関ヶ原の戦いが終わり日ノ本には一時の平和が訪れていた、そんなある日のこと九州は薩摩に一人の鬼が自前の焼酎を片手に酒を飲んでいた。
「かあー、うまかねーやっぱり酒は焼酎に限るのぉー」
その鬼の名を島津義弘と言った、彼は日ノ本の父と徳川家康に呼ばれ、武も戦国最強の異名を持つ本多忠勝と互角に打ち合えるほどの実力を持ち日ノ本の武人たちに尊敬を集める男である。
「天下分け目の戦が終わり、光成どんも生きとる、取り合えずはこれでいいんじゃが、暇になってしもうたわ、まあ慶次どんや軍神どん達と酒を酌み交わす、こんな世も悪かねぇー、ん?」
義弘が酒を飲んでいると、自分に近づいてくる足音が聞こえた、義弘は野盗か何かだと思い、愛刀の青嵐を静かに構えた。
「そこのもん出てきんしゃい、隠れとるのはわかっとるよ」
義弘は構えを崩さず岩陰に隠れてる奴に聞こえるように言った。
「さすがは鬼島津ですね」
すると岩陰から出てきたのは年端もいかない少女だった。
「ん?おまはんただの娘っ子じゃなかね」
「出てきたのが少女でも構えを崩さないとは、さすが歴戦の武人ですね」
すると少女はどこからか銅鏡を取り出し義弘に向けた。
「なんじゃ・・・うお!?」
すると銅鏡から自分を包み込むほどの光が発せられた、光が消えると義弘は消えていた。
「申し訳ありません、今は、話す時間も惜しいのです」
そう言い残すと少女は消えた。
「いったい何があったんじゃ」
義弘はうっすらと目を開けるとそこには自分の治める薩摩の地ではなかった、硫黄泉も火山もないただの荒野が広がっていた。
「ここはどこなんじゃ、薩摩じゃなかね」
義弘が愛刀の青嵐を地面に刺しここがどこか考えていると近くから人の悲鳴が聞こえた、すると義弘は悲鳴のする方へ走った、少し走ると小さな村が野盗に襲われていた。
「村が襲われとるの、ここがどこだかは分からんが悲鳴を聞いては黙ってはおれんのー」
義弘は村の真ん中まで走ると広場にはその村の村人が集められていて、今にも村人が斬られるところだった。
「悪く思うなよこれも俺たちが生きていくためだ」
野盗の刃が振り下ろされようとしたその時。
「喝」
義弘は気合と殺気を込めて野盗たちにだけ届くように大喝を響かせた、すると刃は振り下ろされずに地面に落ち、野盗たちが全員足がすくんで立てなくなってしまった。
「おまんらこれ以上罪もない村人を斬るというならこの鬼島津が相手をしもす」
すると義弘は村人と野盗の間に立ち、示現流の基本の構え上段の構えをしながらジリジリと野盗たちに迫った、その気迫は正しく鬼そのものだった。
「ひーー野郎ども逃げるぞーーー」
逃げていく野盗達を見ながら青嵐を地面に突き刺した、
ここに恋姫の世界に鬼が下り立った瞬間だった。
今日ノ本のバサラ者たちが恋姫の世界に激震をもたらす。
どうも、双龍です処女作なので温かい目で見ていただければ幸いです、そしてできればコメントして頂ければとても嬉しいです、これからよろしくお願いします。