今回はバカテスとボーボボのクロスです。まぁ、色々と変更点がありますが。
それではどうぞ。
諸設定
バカテス側
・吉井明久と吉井理人の双子であり、明久が兄、理人が弟。
・理人は明久の今までの不祥事に呆れ返っており、明久を敵視している。
・お互いに険悪のまま、A vs Fクラスの戦いが始まる。
ボーボボ側
・バカテスワールドにマルハーゲ帝国が元々あった設定。
・ボーボボはピーマン帝国を壊滅させた後、世界各地を回り、残党狩りと悪の目を詰んでいた。
・他の9極戦士は各々の生活をしている。
バカの進化形はハジケリスト
プロローグ:今日は鬱ですか? いいえ、ハジケ日和です!
「では、両名共準備はよろしいですか?」
高橋先生のかけ声と共に僕たちFクラスとAクラスから代表の5人が前に出る。Aクラス側はこちら側に、というよりも僕に対して敵意むき出しで睨んできている。
(居心地悪いなぁ……)
心の中でそっとそう思いつつ、一回戦の選手としてそのままさらに前に出る。
僕たち2-Fクラスは教室の設備をかけて、Aクラスと戦おうとしている。本来は試召戦争の予定だったのだが、こちら側の提案で一騎打ちの形式になった。だが、Aクラス側、というよりも双子の弟、理人に「これまでFクラスの所業は目に余るモノがあるゆえ、勝って、絶対に制裁を与える」と宣言された。これによって、完全にAクラスと敵対してしまったのである。
「明久、わかっているな?」
「はいはい、分かっているよ」
雄二からの言葉を適当に受け流し、僕は対戦相手である理人と向き合う。理人は相変わらずこちらを睨みつけている。実を言うと、理人だけではなくAクラス全員、果ては味方であるはずのFクラスからも睨みつけられている。なぜかというと、理人の発言を受けて「兄なんだからちゃんと教育しとけよ」というFFF団の誰かが呟いたことから周りに波及し、現在に至る状態だ。
(本当に居心地悪いなぁ……)
雄二からも予め、捨て駒として使うとのことは受けているため、幾分か楽だが、他のみんなからの視線を受けてやはり辛いものがある。
「よくまぁ、今まであれだけのことをやれたな」
「えっ、うん……まぁね」
「そこまでして勝ちたい理由は分からないが、さすがにやりすぎだよ。あんたは」
「………」
「返事ぐらいしたらどうだ?」
「……そーだね」
理人がこちらに話しかけてきたので、こちらも適当に返事をして対応する。理人はこちらを非難するかのように僕をじっと睨みつけていた。その視線を受けて僕は見えもしない空を見上げようとした。窓から見える外の風景は晴れているから、きっと空は青空だろう。
(なんか、面白くないなぁ……)
高校生になってから何か、毎日が面白くない。色々なことに悩んだり、勝手に犯人に仕立て上げられたり、家族との仲が悪くなるし……
(もっとハジけるような出来事が起こらないかなぁ……)
何もかもがどうでもいいような気がしてきて、やけくそ気味になってきた。ぼんやりと高橋先生の試合開始の合図が聞こえたため、僕は適当に試験召喚獣を召喚した。
「サモン!」
「……サモン」
この時、僕は本当に少し自暴自棄に陥っていて、何を思っていたのか定かではない。だが、後にこの日のことが忘れられない出来事になるとは思いもしなかった。
理人の召喚獣は日本の昔の戦国武将のような格好をして、日本刀を構えている。対する僕の召喚獣は……ってあれ?
出てくるはずの召喚獣が出て来ず、白い煙が目の前を覆い尽くしていた。予想外の事態に焦るが、追い打ちをかけるかのように何かの音が聞こえてきた。
ブロロロロロ……
「……バイク?」
それも一つや二つじゃない。もっとたくさんのバイクの音がする。いったい何だろうと思っていると徐々に煙が晴れていった。
ブロロロロロロ!
そして、晴れた先には謎の野菜集団がこちらに向かってとばしてきた。
「何事ぉおおおおおおお!?」
「ぜんたーい! 止まれ!」
先頭のにんじんのかけ声と共にバイクに乗った野菜集団は止まった。その拍子に十字架にかけられていたアフロの男が地面にべちゃっとたたきつけられる。
「次、ピーマン残したら承知しねぇぞ……撤収!」
そういって野菜集団は去っていった。
ドゴーン!
途中、教室内の机や椅子を引いたり、理人やクラスメートを全員轢いていったことなど、僕は知らない。
「だって……ピーマンしょっぱいじゃん……」
「……そ、そうなんだ」
そう言ってボロボロのアフロの男は荒れ果てた教室で気絶した。周りも僕以外、全員バイクに轢かれたため、荒れ果てたAクラスの教室の中、一人ぽつんと立ちつくす僕であった。
◇◆◇
「はぁ~……」
「どうした、そんなにため息をついて」
「どうしたじゃないよ……ってなに普通に話しかけてきてるわけ!?」
「なに!? ○ロント語だと!? お前……やるな(ゴクッ)」
「違うし!? それとそんなことで戦慄するな!」
商店街を歩きながら僕は先程のアフロマンにツッコミを入れていた。
あの後、僕はとりあえず後から来た鉄人に事情を話した後、鉄人から「もう帰っていいぞ」と言われ、いつもより早めに帰宅した。その時、召喚フィールドが消えるのと同時に、このアフロマンも一緒に消えたのだが、何故か普通に僕に話しかけてきている。というよりも先に家にいた。
回想
「ただいま~って言っても誰もいなかったけ」
「おう、おかえり。今、荷物整理していたところだぞ」
「へぇ~。そうなんだ……ってなんでいるの!?」
「おっ、これ冬の新作「パタポリン」じゃねぇーか」
「ちょっと! かってに僕のコレクションを触らないで!」
「よーし! これだけあれば高い金になるな!」
「えぇ!? 売る気!? 僕のコレクション、売る気!?」
「ついでにこれも売るか」(大人向けの参考書)
「ぎゃああ!? 何出しちゃってるの!?」
回想終わり
こうして謎のアフロマンに殆どのゲームを売られてしまい、売ったお金で食べ物を買っている最中であった。ホント、災難だよ……。
「そもそもあんた、誰なの?」
「俺か? 俺の名前はボボボーボ・ボーボボという旅の者だ。まぁ、気軽にボーボボと呼んでくれ」
「そう? じゃあさ、ボーボボさん」
「気安く呼んでんじゃねえぇえええ!!」
「えぇええええ!?」
じゃあどう呼べばいいんだよ!?
「まぁ、普通にボーボボと呼んでくれ」
「え、それってさっきと変わらないんじゃ……」
「まぁまぁ、いいから、いいから」
「じゃ、じゃあボーボボ」
「は~い、な、に?(キラッ☆」
(ウザッ)
ぶん殴りたい衝動を抑えつつ、僕はボーボボに色々聞いてみることにした。
「ボーボボは一体何者なの?」
「俺はこの世界の毛の平和を守る者だったり、なかったりする者だ」
「どっちだよ! 毛の平和って何?」
「昔マルハーゲ帝国という国があっただろ?」
「あぁ、そう言えば……」
僕が丁度中二の頃、マルハーゲ帝国という大きな帝国があった。この国は絶大な勢力を誇っていた国で、ここ日本にも侵略をしていた。マルハーゲ帝国は国の象徴としてつるっぱげにする「毛狩り」を行っていた。新帝王決定戦においてマルハーゲ帝国は崩壊したが、後にネオ・マルハーゲ帝国、大ピーマン帝国と世界征服を目論む国が次々と現れたが、これもいつの間にか崩壊している。
「あいつらは全ての毛の平和を乱す奴らだった。そういう奴を見つけて、俺は……」
「俺は?」
「土下座して戦いをやめさせていたんだ」
「まさかの土下座交渉!? よく生きていたね!?」
「辛かった……土の味と足の重さはもう沢山だ……」
(どうか……どうか戦いをやめてください!)
(しょうがねぇ~な、まったく、よぉ!)ゲシッゲシッ!
(ヒィイイ! 申し訳ありません!)
「回想が予想以上に酷い!? ていうかマジでやっていたの!?」
涙を流しながら語るボーボボの話は予想以上に悲惨だった。本当にこんな風に生き延びていたとしたら、ある意味ものすごい人なのだろう。
「こうして俺は戦いをやめさせて、毛の平和を守っていった」
「守れたの!? こんなんで守れたの!?」
「守れるワケねぇーだろうが!」
(ですよねー!)
結局のところ、ボーボボが何者なのか、よく分からなかったが、話を聞く限り、悪い人じゃないみたいないみたいだった。とりあえずさっさと買い物を済ませようと思ったその時であった。
ドゴーン!
「えっ!?」
「何だ!?」
商店街の入り口の方で爆発がおこった。それと同時に叫び声も聞こえてくる。
「さぁ、毛狩りの始まりだー!」
「家借りだと!?」
「字が違う!? ていうか毛狩りって、マルハーゲ帝国は滅んだんじゃあ……」
耳を疑う叫びの後、悲鳴が聞こえてきた。そしてその悲鳴は徐々にこちらに近づいてきている。
「こっちに向かってきている!? に、逃げないと……」
「上等だ。毛狩り隊は全員ぶっ潰す!」
「ちょ、駄目だよ、ボーボボ! 相手は毛狩り隊だよ!?」
「安心しろ、明久。こうみえて俺は強い(?)からな」
「疑問系じゃん! なおさら心配だよ!?」
「何!? ボーボボだと!?」
僕がボーボボを引っ張って逃げようとした時、急に毛狩り隊が一斉にこちらを見た。やばい……やられる。そう思ったが、何だか様子がおかしい。
「ま、まさかアレがボボボーボ・ボーボボだというのか……?」
「嘘だろ……おい……」
「もう駄目だ……お終いだぁ……」
「勝てるわけがないよぉ……」
「う(ピーーーーーー」
どうやらボーボボを見て驚いている模様。最後の一人なんかリバースしている。正直、見なきゃ良かった。
「へっ、なに言ってんだ。ボボボーボ・ボーボボがなんぼのもんじゃい!」
「そうべぇ、そうべぇ!」
「何でエセ地方弁がいるんだよ! わけがわからないよ!」
「そこまで注目されると……正直照れる」
「ぶっ殺せぇーーーーーー!」
かけ声と共に一斉に毛狩り隊がこちらに迫ってきた。
「わ、来た! ど、どうしよう!」
「落ち着け明久。とりあえずこれを被っとけ」
そう言うとボーボボは僕に何かを被せた。見てみるとそれは僕の髪の色と同じ色の長髪のカツラだった。
「……なにこれ」
「よっしゃー! 覚悟しろ、毛狩り隊!」
「ねぇ、ちょっと! なにこのカツラ!? しかも取れないんだけど!?」
僕の文句を余所にボーボボは勇ましく毛狩り隊に向かっていった。僕はそんなボーボボを追いかける。
「いくぜ、鼻毛真拳奥義、鼻毛激烈拳!」ズバーン!
「ぎゃああああああ!!」
「鼻から出た鼻毛で毛狩り隊を倒したーーー!?」
あまりの光景に驚くばかりである。ていうか、土下座交渉じゃなかったの!?
「ボーボボ……今のって……」
「今のは鼻毛真拳。鼻毛を操って攻撃する真拳だ」
「そ、そうなんだ」
「てめぇら! よくもやってくれたな!」
あまりの事実に驚いていると、誰かが声を掛けてくる。声の方を向くとそこには額に体調らしき男がいた。
「てめぇら……よくも俺の部下をやってくれたな」
「だ、だれ……?」
「俺か? 俺は「話なげぇええええ!」ぐはぁ!?」
「えぇえええええ!?」
名乗ろうとした瞬間、敵がボーボボに仕留められてしまい、そのまま敵は気絶してしまった。結局、この敵が誰なのか分からずじまいだった。
「ボ、ボーボボ。いくら何でもひどいんじゃ……」
「いや、これでいい」
「な、何で?」
「こいつは使い捨てキャラだからな」
「そうなの!? いや、だからって名前ぐらい名乗らせてあげようよ!?」
ボーボボの言葉に驚く明久。気づけば彼はずっとボーボボに振り回されていたのであった。
こうして鼻毛の貴公子、ボボボーボ・ボーボボと観察処分者、吉井明久は出会った。その先に新しい日常と戦いが待ち受けていることは誰も知ることはなかった。
続くんじゃね?
ギャグって難しいですね。