「[探さないでください]という書置きが見つかったのだが……探すなとは誰の事なのか何の事なのか……銀平、わかるか?」
「全然。そもそもお前、パートナーとか居たっけ?」
「……」
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銀平とプラカードについて相談した桂だったが、何もわからない。次に彼は万事屋へと向かう。
「おーいヅラー!」
「り、リーダー……」
「ヅラか。今日はあいついないんだな」
銀時のこの言葉に疑問を持つ桂。
「あいつ……?」
「エリザベス。いつも隣にいただろ」
「エリザベス……誰だ?それ」
「そんなのいたっけ?」
「おいおい、ヅラはともかく銀平までどうしたんだよ」
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「江蓮将軍!」
「よかった。意識を取り戻されたのですね!」
[ここは]
「現在負傷者を収容中であります」
[……]
「覚えておられないのですか!?
SAGIの消滅により星は消滅。将軍はその時の爆発に巻き込まれたのです。地球の方々も現在意識不明で……」
[フミ子は……]
「「「……」」」
[そうか……
結局俺は皆を救うどころか救われたのだな]
「いえ!将軍の決起によって皆勇気をもらったのです!」
「将軍は、地球人たちは、フミ子は……蓮蓬の誇りを護ってくれた英雄です!」
「さあ将軍。我らの友の待つ第二の故郷、地球へ帰りましょう!!」
[……]
[行かない]
「なっ!?」
「将軍!俺たちはもう自由です!何も縛り付けるものはない!それにもうあなたも白装束を脱いでいい!どうして……」
[まだ戦いは終わってなどいない。この身一つで宇宙に放り出されたんだ]
「「……」」
[それでも俺たちは己のルールで生きることを選んだ
あの侍たちのように]
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「……」
桂は一人、宇野のカードを手に持っていた。
「桂、こんなとこで何やってる」
「銀平か……一人宇野だ」
「そうか。じゃあ俺たちが相手になろうか?」
「たち?居るのは二人だけだろう」
「二人?もう一人いるだろう?……いや、もっとだな」
銀平の視線の先には、エリザベスの記憶を失ったはずの快援隊の三人がいた。
ーーむかーしむかし、地球の宝を求めて悪い宇宙人がこの星にやってきました。
でも宇宙人は地球に住むうちに、すっかり地球人と仲良くなってしまい、地球人と共に地球を護るため、戦う事になったのです。
しかし、地球を護ったものの、今度は宇宙人の星がボロボロになってしまい、宇宙人は故郷を建て直そうと、地球とお別れをすることになりました。
お別れしても寂しくないように皆の思い出を一つ、また一つ消し、とうとう、地球に彼を覚えている人はいなくなってしまいました。
お別れの日、地球にさよならを言おうともう誰も知る人のいなくなった地球を眺めていました。
『さようなら!』
空っぽの星はやっぱりさよならを返してくれませんでした。
代わりに返ってきたのは、目いっぱいの笑顔でした。
空っぽの星には、まだ彼の宝が残っていました。
彼は最後の最後に手に入れたのです。どんなに雨に当たろうと決して錆びることのない
"友達"という宝を。
涙を拭いた彼は、笑顔だけ残し、空の向こうへ消えていきました。
また新たな宝を求めて
でも、残された友達に不思議と寂しさはありませんでした。
なぜなら、去っていったエリザベスはシフト制で、月曜だけシフトに入っていたエリザベスで、残りの火~日登場の謎の生物エリザベスは、今日長期休暇から戻ってくるからです。
[桂さん今戻りました これお土産です]
「おおレギュラーエリザベス戻ったか!さあ早くヘルプエリザベスにお別れしよう!
さようならー!月曜日のエリザベスゥー!!」
「「「「……」」」」
帰還したいつものエリザベスがお土産として持ってきた宇宙怪獣ステファンのぬいぐるみ。今までの行動に対する鬱憤を桂にぶつける皆。
何はともあれ、いつものエリザベスが戻ってきてよかったよかった。
おしまい
「……銀平……お前は……なぜ銀髪なんだ?あの時は確か――――」
次回は金玉篇(金時が普通に銀時の代理だけをやっているver)を予定しています。
篇といっても2~3話ぐらいですけどね……