ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~   作:風森斗真

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※投稿し直したものです

はい、お題の通り
序盤は映画本編とまったく関係ないオリジナルストーリーです
まぁ、ミラクルとマジカルが合流してからもその流れは変わらんと思いますが……

あ、ちなみに今回は()が出てきます
誰のことかって?それは読んでからのお楽しみ!!(まぁ、出てくるのはまだ先ですが)

ひとまず、本編どうぞ

……あ、今回はあとがきありません


みんなで歌う、奇跡の魔法~1、みんなでお花見……のはずだったのに!!~

桜が満開になったころ。

パリへ行ってしまうきららの見送りも兼ねて、オールスターズで一度集まろう、という話があった。

それならば、とめぐみたちがお花見をしようと提案してきたため、桜が美しいと評判の公園に向かうことになった。

 

「そういえば、みんなが集まるのって、かなり久しぶりになるんじゃないか?」

「そういえば、そうね……」

「……なぜかなぁ、わたし、ちょっと嫌な予感が……」

 

菖とゆりがそんなことを話していると、いつきが苦笑を浮かべながら、そんなことをつぶやいた。

プリキュアのみんなが集まる。そこまではいいのだが、なぜかみんなが集まると、セットで新しく誕生した後輩プリキュアと、厄介事が舞い込んでくるのだ。

それも、一度だけでなく、三回も四回も同じことが繰り返されてきた。

 

「そうそう起こってほしくないけどなぁ……」

「……やめましょう?それを考えるのは」

 

苦笑を浮かべながら、ゆりが菖にそう話すが、実のところ、ゆりも同じ気持ちではあった。

そのことについて考えるのはやめて、何事もなくみんなと楽しい時間を過ごせることを祈るばかりだったのだが、その祈りが天に通じることはなかった。

 

ふと、上空から嫌な気配を感じ取った菖は空を見上げると、黒い靄のようなものが菖の視界に入ってきた。

あれは良くないものだ。直感でそう理解した菖は、その靄がゆりとつぼみにむかっていっていることに気付くと。

 

「危ない!!」

 

つぼみとゆりのほうへと駆け出し、二人を突き飛ばした。

いったい、何が起こったのか、なぜ、菖が自分たちを突き飛ばしたのか理解できなかったつぼみとゆりだったが、振り返った瞬間、目に入った光景でその理由を理解した。

黒い靄が、菖を包み込んでいたのだ。その靄から自分たちをかばうために突き飛ばした、ということを瞬時に理解した二人は。

 

「「菖/さんっ!!」」

 

悲痛な声で菖の名前を叫んだ。

だが、菖はなんともなかった。いや、頬を伝っている冷や汗と眉間にしわを寄せているところから察するに、本当に何もなかった、というわけではないようだが、少なくとも、怪我をしたとか、何かのダメージを受けた、ということはないようだ。

 

「……大丈夫……けど、四人とも、注意してくれ」

「え?」

「な、なにが……」

「まさか」

 

菖のもとへ駆け寄ったつぼみたちは、菖が睨んでいる方へ視線を向けた。

そこには、まるでいつぞやのみなとみらいに出現したフュージョンのような黒い何かが不規則に動きながら、何かの形を作り上げていた。

やがて、その何かは、はっきりとした姿に変わった。

 

「ま、まさか……」

「ありえないっしゅ!!」

「そんな!」

「倒したはずなのに……」

「……まさか、こんな形でまた会うことになるなんてな……」

 

その姿に、菖たちは驚愕を隠せなかった。

そこに現れたのは。

 

「「「「……デューンっ!!」」」」

「災禍の顕主……っ!」

 

砂漠の王(デューン)と、誰かの悪夢が集合した姿(災禍の顕主)

そのどちらも、かつて、自分たちが戦い、死闘の末に浄化した、したはずの存在だったのだから。

 

「みんなっ!」

「「「「はいっ!/やるっしゅっ!/えぇっ!」」」」

 

その姿を見た瞬間、菖は四人に呼び掛けた。

四人は、手にココロパフュームとココロポッド(変身アイテム)を構えながら答え、パートナー妖精たちを呼んだ。

 

「「「「プリキュアの種、いくですぅ/ですっ/でしゅ/ぞ!」」」」

「「「「プリキュア!オープンマイハート!」」」」

「心力解放!ユグドセイバー、スタートアップ!!」

「大地に咲く、一輪の花!キュアブロッサム!!」

「海風に揺れる、一輪の花!キュアマリン!!」

「陽の光浴びる、一輪の花!キュアサンシャイン!!」

「月光に冴える、一輪の花!キュアムーンライト!!」

「大樹の騎士、ユグドセイバー!!」

「「「「「ハートキャッチ!プリキュア!!」」」」」

 

五人が変身を終えたと同時に、デューンと災禍の顕主は同時に襲いかかってきた。

いきなり戦闘を仕掛けられた五人だったが、これまで戦ってきた経験が生きたのか、慌てることなく、応戦することができた。

だが、五人が五人とも、心のうちは穏やかではなかった。

なぜなら。

 

――こんなお花見日和のときに!!

――なんで襲ってくるのよ!!

――せっかくのいい気分が台無しだよ!!

――なぎさじゃないけど

――ぶっちゃけ、ありえない!!

 

五人が五人とも、お花見を楽しみにしていたというのに、水を差された気分にさせられてしまったのだから。

もっとも、これを仕掛けてきた張本人たちは、そんなことは一切、知ったことではないようだが。


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