まぁというわけで今回もよろしくです!
それでは本編スターット!
「それではサトシさん!準備は良いですね!?」
「あ、はい…」
「それではシュッパーツ!」
「………」
「おー!ですよサトシさん!おー!!」
「お、おー…」
日光が木々の隙間から差し込み死者の森とは思えないほど綺麗な場所を抜けていく。
「ちょっと?もうサトシさん!いつ戦闘になるか分からないんですよ!もっと気合い入れてください!」
「いや、俺は別に戦闘したくないんだが…」
「そんなのダメですよ!我々魔物は闘うために生まれてきたのですから!」
「あのゲスい天使共のためですけどね!!」
「まぁまぁそう言わずに」
「逆になんでお前はそんなに嬉々としてんだよ…」
どうしてこんなことになったか…
思考が約2時間前に遡る。
「あ、サトシさん!おはようございます!!」
「朝から元気ですこと。」
「元気かなかったら何も出来ないじゃないですか!何事もモチベーションですよ!」
「って言われてもな…戦闘は出来ればしたくないんだよな〜」
「そんなこと言ってどうするんですか!私達は魔物ですよ!闘い、勇者達を倒す存在!天使様のために!!」
「悪魔の口から聞きたくない言葉だけどな。」
「悪魔じゃないですぅー!悪魔族ですぅー!」
「ハイハイ、そうかいそうかい。ハァ…」
「ちょっと元気なさすぎません?」
「いや、普通はこうなるよ!昨日は夢にまで見た異世界への転生をして結構嬉しかったんだからな!でも実際はどうだよ!俺最弱モンスターだぞ!どうしてくれんだよ!理想とかけはなれすぎだろぉぉぉ!」
「え、じゃあサトシさんの理想ってどんなですか?」
「そうだなぁ。異世界に来たら最強の体になっててめっちゃ可愛いパーティー達に囲まれながら敵をバッタバッタとなぎ倒し、国の英雄としてもてはやされる。みたいな」
「非現実過ぎて笑えますね。」
「あぁんコラァ!喧嘩売ってんのか!」
「まぁいいじゃないですか。人生山あり谷ありの方が面白いです。きっと」
「そうだな。だが、俺は絶対に戦わんぞ!こんな体で闘えるか!!」
「そんな事言わないで!一緒に戦いましょうよぉ〜!」
「やだ!俺は嫌だぞ!!」
「このワガママ!いいでしょう。無理矢理でも連れてって見せましょう!」
「逆になんでそこまでして行きたがるんだよ!」
「そりゃあ…なんというか…」
「あ?」
「……っしょにたたかいたぃ」
「え?なんて?」
「……誰かと一緒に戦ってみたいんですよ!」
「へ?」
「今まで、悪魔族だからって避けられてきたので誰かと共闘なんてした事が無かったんですよ。なので…」
「いや、同じ悪魔族とパーティー組めば良いじゃん。」
「…………悪かったですね!」
サリーの拳が音速でサトシの体を捉える。
「一緒に戦ってくれる"友達"が居ないんですよ!!」
「さ、それでは行きましょうか!」
「誰も行くとは言ってn」
「一緒に行きますよね?」
「………あ、はい。」
サリーの異様な眼力と強く握りこまれた拳にサトシは勝つことが出来なかった。
「まずは装備を整えましょうか!」
「あ、はい。」
すっかり諦めムードのサトシを連れ、とてもご機嫌な様子で歩いていく
「ここが武器屋です!」
「そう言えばおれ一文無しだけど…」
「大丈夫ですよ!」
「え、マジ?」
「すみませーん!」
「おうらっしゃい!」
「あの、今日初めて冒険に行くものなんですが!」
「あ、例の新入りくんね。スカルから話は聞いてるぞ!だが、今はあんまりいい武器が無くてなあ。これくらいしか渡せねぇや。」
そう言いながら銀色の刃が光る剣を差し出してきた。柄の部分に『鋼の剣』と書いてある。
「あ、いや、頂けるだけでありがたいです。」
「随分謙虚な新入りだなぁ。まぁ健闘を祈ってるぞ!!」
「あ、はい。ありがとうございます…」
不本意なお礼と共に店を出る。
「次は防具ですね!防具屋に行きますよ!」
「なぁ、これ結構いいやつじゃないか?なんでタダでくれるんだ?」
「魔物達は新しく冒険に出ることを推進してます。その政策の一環ですね。」
「政策って政府とか議会とかあんのか?」
「いえ、魔物達による自治制度は設けていませんが。」
「じゃあ政策とかって誰が?」
「天使達ですね。一応私たち魔物の司令にあたる方々なので。」
「ふーん、なるほどなぁ。」
(手駒ってなるほどなぁ。)
「では、次は防具屋に行きますよ!」
「へ、へい」
「いらっしゃ…おう!サトシか!」
「スカル…そう言えば防具屋って言ってたな。」
「もう行くのか。えらく早いな。」
「ほらぁ!やっぱり早いんだぁ!」
「ちょっとサトシさん!行くって決めたんでしょう!ここまで来て辞めるなんてさせませんよ!」
「っ!!おい!サトシ!」
スカルが肩を掴んで小声で話しかけてくる。
「お前…あのカワイコちゃん誰だ?」
「おせっかいでボッチな悪魔族のパーティーメンバーだよ。」
わざとサリーにも聞こえるように大きな声で言う。
「ちょっ!誰がボッチですか!!故郷には私の帰りを心待ちにしている友達がいるんですよ!!」
「じゃあそいつと戦ってこいよ。」
「…………………。」
「おうおう!お前も隅に置けないなぁ。」
「別にそんなんじゃねぇよ。」
「さっ!防具屋らしく働くか。どんな防具がいい?」
「あ、そうだな。まぁ出来るだけ動きやすいのかな。あんまりゴツゴツ付けるのはニガテだ。」
「じゃあこいつなんてどうだ?」
差し出してきたのは銀色の肘当てとすね当て、胸当ての3つだ。」
「これでいいか?」
「あぁ、正直なんでもいいんだが…まぁありがとう。ありがたく貰っていくよ。」
「気をつけろよ!」
「お、おう。」
「それではサトシさん!準備は良いですね!?」
「あ、はい…」
「それではシュッパーツ!」
「………」
「おー!ですよサトシさん!おー!!」
「お、おー…」
「おっと、これは…リビングデッドと、リッチか。珍しい組み合わせだな。」
「っ!!」
「来ましたね!?」
「アレが…勇者?」
「いえ、ただの冒険者見たいですね。」
「あんま上手くないが多少の経験値くらい持ってるだろ。やるか!」
そう言って剣を抜き突っ込んでくる。
サトシは急いで剣を抜き相手の剣をなんとか止める。
「さ、サリー!?」
サリーが1歩後ろに下がりなにかブツブツ言っている。
サトシが冒険者の方に向き直るとその冒険者が1歩足を踏み出した。
(力では完全に押されている。なんとか打開しないと…)
突然後ろから火の玉が上から降ってくる。
つばぜり合いがキャンセルされ一息ついた時に今度は後ろから火の玉が飛んでいく。
「サトシさん!大丈夫ですか!?」
「あぁ、なんとかな。サンキュ!サリー!」
「当然です!それよりサトシさん!前!」
「おう!」
冒険者が、前から真っ直ぐ走ってくる。
剣を構え迎撃の体制を取る。が、
冒険者は自分の横を通りサリーの方に向かう。
「サリー危ねぇ!逃げろ!」
「リッチ貰い!」
「まだ、詠唱の途中なのに!」
冒険者の剣が容赦なくサリーを引き裂く。
「うそ…だろ……」
サトシは戦意を喪失しその場で項垂れている。
「なんだこいつ。まぁいいか。さっさと経験値になりやがれ。」
ドスッ!
鈍い音とともに全身がいうことを聞かなくなる。
「さらば…異世界………」
……シ…ん
…トシ…ん
…サトシさーん
ペシペシと頬を叩かれている。
目を開けるとそこは…墓場だった。
「おーいサトシさーん。そろそろ起きてくださーい。」
「サ、リーか?」
「はい。何か?」
「ここはどこだ?」
「『死者の森』の墓場ですが?」
「………なんで?」
「なんでって言われても。」
「いや、俺たち殺られたよな。」
「ええ、やられましたね。」
「なんで戻ってきてんの?」
「なんでって言われても…ねぇ。」
「もしかして魔物ってさ…死なねぇの?」
「そんなことは決して無いですよ!寿命を迎えれば亡くなりますよ。」
「じゃあなんで俺達は生きてんの?」
「そりゃああくまで冒険者にやられただけですし。」
「あのさ……」
「はい?」
「リスポーンは聞いてねぇぇ!!」
少し長くなってしまいましたがいかがでしょうか。
今回でタイトルの意味なんかもわかったと思います。
これからいろんな意味でゾンビ系異世界生活がハチャメチャに進んで参りますので腹を抱えて笑って頂けたら幸いです!
ついでにこれから投稿頻度が一気に落ちますのでご了承ください!
それではいつ上がるかわからない次回をお楽しみに!