慶次たちは数里進軍すると程なくして黄巾党の一団を発見した。
「居たぜ朱里黄巾党だ」
「よーしなら突撃なのだ」
「分かりました、今私たちは黄巾党の真横に居ますこれを利用して、まず鈴々ちゃんと慶次さんは兵士を連れて横から突撃します、そして機を見計らって退却して窪地に向かって後退します、いいですね」
朱里の作戦に二人が頷くと二人は黄巾党に突撃した、鳴り響く銅鑼の音に黄巾党たちが気づいたときには慶次たちは間近に迫っていた。
「俺の名前は前田慶次さあ、並んで並んで順番に相手するよ、そこ退けそこ退け慶次が通る!!」
「鈴々の名は張翼徳、命が要らない奴からかかってかるのだ!!」
「皆さんは敵一人に必ず二人で当たってください」
慶次と鈴々が派手に暴れる中で朱里は確実に相手の兵の数を減らすため二人で一人に掛かれと命令をした。
「な、何て強さだ」
「諦めんじゃねぇ天和ちゃんたちのために踏ん張るんだ」
黄巾党たちも奮起して慶次たちと戦った、その頃義弘たちは潜伏場所で策の準備をしていた、その中で愛紗はやはり鈴々のことが心配なのか、準備の手が止まっていた。
「愛紗殿」
「謙信殿、なにかご用か?」
謙信に呼ばれ慌てて愛紗は手を動かし始めた。
「鈴々殿が心配のようですね」
「流石は謙信殿、何でもお分かりだな」
「慶次はあれで中々やる男です、昔は私の軍に悪戯ばかりするやんちゃものでしたが、甲斐の虎が病に倒れた時上杉を訪れ、そして私や剣と共に越後を守ると言ってくれたのです、私はとても心強かった、それに鈴々殿の武勇も慶次に負けず劣らずの物を持っています、大丈夫ですよ愛紗殿」
謙信は辛いときに自分を支えてくれた慶次には感謝しており、その慶次強さを一番知っているのもまた謙信だった、なので心配は無いと愛紗に言った。
「ありがとう謙信殿、さあ早く策の準備を終わらせよう」
愛紗は元気を取り戻すと策の準備を始めた、くすりと笑うと謙信も策の準備に取りかかった。
そして所変わって慶次たちは黄巾党たちを相手に大立回りをしていた。
「よっと、恋つづり!!」
慶次は超刀を振り回して黄巾党たちを攻撃した。
「にゃ!?、兄ちゃんもやるななのだなら鈴々も、うりぁぁ」
鈴々も蛇矛を振り回して勢いをつけると右に左に大きく切りかかった、朱里はそれを見ながら機会を見計らっていた。
「(そろそろですね)鈴々ちゃん慶次さん、そろそろ行きますよ」
「よしきた!!」
「まだ鈴々はやれるのだ」
「今は我慢だ鈴々、お前ら!!一旦引くぞー」
慶次は暴れる鈴々と朱里を担ぐと兵たちに撤退の命令をした。
「よし、野郎共奴等は弱気だ追いかけろー」
黄巾党たちは何も知らずに慶次たちを追いかけた、そして慶次たちが窪地に入ると黄巾党は追い込んだと思い速度を上げた。
「窪地に入った、野郎共好機だ一気に押し潰せ」
そして程なくして全ての黄巾党が窪地に入ると入り口が木で塞がれた。
「と、閉じ込められた!?木を登って荒野に戻るんだ」
「ダメだ木が氷って滑って登れねぇ」
木で塞いだだけでは登って来ると思い謙信が木を氷付けにした、そして両側の崖から伏兵たちが現れ、黄巾党たちの目の前には義弘、謙信、愛紗、さらにおとりだった慶次と鈴々も加わった、そして伏兵たちの指揮を桃香がその補佐を朱里、雛里、かすがが受け持った。
「さあ、こっからが本番!!」
「誰が何と言っても鈴々は止まらないのだー!!」
「奪うことしか知らぬ賊どもめ、青龍偃月刀の錆となれ」
「凍てし刃にて眠れ」
「さあ、旭日昇天の者たちよ、おいば倒し、天を、時代を駆け抜けるがよか」
義弘たちは武器を構え、黄巾党に突撃した。
「焦がれてみせましょ、命のままに!」
慶次は超刀を朱槍に変えて豪快に振り回した。
「うりぁー、豪蛇連撃!!」
鈴々も蛇矛を振り回して右に左に斬った後、最後に渾身の一撃を降り下ろした、すると敵はぶっ飛び地面が陥没した。
「青龍連逆鱗斬」
愛紗は偃月刀で右に左に斬った後下から上に切り上げ最後に渾身の一太刀を見舞った。
「はすはごおりのするどきよ」
謙信は周囲の敵を氷らせて居合い斬りで周囲の敵を斬った。
「現や示さん、隼人魂!」
義弘は勢いに乗って相対する敵を次々に叩き斬っていった、そして崖の上からその光景を見るものがいた。
「♪~、前田の風来坊に軍神に鬼島津、鬼も黙って逃げ出す面子だな」
「凄い、この一言につきるわね」
その男は腰に六爪の刀を持ち、三日月をあしらった兜を被っていた、そしてその男の隣には金髪で左右に髪を纏めそのツインテールをくるくる巻いた髪をした少女が立っていて義弘たちの戦を見ていた。
ようやく政宗登場です、いやー作者の文才の無さのせいで登場が遅れてしまいました、これから各地の軍と関わっていくので恋姫もバサラもキャラが沢山出ますお楽しみに、それではまた20話でお会いしましょう。感想評価お待ちしています。