ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~   作:風森斗真

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いやはや、これで最後と
お次は奇跡の魔法編だけど……しばらくは別の話を中心に流そうかな、とか考えてます

ともあれ、本編どうぞ


春のカーニバル~Ep.10:守護神暴走?!ステージの続きは……~

解放されたプリキュアオールスターズの面々と、二人の守護騎士たちが騙されたうっぷんを晴らすかのように、ドロボーンたちを相手に大暴れしていた。

当然、無事だったドロボーンたちは逃げ惑うのだったが。

 

「こーらーっ!なんで逃げてんだ!!真面目に戦えーーーーーっ!!」

 

自分では戦わないオドレンがそう叫ぶと、当然のようにドロボーンたちから文句が飛んできた。

だが、自分が弱い、ということを自覚しているらしく、オドレンは開き直ったように、まともにやってかなうわけないだろ、と反論していた。

 

そんな光景はお構いなしに、プリキュアたちはステージに残っていた妖精たちを避難させ、囚われていた王族を救い出し、城を占拠していたドロボーンたちを一掃していった。

そんな中、ひときわ大きい音が響いてきた。

オドレンとウタエンが音のした方へ視線を向けると、ラブリーとフローラの二人が崩壊したステージの前でハイタッチを交わしていた。

どうやら、二人でステージを破壊してしまったらしい。

 

「あ……」

「あ……」

「「……ありえねぇだろっ/っすよっ??!!」」

 

女の子の細腕の、どこにそんな力が。

と、盗賊二人が驚愕したその時だった。

 

突如、空に爆音が響きわたった。

これがただの爆発音ではないことは、誰でも理解できた。

なぜなら。

 

「「……ド……」」

「「……ド……ド……」」

「「「「ドラゴンーーーーーーーーっ??!!」」」」

 

声が響いてきた方向へ視線を向けると、そこには巨大な一頭の龍がいた。

その龍こそ、ハルモニア王国を守護する守り神である守護龍である。だが、その瞳は、なぜか怒りの炎をたぎらせていた。

なぜ、ドラゴンが怒っているのか、想いを伝えるプリキュアであるエコーには理解できた。

 

「あのドラゴン……楽しみにしていたカーニバルをめちゃくちゃにされて怒ってる……」

「おいおい、だからって……やばっ!!」

 

アステアはドラゴンの口の中からチラチラと漏れ出ている火の粉を見て、ドラゴンが次に何をしようとしているかを理解し、エコーをかばうように前に出た。

案の定、ドラゴンが口を開くと、炎を吐き出してきた。

アステアは朱槍を呼び出し、両手で回し始めた。

 

槍の遠心力で生み出された風が、ドラゴンの炎を二つに割き、アステアと背後にいたエコーを守った。

だが、周辺にいたドロボーンたちは、炎にあおられ、消え去ってしまった。

どうにか事なきを得た二人だったが、ドラゴンの攻撃はさらに続き、ハルモニアに甚大なダメージを与えていた。

 

「プリキュア!サファイア・アロー!」

蒼い雨は天をも穿つ(蒼雨天穿)!!」

「マリン・シュート!!」

「プリキュア!ビューティー・ブリザード!!」

「プリキュア!ダイヤモンドダスト!!」

 

青い弓を持つ姿に変身したセイバーと、水や氷の力を操るプリキュアたちが必死に消火にあたり。

 

「ルミナス!ハーティエル・アンクション!!」

「プリキュア!エメラルド・ソーサー!!」

「サンフラワーイージス!!」

「カッチカチの!ロゼッタウォール!!」

 

飛んでくる炎を、盾を使えるメンバーが防ぎ、被害が広がらないよう、食い止めていた。

が、次から次へと降ってくる炎のせいで、消火が追い付かずにいた。

どうにかしなければ。

誰もがそう思った時だった。

フローラたち、プリンセス組が手に持っていた、新たなドレスアップキーが淡い光を放ちだした。

 

「これは?」

「ドレスアップキーが……」

「光ってる?」

 

もしや、このキーを使え、ということなのだろうか。

ドレスアップキーの輝きに困惑しながらも、フローラたちはキーをプリンセスパフュームに差し込んだ。

すると、フローラたちの体を、ドレスアップキーを包んでいたものと同じ光が包み込んだ。

その光に、守護龍も動きを止め、フローラたちのほうへ視線を向けた。

 

このあと、いったいどうすれば。

そんな想いがフローラたちの頭をよぎったときだった。

 

「大丈夫、わたしたちもいます!」

「わたしたちの力、受け取って!」

「大丈夫!できるよ!」

「だって、わたしたち」

 

プリキュアだから!

 

いつの間にか後ろにいた、先輩プリキュアたちの言葉とともに、フローラたちは力がみなぎってくる感覚を覚えた。

先輩たちからもらった勇気と力に報いるため、フローラたちはドレスアップキーを回した。

 

「「「モードエレガント!プリマヴェーラ!!」」」

 

鍵を回した瞬間、フローラたちのコスチュームが変化し、絵本に出てくるお姫様(プリンセス)のような姿へと変わった。

モードエレガントへと変身したフローラたちは、両手に光を集め、守護龍に向かって、その手のひらをかざした。

 

「「「プリキュア!レインボートルネード!!」」」

 

その名の通り、虹の竜巻がフローラたちの手から放たれ、守護龍を包み込んだ。

だが、その光は決して守護龍を攻撃するためのものではない。

怒りを鎮め、思い出してもらうためのもの。

歌とダンスは、カーニバルは、本来、楽しいものだということを。

光が収まり、渦の中から守護龍が姿を見せた。

だが、その瞳にはもう怒りの炎は灯っていなかった。

 

守護龍の怒りを無事に鎮めることができたことを悟ったフローラたちは、安堵の表情を浮かべて、後ろで支えてくれていた先輩たちに。

 

「「「みんな!ありがとう!!」」」

 

満面の笑みを浮かべて、お礼をいった。

その瞬間、守護龍が突然、低いうなり声を上げた。

怒りは鎮めたはず。今度はいったい、と困惑していると、グレルとエンエンが何かに気づいたように、フローラたちの方へむかって声を上げた。

 

「フローラたちの歌とダンスが見たいんじゃないか?」

「そっか!守護龍は歌とダンスが大好きだし」

「何より、新たに生まれたプリキュア、プリンセス・プリキュアの皆さんの歌とダンスを、守護神様は心より楽しみにしていたのです」

 

エンエンの言葉を引き継ぐように、救出されたハルモニア国王が頭を下げ、三人に頼み込んだ。

 

「どうか、守護神様にあなた方の歌とダンスを捧げていただきたい!」

「もちろん!」

「喜んでやらせていただきますわ!」

「あたしたちがステージに立たないなんて、ありえないしね♪」

 

フローラたちの答えはすでに決まっていた。

何も、国王に頼まれたからではない。

自分たちも、先輩プリキュアたちと同じようにステージに立ち、いつか、同じ輝きを放てるように頑張るという、決意表明の意味を込めて。

フローラたちはステージに立つことを決めていた。

 

----------------------------

 

フローラたちの歌とダンスが終わったのだが、そういえば、何かを忘れているような、と誰もが思い出したその時だった。

 

「レディース、エーン、ジェントルメーン!!」

「お待たせしました!ここからは、プリキュアたちとともに戦う守護騎士たちのステージです!!」

 

なぜか司会をしているグレルとエンエンが、これまたなぜかオドレンとウタエンのようなノリで司会進行を始めた。

そして、全員が全員、この二人の一言で、まだ歌とダンスを……いや、正確には、歌を披露していない参加者がいることを思い出した。

もっとも、当の本人たちも盗賊たちとの対決や守護龍の暴走で忘れかけていたようだが。

 

閑話休題(それはともかく)

 

「それでは、まずはこの二人!」

「僕たちのパートナー、想いを伝える奇跡のプリキュア、キュアエコー!そして、エコーを守るために変身する白銀の守護騎士!」

「その名も、アステア!!」

「二人がお送りする曲は『キミの記憶』!そして、『UNION』!!」

「「二曲、続けてどうぞ!!」」

 

なぜかノリノリのグレルとエンエンが曲を紹介すると、ステージにはキュアエコーに変身したあゆみの姿があった。

その隣には、やはりアステアの鎧をまとった湊がいた。

なお、いつもは背に背負っているか、手に持っている朱槍は、今回はグレルとエンエンに預けているようだ。

ピアノの伴奏が始まり、徐々に曲が進んでいくと、おとなしい雰囲気のあゆみには似つかわしくない、ドラムやギターなどの楽器が軽快な音楽を奏で始めた。

 

「風の声、光の粒、まどろむ君に注ぐ。忘れない、優しい微笑み。悲しみ隠した瞳を……」

 

エコーが歌う中、彼女の脳裏に浮かんでいたのは、湊と同じくらい大切な友達。

思えば、彼がいなければ、みゆきたちと知り合うことはなかったし、自分が変わるきっかけをつかむことはなかった。

それを表すかのように、バックスクリーンの映像も、あゆみと湊にとって、かけがえのない日々が流れていた。

 

その友達には、もう、会うことはできない。

けれど、たとえ会うことはできなくても。

 

「笑ってた、泣いてた、怒ってたキミのこと、覚えている!忘れない!いつまでも……決して、until my life exhauted……」

 

その友達が、ふーちゃんがいたから、自分は変わることができた。

みゆき、あかね、やよい、なお、れいか。それだけではない、たくさんの大好きな友達が、仲間ができた。

湊という、本当に大切な人ができた。

ふーちゃんは、もうここにはいない。

けれど。

 

「君はね、たしかにあの時、私のそばにいた!いつだって、いつだって、いつだって、すぐ横で笑っていた!」

 

もう一度、ふーちゃんに出会えたら伝えたい。

この想いを、表しきれない感謝を。そして、いまある幸せ(ウルトラハッピー)を。

だから、もし、この記憶がなくなったとしても、ふーちゃんとの思い出がなくなったとしても。

 

「なくしても、取り戻す!キミを……I've never leave you……」

 

エコーが歌い終えた瞬間、最初から軽快なリズムのBGMが流れ始めた。

 

「目を醒ませ!僕らの世界が、何者かに侵略されてるぞ!!」

 

エコーが歌った曲とは真逆の、軽快なBGMが流れ、アステアがノリノリで歌い始めた。

バックスクリーンの映像は一転して、今のあゆみと湊の日常が映し出されていた。

他のメンバーと違い、何の変哲もない、穏やかで平和な日々。

それでも、湊のポケットに朱槍のピンが入っていない日々はなかった。

それもすべて、忘れないため。

 

「あの日の誓いってなんだっけ?教室で何を語ってたっけ?このままじゃ約束まで消えてしまう……」

 

ふーちゃんのことだけではない。

自分がアステアとなったきっかけと、今も持ち続けているその想いを、この胸から消さないためだった。

 

「それじゃ、とりあえず同盟を結ぼうか!キミを退屈から、救いに来たんだ!!」

 

バックスクリーンの映像に、笑顔を浮かべながら並び歩く湊とあゆみの映像が流れると、音楽が終わり、ステージに割れんばかりの拍手と歓声が巻き起こった。

 

----------------------------

 

「いやぁ、二人とも歌、うまいんだなぁっ!」

「友達とカラオケに行くことはあるけど、さすがに、二人を連れていけないもんね……ごめんね?」

「気にしないでいいよ!だってあゆみも湊も楽しそうだったもん♪」

 

普段は変身するような大事件が起きるわけでも、まして侵略されそうになっていることもない毎日を送っているため、あゆみはグレルとエンエンにぬいぐるみのふりをさせ続けていることを申し訳なく思っているらしい。

とはいえ、二人ともその辺りはわきまえているし、放課後や休みの日にはいつも外に連れて行ってもらっているので、文句はなかった。

だが、湊もあゆみも、やはりその辺りは気にしているらしい。

 

「……今度、みゆきたちと一緒にカラオケ行こうか?」

「へ?……みゆきちゃんたちの都合が良ければ」

「もちろん!行く行く~っ!!」

「楽しそうだもん!」

「……いいのでしょうか?」

「いいんじゃないかな?だって楽しそうだし!」

「いやぁ、そうは言うけどな……うちは、デートの邪魔したらあかん思うけど?」

「「で、デート?!そ、そんなんじゃないって!!」」

 

あかねの反応に、湊とあゆみは顔を真っ赤にして反論した。

その反応を予想していたのか、あかねは意地の悪い笑みを浮かていた。

仕組まれた反応であったことを理解したあゆみと湊は、さらに顔を真っ赤にして俯いてしまった。

 

「……え、えぇ~っと……」

「な、なんだか収集付かなくなりそうなんで」

「つ、次に行きたいと思いますっ!!」

 

グレルとエンエンが無理やり、話題を転換し、次の曲の紹介へと進んだ。

 

「次にお送りしますのは、守護騎士伝説の原点!」

「その優しさと強さに、プリキュアも妖精もメロメロ?!」

「心の大樹を守護する騎士、ユグドセイバーで!」

「『風の唄』!」

「「さぁ、彼の歌を聞けーーーーーーっ!!」」

 

----------------------------

 

半ば投げやりな曲紹介の後、エレキギターの軽快な旋律が響き渡った。

同時に、様々な楽器がBGMを奏で始め、その中をいつの間に変身していたのか、ユグドセイバーが姿を見せた。

 

「遥かその先へと、君の道を……追い風に乗っていこう!!」

 

バックのスクリーンには、趣味である遺跡探検に精を出す菖の姿が映っていた。

だが、目的のものが見つからなかったのか、少しばかり残念そうにため息をついてた。

もっとも、探す答えが容易く見つかりはしないことなど、菖は、はじめからわかっていた。

けれども、抑えきれない好奇心を満足させるために、はじめからそんなことはわかっていて、考古学の世界に足を踏み出したのだ。

 

「何度も、遠回りして……夢の足跡を、書き足していった世界地図を広げたら!!」

 

基本的な気質が穏やかな菖が、一体、何を求めて、考古学の道を進んだのか。進もうと決意したのか、それは幼馴染のゆりと菖の両親と、長きにわたり彼を育ててきた祖父以外はわかっていない。

周囲の人間からは、仲間であるつぼみたちでさえ、菖のその夢を理解することはなかった。

それでも、夢を追い求める心はとどまることを知らなかった。

 

「響け、風の唄!目を閉じれば、心の声、背中押すよ!目指す雲は、ずっともっと高く……!!」

 

その胸にある夢は、ただ背中を押すだけの風にすぎないかもしれない。

耳を澄まさなければ、聞こえないほど、か細く、頼りない唄かもしれない。けれども、その風が、溢れ出すほどの想いが菖を目指す場所まで押し上げてきたこともまた事実。

その唄に込められた、たくさんの想いに応えるためにも、菖は夢を追い続ける。

追い続けたその先で。

 

「眩いほどの輝きを放つ……君よ、青い旋律になれ!!その願い、高く舞い上がれ!!」

 

セイバーが歌い終わり、変身を解除して席に戻ろうとしたその時だった。

不意に、ステージから微かに、アンコールの声が響いてきた。

その声は徐々に大きくなっていき、やがて、ステージ全体がアンコールの嵐に包まれた。

これだけの声が上がっているのだから、応えないわけにはいかない。

BGM班もそれをわかっていたらしく、休む間もなく、楽器をかき鳴らし始めた。

セイバーも、仕方がない、といった具合でため息をつき、歌い始めた。

 

「ヒカリ、奪うもの脱ぎ捨てて!翔び立つ、覚悟決めて!明日が灯る聖域(場所)へ!羽撃たいてく……Grow up the dark……」

 

バックスクリーンには、雨の中を菖とゆりが背中合わせで立っている映像が映っていた。

気のせいか、ゆりの目が赤くなっているように感じる。

コロンを失ってしまって間もないころ。

 

ゆりはしばらくの間、ふさぎ込んでしまったことがあった。その原因を唯一知っているからこそ、菖はできることを、コロンを取り戻すための手段を探していた。

何も、ゆりにもう一度、立ち上がってもらうためではない。

菖もまた、コロンを取り戻したかったのだ。

 

なんだかんだと不安定な時期であるゆりと菖の間を取り持ってくれていたのは、ほかでもないコロンだった。

コロンのおかげで、ただでさえ強い絆で結ばれていた二人の関係は揺るぎないものに、まさに『最強』と呼ぶにふさわしいものとなっていた。

だからこそ、菖は失ったものを取り戻すため、さながら、夜の闇を駆け抜けていくカラスのように、日々を駆け抜けていった。

 

「夜が暗いほど羽ばたける、五芒星(ほし)が希望をつなぐ!弱さを祓い除けて、生まれ変わる!Grow up the dark!!」

 

菖が歌い終わり、司会者席のほうへと戻ってくると、後ろにいたハートキャッチ組のメンバーと、ひかりと舞が座っていた。

 

「お疲れ様、菖。かっこよかったわよ?」

「「「菖さん、かっこよかったです!」」」

「ありがとう。ゆり、つぼみ、ひかり、舞」

 

菖が微笑みながら四人にお礼を言うと、四人は若干、頬を赤らめて微笑みを返した。

そんな甘酸っぱい空気なんて知ったことはない、という具合に、グレルが質問してきた。

 

「にしてもとっさにアンコールに応えるなんて、さすが菖だな!」

「アンコールが来た時、ぼく、びっくりしちゃったよ!」

「いや、正直、俺もびっくりなんだよねぇ……なぁ?えりか、ひめ??」

 

グレルとエンエンのコメントに返答しながら、菖は笑みを浮かべながらえりかとひめのほうへ視線を向けた。

その背後からは、ビューティー・ブリザードにも匹敵するほどの吹雪が吹き荒れていた。

どうやら、かなりご立腹のようだ。

 

「え……えぇっとぉ……」

「そ、そのぉ……」

「……とりあえず、帰ったらお説教な?」

「「……はいっしゅ/ですぞ……」」

 

笑顔でそう言われたえりかとひめは、反論しても無駄だということを悟り、しおれながらそう返していた。

その様子に、プリキュアたちとパートナー妖精たちは、苦笑を浮かべるのだった。

その瞬間、ひときわ強い風がステージに吹き込んできた。

風上のほうを見ると、そこにはハルモニアの守護龍が羽ばたきながらステージを見下ろしていた。

龍はその瞳を細めると、身をひるがえし、どこかへと飛んで行ってしまった。

 

「……どうやら、守護龍は満足してくれたみたいだな」

「そのようね……一時は冷や冷やしたけれど」

 

守護龍がプリキュアと守護騎士のステージに満足したことを悟った菖とゆりは、安堵の表情を浮かべながらため息をついた。

ふと、背後から本物のハルモニア王国の大臣がティーパーティーが行われることを告げてきた。

むろん、ドレスも用意するとのことで、おしゃれしたい盛りの子たちは一斉に更衣室へと向かっていった。

 

「やれやれ……」

「うふふ♪さ、わたしたちも行きましょう?」

「そうだな」

 

苦笑を浮かべながら、菖はゆりと並んでステージを離れていった。

ふと、その耳に、子供のような声で、ありがとう、という言葉が聞こえてきたような気がした。

 

その後、ノーブル学園に戻ったはるかは、音楽の授業で行われた歌のテストで、見事満点を採ったのだが……それはまた別の話。




あとがき代わりのその後の話

~パーティー中~
ゆり「中々、賑やかなパーティーね」
菖「そりゃプリキュアが全員揃ってるからなぁ」
ゆり「それはそれとして……何か、言う事はないの?」
菖「ん?……あぁ……えっと」
ゆり「……?」
菖「ゆり、似合ってる……すごく、綺麗だ」(/// ///
ゆり「……ず、随分ストレートに言ってくるわね……」(/// ///
菖「そ、そりゃ……似合ってるって思ったんだから、仕方ないだろ?」
ゆり「……そ、そう……」(  ///
ひかり、舞、つぼみ「「「あ!菖さん、ゆりさん!!」」」
菖「……ん?お、ひかり、舞、つぼみ」
ゆり「あら?あなたたちも来たのね?」
ひかり「はい!」(^▽^
舞「菖さんもゆりさんも、ステージお疲れ様でした!」(^▽^
つぼみ「あ、あの……その……か、かっこよかったです!」(///ω///
菖「はは、ありがとう」
ゆり「そういえば、菖?この子たちにもいうことがあるんじゃないの?」
菖「ん?あぁ……」
ひかり、舞、つぼみ「「「え?あ、あの……」」」(/// ///
菖「三人とも似合ってるよ。とてもかわいいよ」
ひかり、舞、つぼみ「「「……っ??!!」」」Σ(///□///
ゆり「……ほんと、いつもストレートよね、あなた……」(/// ///

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