始めましょうか」
リアスの言葉に部員達は屋敷の中へと入っていく。
と、そこでイッセーが思い出したように朱乃を呼び止める。
「朱乃、ちょっといいか?」
「はい?何かしら?イッセーくん」
「おめえに頼みたいことがあんだ、実はよ......」
そうしてイッセーはその内容を朱乃に説明していく......。
「そういうことでしたら可能ですわ」
「ホントか!やったぁ!んじゃ、そいつを作ってもらえっか?」
「分かりましたわ、少しだけ待っていてね」
そう言って朱乃は虚空に手を翳す。
すると、何もない場所から不意に巨大な亀の甲羅(背負い紐付き)が複数現れる。
「ふう、こんなもので良いかしら?」
「あぁ、ばっちりだ!サンキュー!朱乃!」
「いえいえ、それじゃあ私も着替えてきますね、覗いたら、ダメですよ?うふふ......」
そう言うと朱乃は屋敷の中へと入っていった。
「はははっオラ、覗きなんかしたことねえぞ」
そう言うとイッセーも着替えるべく、甲羅を近くの樹の近くに移動させて中へと入っていった。
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「お?全員そろってんな?」
イッセーが道着に着替えて戻ると、他の部員たちがもう集まっていた。
「イッセー、あなたその恰好でやるの?」
「ん?あぁ、オラ、ジャージよりもこっちの方が落ち着くんだ」
「そう、まあそういうことならいいけれど......。
それで、イッセー師匠、まずは何をすればいいのかしら?」
少し揶揄うような口調でリアスがそう問いかける。
「んだな、まずおめえたちにはこれを背負ってもらうぞ」
そう言ってイッセーが取り出したのは、先程朱乃に作ってもらった亀の甲羅であった。
「亀の甲羅?それを背負えばいいの?」
「あぁ、軽めの奴はアーシア、ちょっと重い奴は部長、朱乃、木場、んで、かなり重い奴は小猫、スゲエ重い奴はオラのだ」
そこに補足するように朱乃の説明が入る。
「重量的には、アーシアちゃんものがニ十㎏、部長、私、祐斗くんのものが四十㎏、小猫ちゃんのものが百五十㎏、そしてイッセーくんのものは三百㎏となっていますわ」
「四十キロってっ...かなり重いわねっ...!」
「これはっ...背負うのだけでもっ...大変っ...だねっ!」
「あらあら...これはっ...思いの外キツいですわね」
「......重いです」
「うぅ...重たいですぅ...」
それぞれ亀の甲羅を背負いながらそれぞれ思った事画を口にする部員たち。
「はははっ本当はもっとじっくりやるもんなんだが、今回は時間がねえ......。
おめえたちにはこれから十日間、ずっとそれを背負って過ごしてもらうぞ」
「だからちっとばかし無理してもらうしかねえんだ。
その重りの重さに慣れたと思ったらすぐに重さを上げていくかんな」
「それは分かったけれど、これを背負って私達は何をしたらいいの?」
「まずはその重さに慣れてもらうためにこの山を走り回るんだ!
でもただ走り回るわけじゃねえぞ?これを持ちながら走るんだ!」
そう言ってイッセーが荷物から取り出したのは複数のガラスの瓶であった。
「これに水を入れて十本ずつおめえたちに渡す。
おめえたちはそれを持って山の中を五周走ってきてもらう、
ただし、スキップでだ。
中の水がこぼれたり、瓶を割っちまったりしちゃいけねえぞ?
五周し終わったらその瓶を持ってここに戻ってきてくれ」
「中の水をこぼしたり瓶を割らずにスキップでこの山の中を五周してくればいいんだね?けど、それに何か意味があるのかい?」
「あぁ、十分に意味がある......。
詳しく教えらんねえけどな」
いつになく真面目に木場の問いに答えるイッセー。
「イッセーくんがそこまで言うということは間違いないんだろうね。
これを持っていけばいいのかな?」
そう言って水の入った瓶の入っている箱を持つ木場。
「あぁ、割らねえように気い付けろよ?」
「分かっているよ、じゃあ行ってくるね」
そう言って木場はスキップをしながら山の中へと消えていった。
それを追うようにしてリアス、朱乃、アーシア、小猫が後に続く。
それを見届けてからイッセーは......。
「さて、オラは部長達が来るまで素振りでもしとくかな」
と言って、一人亀の甲羅を背負うと、重り制服のまま素振りを開始するのだった。
その後、半日ほど経ってから部長たちが疲労困憊の様子で戻ってくるのだった。
オッス!オラ悟空!
いやー悪魔ってスッゲエなぁ!
最初あんなに辛そうだったんにもう慣れてきてんぞ。
これなら次にステップに進んでも大丈夫そうだな!
次回!DRAGONBALL D改!
探せ亀石!見つけられなきゃご飯抜き!?
ぜってえ見てくれよな!