あれからおよそ一時間くらい。
雪ノ下と夕紀先輩は先ほどから調理場所から動いていない。二人とも、あれやこれやで試作しているため周りにはハンバーグが大量に置いてある。
蒸す、までは良かったが問題はここからだった。それにあったソースを開発するのにはや三十分ぐらい、先ほど言った置いてあるハンバーグには一つ一つ、違う味のソースがかかっている。ちなみに少し味見したが文句なしにおいしかった、一体何がだめなのだろうか?
「いや、ここは三:一のほうが……」
「あえて二:二で…」
ここまでくるともはや、研究の領域だ。お前らはソース研究部でもやっているのか?と疑いたくなる。
「お姉ちゃん生き生きしてるね」
由比ヶ浜が俺に話しかけてくる。心なしか、その表情は楽しげだ。
「そうなのか?俺にはいつもと変わらんように見えるけどな」
「ううん、お姉ちゃん楽しそうだよ、ほら」
由比ヶ浜に促され、俺も夕紀先輩のほうを見る。
さっきまで、ボーっと見ていたからなのか、今見るとはっきりわかる。夕紀先輩の口元が若干緩んでいることが。
「……家でもあんな風に笑ってくれたらいいのにな…」
由比ヶ浜の小さな呟きが、俺の耳に入ってくる。
その言葉を耳にしながら、俺は夕紀先輩のほうを見る。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「お待たせ」
結局、1時間以上をソースに時間をかけていた。
ソースのできに満足なのか、雪ノ下も夕紀先輩もやりきったという顔をしていた。
「会心の出来だよ」
ふふん、といわんばかりの表情を浮かべる夕紀先輩。
どれ、早速味見といきますか!
「うめぇ…こいつは犯罪的な美味さだぜっっっっっ!」
「一緒にやきとりなんかもどうだい?いまならポテチもつけるよ」
夕紀先輩、カイジ知ってるんですね。意外でした。
班長のあの誘惑の仕方とタイミングは本当に神だと思う。なんでカイジって悪役があんなにも輝いて見えるんだろうか。
「お姉ちゃん、このソースってなに?」
「あぁ、赤ワインソース」
「なんで赤ワインソースなんですか……」
「それはわからない。私の気分とだけ言っておこうかな」
要するに、特に理由はないと。まぁ人の行動基準なんて分かんないからな。面倒で道を変えたり気分じゃないで場所を変えたりと、人間ってのは気分によってなんでも変わるからな。
「そうだね、比企谷くん。人間ってのはホント些細なことで行動を変えるんだよ」
「っっっ!!」
俺の考えを読んだのかごとく、俺の考えていたことを口に出して言う夕紀先輩。正直、一瞬陽乃さんよりも恐ろしく感じてしまった。
「うん、まあこんなものかな。お母さんの誕生日に振舞うハンバーグの下見は」
俺が夕紀先輩の恐ろしさを感じている間に、夕紀先輩は雪ノ下たちの元へ行っていた。話しの流れ的に考えるともうこの依頼も終わりらしい。
「ありがとね、雪乃ちゃん、それに結衣と比企谷くんも」
夕紀先輩はそういいながらこちらを一切見ないで調理室の扉を開けるとそのまま出て行ってしまった。
「……このハンバーグどうするんだろう」
由比ヶ浜の呟きで我に帰った俺は調理台に乗っているハンバーグの量を見てげんなりした。
あの人、逃げたな。
まず最初に、遅れてすいません。
いや、決して私が悪いんではないんです。そうです、社会が悪いんです。
まあ冗談です。私が悪いです。
更新できなかった理由は主に二つあります。
一つ目は春から新しい環境で慣れるのに時間がかかり、書くどころではなかったこと。
二つ目が一番大事です。二つ目はバンドリが楽しくて仕方がなかったからです。俺は悪くねぇ…!
21日からは新しいイベントらしいので頑張らなくては。
それでは最後に
誤字や脱字、感想や誹謗中傷など意見などがありましたらどんどん送ってください。あ、誹謗中傷するときはなるべくどこら辺がだめなのかを教えてくれれば改善できるように努力します。教えてくれないとさすがに対処のしようがありませんので。
では次の話出会いましょう。