恋姫バサラ 蜀編 大陸に呼ばれし老鬼と御遣い   作:双龍

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6話

「着きましたぞ、ここが公孫賛殿の城です」

 

義弘と星は一日かけて公孫賛の納める城に着いた、義弘は歩きながら自分が異世界から来たことや自分の故郷について星に話した。

 

「島津殿のことは先に早馬で公孫賛殿に知らせてあります、このまま城に向かいましょう」

 

義弘は賑やかな城下町を過ぎながら城に向かって歩いた。

 

(城下が賑やかじゃな、城下を見ればその城の城主がどんなもんかわかる、ここの城主は・・・普通じゃな)

 

そう義弘が考えていると城門が見えてきた。

 

「趙子龍だ、賊を連行してお客人もお連れした、門を開けてくれ」

 

星は警備兵に伝えると城門がゆっくり開いた。

 

「趙雲様、賊は我々が連行します、趙雲様はお客人と共に玉座の間へどうぞ」

 

警備兵はそう言うと賊を連行して行った。

 

義弘と星が玉座の間に着くと公孫賛たちが待っていた、そこには懐かしい友人立花宗茂の姿もあった。

 

「これはこれは島津殿、よくぞ来てくださった、私は姓は公孫名は賛字は伯珪と言うよろしく」

「おお、丁寧な挨拶痛み入る、おいは島津義弘こちらこそよろしくの」

 

ふたりは固く握手をした、すると控えていた男が義弘に向かって歩いて来た。

 

「島津殿・・・お会い出来て嬉しいです」

「おいもよ宗茂どん、しかしおまはんまでこの世界に来とったとわの、そうじゃ宗麟どんはどげんしたとね?」

 

宗茂はいつも宗麟に付いていたので義弘は当然一緒にいると思っていた。

 

「私は気づいたら荒野のど真ん中にいまして、我が君はどこにもおられませんでした、そして飲まず食わずで5日間探し回りましたがおられず、公孫賛殿の城の近くの森で倒れていた所を北郷殿に助けていただき、公孫賛殿の城に御厄介になった次第でして」

 

それを聞くと義弘は一刀に近づいた。

 

「おまはんが天の御遣い呼ばれてる男ね?」

 

義弘は一刀の目を見て言った。

 

「あ、はい北郷一刀です」

 

一刀も怖じけることなく義弘の目を見た。

 

「おまはん良い目をしとるのー、星どんの言うとったとおり面白か男ね、宗茂どんを助けてくれて礼を言うありがとう」

「いえ、俺も尊敬していた島津さんにお会いできて光栄です」

「尊敬?おいをかね?」

「はい俺は島津さんよりももっと先の未来から来ましたでも、宗茂さんに聞いた話では俺と島津さん達とは同じ日本でも違う世界から来たんだと思います」

 

それから一刀は自分の世界の戦国時代の話をしたが、やはり義弘のいた世界とは歴史が違った。

 

「ややこしいのー、じゃがこん世界は面白か、星どんに会えたし、一刀どんとも会えた」

 

義弘はそう言うとガハハと笑った。

 

「いや、俺はそんな大層な人物じゃないですよ」

 

一刀は頭をかきながら照れた。

 

「いや、おいにはわかる、おまはんは何かすごい事をやってくれる、それは多分この大陸に必要な事じゃろう」

 

笑っていた義弘が一刀の頭に手をおいて優しく言った。

 

「やっぱり、同じ九州の人だなじいちゃんと同じ匂いがする」

「そうか、やはりおまはん九州の出かね、なんとなくじゃがそんな気がしとったよ、やはりおまはんからも九州もんの匂いがすんね、じゃがなまりがないのう」

「実家は鹿児島にあって両親とじっちゃんはそっちに住んでいるんですけど俺は東k、じゃなくて昔で言うと・・・そう、江戸で学校という学問を教えてくれるところに通っています」

 

一刀は鹿児島を出て東京の聖フランチェスカという学校全寮制の学校に通っている。

 

「そうか、おまはんの時代では誰でも学問を学べるのかね、いい時代じゃ、願わくばおい達の世界もそういう未来を作りたいもんじゃ」

 

鬼と天の遣いの出会いである。

 




次回は桃香たちを出します、なんか恋姫たちが空気と化しているので、これからはそこも気をつけて書いていきたいと思います、ではまた7話でお目にかかりましょう。

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