紫炎.2の短編集   作:紫炎.2

8 / 12
プライベートの都合上、今年も忙しく投稿がこんなに間が空いてしまいました。

今回の話は・・・・・・新キャラ、そしてコイツのために明久の髪を長くした。

それでは、どうぞ。


バカの進化形はハジケリスト5

第5話:デジャブのようで、デジャブじゃない新キャラ達の進撃。

 

「・・・・・・う~ん」

「おや、気がつかれましたか?」

 

目を覚ますと、そこはよく風が吹く場所だった。周りには細いものしかなく、後は青空しか見当たらない。声がした方を向くと、そこには優しい雰囲気を醸し出す男の人がいた。

 

「いつまで経っても目を覚まさないものですから、少し心配になっていたところですよ」

「はぁ・・・・・・そうですか」

 

柔らかな物腰で話しかけてくれたおかげで、少し落ち着いた。落ち着いたところで、状況を整理しよう。

 

バカ(首領パッチ)のせいで、ハレルヤランドに来てしまったので、早々に帰ることにしたのだけど、バカ(首領パッチ)にまたも妨害されて、気絶して・・・・・・気づいたここにいました。

 

・・・・・・全部バカ(首領パッチ)のせいじゃないか。

 

「あのやろう・・・・・・」

「何かありましたか?」

「いえ、お気遣いなく・・・・・・って、あなたは・・・・・・?」

「あぁ、そういえば自己紹介がまだでしたね」

 

そう言うと、彼は笑顔で自己紹介をした。

 

「初めまして、私はシロ。あなたに一目惚れをしたものです、プリンセス」

 

・・・・・・うん?

 

「ちなみに、ただいま私の真拳の効果により、貴方の記憶は徐々に消えていっていますのでお覚悟のほどを」

「あの・・・・・・」

「はい、何でしょうか?」

 

自己紹介や何やらまずいことを言ってきているけど、そんなことは重要じゃない。この人、さっきなんて言った?

 

「あの・・・・・・」

「はい、何でしょう?」

「今、何て・・・・・・」

「私の真拳で記憶を消していると言ったのですが・・・・・・」

「いえ、そうじゃなくて・・・・・・」

 

すごく重要だけど、やっぱりそこじゃない。

 

「さっき、一目惚れしたって・・・・・・?」

「はい。言いましたよ」

「僕、男ですよ?」

「それが、何か?」

「いや、同性・・・・・・」

「なるほど、そうゆうことですか」

 

そう言うと彼はクスリと笑い、とても爽やかな笑顔で言い放った。

 

「愛さえあれば性別など関係ありません!」

 

・・・・・・・・・・・・

 

「変態だぁあーーーーーーーーーーーー!!?」

 

 

 

◇◆◇

 

 

遡ること数時間前。

 

「明久、目を覚まさねぇな~」

「割と強くいったからな~、もうちょっと耐えられると思ったんだけどな~」

「んーーーーー!! んーーーーー!!」

 

天の助を車代わりにして移動するボーボボと首領パッチ。明久が目を覚まさないので、とりあえず色々なアトラクションをまわったのだが、ツッコミ不在のため、いまいちテンションが上がらず仕舞いだった。

 

えっ? 天の助の状態?

 

うつ伏せのまま、滑走してスピード調節のため、口に紐を噛ませていますが何か?

 

「なぁ、財布の金。そろそろなくなりそうだしよ~、成金野郎にたかりに行こうぜ?」

「そうだな~、そうするか。というわけでスピードアップ!!」

「(グキッ!!)」

 

勢いよく紐をつり上げた時、嫌な音がした。何の音かと見てみると天の助の後頭部?から魂が抜け出ていた。

 

「(スゥ~~~・・・・・・)」

「あれ、どうした天の助?」

「おい、何か出てるぞ?」

「「・・・・・・ま、いっか」」

 

ドガン!

 

「「ぎゃあーーーーーーー!!」

 

天の助が幽体離脱したせいで、カーブできずそのまま柱に衝突した。まぁ、当然の結果と言える。

 

「いてて・・・・・・やっちまったな。交通違反になるか、これ?」

「人殺し! この人殺し!」

 

蘇った天の助が何か言っているが、ボーボボは軽く無視した。とりあえず周りを見渡してみると、そこには見覚えのあるタワーが建っていた。

 

「このタワーは確か・・・・・・」

「おい! ボーボボ!」

 

思い出そうとするボーボボに天の助が焦り声で声を掛ける。何だと思いながら振り向くと、そこには気絶した明久を抱きかかえる青年がいた。

 

「んだぁテメェ!? どこの組の者だコラ!?」

「話には聞いていましたが・・・・・・どうやって一瞬で服装を変えたのですか?」

 

ボーボボのにらみに対して冷静に返す青年を見て、天の助はコイツは強いと本能で感じた。何より、人間だし。

 

「ぎゃああああ! 俺が黒くなるぅーーー!?」

「・・・・・・話には聞いていたが、本当に謎生物だなコイツ」

「首領パッチ!?」

 

他の方では首領パッチが黒髪の青年に黒く染められていた。

 

(え、え!? まさか、次は俺!?)

「あ、よいしょっと(ズバァ!!)」

「ぎゃああああ!」

 

周りの仲間が次々にやられるところを見て、次は俺の番なのかと思っていた天の助に一人の少年が大剣を用いて真っ二つにした。

 

「わーい。一人撃破」

「それがどうした!?」

「えぇ!? 何でしゃべれるのぉ!?」

「それはよくある」

 

天の助はところてんである。なので、真っ二つにされても死なないのだ。

 

「てめぇら、一体誰だ! バカ三兄弟じゃないな!?」

「初めましてミスターボーボボ。私たちは絵心三兄弟です」

「俺は次男のクロ」

「私は長男のシロ」

「そして僕は三男のオレンジです」

「何でオレンジ!? そこは間取って灰色にしろよ!?」

「嫌ですね、普通自分の息子に灰色なんて名前をつける親なんていますか?」

(正論で返した・・・・・・だと!?)

 

急に正論で返されてしまい、戦慄する首領パッチと天の助。ボーボボはそんなことお構いなしに明久を抱きかかえるシロに言葉を投げかける。

 

「このタワーは確かバカ三兄弟がいたはずだが?」

「あぁ。彼らならリストラされました」

「リストラだと?」

「えぇ。ガムの噛みすぎで顎が壊れたそうで」

「えぇ!? 何それ!? バカじゃねーの!?」

「実際は俺とオレンジでズタボロにしたせいで、裏方にまわっただけだ」

「それはそれで怖えぇよ!?」

「ていうか、そろそろ戻れや黒ボックリ!」

「ぎゃあああ! ボーボボ、てめぇ!?」

 

いつまでも黒いままの首領パッチに腹が立ったボーボボは蹴りを入れる。コイツ、理不尽。

 

「つーかよ、そろそろ明久をこっちに返せよ」

「嫌です。彼女はこちらの人質ですので」

「・・・・・・うん?」

「だから、人質です。あなたたちをこのまま野放しにしていてはこちらの損害が大きくなる一方ですから」

「だからよ、さっさと帰れよ。そうすればコイツは無事に返してやるよ」

「断る。こっちも成金野郎に金を5億程せびる予定だからな」

「おい、何だその金額は」

 

あまりにも理不尽な金額に思わずクロはツッコミを入れた。コイツ、どれだけ酷いのか。

 

「そちらは帰る気はないと・・・・・・仕方ありません。では、強制退去してもらいましょうか」

「あ、じゃあ俺は田舎に帰る予定がありますので」

「てめぇに実家はねぇだろうが!」

「ぎゃああああ! 嫌だ! 戦いたくない! だって、人間で新キャラだぜ!? 絶対強いに決まっているじゃねぇか!」

「アンタって子はそれでもレギュラーキャラなの!? お母さん、悲しいわ!」

「お前、俺の母親じゃねぇだろへぶぅ!」

 

逃げようとする天の助をボーボボと首領パッチが強引に押しとどめる。それを見てクロは「こんな奴らに前任者は負けたのかよ・・・・・・」と内心思った。

 

「力尽くでも私たちと戦ってもらいますよ。カラー真拳秘奥義・・・・・・」

「あっ、待て! 明久に何をする気だ!?」

「人中白紙!」

 

シロが抱きかかえた明久に対して手をかざすと白い絵の具が明久の全身を覆った。だが、白くなったのは足下のみ。

 

「この真拳は時間制です。足下の白色が徐々に上に上がっていき、全身が白くなったとき・・・・・・」

「どうなるんだ!?」

「記憶が全部消えます」

「「「なにぃーーーーーーーー!!?」」」

 

衝撃の事実に驚く三人。それもそうだ、記憶がなくなるということは今までの思い出がなくなると言うことだ。三人は明久との思い出を思い出す。

 

「明久・・・・・・!」

(あぁ・・・・・・僕の秘蔵のコレクションが・・・・・・(大人の教科書類を全部売られて悲しんでいる明久の隣で大金を手に入れて喜ぶボーボボ))

「お前、素で酷いな!?」

「この野郎・・・・・・!」

(おーほっほっほっ! 主人公はこの私なのよ!!(隅っこでハンカチを加えて悔しがる明久を尻目に声高らかに喜ぶ首領パッチ))

「いや、絶対ねつ造だろコレ!?」

「おのれ・・・・・・!」

(今日の主食はところ天だよ(ところ天料理を持ってくる明久とわーいと喜びながら集まる天の助と首領パッチ、ボーボボ))

「「変なねつ造してるんじゃねぇー!!」」

「へぶぅ!?」

「・・・・・・(汗)」

 

あまりのねつ造に切れたボーボボと首領パッチが天の助に殴りかかる。その様子を見てクロは呆れ、シロとオレンジは楽しげに見ていた。

 

「フフフ・・・・・・面白い方々ですね。ですが、早くしないと本当に記憶を失っちゃいますよ?」

「ハッ! そうだった!」

「おい、さっさと明久を返しやがれやぁ!」

「待て、首領パッチ!」

 

シロの言葉に焦った首領パッチがシロに殴りかかる。そこにオレンジが割り込む。

 

「カラー真拳奥義・・・・・・」

「ハッ、何の真拳か知らないが俺を止められると思っているのかよ!」

「標識マグナム~♪」

「色関係ねぇじゃねかへぶぅ!?」

 

オレンジの手から突如『止まれ』の標識が現れて、首領パッチをすごい勢いで倒れ込んだ。急に現れたため、止まれずそのまま攻撃を食らう。

 

「首領パッチ!? くそっ、今のは一体何だ!?」

「簡単ですよ。オレンジが即座に空間に色つけをして、それをそのまま攻撃に転用した・・・・・・ただ、それだけです」

「嘘だろ!? じゃあ、あいつら全員それができるってことかよ!?」

「そういうことだ・・・・・・」

「くそ、やっかいな・・・・・・!」

 

さらなる衝撃の事実に驚くボーボボと天の助。まだ10話もいってないのに強敵出現である。

 

「さぁ、彼女を返して欲しければ私たちと戦いなさい! ボボボーボ・ボーボボ!」

「くっ・・・・・・いいだろう。明久は貴重なツッコミだからな!」

「・・・・・・あのさ」

「何でしょうか?」

 

いざ勝負、という空気の中天の助がシロに話しかける。

 

「さっきから明久のこと、女扱いしているけどよ・・・・・・そいつ男だぞ?」

「・・・・・・えっ?」

「まぁ、髪長くなっているし、中性的な顔つきだからそう見えるかもしれないけどよ。そいつ、れっきとした男だぞ?」

「・・・・・・あぁ、そのことですか」

 

天の助の素朴な疑問にシロはそのことかと一呼吸置き、返事をする。

 

「私、彼女・・・・・・いえ、彼に一目惚れですから」

「・・・・・・いや、だからそいつ」

「そして、両刀使いですから」

 

ポクポクポク・・・・・・チーン。

 

「「「こいつ、へんたいだぁーーーーーー!!!!?」」」

 




オリジナル新キャラ、絵心三兄弟です。

途中のアトラクションは省略しました。別に書くのが面倒だったわけじゃないんじゃよ?

それでは、また次回。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。