ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~ 作:風森斗真
というわけで、ハートキャッチ組とMH組のステージ
……これ終わったら少し飛ばそうかな……なんか疲れてきたし
あ、ちなみにハートキャッチ組の描写は菖を加えてのオリジナルになってますので悪しからず
「さぁ、それでは次のステージに参りましょう!」
「お次は、歌とダンスでみんなのハートもがっちりキャッチ!!ハートキャッチプリキュアの皆さんで『Alright!ハートキャッチプリキュア』!!」
「そして、プリキュア伝説の始まりといえば、この三人!ふたりはプリキュアMax Heartの皆さんで『DANZEN!ふたりはプリキュア!Max Heart ver.』!!」
「「張り切って、どうぞ!!」」
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ステージが変わり、巨大な花壇が出現すると、ブロッサムたちが踊りだした。
スクリーンには、希望が花市の河原や桜の木が映し出されていた。
そんな中、花畑に咲いている一輪の花を見つめながら、つぼみが何やら真剣な表情を浮かべていた。
そんな中で、シプレが心の種を生み出し、コフレがココロポットに生み出さた種をしまう姿が映った。
そんなシーンから一転、同級生のみんなと並んでお弁当を食べようとしていると、突然、えりかが割り込んできて、だし巻き卵を置いたかと思うと、メインのからあげを取ってしまい、素早く口に放り込んだ。
そのあまりの早業にあぜんとしながらも、楽しみにしていたおかずを取られたことに、つぼみは静かに涙を流していた。
場面は変わり、明堂院家の庭にある池のほとりでは、道着を着た幼いいつきとさつきが空を見上げながら背伸びをしていた。
一陣の風が吹き抜けていったかと思うと、今度は河原へと場面が変わり、成長したいつきとさつきが並んで座りながら、川を眺めていた。
さらに場面が変わり、心の大樹の根本に、ゆりと菖の二人が座っていた。
二人の傍らには、コロンが目を閉じ、安らかな寝息を立てていた。
そんなコロンの様子に微笑みを浮かべてながら、菖とゆりは心の大樹に背を預け、手をつなぎながら枝に咲いている花を見上げていた。
その顔には、穏やかな笑みが浮かんでいたことは、言うまでもない。
妖精たちがマントに変身し、宇宙に飛び立っていく四人のプリキュアと薄緑色に輝く翼のような刃を背後に浮かばせて続く一人の青年の姿へと場面が変わった。
なお、えりかは横着しているのか、それとも触り心地が良すぎて離れがたいのか、コッペにへばりついていた。
いつの間にか、四人はスーパーシルエットに、青年は白いタキシードのようなシルエットに変わり、ブロッサムとマリンが手をつなぎ、その後ろにサンシャインとムーンライト、そして青年が立っていた。
その背後には、ハートキャッチ・オーケストラで呼び出される女神の姿があった。
場面は地球に戻り、ほっこりとした様子で花壇を見つめるつぼみに続くような形で、えりかといつき、ゆり、菖が姿を現し、花壇に咲き誇る花たちに笑みを浮かべていた。
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ステージが暗くなると、突然、ステージ中央にまぶしい光がともり、その中から、ブラックとホワイトが飛び出してきて、見事に着地した。
スクリーンには、階段を駆け上がりながらザケンナーから逃げるほのかが映っていた。
が、その行く先にもザケンナーが控えており、困惑した表情で『ありえない!』と叫んでいた。
一方で、なぎさのほうも追ってくるザケンナーから必死に逃げていた。
だが、そのあまりのしつこさに、やはりこちらも『ありえない!』と叫んでいた。
場面は変わり、三人のたまり場であるキッチンカー・タコカフェの屋上で、なぎさがうずくまっていた。
落ち込んでいたなぎさだったが、その傍らにほのかが、そしてメップルとミップルが姿を見せると、互いの手を取り合い、立ち上がって駆けだした。
ひかりが足元からあふれ出てきた光に包まれ、シャイニールミナスへと変身すると、すでに変身を終えていたブラックが、ザケンナーにむけてラッシュの嵐を、ホワイトは、ある意味で彼女の代名詞とも言える足技でザケンナーを迎え撃っていた。
一方、ルミナスは荒れ果てた荒野をまっすぐなまなざしで見つめていた。
場面が変わり、それぞれの部活で活動しているなぎさとほのか、そして友達と一緒に縁日の投げ輪を楽しむひかりの姿が。最後は、河原でラクロスのパス練習をするなぎさとほのかの姿を、妖精たちと一緒に座って見学するひかりの姿が映されて、曲が終了した。
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「お疲れ様、みんな」
「ありがとう、菖」
「「あ、ありがとうございます!」」
ステージから戻ってきたメンバーを菖が労うと、ゆりとつぼみとひかりが若干、顔を赤くしながら微笑みを浮かべた。
「いやぁ、楽しいステージでございました!」
「えへへ……ありがとうございます!」
「なぎさちゃんたちは、今も妖精のみんなと一緒に暮らしてるんすよね?」
菖に続き、オドレンが感想を伝えると、ウタエンがインタビューを始めた。
「はい。ミップルたちとお別れしたときは、本当につらかったけど……わたしたちは、これからもずっと一緒です!」
ウタエンのインタビューにほのかが答えると、なぎさの方に視線を向けた。
ほのかが何を言いたいのか、理解できていたなぎさは、笑顔で相槌を打っていた。
だが、一緒に暮らしていれば、当然、不満も出てくるわけで。
「でも、メップルなんか、たくさん食べるから困っちゃって……ね?ひかり」
「え?えぇっと……元気があっていいのでは?」
突然、話を振られたひかりは困惑しながらなぎさに返した。
もっとも、たくさん食べる、という一点に関しては、なぎさも人のことは言えないらしく。
「なぎさには言われたくないないメポー!昨日だって、ご飯三杯お替りしてまだ足りないって言ってたくせにメポ!!」
「ちょ?!デリカシーなさすぎ!ありえない!!」
「……もう、なぎさったら……」
「あははは……」
突然、口論を始めたなぎさとメップルに、ほのかとひかりは苦笑を浮かべた。
「ところで、噂では、ハートキャッチプリキュアの皆さんにはもう一人、メンバーがいらっしゃるんっすよね?」
「あぁ、たしかスクリーンに映ってたな、もう一人……ん?そういえば、菖さんも映ってましたが、もしかしてもう一人のメンバーって……」
「はい!何を隠そう、菖さんはわたしたちの頼れる味方です!!」
「その名も、大樹の騎士ユグドセイバーっしゅ!!」
プリキュア以外のメンバーがスクリーンに映っていたことをオドレンが思い出し、つぼみとえりかが、待ってました、とばかりにセイバーを紹介した。
「あ、なるほど。それで菖さんも大切な仲間ってことなんすね……ところで、ゆりさんといい雰囲気だったっすけど……」
「……お、おい、ウタエン!!……無粋なこと聞くもんじゃないぜ?」
スクリーンでのワンシーンが気になったウタエンがゆりに問いかけようとした瞬間、背筋にうすらさむいものを感じ取ったオドレンが慌てて止めた。
事実、まだ歌ってないメンバーと先ほどステージに上がったメンバーの中から、殺気じみた視線が二人にむけられていた。
さすがに地雷原に足を踏み入れてしまったことを悟ったウタエンが、話題を切り替えようと、無理矢理、ハートキャッチ組に質問をぶつけた。
「と、ところで!ハートキャッチプリキュアの妖精のみなさんは、「こころの種」というものを、プリっと生み出すそうっすね?」
「はい!しおれてしまったこころの花が元気になると、シプレたちからこころの種が生まれるんですよ」
「やっぱり、くすぐったら出てくるの?」
同じ仕組みなのか、ひめがつぼみたちにそう問いかけてきた。
だが、えりかから返ってきた答えは、意外なものだった。
「ううん、なんか勝手に、プリっと」
「プリプリっと?」
「プリプリプリっと」
似た者同士の二人がそんなやりとりをしていると、一体、その種はどこから出てくるんだろうか、と疑問を覚えた湊が質問をしようとすると、突然、肩をつかまれた。
肩をつかんでいる腕が伸びている方へ視線を向けると、そこには、笑顔を浮かべながら般若面を浮かび上がらせている菖とゆりの姿があった。
「湊?いま、余計なこと、考えてなかった?」
「え?……い、いや、そんなことは……」
「世の中にはな、知らなくてもいいことがあるんだ。そして、これは知らなくてもいいことだ、イイネ?」
「ア、ハイ」
まるで未来都市に住む人々のようなやり取りをした菖と湊だったが、それにまったく気付く様子もなく、ウタエンが新たな話題をもちこんできた。
「オイラのこころの花はなんなんすかね?」
「う~ん……」
聞かれて、えりかがじーっとウタエンを見つめてると。
「ラフレシアじゃない?」
と答えた。
「それってめちゃくちゃ臭い花じゃないっすか!!」
「あ~……たぶん、ラフレシアよりお化けこんにゃくの花の方が臭いぞ?」
「お化けこんにゃく?」
「ショクダイオオコンニャクのことですね。二年に一度、たった二日しか咲かない、世界最大の花とも言われてます!」
なお、ショクダイオオコンニャクはその名の通り、燭台のような花を咲かせるこんにゃくなのだが、その花の匂いは腐臭に近く、ラフレシアと並び、臭い花として有名である。
ちなみに、ラフレシアの花言葉は"
一方、ここまでのステージを見ていたプリンセス組は。
「みんな、輝いてるわね」
「うんうん!こんなすごいステージ、初めて……って、はるはる?泣いてるの??」
「ううん……こんなにたくさんの人たちが一生懸命戦ってきたんだなって思うと、感動しちゃって」
反応はそれぞれであったが、カーニバルを大いに楽しんでいるようだった。