ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~   作:風森斗真

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ぶっちゃけ、適当な上に短いっす(汗
しかし……ア・ラ・モード、闇堕ち回数多くないすか?(苦笑
この調子でいくと、次回のショコラも闇堕ちしちゃうんじゃ……
一番心配なのはいちか二度めの闇堕ちですが。
(といいつつ、本心では『あ、そ。くだらん』と思っている私がいるんですよねぇ……


とある昼休みの高校生組

キーンコーンカーンコーン。

という、もはや学校のチャイムといわれれば、誰もが思い浮かべるであろう、お馴染みのベルの音が明堂学園内に鳴り響いた。

時刻は正午。昼休みの時間である。

そして、昼休みの楽しみの一つとなれば、やはり友達との昼食だ。

それはももかも例に漏れず。

「ゆ~り!菖くんも一緒にお昼食べよ!!」

「えぇ、構わないわ」

「あぁ、いいよ……と思ったけど、先にいつものとこで待っててくれないか?」

ももかの誘いに、心よく返事するゆりと菖だったが、菖は苦笑しながらそう返した。

「ふぇ?どうして??」

「朝が忙しくて、弁当作るのを忘れてきたんだよ」

ももかが愛らしく首を傾げながら問いかけ、菖はそれに遠い目をしながら答えた。

一方のゆりは菖のその答えを聞いて、あきれ顔になっていた。

「どうせ徹夜で研究論文を読んでたんでしょ?」

「ははは……その通りです」

「よくわかるわね、ゆり」

「登校中にドリンクゼリーを飲んでる姿を見ればだいたい予想がつくわよ……」

感心するももかに、ゆりはため息まじりにそう返した。

なお、この日の菖の朝食は、『十秒チャージ、二時間キープ』が売りのドリンクゼリーと、『一日に必要な栄養をバランスよく得られる』ということで有名なバランス栄養食であった。

もっとも、この日は体育もないため、それだけでも十分、空腹に襲われることはなかったのだが。

「で、菖くんはこれから購買なわけね」

「そういうこと……一番人気の焼きそばパンが一個五十円だから、急ぎたいんだ」

というわけで、行ってくる。

二人にそう言ったかと思うと、菖はその場から消えていた。

が、ゆりはその姿を目で追えていたらしく、廊下の方へと視線を向けていた。

「……早すぎて見えなかった」

「……わたしでもギリギリ追えたのだから、無理ないわね……」

呆然とつぶやくももかに、ゆりは苦笑しながらそう返した。

だが、いつまでもこうして呆けているわけにもいかないので、ゆりとももかは三人の定位置となっているベンチへと急いだ。

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十分ほどして、ベンチに座っていたゆりとももかの視界に、菖が入りこんできた。

その手には、戦利品なのであろう焼きそばパンと、他にも色々と入っている袋が下がっていた。

「……またずいぶんと……」

「朝ごはんがあれだったから、やっぱりお腹すいちゃったのかしら?」

菖の持っている荷物の多さに、ゆりはあきれ顔になり、ももかは苦笑を浮かべていた。そうこうしているうちに、ほくほく顔となっている菖が近づいてくると、ゆりは自分の隣をぽんぽんと軽く叩き、そこに座るように示した。

菖は示されるまま腰をかけると、袋から数種のパンを取り出した。

「お待たせしました」

「それじゃ、食べましょうか」

「うん!それでは、ご一緒に」

「「「いただきます」」」

ももかの号令で、三人は同時に手を合わせ、「いただきます」を合唱した。

三人はほぼ同時に自分たちの昼食に手をつけた。

なお、ゆりとももかは手作り弁当なのは言うまでもないが、菖が勝ちとった戦利品の中から、本日の昼食として選び取ったパンは、大人気の焼きそばパンとなぜか(・・・)売っていたマーボーカレーパンとプリンパンの三種類だ。

焼きそばパンを食べ終えて、菖はマーボーカレーパンに手を伸ばそうとした瞬間、ももかの熱い視線を感じ、思わず口を止めた。

「……」

「……ももかさん、もしかしなくても、食べてみたい……とか?」

「うん!」

菖の質問に、ももかは満面の笑みを浮かべてうなずいた。

少しの間、菖とももかは静かなにらめっこを続けていたが、どうしても食べてみたいももかの顔が徐々に泣き顔へと変わっていくのを見て。

「……はい。辛いから気をつけろよ?」

「わ~い!ありがとーっ!!菖くん、大好き!!」

ちぎられたマーボーカレーパンを手に取り、ももかは明るい笑顔を浮かべながら菖にお礼を言った。

すると、今度はゆりのほうから視線を感じ、菖はゆりのほうへ目をむけた。

ゆりは感情をおさえきれずに、うらやましそうな視線をももかにむけていた。

「……ゆりも食べる?」

「え?……けれど、悪いわ。あなたのお昼なのに」

「いや、正直、焼きそばパンが思った以上にボリュームあってさ……食べきれる自信がないから、手伝って?」

本当はほしいのに遠慮する姿を見て、ゆりらしいと思いつつも、菖はマーボーカレーパンをちぎって渡した。

ゆりは若干、顔を赤らめて、お礼を言いながら、ちぎられたパンを手に取った。

菖からマーボーカレーパンを受け取った二人は、どちらからとなくパンをかじった。

カレーパンなのだから、中にカレーが入っているのは当然なのだが、菖が買ってきたカレーパンは、マーボー(・・・・)カレーパン。

カレーの中に麻婆豆腐が入っているという、辛さと辛さのハイブリッド料理だ。

当然、その辛さは普通のカレーの比ではなく。

「……かっらーーーーーいっ!!」

慣れていないももかは一口食べて悲鳴を上げた。

が、菖の家にお呼ばれした時に、何度かマーボーカレーを食べたことがあるゆりは、涼しい顔をしていた。

「あら、なかなかいけるわね」

「……ゆり、辛くないの?」

「慣れてるから」

ももかの質問に、ゆりはしれっと返した。

ふと、ゆりがももかの方へ視線を向けると、まるで意地悪された、とでも言いたそうに涙を浮かべているももかの顔があった。

その様子があまりにもおかしてく、悪いと思いつつも、ゆりはつい。

「……ぷっ……くくっ……」

と笑ってしまった。

当然、ももかは涙目のまま文句を言い始めたため、ゆりは謝罪したのだが、まだ笑いのツボにはまったままのようで、ごめんなさいと言いつつ、笑みを殺しきれてないという状況になっていた。

当然、ももかはそれにさらに激怒するわけで。

という、無限ループにも近いやり取りが、親友二人の間で繰り広げられている光景を見ながら、菖は。

――いつ見ても飽きないよなぁ……二人のやり取り

暖かな笑みを浮かべ、美少女二人のじゃれあいを見守りながら、残っているパンを口に運ぶのだった。




あとがき代わりのその後の話(スキット風)

~ゆりが落ち着いてから~
ももか「そういえば、菖くん。そっちのパンは?」
菖「こっちはプリンパン。二人の分もあるけど、食べる?」
ももか「え?いいの?!いただきま~す!!」(^0^*
ゆり「……ももか、遠慮がないわね」
菖「とかいいつつ、ゆりも受け取ってるじゃん」(^-^;
ゆり「だっておいしそうなんだもの。しかたないじゃない」(-ω-
菖「ははは……」
ももか「はむっ!……ん~~~~~~っ!!おいし~~っ!!」(^ω^*
ゆり「……たしかに、おいしいわね」
菖「……う~ん、たしかにおいしいけど……」(-ω-
ゆり「あら?あまり納得していない感じね?」
菖「いや、正直、『PANPAKAパン』と比べたら、ねぇ」
ゆり「……あそこのお店は別じゃないかしら?」(-ω-;
ももか「む~っ!二人しかわからない話なんでず~る~い~!あたしもまぜてよ~!」
菖、ゆり「「あ/あら、ごめん/ごめんなさい(……機嫌悪い顔もかわいいんだよな/のね、ももかって)」」

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