Metal Gear Fate/ Grand Order   作:daaaper

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やあ、連投出来たよ。
このまま1週間ぐらい続くと……いいなぁ
なお、区切りがいいので今回は結構短めです、ご容赦を。

・・・あ、あしたも挙げるから!本当にあげるカラっ!!




邪竜百年戦争オルレアン:8

リヨン出立 5時間30分後、フランス南西部 ボルドー 10:21

 

「……よし、そろそろ到着だ。何か問題がある奴はいるか?」

 

リヨンでジークフリートと無事に合流したカルデア一行は翌日、リヨンの街の住人から得た情報を元にリヨンから西にあるティエールとボルドーと呼ばれる街に出向くことになった。

だが、ティエールまではリヨンから556km、車を使っても5時間以上はかかるため、捜索隊を2つに分ける事に。

 

その分け方もどこかのお姫様が「くじ引きが一番よっ!」と言いだし、まぁそれで良いかと一同合意。

その結果

・ティエール捜索 藤丸・マシュ・アルトリア・アマデウス・マルタ

・ボルドー捜索 スネーク(運転手)・トレニャー・ジャンヌ・マリー となった。

 

なお、エミヤとクー・フーリンはジークフリートと共に留守番となった。

またテメェと同じか、お前に言われる筋合いは無い、と互いに言い合うもティエールじゃないだけマシか、と渋々(本当に渋々)居残る事になった。

 

そんな訳で、スネークは女性2人と探検家1匹を連れて5時間ほどドライブをしてボルドーに出向いた。

なお、道中でワイバーンが襲ってきたが全てトレニャーによって素材と化しました。

本人(本猫?)はホクホク顔です。やっぱり窓枠がないと狩るのが楽らしい。

 

「素材がいっぱいニャー!ポッケ村に帰ったらこれで色々作れるのニャ!」

 

「私たち2人も問題ありません」

 

「ええ、ご心配下さってありがとう!ところでトレニャーさんに質問なのだけれど〜」

 

「ハイニャー!」

 

「トレニャーさんが居るところの世界ってワイバーンがいっぱいいるのかしら?

さっきもあっさりとワイバーンをピッケルで刺していたけれど」

 

「ああ、それ私も気になります」

 

「ニャ?あの飛んで来るやつはランポスより弱いニャ、群れて来ないし」

 

「「ら、らんぽす?」」

 

あと10分もせずに到着するのだが、ここでふとそんな質問をする王妃さま。

それにつられて隣のお友達も、後部座席からズイッと助手席にいるトレニャーに尋ねた。

だが帰ってきた言葉が分からず、思わずハモった。

 

ぜったいかわいい

 

「あーあれだ、カンガルーみたいな格好ですばしっこい奴だ」

 

「「かんがるー?」」

 

「……わからないなら恐竜版のオオカミだと思ってくれ、1匹1匹は弱いが群れで襲って来る」

 

「ああ!囲って殴るように連携して来るんですね!たしかにそれは厄介です」

 

「……まぁそうだ」

 

聖女とは決闘でもしなければいけないのだろうか。

発想が不良のソレとあまり変わらないような気がしなくもないが、一対一なんて知った事じゃないと言わんばかりの戦い方を始めた張本人でもあることを思い出したスネークは突っ込むことを放棄した。

 

「というか、こいつがきた世界にはとんでもない竜がそこらじゅうで歩いてる世界だ。

共存している、と言ったほうが正しいがな」

 

「とんでもない竜と言うと……マルタ様のタラスクさんの様な?」

 

「アレよりもデカイし凶暴なのもいれば小さいがすばしっこい奴、邪魔する様に頭突きをかまして来る奴、色々だ」

 

 

ファンゴまじで・・・マジで・・・!

 

カニ風情がぁ・・・!!

 

降りてこいよ空の王者(笑) といったコメントはお控えください。m(__)m

 

「じゃあじゃあ!あの黒い騎士様はドラゴンスレイヤーだけれど、そんな人がいっぱいいるのね!」

 

「ハンターさんのことかニャ?」

 

「そうなるな、もっとも俺自身も直に見たことが無いが」

 

「ハンター、ですか」

 

「ああ、聞いた話だと色々な武器を使うらしいが俺の様な近代兵器じゃない。

まあボウガンみたいな飛び道具はあるらしいがな?どうやら剣やら槍やら弓で怪物を狩るらしい」

 

「おミャーさんもティガレックスならいけるニャ?」

 

「武器がこいつだけじゃあなぁ、撃退はできるだろうが……」

 

そう言って、自分の足元のやや右に置かれた小銃を一瞬見下げるスネーク。

空の王者と違い、地上を這うあの竜ならば一応いまの自分が持つ突撃銃でも対応できる……がそれでも狩り切る自信は無い、せいぜい追い返すのが関の山だろうと考える。

せめてRPG、できるならカールグスタフの1つでもあれば話はまた違うが、と思いながら。

 

「止まりなさい!貴公らが悪しき竜で無ければ!」

 

すると前方から大きな声が聞こえてきた、よく見ると道の真ん中に鎧を纏った人影が見え、道を遮っていた。

その運転手も素直にその言葉に同意しスピードを落とす。

 

「ん、どうやら探す手間が省けそうだな、とりあえずジャンヌ・ダルク」

 

「はい」

 

「お前が返事をしてやれ、それが早い」

 

「えっあっ……ごめんください!あなたはサーヴァントでしょうか!」

 

・・・まあ間違いではない、別に知らない土地に出向いての開口一番が『ごめんください』は間違いでは無いが、サーヴァントの言うセリフか否かは悩む所だ。これがマシュなら納得できるのだが……いや、初陣の様な感じだと言うから別に問題は無い……ないだろう。ないよ。

 

「ええ、私の名前はゲオルギウス、ここの街の守護を任されている者です。あなた方が敵対する意図が無いのはわかりました、良ければその馬から降りて来て頂けますか?」

 

「……とのことですが」

 

「相手は守護聖人だ、招かれたなら断る理由はないだろう」

 

そう言って車のエンジンを切り、車を降りるスネーク。

それに合わせてジャンヌやマリーも降車し、道に立つ英霊:ゲオルギウスの方へ歩いて行った。

 

 

 

 

 

♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢

 

 

 

 

 

「連携、ですか」

 

「戦力が揃えばこっちも攻勢に出れる、幸いこっちには火力がある……が、一回手の内を見せた。

向こうはそう簡単に隙を与えてくれないだろう、そのために出来るだけ向こうの戦力を分断する必要がある、そのために頭数が必要でな」

 

カルデア一行が立てた作戦の大まかな概要はこうだ。

 

敵本陣に向けて火力を持って薙ぎ払った後、電撃戦を仕掛ける

 

そう、早い話が脳筋作戦である。

もっともこの手段は一度相手に用いてしまっている。向こうもそれを阻止しようとしてくるはずだ。

そのためには早い話囮を多数用意して宝具を解放する隙を作るしか無い、令呪を使うにしてもだ。

ある程度オルレアンに接近し、敵ジャンヌが逃げる前に仕留める。そのためには戦えることもそうだが、出来るだけ多くの敵を引きつける必要がある。

 

「なるほど、それならば私も役に立てそうですね」

 

「では!」

 

「ええ、わたしもそちらに合流しましょう。

幸い、と言っていいのかここは一度襲撃を受けました、その時はどうにか退散させましたが2度目は厳しい。

そう判断しすでに市長には住民の避難を始めてもらっています、それも今日中には終わります。

住民たちの避難が終わり次第、貴方達とともに移動しましょう」

 

「決まりだな、なら俺はマスターたちに連絡する、今日中にリヨンに戻れるだろう。こっちもかの聖ジョージに直接守られるとなれば心強い」

 

「守ることが英霊としてのわたしに求められていることですからね。

この街の人々を守り、そしてこの国の人々を守るためにあなた方を守ります」

 

「まぁ、素晴らしい殿方ね!」

 

「ははは、かの王妃にその様なお言葉を頂けるとは」

 

車を光学迷彩で隠した後、こちらも名乗りとりあえず理解を得た。

ジャンヌ・ダルクが名乗ろうとしたところ、あまり話さない方がよろしいでしょうとゲオルギウス本人の口から話され、それはなぜかと聞いて見ると本人には直感スキルがあるらしく、道の真ん中で立っていたのも、鉄の箱馬でやってきた自分たちのことを敵では無いと瞬時に直感したかららしい。

『敵であればすでに攻撃していました』とは本人談。

 

何はともあれ、無事に当初の目標通りサーヴァントを味方につけることができた。

あとはリヨンに戻り——

 

《っ繋がった!》

 

「ん、ロマンか。いまサーヴァントと合流してな——」

 

《今すぐそこから退避して!サーヴァントと超極大な生命反応が猛烈なスピードで近づいてる!!》

 

「なに?」

 

無線から聞こえて来た情報がとんでもないことだと思いつつ、すぐに無線をiDroidのスピーカに繋げる。

 

「すまんロマン、もう一度言ってくれ」

 

《とにかくすぐに退避だ!サーヴァントに超巨大なナニカが接近してる!!あと10分もしないでくるぞ!?》

 

「なんと……!?」

 

「落ち着けロマン、サーヴァントは何体かわかるか」

 

《そんなのいいからともかく——》

 

「いいか、落ち着け、俺らが撤退するにしても敵の情報が必要だ。もう一度聞く、サーヴァントは何体だ」

 

《……うん、ごめん、取り乱した……》

 

そう言うと通信機の向こうで深呼吸をしたロマンは状況を詳しく伝え始めた。

 

その情報はこの場にいる者にとって大変良くないものだった。

 

《サーヴァント反応は3体、それに加えてサーヴァントを超える生命反応。

これが全部、今君たちのいるボルドーに向かっている、到着は10分後、オルレアンの方から来ている》

 

「ゲオルギウス、住人の避難はいつ完了する」

 

「まだ終わりません、せめて午前中一杯はかかるかと」

 

「ロマン、マスター達はこっちに向かってるか?」

 

《少し前に連絡した、クー・フーリンが走って向かってる、けどすぐは無理だ》

 

「令呪による転送はできないのか?」

 

《無理だ、サーヴァントを呼ぶ寄せることはできるけど、それは令呪で位置座標を固定してるからだ。

見える範囲なら誤差だろうけど、行ったこともない場所にサーヴァントを移動させるのはできない》

 

「そうか、ゲオルギウス」

 

「なんでしょう」

 

「2時間で避難を終わらせてくれ、その間の時間を稼ぐ」

 

「なんと……!?」

 

「そんな無茶です!それなら——」

 

「ジャンヌ・ダルク、お前はゲオルギウスに付け」

 

「何故ですか!?」

 

「お前が迎撃にでればヘイトが高まる、それにお前がここにいるのを知れば向こうはなりふり構わず街を攻撃しないとも限らない」

 

「ですが——!」

 

それではあまりに無謀だ。

たった一人でサーヴァント三体に正体もわからない何かを相手にするなど不可能だ……たとえそれが死ぬことが前提だったとしても。

いくらカルデアで召喚されたために倒された後でも再召喚が可能だとはいえ、この場で一人で戦いに挑んだところで意味がない。

 

故にジャンヌ・ダルクはスネークに抗議し、そのスネークはマリー・アントワネットを見て言った。

 

「王妃様、すまんが援護頼む」

 

「あら、わたし?」

 

「頭数が多い方がいい、だが住人を守る数も必要だ、が出せないならおたくを頼るしかないからな」

 

「そこは身を呈して守ってくれるのではなくて?」

 

「使えるものはなんでも使う、余裕があれば話は別だが」

 

「・・・良いわ!わたしだってただのおてんば娘じゃないってアマデウスに教えないといけないと思ってた所なの!」

 

「マリー!?」

 

だが、無謀だと思っているのはジャンヌだけではなく、スネーク自身もそう思っていた。

故にこの場にいるもう一人のサーヴァントであるマリー・アントワネットに力を借りることにした。

 

この場で戦えるサーヴァントはスネーク以外ではジャンヌとゲオルギウスだろう。

だが、ジャンヌが出れば向こうは何も考えず遠慮なしに街を襲う可能性がある。

なにせもう一人の“自分“である彼女を見下しているフシがある、それこそこの国を救おうとしている彼女に見せつけるように街を直接襲うかもしれない。

それに、ゲオルギウスが戦いに出て行ってしまえば避難誘導はスムーズに進まない

それこそ今いるメンツ全員でで向かってきている敵を倒しきれる保証もない、最善なのは追い払うか援軍を待つまで時間稼ぎをすることなのだ。

最低でも街の住人を避難させさえすれば街を破壊されても問題はない。

 

故に王妃である彼女と共に敵を迎撃し、残りの2人でさっさと住人を避難させてもらうのだ。

 

「いいのジャンヌ、これは戦いよ。確かにこんな戦いは生前のわたしは経験したこと無いけれど、ただの女の子じゃなくってよ?」

 

「それに専門家もいるしな、サーヴァントの相手さえできれば時間は稼げるだろう」

 

「それはそうですが……」

 

前線を張れないだけで、全く戦えないわけではない。

それにフランスの民が目の前で襲われているのに自分は何もしないで放置するほど、この王妃様は冷酷ではない。

むしろ人々のために自分を犠牲にする程度のことはやるのが彼女である。

 

その頑固さは田舎娘である聖女でも同じだろう。

 

「……わかりました、避難誘導が終わり次第わたしもそっちに行きます」

 

「2時間だ、2時間以内で避難を終わらせてくれ、それ以上持たせる自信は無い」

 

「なら私たちは住民の避難誘導を始めましょう、行きますよジャンヌ・ダルク」

 

「頼む、なら俺たちは北部で迎撃する、すぐに移動するぞ」

 

「ええ!」

 

《確認するけど君たちだけ避難は……しないんだね?》

 

「悪いなロマン」

 

それぞれが移動を始める。

ゲオルギウスとジャンヌはボルドーにいる住人を避難させるため街の中へ、スネークとマリーは出来るだけ街に被害を出さないよう車で街の北部へ。

幸いオルレアンはボルドーから北東の方向にある、方部に広がる畑に誘導は十分出来るだろう。

 

《けど……その場に留まれば——》

 

「馬鹿言うな、ここで死ぬか、あの空っぽ女に負ける気はない、それに逃げるのも癪だからな」

 

そう無線に答えると、止めてある車に走り出すスネークとマリー。

出来るだけ街から離れ、ボルドーから住人が避難するまでの時間稼ぎをする。

そんな条件の中、若干汗を滲ませながらシートに乗り込みエンジンを付ける。

 

「念のため確認するがあくまで時間稼ぎだ、倒れさえしなければどうにでもなる、とにかく耐えてくれ」

 

「ふふ、大丈夫よ。これでも耐久に関しては自信があるのよ」

 

「そうか、よろしく頼む」

 

ライダークラスの傭兵とフランス王妃の2騎のサーヴァントが、防衛戦に挑む。

 

 

 




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オマケ

「……おや、そちらは……」

「おいらはトレニャーニャ!」

「・・・汝は竜!」

「ニャァ!?」

「……まああながち的外れでは無いがな」

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