倒れた関羽に劉備と張飛が駆け寄った。
「愛紗ちゃん、愛紗ちゃん」
「愛紗、愛紗起きるのだ」
関羽の身体を2人が揺らしていると義弘が近づいて来た。
「劉備どん、張飛どん、安心しんしゃい関羽どんは気絶しとるだけじゃ」
2人は関羽を見ると息をしていたので一安心した。
「でもまさか愛紗ちゃんが負けるなんて、義弘さん強いですね」
劉備が義弘に言うと宗茂が近づいて来た。
「島津殿は某たちがいた日ノ本では武人の頂点に君臨している方なのです、某も負けてはいられませんな」
「宗茂どんおいを持ち上げても何も出んぞ、じゃどん関羽どんも中々のもんじゃった」
義弘が関羽を誉めていると関羽が目を覚ました。
「う、うん、鈴々かそうか、私は・・・負けたのだな、すまんが鈴々肩を貸してくれ」
関羽は張飛に支えられながら義弘の前に立った。
「義弘殿、先ほどの勝負は私の完敗です、ですが次は負けません、私は幸運だ宗茂殿や義弘殿という越えるべき武人に出会えて、それから義弘殿私の真名を受け取っていただけますか?」
「おお、もちろんじゃおまはんら若もんの越えるべき壁になるのは老兵の役目じゃからの、喜んで真名を預からせてもらう」
「私は愛紗と言います義弘殿これからよろしくお願いします」
義弘と愛紗は固く握手をした、すると張飛が自分の武器である蛇矛持ち義弘に近づいた。
「さあじいちゃん、今度は鈴々の番なのだ」
「おお、張飛どん、もちろんじゃ」
張飛と義弘は愛紗たちから離れて武器を構えた。
「行くのだー、てりゃー」
張飛は全身の力を込めて蛇矛を降り下ろした、義弘はそれを正面から防御した。
(なんちゅう力じゃ、単純に力だけなら愛紗どん以上じゃな)
「やるなーじいちゃん、だけど鈴々の本気はこっからなのだ、うりゃりゃりゃ」
張飛は蛇矛での連続突きをしたがこれも義弘には通じなかった。
「やるのー張飛どん」
「全部防いでおいてよく言うのだ」
「いや、かなり重いわ一撃一撃がの」
「鈴々の蛇矛には、みんなの夢と希望と、平和を願う心がこもってるのだ!重くて当然!力のある人間が弱い人たち守る!当たり前のことが出来ない奴が多いから、鈴々たちがみんなを背負って戦うのだ!ずっと・・・死ぬまでずーっと!鈴々はみんなのために戦うのだ!それが鈴々の生き様なのだ」
「重いの張飛どんの生き様は・・・」
「重いと思うから重いのだ。軽いと思えば簡単に背負えてしまうぐらい軽いのだ。・・・それが逆に悲しいけど・・・でも、鈴々は背負っていくのだ!ずっと!ずっと!鈴々が死ぬときまで!」
(なんちゅう覚悟の強さじゃ)
「張飛どん見事じゃ、その強い覚悟には本気でいかねば失礼にあたる、張飛どん・・・覚悟せい」
義弘は闘気を放った、義弘は顔をさらに険しくした、見ていたみんなの目に映るのは島津義弘ではなく鬼島津の姿だった。
(これがじいちゃんの本気、とてつもないのだ)
張飛は蛇矛を強く握りしめて構えた。
「示現流天雷」
義弘がそう言うと剣を掲げたすると空が曇り落雷が義弘の剣に落ちた。
「義弘殿に落雷が!?」
愛紗が心配したが宗茂が愛紗を止めた。
「今はいってはなりません、島津殿は大丈夫です」
宗茂の目を見て大丈夫だと愛紗は確信し戦に目を戻した。
「いくど、張飛どんしかと受けてみんしゃい、示現流撃昌」
義弘は張飛に向かって走り張飛の少し手前で前方宙返りして雷を纏った強烈な回転切りを叩き込んだ。
「鈴々も負けられないのだー、うりゃぁぁぁ!!」
張飛も渾身の一振りを義弘の剣に当てた。
「チェストーーー」
「うりゃーーー」
2つの武器がぶつかり合い爆発が起き土煙が起きた、見ていたものたちは伏せた。
「くっ、鈴々、義弘殿!!」
愛紗が叫ぶと段々土煙が晴れてきた、するとボロボロの張飛と義弘は肩当ての縄が切れて落ちていて身体が少し傷つき、二人は爆発で飛ばされ離れて立っていた。
「・・・鈴々は・・・絶対負けられないのだ」
すると張飛はその場で武器を持ったまま倒れた、今度は劉備と愛紗が張飛に駆け寄った。
「張飛どん見事よ、おまはんの覚悟の強さこの島津義弘感服しもした」
すると義弘は張飛に近いた。
「張飛どんまた勝負しよう」
気絶した張飛にそう言うと宗茂の方に歩いた。
「良い勝負でしたな島津殿、鈴々殿の覚悟には心が打たれましたな」
「ああ宗茂どん、こん世界は面白かね、星どん、愛紗どん、そして張飛どん良い若もんのが揃っとるわ、おいはこの若もんたちが天下を取るのを見てみたいんじゃ」
「そうですな奇妙な縁で会いましたが、某も同じ気持ちです」
義弘と宗茂は張飛を介抱している劉備たちを見て言った。
鬼と張飛の試合は鬼の勝ちで終わった。
今回は早めの投稿ができました、次は幕間日常話をいれます、これも早めに投稿したいと思います。それではまた幕間でお会いしましょう。コメントもお待ちしています。