ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~   作:風森斗真

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ゆり「……作者、これは一体どういうことかしら?」(-△-メ
斗真「……な、なんのことかなぁ?お、おおおおっさん、わわわわわからないなぁ」(-▽-;

ゆりさんがご立腹な理由は本編にて。
ぶっちゃけ、現代社会で妻公認の愛人ってありなんでしょうか、なしなんでしょうか?
それ次第で菖争奪戦の行方が変わるんですがねぇ……


とある菖がいない日のゆりとももか

その日は休日。ゆりと、珍しく仕事が一日フリーとなっていたももかは二人で公園のベンチに座っていた。

普段なら、つぼみとえりか、いつき、そして菖と一緒に植物園のぬいぐるみ館でお茶会をしたり、ももかと菖と一緒に勉強したり、買い物に出かけたりしているはずだった。

だが、間が悪いことに菖は海外に渡航しているため、現在、日本にいないのだ。

そのため、ゆりは読書に集中してしまい、ももかはその隣で暇を持て余していた。

「……」

「……」

「……うぅ~……」

「……」

「……ひ~ま~っ!!」

手足をばたつかせながら、ももかが文句を言い始めた。

だが、いつもなら構ってくれる菖がここにいないため、ももかのじたばたはしばらく続いた。

そんなももかを横目に、ゆりは読書に集中していた。だが、その心中は決して穏やかなものではなかった。

「……ももか、いい加減にしなさい?」

「う~っ!だって~っ!!」

「だってじゃないわ。いくら構ってくれる人がいないからって、あなた少しはしたないわよ?」

「……ぶ~……ゆりだってほんとは退屈なんじゃないの~?」

むくれながら、ゆりの言葉にももかが反論してきた。

その反論に、ゆりは思わず言葉を詰まらせた。

確かに、退屈なのか、退屈ではないのかと聞かれれば、確実に前者だ。いや、より正確に言うならば、落ち着かないのだ。

なにしろ、ゆりと菖は幼馴染で、何をするにもほとんど一緒に行動していた。そのため、菖の趣味に付き合い、一緒に遺跡探検をしたこともある。

高校生になってからはそういうことはなくなったが、それでも休日は菖と一緒に行動することが多いのは事実だ。

「……反論できないわね」

「ほらやっぱり!!……というか、思ったんだけど、ゆりって菖くんのことどう思ってるのよ?」

「あら、前にも放送で言ったけれど、本当にただの幼馴染よ??」

ももかの突然の質問に、ゆりは顔色一つ変えずに返した。

その反応に、ももかは、にやり、と何か企んでいるような微笑みを浮かべた。

「なら、わたしがもらっちゃっても……」

「それはだめよ」

ゆりはももかが言い終わらないうちに、鋭い視線とセットで返した。

その視線にたじろぎながらも、ももかは頬を膨らませて抗議を始めた。

「ぶ~っ!!いいじゃん!!ゆりにとって菖くんはただの幼馴染なんでしょ??!!」

「えぇ。けれど一言も、他の人に取られていい、なんて言ってないわよ?」

そのあたりは菖も同じである。

昼休みの放送の時に、菖もゆりのことをただの幼馴染と公言しているのだが、これ見よがしに付き合おうとか考えるな、と警告もしていた。

要するに、互いに恋愛感情は抱いているのだが、長すぎるくらいの時間を一緒に過ごしてきたため、そのあたりの感覚がすっかり麻痺してしまい、一緒にいるのが当たり前、という認識にすり替わっているのだ。

だからこそ、菖はゆりが誰かと付き合っている場面を想像できないし、その光景にもやもやしたものを感じるし、ゆりも菖が誰かと手をつないで歩いている姿を想像できないし、したくもないのだ。

「……それじゃ、仮にゆり以外の女の子だったらどんな子なら菖くんと付き合っても納得するの?」

「そうね……芯が強くて、他人や植物を思いやる優しさを持っていて、成長しようと努力し続ける子なら、構わないと思うけれど」

ゆりの口から返ってきた答えに、ふと、思い当たる人物が浮かび上がったももかは、首を傾げた。

「……あれ?なんかいま、つぼみちゃんの顔が浮かんだような……」

「気のせいじゃないかしら?」

ももかの疑問に、ゆりはくすくすと微笑みながら返した。

実際のところゆりは、つぼみなら菖を取られても仕方がない、と思っている。

つぼみが菖に対して親愛や憧憬のようなものを超えた、小さな恋心を抱いていることには気づいているし、つぼみ本人もその恋心に自覚を持っている節がある。

だからこそ、言外にライバル宣言をしているし、つぼみなら菖を任せることができる、と思っているのだ。

もっとも、だからといって、簡単に取られるつもりもないのだが。

――他にも菖を好きな仲間はいるみたいだけど、負ける気はしないわよ

本から目を離し、雲を見上げながら、ゆりは誰に対してでもなく、宣戦布告をするのだった。




あとがき代わりの後日談(スキット風)

~菖、帰国後~
来海姉妹「「菖くん/さん、おかえり~っ!お土産は~っ?」」
菖「……あ?恩師の葬式で向こうに行ったのに土産もなにもあるか」(-皿-メ
つぼみ「……しょ、菖さん、なんだかちょっと怖いです……」(((;ω; )))
いつき「菖さんが海外に行く用事って、大抵が遺跡探検だから、さも当たり前のようにお土産せびられて怒ってるんじゃないかなぁ……」(^^;
ゆり「おかえりなさい、菖。どうしたのよ?なんだかご立腹みたいだけど」
菖「そこのおバカ二人に聞けばわかる」
ゆり「……あぁ、なるほど……用事が用事だったのにお土産せびられたのね?」
つぼみ「ゆ、ゆりさん、よくわかりますね……」
いつき「さすが幼馴染」
えりか「……もういっそ、結婚しちゃえばいいのに」
菖、ゆり「「……っ???!!え、えりか?!変な冗談言うな/言わないでっ!!」」Σ(///□///
えりか「……およ?」
いつき「……なんか、いつもと反応が……」
つぼみ「違うような……」
ももか「ふ~ん?」(・∀・

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