鴉か夜叉か   作:鮭愊毘

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傷がつくことはあっても崩れやしない鉄の街

「戦の引き際ぐらいは心得てるだろ?西郷さんよぉ。聞け。この戦、俺たちの、バーさんの勝ちだ」

 

「私と西郷さんがいれば、こんな連中、物の数ではないですよ」

 

「負けだっつってんだろ?テメェら……こいつら怒らせたからな」

 

銀時は新八に腰の刀を投げ渡す。

 

ーーーー

 

「いや~ん!」

 

「あは~ん!」

 

「ハレルヤ~!!」

 

「次!次お願いします!」

 

「おいィィ!何やってんだテメェら!!」

 

場面変わってこちらはホストvsオカマ。なぜかオカマ達は狂死郎の前に並び、一人ずつ斬られている

 

「どうせ刺されるなら、狂死郎様の竿で刺されて昇天したいでしょ!」

 

「いや思いっきり真剣でぶっ刺されてるでしょ!マジで昇天しちゃうでしょ!」

 

「下がってなさい!」

 

混乱するオカマの一人にあずみがこう言う

 

「アゴ美!」

 

「あの太刀筋、見覚えがある。

一子相伝で伝えられる対オカマ用暗殺剣百須斗(ほすと)神剣(しんけん)!一千年前のホストとオカマの戦いで生まれたこの剣の伝承者……?私たちオカマの天敵にこんなところで会えるなんてね」

 

アゴ美はある拳法の構えをする。

 

「そ、その構えはまさか!」

 

「そう、誤算だったわね。これこそ、百須斗神剣と対をなすホスト撃滅拳法"加魔(かま)仙流(せんりゅう)"伝承者!!」

 

「いやすいません知らないです」

 

しかしすぐに斬られてしまうアゴ美。

 

「アゴォォォォ!!」

 

「最後にこの呪われたアゴを切ってくれるなんて……我が生涯に一片のアゴ無し!」

 

「いやあるわよ!?一片どころが長ーいアゴあるわよ!?」

 

「あ、ほんとだわ……」

 

 

「あのー、大人しく死んだふりしてもらいませんか?ホストが切っていいのは、女性だけですから」

 

狂死郎が刀をいじりながら言う。その刀からは血潮は吹きだしている。彼はオカマ達を本当に斬ったのではなく、そういうフリをしていたのだ。

 

「おもちゃ……?」

 

「私たちを傷つけないために一芝居打ってくれたのね!」

 

「私、あなたの剣なら上のでも下のでも構わない!貫いてぇー!!」

 

次の瞬間、アゴ美が蹴とばされ、西郷がこう言いだす。

 

「何アホやってんだい。さっさと退くよ」

 

「「「「ママ!!」」」」

 

「もう勝負はついた」

 

 

「ついてませんよ……!」

 

銀時から刀を受け取った新八との一騎打ちに敗れ、彼らを父の元に行かせてしまった平子。

 

「西郷さんも裏切りたければそうすればいい。私は……私だけは……親父の味方……」

 

そんな彼女の前に、華陀の部下である辰羅族の集団が現れる。

 

「ここはお願い……私は親父の元に……」

 

彼女は辰羅を味方と思っている。しかし、辰羅は彼女に切りかかろうとする。

 

 

 

しかし、彼女は斬られるとは無かった。

 

 

「西郷さん……アニキ……」

 

銀平と西郷が辰羅の刀を防いでいたのだ。銀平は同じ刀で、西郷は自分の身体そのもので防いでいた。当然、そこからは血が流れる。

 

「俺は今のお前を放置できるほどの男じゃないんでね」

 

「……正直に言ったらどうだい。『せっかくできた舎弟(いもうと)を死なせたくない』って」

 

「……こいつにどんな事情があるかは知らない。だが……死なせるのもアレだろ」

 

平子を護ることはできても西郷、そしてヤクザたちは負傷者多数。もうダメだ。かぶき町が天人に奪われる……!

絶望する彼らだったが

 

 

「やれやれ。情けない声あげちゃってまぁ。あんたらそれでもかぶき町の住人かい?」

 

上から聞き覚えのある声が響く。

 

「しぶとく図太く強かにしなやかに。それがあたしたちってモンじゃないのかい?」

 

「お……お……お登勢!!」

 

 


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