ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~   作:風森斗真

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少し時間かかったかなぁ……?
というわけで、NS3第二話。
いやもうね……ぶっちゃけると、オリジナル視点になってたりなってなかったりです(オォイ
ちなみに、菖と友護のユメタのお母さんに対する風当たり、少し強めにするつもりです。
尽くすばかりが愛にあらず、ってね
まぁ、どうなるかはこの先をお楽しみに


永遠の友達~Ep2:事件の裏にはやっぱり妖精?!~

光をくぐり抜けると、菖の目の前には、現実ではありえない光景が広がっていた。

 

「……うわ、なんだよ、これ……」

 

色とりどりのサンゴ、空中を泳ぐ魚や泡の中にあるお菓子の数々。

まさに夢の世界ならではの光景なのだが、どうにも違和感を覚えた。

なぜなら、あまりにも()()()()()()()のだ。

だが、その理由はすぐに理解できた。

 

「……なるほど、あれか」

 

その視線の先には、子供たちが楽しそうに遊んでいた。

それも、掃除機のようなものに乗った、小さな妖精と一緒に。

その子供たちの顔に、菖は見覚えがあった。

どれも、ニュースでちらりと映っていた、目を覚まさない奇病にかかった子供たちだった。

 

「……もしかして、ここは夢の世界なのか?」

 

そうつぶやいた瞬間、菖は背後に嫌な気配を感じ取り、振り向いた。

そこには、熊のぬいぐるみのような何かが立っていた。

だが、それがただのぬいぐるみではないということを、菖の直感は見抜いていた。

そして、その直感は正しかった。

 

「アクムーーーーーーーっ!!」

「ちっ!!」

 

突然、腕を振りあげて奇声を上げたかと思うと、ぬいぐるみもどきは振りあげたその腕を思いっきり振り下ろしてきた。

舌打ちしながらもそれを回避した菖は、左手を胸に当てた。

 

「心力解放!ユグドセイバー、スタートアップ!!」

 

そう叫んだ瞬間、菖の体が光を放った。

光に目がくらんだぬいぐるみもどきは、そのまぶしさに目をそらした。

その隙をついたたのように、青く輝く光の矢がぬいぐるみもどきを貫いた。

 

「大樹の騎士、ユグドセイバー!水の執行者(アクリア・ルズローシヴ)!!」

 

菖を包んでいた光の中から、青い光をまとった弓を手にしている、白いマントをまとう戦士が姿を見せた。

その戦士こそ、伝説の戦士プリキュアとともに戦う、もう一人の戦士。心の大樹の守護騎士、ユグドセイバー。菖のもう一つの顔だった。

 

「熱烈な歓迎だったな……こいつは返礼だ!」

 

いきなり殴りかかられたことに怒っているのか、セイバーは弓を構え、心の光の矢を番えた。

 

「我は水、全てを洗い清める、清冽なる流れ!アクリア・ユグドフォルテウェーブ!!」

 

番えた矢を放つと、青い光はまっすぐにぬいぐるみもどきに飛んでいき、その胸に深々と突き刺さった。

 

「あく、むぅ……」

 

ぬいぐるみもどきはうめき声をあげながら、その場に倒れ伏した。

だが、その姿は消えていない。

そのことに違和感と、嫌な予感を覚えたセイバーは即座にその場を離れた。

だが、そのすぐ近くで。

 

「アクムーーーーーーーっ!!」

「うぇっ??!!」

 

先ほど一方的に倒したぬいぐるみもどきと同じ声を上げている、同種と思われるものの声が聞こえてきた。

だが、同時に。

 

「プリキュア!スパークルソード!!」

「プリキュア!ダイアモンドダスト!!」

「プリキュア!ロゼッタリフレクション!!」

 

聞き覚えのある声が聞こえてきた。

その声に、セイバーは思わず陰鬱なため息をついた。

 

「まったく予想してなかったのに……どうして、こうも怪事件の裏にゃプリキュアや妖精たちが絡んでくるのやら……」

 

だが、文句を言っていても仕方がないため、セイバーは再び弓を構え。

 

蒼き雨は天をも穿つ(蒼雨天穿)!!」

 

矢を放った。

放たれた矢は、まっすぐにぬいぐるみもどきを射貫いた。

一方、後輩たち(ドキドキ組)は放たれた矢の発射地点へと視線を向け。

 

『せ、セイバー??!!なんでここに??!!』

 

同時に叫んでいた。

その仲の良さに、セイバーは苦笑を浮かべた。

だが、その表情はすぐに引き締まった。

 

「来るぞっ!!」

 

セイバーのその予告通り、掃除機にまたがったウサギのような妖精が姿を表わした。

妖精がむけてくるその視線には、敵意が込められているようにも感じられた。


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