やはり俺が魔戒騎士なのは間違っている。   作:アスハラ

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はい、今回は炎の刻印の二人のキャラクターが出ます。口調が違うと思いますがなるべくご了承下さい。


西

《魔戒導》

 

シルヴァ

『それにしても、あの西の神官のガルムが呼ぶなんて何なのかしらね?』

 

八幡

「さあな、しかも極秘だと来た」

 

シルヴァ

『東の神官達には黙って出ろなんて、しかも、この魔戒導は西の番犬所に一直線だしね』

 

八幡

「そろそろ着くな」

 

パァァァァ!

 

 

 

 

《西の番犬所》

 

ガルム

『お、来たの』

 

八幡

「久しぶりだな。西の神官ガルム。お土産買って来たぞ」ガサッ!

 

ガルム

『お、甘いものかの?』

 

八幡

「当たり前だ」

 

ポイ!

 

パシッ!

 

ガルム

『ん?何じゃこれは?』

 

八幡

「どら焼。うまいぞ?」

 

ガルム

『そこまで言うなら・・・・アム!』

 

八幡が西の番犬所に入ったら、髪が白銀の幼い女の子ガルムがいた。ガルムにどら焼を投げ渡した。

 

八幡

「上手いか?」

 

ガルム

『美味じゃ!』

 

八幡

「そうか」

 

シルヴァ

『それで、私達を極秘裏に呼んだわけは何かしら?ガルム様』

 

ガルム

『モグモグ。東の番犬所の神官共はどうじゃ?』

 

八幡

「得たいの知れん三人だった。ガードマンの奴もな」

 

ガルム

『そうか。何か言われたようじゃな』

 

八幡

「分かるか?」

 

ガルム

『主の事なら良く分かっておるつもりじゃ』

 

八幡

「俺の愛した女を生き返らせるなんて抜かしやがった」

 

ガルム

『人を生き返らせるなど禁忌にされておる。生き返らせても空っぽじゃ』

 

八幡

「悪いな。一瞬、揺らいじまったよ。彼奴は、シズナは望まないのにな……」

 

ガルム

『死んでも愛し続ける。健気よの』

 

八幡

「まあ、俺の事はいい。東の神官共は何なんだ?あの神官共、俺達、魔戒騎士、魔戒法師をかなり良く思ってなさそうだったが?」

 

ガルム

『知らん・・・・があやつらは元は人間じゃったと言うが、余り良く分かっておらぬ』

 

八幡

「そうか・・・・奴等が謀反を起こした場合は?」

 

ガルム

『始末しても構わん』

 

八幡

「分かった」

 

ガルム

『くれぐれも、東の管轄の人間達に悟られるなよ?』

 

八幡

「分かった。もういいか?東の神官共に依頼を頼まれてる」

 

ガルム

『分かった。行ってよいぞ。また呼んだら甘いお菓子を頼むぞ?』

 

八幡

「分かった」

 

パァァァァ!

 

 

 

 

 

《西の番犬所前/通路》

 

八幡

「さて、今回の依頼は・・・・」

 

カシャ!

 

ボォ!

 

シルヴァ

『“魔獣ホラーアングレイ”女喰いのホラーね』

 

八幡

「そうか・・・・」

 

シルヴァ

『ガルムと話して、少しは楽になれたかしら?』

 

八幡

「何の事だ?」

 

シルヴァ

『貴方と何れ程の付き合いだと思っているの?』

 

八幡

「そうだったな・・・・そういや、破邪の剣が切れるな」

 

シルヴァ

『なら、久しぶりに“エマ・グスマン”の店に行きましょ?』

 

八幡

「そうだな」

 

 

 

 

《糸車店》

 

カランカラン!

 

女性

「フー!いらっしゃい。今日は懐かしい客ね」

 

糸車店に入った八幡は、緑の髪の色でポニーテールでキセルタバコを吸っていた女性に歓迎された。

 

八幡

「お久しぶりです。エマ・グスマンさん」

 

エマ

「坊やが此処に来たのはホラー喰いの魔戒騎士の情報?それともアンタの“友”の情報?」

 

八幡

「全部の情報と、破邪の剣の補充をお願いします」

 

エマ

「分かったけど、ホラー喰いの魔戒騎士の情報はないよ。アンタの友だった奴の情報はあるけど、聞きたい?」

 

八幡

「はい、彼奴は“ベルナンド・ディオン”は何処に?」

 

エマ

「奴は東の管轄にいるわ・・・・」

 

八幡

「!?東に?」

 

エマ

「ええ、分かったのはそれだけ。管轄外だから場所までは分からないわ」

 

八幡

「そうですか・・・・もう一ついいですか?」

 

エマ

「珍しいわね。坊やが追加なんて」

 

八幡

「雪ノ下家についての情報です。一応シルヴァからは優秀な魔戒騎士と魔戒法師が沢山いると聞いただけなんで・・・・」

 

エマ

「雪ノ下家?ああ、昔は、坊やが生まれる前はかなりの権力を持っていた御家よ。今はもう弱体化しちゃったけどね」

 

八幡

「原因は、ホラー喰いの魔戒騎士ですか?」

 

エマ

「それもあるけど、まだ弱体化の原因が他にもあるわ」

 

八幡

「他にも原因が・・・・」

 

エマ

「黄金騎士牙狼の弱体化。かつての強さが丸っきりないわ」

 

八幡

「一応東の神官達は、リングは東から西に簡単に移動したのは黄金騎士が原因だと言ってました」

 

エマ

「リングの移動を見逃したせいで“元老院”は、黄金の鎧を剥奪するはずだったんだけど、悪運が強いのかそれはされなかったわ・・・・」

 

八幡

「原因は俺ですね・・・・」

 

エマ

「その通りよ。まあ、坊やがリングを討伐し鎧剥奪は免れたけど、剥奪の変わりに黄金を剥がされ今は、“漆黒の牙狼”と言ってもいいわね」

 

八幡

「そうですか・・・・」

 

エマ

「あ、そうそう、坊や、破邪の剣とこれ上げるわ・・・・」

 

コト!

 

エマは、破邪の剣と糸車が付いている魔導具を置いた。

 

八幡

「これはエマさんの魔導具だったんじゃ?」

 

エマ

「似た物を作ったのよ。巨大ホラーの動きを封じるのは無理だけど、素体共の動きを封じるのは可能よ」

 

八幡

「ありがとうございます」

 

エマ

「どういたしまして。東は何があるのか分かったもんじゃないから気を付けなさいよ?」

 

八幡

「はい」

 

エマ

「ベルナンドに会ったら・・・・殺すの?」

 

八幡

「暗黒に落ちた騎士は始末しなくちゃいけませんから。あの時は引き分けでしたからね」

 

エマ

「そう、なら“八幡”約束して」

 

八幡

「約束?」

 

エマ

「ベルナンドとホラー喰いの魔戒騎士を伐っても・・・・生きなさい」

 

八幡

「・・・・」

 

エマ

「それだけを約束して・・・・」

 

八幡

「生きますよ・・・・それが俺に託していった人達の願いですからね」

 

エマ

「そう、ならこの西からアンタが生き続けていること願わせて貰うわね」

 

八幡

「はい」

 

シルヴァ

『意外ね。エマ、貴女魔戒騎士は嫌いじゃなかったかしら?』

 

エマ

「嫌いよ。でも、“坊や”は別よ」

 

シルヴァ

『そう』

 

八幡

「それじゃエマさん、また来ます・・・・これ情報料です」

 

エマ

「待ってるわよ」

 

カランカラン!

 

バタン!

 

エマ

「あの子には生きててほしいわね。これから先も・・・・」

 

 




神官ガルム
炎の刻印の本編とは違い甘い物が好き八幡とは微妙に仲が良い?かな?

エマ・グスマン
魔戒法師で情報屋でもある西の管轄の情報を良く八幡は聞きに行っていた。八幡の過去も知っている。結婚もしている旦那はルシアーノ・グスマンです。

次回はアングレイ戦です。

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