ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~   作:風森斗真

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斗真「……あかんなぁ……」
えりか「どしたの?」
斗真「DX3のDVDを中古で入手できたんだが、どうしてもセイバーが入ってしまう……」
いつき「あははは……」


未来のともだち~Ep9:誕生!新たなプリキュアともう一人の戦士!!~

集合したプリキュアたちとセイバーの力を借りて、あゆみと湊はフーちゃんのもとへとむかっていた。

「あゆみちゃん、湊くん!もうすぐだよ、頑張って!!」

追従するハッピーが二人の方へ視線を向けてそう叫んだ。

だが、その隙をついたかのように、フュージョンが急接近し、ハッピーを呑みこもうとした。

それに気づいたあゆみは、一歩踏み出し、ハッピーを押しのけた。

当然、ハッピーとあゆみの立ち位置は変わり、今度はあゆみがフュージョンに呑みこまれそうになってしまったのだが、ぐいっと何かに引っ張られ、体が後ろの方へ飛ばされた。

視線を向けると、そこには、フュージョンに呑みこまれていく湊の姿があった。

「湊くん!!」

あゆみが悲鳴を上げると、今度は別の方向からフュージョンが押し寄せてきた。

あまりに突然のことだったことと、他にもフュージョンが襲い掛かってきていたことが重なってしまい、プリキュアたちは二人をかばうことができなかった。

呑みこまれた二人を助けようと、プリキュアたちがむかっていったが、はじき返されてしまった。

そんな中で、あゆみと湊は意識をしっかり保ち、ただ一つの想いを抱いていた。

 

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ひとりぼっちだと思っていた。誰も、わたしの気持ちなんてわかってくれないって思ってた……

けど違った……わたしは、ひとりじゃない!

湊くんが傍にいてくれた、フーちゃんが傍にいてくれた!

それに……ちゃんと言えば、気持ちは伝わる。必ず……わたしの本当の想いを、フーちゃんに知ってほしい……絶対、伝えるんだ!!

フーちゃんのところへ、行きたい!!

 

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終わる、のか?ここで……

何もできないまま?あゆみを、フーちゃんのところに連れていけないまま……?

いいや……終われないよな……あゆみにとっちゃ、フーちゃんは初めてできた友達なんだ。勘違いしたままで、あゆみの本当の気持ちを知らせないままで、終わっていいはずない!!

諦めない!まだ、諦められない!!

あゆみを、フーちゃんのところへ、連れていくまでは!!

 

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フュージョンの中で、二人が同時にそう思った瞬間、不思議なことが起きた。

あゆみと湊を呑みこんだフュージョンの中から、強い光があふれだし、フュージョンを消し去っていったのだ。

プリキュアたちは、その光景をただ呆然と見守っていた。

そして、奇跡が起きた。

二つの光の中から、白いコスチュームをまとったツインテールの少女と、白い鎧とマントをまとった、紅い槍を持つ戦士が姿を現したのだ。

その二人が、あゆみと湊であることは明白だった。

「想いよ、届け!キュアエコー!!」

「守護騎士!アステア!!」

あゆみがプリキュアに、そして湊がもう一人の戦士に変身した。

その事実に、プリキュアたちだけでなく、妖精たちも驚愕していた。

もっとも、一番驚いているのは、変身した当の本人たちであった。

「わ、わたし、なんでプリキュアに……って、もしかして、湊くん??!!」

「なんじゃこりゃ?!……って、あゆみ?プリキュアになれたのか??!!なんで??!!」

お互いの姿に驚愕していると、メロディたちが歩み寄ってきた。

「それは、あなたたちにわたしたちと同じ、熱いハートがあるからよ」

「誰かを守りたい、そんな優しい気持ちがあれば、女の子は誰だってプリキュアに」

「男の子は、プリキュアと並ぶ戦士になれるのよ!」

なんだかよくはわからないが、自分たちにもプリキュアに負けない、強い心があったことに、あゆみと湊――エコーとアステアはどこか嬉しそうな笑みを浮かべていた。

二人は、再び一緒に走ってくれているプリキュアたちと一緒に、フーちゃんがいる塔のもとへとむかっていった。

だが、まるでプリキュアたちを拒絶するかのように、黒い風がその場を包みこんだ。

ハッピーたちは、その風のせいでエコーとアステアの姿を見失ってしまった。

エコーとアステアはハッピーたちとはぐれたことに気づくことなく、だが離れることなく、フーちゃんのもとへむかっていた。

だが、さすがに濃すぎる闇に、どこへ進んだらいいのかわからなくなってしまった。

――フーちゃん

エコーが心のうちでフーちゃんを呼んだ瞬間、アステアの持つ槍が光をまとった。

アステアはそれを見た瞬間、自分がどうするべきかを理解したように、槍を掲げた。

その瞬間、槍はアステアの手から消え、上空へと飛び上がり、砕け散った。

すると、まるで進むべき道を示すかのように、光の道が現れた。

その道ができたのは、アステア一人の力ではないことは、二人ともわかっていた。

「応援してくれている人が、こんなに……」

「……俺たちは、ひとりじゃない。そういうことみたいだな……」

「うん……」

出現した光の道を前に、二人がそうつぶやいた。

「「みんな、ありがとう」」

どちらからとなく、ここにはいない、見知らぬ誰かにお礼を言うと、アルスターはエコーの方へ顔を向け、問いかけた。

「……エコー、ここから先は一人で大丈夫か?」

「うん……ありがとう、湊くん……ううん、アステア」

アステアの問いかけに、エコーは力強くうなずいて返すと、アステアはサムズアップを向けた。

その仮面の下には、きっとあの人懐っこい笑顔があるのだろう。

エコーはそんなことを思いながら、アステアと、自分たちを包んでいる闇の外で応援してくれているみんなに感謝しながら、光の道を進んでいった。

その先で待っているはずの友達のもとへ。自分の、本当の気持ちを伝えるために。


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