ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~   作:風森斗真

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今回はオリジナルですが、正直、かなり適当。
デザトリアンのくだりなんか、もはや無理やりな感じが否めない(汗
う~ん、今度からは日常ほのぼの系にするかなぁ……

ま、ひとまず本編どうぞ。


追跡!菖さんの遺跡に向ける、熱い想い!

とある休日。

いつもならば、植物園に集まってお茶会をしているつぼみ、えりか、いつき、ゆり(ハートキャッチチーム)と菖なのだが、その日は珍しく、菖がいなかった。

「珍しいよねぇ、誘うと必ず来てくれるのに……」

『はらや』の大福を食べながら、えりかがそんな感想を漏らしていた。

つぼみといつきも、菖が来ないという初めての経験に、少しばかり戸惑いを覚えているようだ。

ゆりと薫子だけは訳知りのようで、くすくすと微笑みを浮かべていたが。

「もしかして、ゆりさんとおばあちゃんは何かご存知なんですか?」

「えぇ、つぼみたちがプリキュアになる前から、ね」

「えぇ??!!……もしかして、一人で楽しいことしてるとか?!」

「……本人にとっては楽しいのだろうけれど、わたしは楽しいとは思えないわね」

えりかの一言に、ゆりはティーカップを手に持ちながら返した。

ゆりの返答で、つぼみといつきは菖が何をしているのか、すぐに察することができたが、えりかは疑問符を浮かべていた。

その様子に呆れ返ったゆりに代わって、コロンがヒントを出した。

「セイバーの趣味はなんだっけ?」

「うん?遺跡の探検でしょ……あぁ、そういうこと」

ようやく、えりかも納得したようだ。

どうやら、今日も今日とて遺跡探検に向かっているようだ。

「ほんと……よく飽きずに遺跡探検できるよねぇ」

「けど、なにかに夢中になれるって素敵なことだと思います!」

「そうね。えりかも人のこと、言えないでしょ?」

つぼみの言葉に同意したゆりの問いかけに、えりかは苦笑を浮かべた。

確かに、えりかも菖のことは言えた義理ではない。

なにせ、新たなデザインの考案や服の仕立てとなると、何時間でも部屋にこもっていられる自信があるのだから。

「けど、遺跡って実際、どんな風になってるんだろう?」

「そうね……探検できるほどの遺跡が日本にあるのかしら?」

いつきにしても、ゆりにしても、教科書や資料集で見たことがあるもの以上の知識はない。

遺跡探検といっても、海外ならばともかく、日本にそれほど保存状態のいい遺跡が、はたして存在しているのだろうか、という疑問があるようだ。

「……ここは一つ、菖のあとをつけてみましょうか」

「「「え?!」」」

ゆりの突然の提案に、つぼみたちは一斉にゆりのほうへ視線を向けた。

基本的に、ゆりはだれかを追跡しようという提案をすることはない。

だが、今回は相手が(幼馴染)だからということもあるためか、遠慮がなくなっているようだ。

その証拠に、ゆりの顔にいたずらっ子のような悪い微笑みが浮かんでいた。

もっとも、もともとが美人なためか、つぼみたちはその微笑みすらも魅力的に感じてしまっていた。

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一週間後。

ゆりの提案に賛同したつぼみたちは、ゆりとともに菖が出ていく姿を確認し、追跡を開始した。

菖は、希望ヶ花市から少し離れた山の方へ向かっているようだ。

見失わないように、上空からシプレたちに追跡してもらいつつ、ゆりたちも菖の背後から追跡していった。

しばらく歩いていくと、菖は山の中へと入っていった。

ゆりたちもそれに続き、山の中に入ったが、木々に邪魔されて見失いそうになってしまった。

「ちょ……いったいどこまでいくのよ~……」

「もう結構、奥の方に入りましたよね?」

「……ポプリたち、菖さんのこと見失ってないかなぁ……」

中学生組は体力がそろそろ限界に近づいているためか、弱音が出始めていた。

少し休憩をしようか、とゆりが思った矢先。

「まぁ、そんな軽装備で来たわりには頑張った方じゃないか?」

と、すぐ近くから菖の声が聞こえてきた。

ぎょっ、と目を見開いて前を見ると、いたずらっ子のような笑みを浮かべている菖の姿があった。

「き、気づいていたんですか?!」

「うん、まぁ。山に入ったあたりから」

「ばれないと思ったのに……」

「いや?山に入るまでは完ぺきだったぞ?」

だが、山に入ると下草や落ちている枝が問答無用で物音を立てるため、後ろから誰かがついてきていることに気づくことができたようだ。

種明かしを聞いたゆりは、今度はこっちが質問するのだけど、と前置きをした。

「……それで?こんなところに遺跡なんてあったかしら?」

「あぁ。まだ発表はされてないし、父さんたちにも報告してないからな。それに、見つけたのはほんの二、三週間前くらいだし」

「見つけたって……そんな簡単に?」

あまりに軽い口調に、つぼみは首をかしげた。

日本で遺跡が発掘されるときは、偶然、石器などの何かしらの道具が出土した場合が主であり、あてずっぽうで見つかることはほとんどない。

だが、どうやら菖はあてずっぽうで見つけたわけではないようだ。

「このあたりの郷土史を読んでたら、ある時代、ここは入山禁止の扱いになっていたんだ。理由は、鬼が住むからとか、神隠しに遭うからとか、色々あったけど」

「そうなんですか?」

「そ。で、そういう山ってたいていはご神体や神域だったりするんだけど、このあたりには神社がないし、神主とかがいたって記録もなかったんだ」

「……なら、あるとしたら誰かのお墓、あるいは記録に残らなかった神殿にということね?」

「そういうこと」

菖が何を言いたかったのか理解したゆりが、菖がここへ来た根拠を答えると、菖は、にっ、と笑みを浮かべた。

どうやら、正解だったらしい。

「そ、そんな方法で見つかるんだ……」

「なんか、すごいような、すごくないような……」

なお、考古学者は伝説や伝承から遺跡があると思われる場所を発掘する手法は、あながち間違いではない。

『ギリシャ考古学の父』と呼ばれる、ハインリヒ・シュリーマンはホメロスの『イリーアス』にあるトロイヤ戦争の物語が真実であると考え、発掘作業を行った。

その結果、シュリーマンは古代ギリシャの遺跡を発見、『ギリシャ考古学の父』とまで呼ばれるようになったことは、教養ある人間ならば知るところだ。

「ま、今回は運が良かったってこともあるのかもしれないけど……で、どうする?」

「「「「……え?」」」」

「せっかくここまで来たから、遺跡の入り口だけでも見学していくか、それとも帰るか」

どうやら、趣味に巻きこむつもりはないらしい。

むろん、ゆりたちが軽装だから、ということもあるのだろうが、菖自身があまり大っぴらにしたくないということもあるのだろう。

だが、伝説や伝承だけで位置が特定された遺跡、というものにも、興味があるらしく。

「見てみたいです!」

「見学してくっしゅ!!」

「お邪魔じゃなければ、見学させてください!」

「後学のために、見ておこうかしら」

ということで、全会一致で遺跡見学をすることになった。

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菖が見つけたという遺跡を見学することにしたゆりたちは、見つかった場所から数分、歩いた場所にいた。

彼女たちの目の前には、洞窟のようなものがあった。

一見しただけでは、それを遺跡とはとても言い難かったため。

「……これが遺跡?ただの洞穴じゃん」

と、えりかが率直な感想を口にした。

菖は苦笑しながら、まぁ外見はね、と返し、交通安全のために首から下げる小さいライトをどこからか取り出し、明かりがつくことを確認してからゆりたちに手渡した。

「中は暗いから、スイッチいれて首から下げておいて。それとえりか」

「うぇ?」

「はしゃぐなよ?ものすごく危ないから」

このメンバーの中で一番落ち着きのないえりかに菖がそう警告すると、なんであたしだけ、と文句は言いつつも、従った方がいいと判断したのか、えりかは素直に返事を返した。

全員が準備を終え、洞窟の中へ入っていくと、ゆりたちは目を見開いた。

まず飛びこんできたのは、石でできた鳥居のような門だった。

そして、その奥にはまるで円を描くように平たい石が配置されていた。

だが、驚くべきはそこではない。

壁だ。壁がすべて、石でできている。

もともと、洞窟だったこの穴に運びこんで積み上げたものなのだろうことは、すぐに察しが付いたが。

「なんでこんなものが……それもこんな洞窟の中に?」

「この奥に扉もあったし、鳥居や環状列石(ストーンサークル)があるから、神官の墓か、祭壇なんだと思う」

そう言いながら、菖は環状列石のさらに奥へと進んでいった。

そこには、周りの壁とはまた違う、巨大な石の扉があった。

その先には、どうやら行けないらしい。

「この奥にあるのが何なのか、まだわからない。けど、伝承の通りなら、この奥には……」

そう言いかけた時、出口のほうから、シプレたちが悲鳴を上げて飛んできた。

「「「た、大変ですぅ/ですっ/でしゅ!!」」」

「みんな!外に砂漠の使徒が!!」

コロンが状況を説明した瞬間、つぼみたちは一斉に出口へと走りだした。

菖もすぐ後ろに続き、遺跡の外へと出た。

すると、目の前に突然、スコップの形をしたデザトリアンが視界に飛びこんできた。

もっとも、その腕はつるはしだったのだが。

「ちっ!よりによって発掘道具かよ!!」

「文句はあとよ!菖!!」

「わかってるさ!」

デザトリアンの姿が、慣れ親しんだ道具であることに、菖は顔をしかめ、ゆりに一喝されたが、自分のやるべきことはわかっているため、指抜き手袋を取り出し、左手にはめた。

それは、ゆりたちも同じだった。

それぞれの変身アイテムを取りだすと同時に、妖精たちはパートナーの近くへと飛んでいった。

「「「「プリキュアの種、いくですぅ/ですっ/でしゅ/いくぞ!!」」」」

「「「「プリキュア!オープンマイハート!!」」」」

「心力解放!ユグドセイバー、スタートアップ!」

ゆりたちが妖精からプリキュアの種を受け取ると同時に、菖もまた、手袋に心の花の力を込めた。

その瞬間、五人は光に包まれ、その中で姿を変えた。

「大地に咲く、一輪の花!キュアブロッサム!!」

「海風に揺れる、一輪の花!キュアマリン!!」

「陽の光浴びる、一輪の花!キュアサンシャイン!!」

「月光に冴える、一輪の花!キュアムーンライト!!」

「大樹の騎士、ユグドセイバー!」

「「「「ハートキャッチ!プリキュア!!」」」」

四人が名乗ると同時に、サソリーナはデザトリアンに攻撃を命じた。

すると、デザトリアンは、つるはしの腕を振りあげ、思い切り振り下ろしてきた。

当然、ブロッサムたちは散会してその攻撃を回避したが、セイバーだけはその攻撃を引き抜いた剣で受け止めていた。

「くっ!!」

「スッコー!!」

デザトリアンはもっとつるはしに力を込め、セイバーを押しつぶそうとした。

セイバーはつるはしを受け流すこともせず、その場にとどまっていた。

だが、その隙を見逃すデザトリアンではなかった。

もう片方の腕で、がら空きになっている胴を薙ぎ払いにかかってきた。

さすがにそれを受け止めることはできず、吹き飛ばされてしまった。

「「「セイバー?!」」」

「あらん?なぁんで避けなかったのかしらん?」

サソリーナはセイバーが回避できた攻撃を回避しなかったことを疑問に思い、セイバーの背後に視線を向け、にやり、と笑った。

「もしかしてぇ……そこに壊されたら困るものでもあるのかしらん?だったら……やっちゃいなさい!!デザトリアン!!」

壊されたら困る、というのはあながち間違ってはいない。

だが、サソリーナはそこにセイバーにとって重要なものがあると勘違いしたらしく、デザトリアンに徹底的に破壊するように命令した。

もちろん、それを実行させるほど、セイバーもお人好しではないし、セイバーが身を挺して洞穴をかばった理由を知っているプリキュアたちが許すはずがなかった。

「マリン・シュート!!」

「ブロッサム・シャワー!!」

ブロッサムとマリンが同時にデザトリアンに攻撃を加え、洞穴から引き離した。

「ここに眠っている人の安寧を妨げることは、許しません!!」

「はぁっ?!じゃぁ、そこにはお墓があるだけなの?!……ばっかばかしい!だったらなんでそんなボロボロになってでも守る必要があるのよ?あんたたちには関係のない、しかも大昔の……」

「うっさい、黙れ!」

「うぇ?!」

サソリーナの言葉に、プリキュアたちではなく、セイバーの怒号が響いた。

その瞬間、エターニアハートを翡翠の刃に変形させ、飛行能力を身につけたセイバーが猛スピードでデザトリアンに突っ込んでいき、殴り飛ばした。

「俺たちに関係ない?ばかばかしい?……あぁ、そうだろうさ。少なくとも、お前らやブロッサムたちにすればばかばかしいだろうさ!」

「ちょ?!なんであたしらまで??!!」

「わたしたちはそんなことは……すみません、ちょっと思ってました」

「……ばかばかしいとは思っていないけれど、関係ないというのは、否定できないわね」

「けど、ちょっとひどい気も……」

セイバーの反論に、マリンたちは抗議の声を上げたが、セイバーはそれらを無視して続けた。

「俺たち考古学者はな、あんたらがばかばかしいと思っているものから、自分たちの起源(ルーツ)を紐解いて、"よりよく生きるにはどうすればいいか"とか"俺たちがこれからどこに向かおうとしているのか"を考えていくのが仕事だ!」

歴史学というのは、道楽の学問、といわれていた時代がある。

それは、目を向けるべきは"現代(いま)"であり、過去に目を向けるのはよほど裕福な人間だけという見解からのものだ。

だが、むしろ人間が目を向けるべきは過去であり、過去から学び、よりよい未来を目指すことが歴史学の真髄だ。

特に、考古学や古代史は現代の価値観と大きく異なる時代に焦点を当てているからこそ学ぶべきもの、というのがセイバー()の理論だ。

時代が古くなればなるほど、世界中に住んでいる人間の根源(ルーツ)に近づくということでもあり、それらを知ることで、本当の意味での世界平和を成し遂げるためのヒントを探ることが、菖が生涯をかけて挑むと決めたテーマだ。

だから、たとえ関係のない人間の墓であろうとも、ないがしろにすることは決してない。

だからこそ。

「その想いを理解する前から頭ごなしに否定する連中に、ここをぶち壊させるわけにはいかない!!」

どうやら、お人好しと穏やかさが服を着て歩いているような人間であるセイバーの堪忍袋の緒が切れてしまったようだ。

エターニアハートを元に戻し、セイバーは心の花の力をエターニアハートの刃に乗せた。

「ちょ、やば?!」

「心よ、吼えろ!!エターニア・ブレイドダンス!!」

あまりに素早く必殺技を繰りだされたため、デザトリアンへ命令することも忘れて、サソリーナはその場から離脱した。

一方、逃げ遅れたデザトリアンは、心の花の力を込められたエターニアハートが繰りだす連続攻撃に耐えられず、目を回して倒れてしまった。

だが、浄化するには至っていなかったらしい。

そのことに気づいたムーンライトはブロッサムたちに号令を飛ばした。

「いまよ!!同時にフォルテッシモよ!!」

「「「はい!!」」」

ムーンライトの合図と同時に、ブロッサムたちはタクトとタンバリンに心の花の力を集め始めた。

「花よ、咲き誇れ!プリキュア!ゴールドフォルテ・バースト!!」

「「集まれ!二つの花の力よ!プリキュア!フローラルパワー・フォルテッシモ!!」」

サンシャインの頭上に太陽が出現し、ブロッサムとマリンが心の花の力をその身体にまとって太陽に突撃し、その力を体にまとい、金色の光をその身に宿した。

「プリキュア!シャイニング!!」

「「フォルテッシモ!!」」

三人の心の花の力を合わせたフォルテッシモが、目を回しているデザトリアンに向かっていった。

それと同時に。

「花よ、輝け!プリキュア!フローラルパワー・フォルテッシモ!!」

ムーンライトも自分の心の花の力を身体にまとい、光の弾丸となってブロッサムとマリンと一緒にデザトリアンへ突進した。

三人がデザトリアンの背後に抜けると、三人がぶつかった場所には、金と銀、二色の光でハートが描かれていた。

「「「「ハートキャッチ!」」」」

四人が同時に叫んだ瞬間、デザトリアンを包むように四つの花が出現し、くるくると回転しながら光を放った。

「ぽわわわわ~……」

光につつまれるとデザトリアンは穏やかな顔になり、消滅した。

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その後、興ざめした、というよりも戦闘で疲れたから、という理由で、菖は遺跡調査を切りあげ、ゆりたちとともに帰路についた。

その道中、つぼみは菖に問いかけた。

「あ、あの菖さん。さっき言ってた『伝承』ってなんですか?」

「……ん?つぼみは興味がなかったんじゃなかったっけ?」

「あら?あんな中途半端に話を切りあげられたら、誰だって気になるわよ」

「僕も、その話にちょっと興味があります」

「あたしも~!」

何をしているのか、遺跡探検とはどういうものなのか、という好奇心からついてきた四人だったが、奇しくも菖が考古学に向けている想いを知ったからか、少しだけ、自分たちが住んでいる町の歴史に興味が出たようだ。

もっとも、菖は彼女たちが歴史にほんのちょっと興味が出てきたということは知らず、あの遺跡を発見する根拠となった伝承を話しながら、四人と一緒に帰宅するのだった。




あとがき代わりの後日談~スキット風~

~伝承について~
菖「その昔、ここには不思議な力を持つ天女がいた。天女は特に植物を愛し、悩みを抱える村の人々の心を癒し、助けた。しかし、その力を気味悪がった心ない人間が、いつしか天女を村から追放するようしむけた。天女は、自分がいることで村に争いの種ができるのなら、と村から離れ、山にこもった、申し訳なくおもった数人の村人が、天女に帰ってくるよう、頼みにいったときには、すでにその姿はなく、村人たちは天女が神の国へ帰ってしまったと思い、嘆いたそうな……これが、伝承の概要」
つぼみ「……なんだか、ちょっと悲しいお話です」
えりか「ちょっと変わってるからって、追放することはないのに……」
いつき「天女さま、悲しかっただろうなぁ……」
ゆり「仕方ないわ。人間は、理解できないものが怖いんだもの。天女さまもそれを理解していたから、自分から村を出たのだと思うわ」
菖「たぶん、ゆりの推測が正しいと思うよ。助けられていた村人は天女を間接的に殺してしまったことに罪悪感を覚え、手厚く葬ったってところかな……」
つぼみ「……あの、もしかして、あの遺跡は」
菖「たぶん、その天女に関係するなにか、なんだと思う」
ゆり「けれど、その伝承にいったい、どんな意味が?」
菖「詳しいことは調べてみないとなんとも言えないけど、その伝承が最初に語られたのが、ヤマト政権の成立した時期とかぶってるから、たぶん、地方豪族がヤマト政権に吸収されたことを表しているんじゃないかと思うんだ」
えりか「そんなことまでわかるの?!」
いつき「……もしかして、その時代、このあたりを治めていた豪族は、女の人だったとか?」
菖「その可能性は否定できないけど、どうなんだかね……」
えりか「……なんだか、歴史って、奥が深いっしゅ……夢中にはなれないけど」

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