ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~ 作:風森斗真
ぶっちゃけ、「あっち○こっち」に影響されていることは言うまでもないです
さてさて、どうなるか
ひとまず本編をどうぞ!
……あ、しばらく「あとがき代わりの~」はありませんのでご了承ください
『合同演劇?』
もう間もなく、明堂学園も文化祭を迎える時期となった。
そこで、出し物をどうするのか、という話し合いが行われたのだが、生徒会から驚愕の発表がされ、学校中で驚愕の声が上がった。
どうやら、中等部と高等部の二年生が合同で演劇を行うことが生徒会の決議で決定されたらしい。
「しっかし、大胆なことするな、生徒会……つか、俺らにその話、回ってないような?」
「まぁ、いいんじゃねぇか?なんか面白そうだし」
「たしかに、この六年間、なかったな。そういうの」
「そういわれれば、そうね」
「おぉ!合同演劇!!」
「楽しみだね、ももかちゃん」
いつもの仲良し組は、その告知に思い思いの感想を口にしていた。
そんな彼らではあったが、その心中で共通している想いは。
――演目、なんだろう?
であった。
だが、その疑問は。
「菖さん!ゆりさん!!みなさん!」
「もも姉ぇ!明兄ぃ!菖さん、ゆりさん!!」
突如乱入してきたつぼみとえりかによって、すぐに解消されることとなった。
----------------------------
『おとぎ話をアレンジしたオリジナル?!』
「はい!」
「
つぼみとえりかの二人からもたらされた情報は、合同演劇で行われる演目だったのだが、そうやら既存のものではなく、自分たちで作り上げたオリジナルのもののようだ。
ちなみに、その台本の作成には漫画家志望の番長くんやさくらと小狼の小学生からの同級生である奈緒子が関与しているのだとか。
「ちなみに、台本も借りてきたっしゅ!」
「あら、それじゃ拝見しようかしら」
えりかがどこからか取り出した台本を、ももかが受け取り目を通した。
明も興味があるのか、ももかの隣にさりげなく移動して、台本を覗き込んだ。
気のせいか、ページが進むごとに、ももかの顔が徐々に赤面していき。
「いやんっ♪こんなこと明くんとなんて、できな~い♪」
「おいおい……」
「いったいどんな内容なんだよ?」
「ちょっと興味あるわね……ももか、次、いいかしら?」
「いいよ~♪」
ゆりが興味を示し、ももかから台本を受け取ってその文面に目を通した。
「ゆり、俺もいいか?」
「えぇ、どうぞ」
菖も興味を持ったのか、ゆりに断ってから台本を覗き込んだ。
だが、そこに書かれていた役柄とセリフに既視感があった。
読み進めていくうちに、菖とゆりの顔は徐々に赤くなっていき。
「……こ、これは……」
「……おい……誰だよ、これ考えたやつ……」
読み終わった二人は顔を赤くしながら同時に、口を開いた。
既視感があると思ったら、それもそのはず。
どこからリークされたのか、台本に書かれた劇の内容は、キュアムーンライトとユグドセイバーが初めて一緒に戦った時のことを、かなりのアレンジメントを加えたものだったのだから。
それも、なぜかご丁寧にその時に言っていたセリフは一言一句、すべてそのままに。
「……菖、これはわたしたちでやるしかないわ」
「……あぁ。ほかの誰かにやられて羞恥心でもだえるより、自分たちでやったほうがまだましだ」
どうやら、他人にやられて羞恥心にもだえるよりも、自分たちで再現したほうがずっとましと判断したらしい。
その様子を見ていたえりかが、なぜかにやにやとしていて、つぼみが少しばかり申し訳なさそうに苦笑していることなど、その時の二人はまったく気づくことがなかった。
何を隠そう、番長と奈緒子の二人にこのネタを提供したのはえりかなのである。
理由は単純。
どうしたら菖とゆりの二人を舞台に上げることができるかを考えていたとき、二人がどうしても舞台に上がらなければならない状況を作ればいい、ということに思い至ったのだ。
その結果が、二人の羞恥心を利用する、ということだった。
むろん、つぼみは止めようとしたのだが、もうどうにも止まらないところまできていたらしく、結局、えりかの思うままにさせることになってしまったのだ。
――うぅ……菖さん、ゆりさん、ごめんなさい……お叱りはちゃんと受けます……
羞恥心にもだえそうになるのをどうにか耐えながら、その場に立っている菖とゆりを見ながら、つぼみは心中でそう謝罪するのだった。